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売価還元法

財務・会計
2015年10月26日

売価還元法 | 「この売上原価って怪しくない?」簿記を勉強すると必ず遭遇するモヤモヤ感です

売価還元法
売価還元法とは、取扱品目の非常に多い小売業等でよく使われれる棚卸資産(要するに在庫の事ですね)の評価方法の一つで、売値ベースで把握した在庫金額から原価ベースの期末の棚卸資産有高を求めるための方法です。

売上原価を計算しようと考えた場合、期中にどの商品がどれだけ売れたか、売れた商品はいくらの単価で仕入れたものであったかを、先入先出法や、後入先出法、移動平均法などの方法を用いて把握していく必要があります。

「今回売れた商品は、100円で仕入れた商品が3ケと同じ商品だけど101円で仕入れた商品が2ケだった…」などと記録をしていく必要があるのです。

しかし、ちょっと近所のスーパーを思い浮かべて欲しいのですが、小売業などでは非常にたくさんの商品を取り扱っていますよね?

これらの商品を一つ一つ上にあげたような方法で管理していたら非常に手間がかかり、大変なことになります。

そのため、期中に単価を考慮せずに済ますといった売価還元法といった方法が用いられています。

■棚卸をするだけ

(その棚卸がきわめて大変なのですが)定期的にて商品がどれだけ残っているかをチェックする棚卸を行い、その情報と商品毎の売価(値札がついていますからこちらは簡単に把握できます)を掛け合わせて一定のグループごとに売価ベースの商品有り高を算出します。(惣菜とか日配、グロサリー等のグループごとに把握します)

その後、グループごとに算出したその期の原価率を乗じて、原価ベースの在庫有高を求めます。

原価率=(前期末評価額(原価ベース)+当期仕入高)÷(投機売上高+期末在庫高(売価ベース))

まず、原価率を求めそのあと、求めた原価率を用いて期末評価額(原価ベース)を求めます。

期末在庫高(売価ベース)=棚卸数量×売価

期末評価額(原価ベース)=期末在庫高(売価ベース)×原価率

といった計算で算出することができます。

そして、この計算を実施すると、期末評価額が判るのでいわゆる『シイレクリショウクリショウシイレ』といったオマジナイを唱えて売上原価を計算するのです。

(借方)仕入(貸方)繰越商品
(借方)繰越商品(貸方)仕入
※この仕訳を決算整理仕訳として実施することによって仕入勘定に売上原価が計算できます。

計算式にするとこんな感じです。

売上原価=期首在庫+当期仕入高-期末在庫

■この考え方怪しくないですか?

さて、このような売価化還元法ですが、なんだかモヤモヤしませんか?そのようなモヤモヤ感を感じた方は正解です。というのは、この売価還元法は完全に正確ではありません。

だって、どう考えても完全に正しい値にはなりえませんよね?

でも、会計上はこれでよいとされています。企業会計原則真実性の原則で言われるところの真実は相対的真実といった考え方となります。

もっというと、先入先出法を採用していたからといて、先に仕入れたものから売れていくわけではないですし(陳列棚の後ろからワザワザ商品を取るような人、いますよね?)もっと乱暴な最終仕入原価法(最後に仕入れた仕入れ単価を採用する)などといった方式も認められています。

そのため。ここに深入りしても学者先生以外は得をしないので、スルーしておくことを推奨します。

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