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企業会計原則

財務・会計
2013年3月23日

重要性の原則

重要性の原則_001
重要性の原則とは、重要性の乏しいものについては厳密な方法ではなく簡便な方法を用いても正規の簿記の原則に従った処理として許容されるとしたものです。

これは、企業会計原則の一般原則に定められているわけではないのですが、正規の簿記の原則に対する注解として、規定されています。

「え?重要でないものは簡便な処理を行っていいの?正規の簿記の原則に従って、関係者の判断を誤らせないように、真実の報告をするのが会計の目的じゃないの?」と考えられる方もいるかもしれませんね。

確かに、すべての事象を厳密な方法で記帳した方が望ましいとは考えられます。しかしながら、企業会計の目的として、利害関係者(ステークホルダー)の判断を誤らせないようにする事がです。(これを明瞭性の原則と言います)

そのため、関係者の判断を左右しないような、重要度の乏しい事柄については簡便な方法を採っても良いとされています。

例えば、総資産が100億円ある企業を考えてみます。この企業は10年間に元金均等方式で100万円を取引先に貸し付けていたとします。

厳密に言えば、本年返してもらう分の10万円は流動資産にすべきですが、総資産が100億円あるうちの10万円が固定資産に計上されていても、流動資産に計上されていても利害関係者の判断は変わらないですよね?

このようなモノについては、めんどくさいので100万円分すべてを固定資産扱いにしてしまっても良いとするのがこの重要性の原則にのっとった処理の方法となるのです。

関連用語
単一性の原則 
財務・会計
2012年11月24日

企業会計原則

企業会計原則_001
企業会計原則とは、すべての企業が会計処理を行う際にこれに従わなければならないとされている基準のことを言います。いわば、企業会計の憲法といったものです。

企業会計が長年にわたって行われていく中で、いろいろな慣習が生まれました。その中から、一般に公正妥当と認められたものを要約したものです。(複式簿記の考え方自体は1494年にイタリア人数学者のルカ・パチョーリによって紹介されています。その頃、日本では室町時代でした。会計の歴史は長いのですね。)

ここで、「一般に公正妥当と認められたもの」という所に注意してください。これは、誰かが「これからはこうする!」と決めたようなものではなく、慣習の中からみんなが公正で妥当と認めていったものであるという事ですね。

企業会計原則は一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則、および注解からなっています。

企業会計原則、一般原則

財務・会計
2012年7月13日

単一性の原則

単一性の原則_001
単一性の原則とは、企業会計原則の一般原則の一つで「株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。」とするものです

これは企業会計原則の、1.真実性の原則、2.正規の簿記の原則、3.資本取引損益取引区分の原則、4.明瞭性の原則、5.保守主義の原則、6.継続性の原則、7.単一性の原則の7つのうちの一つの原則です。

これは簡単に言うと企業が作る会計帳簿は一つだけにしてくださいねとするものです。

例えば、税務署には利益を極端に少なくした会計帳簿を元にしたデータで申告を行い、金融機関や株主には利益が出ているようにした会計帳簿を元に報告をする。しかし、実態は社長と経理担当者しか…。となるとすごく不正のにおいがします。というか、二重帳簿は不正なので、ダメとするのがこの単一性の原則です。

このまんがでは、どうやらテストの成績が芳しくなく追試を受けなければならない生徒がいるようです。まあ、成績が悪いという事は仕方ないのですが、タイミングが悪い事に、ちょうどコンクールの時期と重なっているため先生が困っています。

その対応策として、提出する成績表を改ざんすると言っています。まあ、言うまでもなくこのようなことはダメですよね。

最後のコマで、悪だくみは露見したようで未然に防がれています。

そして、このように、提出する目的ごとに別々の成績表を作るといった事が許されないように、企業の経営成績や財政状態を示す、財務諸表についても目的別に作成するようなことは許されないのです。

これを、単一性の原則といいます。
財務・会計
2012年7月12日

継続性の原則

継続性の原則_001
継続性の原則とは、企業会計原則の一般原則の一つで「企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。」とするものです

これは企業会計原則の、1.真実性の原則、2.正規の簿記の原則、3.資本取引損益取引区分の原則、4.明瞭性の原則、5.保守主義の原則、6.継続性の原則、7.単一性の原則の7つのうちの一つの原則です。

例えば、減価償却を行うときには、定額法や定率法といった方法が認められています。そして、このどちらを選択するかは基本的に企業の自由です。

しかし、だからと言って会社の都合でコロコロと変えていたら、財務諸表を過去と比較することも難しくなりますし、利益を操作する余地が発生します。(損失がでそうだから、より費用の発生が少ない方法に切り替えるといった事を許していたら何が何だかわからないですよね。)

