消費者危険とは、抜き取り検査を行った際、不合格とすべきロットを合格としてしまう確率の事を言います。この危険は第2種の誤りともいいます。
この消費者危険という言葉は、不合格とすべきロットを合格にする→本来売ることができないものを売ってしまう→消費者側に不利になる→消費者危険といった風に考えていただければ覚えやすいと思います。(もっとも、そんな良くないロットの製品を販売したら生産者側の方こそ大変なことになりそうですが、そこは気にしないようです。)
これに対して、逆に抜き取り検査を行った際、合格とすべきロットを不合格としてしまう確率を生産者危険と言います。こちらは第1種の誤りと言います。
抜き取り検査の場合、抜き取ったモノの不良率からロット全体の不良率を推定します。そのため、タマタマ抜き取ったモノの良品率が高かった場合にこの消費者危険が発生します。
例えば、一万個中10個不良品ならば合格とできる製品があったとします。(0.1%の不良率なら合格)そして、今回全体の中から千個抜き取って検査をするとします。
抜き取った千個中1個が不良品だった場合(0.1%の不良率)このロット全体は合格になります。
しかし、本当はロット全体の不良品は今回抜き出した以外にもあり全体で20個あったとします。(一万個中20個の不良品:0.2%の不良率)このようにこのロットは、本来ならば不合格とすべきロットだったとします。
※正確には、単純にこの様な判断を行ってはダメですが、解説の便宜上このような例にしています。参考:OC曲線
この場合、本来は不合格であるロットを合格にしてしまったわけですから消費者にとって不利ですよね?それなので消費者危険というのです。(消費者にとっての危険)
この消費者危険はβという記号を用いて表します。そして、本当は不合格であるモノをぼんやりしていて合格としてしまうという事から「ぼんやり者の間違い」と呼びます。β→Bでぼんやり者といった感じです。