そのため、といった事は許されないとするのがこの継続性の原則です。

もちろん、正当な理由があれば(現状をよりうまく表示できるなど)会計処理の変更することは許されています。この場合、その理由を財務諸表に注記しておく必要があります。
 
このまんがでは先生が成績の評価基準を変えてしまったようです。このような評価基準の変更が起こると、過去との比較がとても難しくなってしまいます。また、このような評価基準の変更が好きなように行えるのであれば、自分の気に入った生徒の成績を良くする(利益操作に該当しますね)ことは簡単にできてしまいます。

このように、みだりに評価方法を変更する事を防ぎ、過去との比較をできるようにしよう、利益の操作を防ごうというのが継続性の原則の趣旨です。 
財務・会計
2012年7月10日

保守主義の原則 | 収益は慎重に、費用は積極的に計上しましょうという原則です

保守主義の原則_001
保守主義の原則とは、企業会計原則の一般原則の一つで「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。」とするものです。

この保守主義の原則を簡単に言うと、将来何が起こるかわからないので利益は控えめに計上しておきましょうという事です。

これは企業会計原則の、1.真実性の原則、2.正規の簿記の原則、3.資本取引損益取引区分の原則、4.明瞭性の原則、5.保守主義の原則、6.継続性の原則、7.単一性の原則の7つのうちの一つの原則です。

■会計的に将来に備えるためにはどうする方がいい

この保守主義の原則を考える際に、財務諸表を見る人が何を判断するかを考えて見ます。
多くの場合、その企業が倒産しないかどうかを判断するために、財務諸表を見ると考えられます。

例えば、取引先は、せっかく売り上げたとしてもお金が回収できなかったら最悪ですし、金融機関も貸し付けたお金が回収できなかったら何のために金融業をやっているかわかりません。

その意味から、企業が倒産する可能性を判断したいといった動機があると考えられます。
では、この目的に沿う会計処理はどちらだと思いますか?

1.売上などの収益は不確かであってもなるべく計上し、費用は確実なモノしか計上しない


2.売上などの収益は確実なモノだけ計上し、費用は発生しそうな場合は計上しておく。

この1.と2.の会計処理の結果は

収益:1.>2.
費用:1.<2.
利益:1.>2.

となります。

この場合、1.の処理は課題に利益を計上している可能性があり、2.の処理は過小に利益を計上している可能性があります。

目的が倒産しないかどうかの判定である場合、思いもよらぬ倒産は1.のほうが危険性が大きいと考えられます。

そのため、「損失の予想はあらかじめ計上するけれども(貸倒引当金へ繰り入れる(費用)といったイメージですね。)、予想の利益は計上してはならない」といった考え方をとるのです。

また、期末の棚卸資産の簿価と時価を比較して、低い方の金額を採用する(低価法)といった会計処理もこの保守主義の原則で説明できます。

この考え方は、保守主義の原則の表れであるという事ができます。

■保守主義の原則をやり過ぎてはいけない


ここまでの説明で「これって、真実性の原則と矛盾するよね?」と思われた方もいらっしゃると思います。

そうなのです、この保守主義の原則は過剰に適用すると真実の会計報告を歪めてしまいます。そのため、過度な保守主義の適用は禁止されています。

何事もほどほどにしなければならないのです。


このまんがでは、怪しげな感じをうけた取引先に対して、貸倒引当金を設定したようです。この貸倒引当金は、貸し倒れが発生する前に予測で費用を計上するといった考え方です。

まさにこの保守主義の原則の考え方から来ている考え方ですね。
財務・会計
2012年7月9日

明瞭性の原則

明瞭性の原則_001
明瞭性の原則とは、企業会計原則の一般原則の一つで「企業会計は、企業の姿を映し出す鏡だとした場合、企業の真実の姿をできるだけ明瞭な形で反映するものでなければならない。」とするものです。

これは企業会計原則の、1.真実性の原則、2.正規の簿記の原則、3.資本取引損益取引区分の原則、4.明瞭性の原則、5.保守主義の原則、6.継続性の原則、7.単一性の原則の7つのうちの一つの原則です。

この明瞭性の原則を簡単に言うと、財務諸表は利害関係者(ステークホルダー)に企業の財務内容を伝えることが目的ですので、ちゃんと伝わるようにしなきゃダメという事です。

この目的を達成するために、見やすく表示する事(流動性配列法など、財務諸表を見やすく整理して表示する)方法を採る)や、適正に表示する(付属明細書を利用してどのような会計方針を採っているかや、決算後に発生した事象を伝える)事が必要です。

このまんがでは、女子生徒が分かりにくい報告書を持ってきた見たいです。それに対して、先生が文章の書き方をアドバイスしています。

先生は、個性的で分かりにくい報告書ではなく、明瞭な報告書を書いてほしいみたいですね。

財務諸表もこのまんがと同じで、「しっかりと伝わりやすく作らなければならない」とするのが明瞭性の原則です。 
財務・会計
2012年7月9日

資本取引損益取引区分の原則

資本取引損益取引区分の原則_001
資本取引損益取引区分の原則とは、企業会計原則の一般原則の一つで「資本取引損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。」とするものです。

これは企業会計原則の、1.真実性の原則、2.正規の簿記の原則、3.資本取引損益取引区分の原則、4.明瞭性の原則、5.保守主義の原則、6.継続性の原則、7.単一性の原則の7つのうちの一つの原則です。

それでは、資本取引と損益取引が混同されてしまったらどのようなことが起こるのでしょうか?

例えば、会計期間の途中に受けた増資(資本取引ですね)を収益として計上(損益取引ですね)してしまったら実態を表しているでしょうか?

100円の収益と120円の費用が発生している会社(20円の損失が出ていますね)が50円の増資を受けたとします。この時に、資本取引と損益取引を混同して30円の利益が出たとしたら、それは実態を表していないですよね?

こういった事を防ぐための原則がこの、資本取引損益取引区分の原則です。

また、企業は様々な利害関係者(ステークホルダー)に取り囲まれて存在しています。この中には債権者といった企業にお金を貸している立場の人たちがいます。

企業の経営者は建前上は有限責任制度によって守られているので、債権者は企業の純資産の額が債権者の持っている債権の裏付けになっています。それにもかかわらず、企業の資本を損益取引だとされ勝手に配当されると非常に困ってしまいます。

総資産200円、負債100円、純資産100円(自己資本比率50%)の会社だからお金を貸していたにもかかわらず、いつの間にか、純資産のほとんどを配当に回されたりしたら、債権者は守られませんよね。

このまんがでは、男子生徒が出資してもらって得たお金を、収益だと勘違いしていたようです。この男子生徒は、純資産が増えたという事から利益だと思ったようですね。

2コマ目の利益が跳ね上がったとの発言から、先生はこの男子生徒が資本取引と損益取引を混同していることに気が付いたようです。最終的には、今回受けた出資を元手に生産性を向上させて、利益も上げればいいと言っています。

このように、資本取引損益取引区分の原則といったルールがあるので、しっかりと分けて考えなければいけないのです。
財務・会計
2012年7月6日

正規の簿記の原則

正規の簿記の原則_001
正規の簿記の原則とは、企業会計原則の一般原則の一つで「企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。」とするものです。

これは企業会計原則の、1.真実性の原則、2.正規の簿記の原則、3.資本取引損益取引区分の原則、4.明瞭性の原則、5.保守主義の原則、6.継続性の原則、7.単一性の原則の7つのうちの一つの原則です。

企業は様々な利害関係者(ステークホルダー)に取り囲まれて存在しています。そして、それらの利害関係者に正しい財務情報を提供するといった目的で企業会計は行われています。

正規の簿記の原則は、正確な会計帳簿をつけるために定めている原則です。

といっても漠然としていてよく分からないですよね。それでは、正規の簿記の原則はどのような事を満たす必要があるのでしょうか?例で考えてみたいと思います。

・網羅性
例えば、非常に重要な取引先への売上の情報がところどころ抜け落ちていたとします。この場合、必要な情報が抜け落ちているわけなので、正しい利益計算を行う事はできません。このような会計帳簿は正しい情報という事はできないと思います。

このことから会計帳簿は網羅的に記録されていることが必要であるとされています。

・立証性
例えば、仕入500万円との取引が会計帳簿に記されていたとします。しかしその内容については、何の証拠も残っていないとします。何を仕入れたか、どこから仕入れたかそういった情報が残っていなかったとします。

これでは、あとから検証を行う事ができませんし、なんだか不正も発生しやすそうですよね。このことから、企業会計は検証可能な証拠資料に基づいていることが必要とされます。

・秩序性
簿記は非常に秩序だった体系的な技術です。そのため、簿記のルールに則って記帳を行っていれば秩序性はクリアーされます。

このまんがでは、正規の簿記の原則を参考にパートの運営を行っていると言っています。

何を参考にしたかというと、1コマ目では、全ての要素をもらさないように練習するという網羅性を、2コマ目では後から検証できるように証拠を残しておくという立証性を参考にしたようです。

ちょっと信じられない感じですが、本人が正規の簿記の原則を参考にしていると言っているので、そうなのでしょう。 
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