スタック・イン・ザ・ミドル(Stuck in the middle)とはコストリーダーシップと、差別化戦略を同時に追い求めて中途半端(どっちつかず)になっている状況を言います。そして、こうした企業は往々にして業績の低迷に苦しめられると言われています。
ここで、コストリーダーシップとはコスト優位性を追求する戦略です。例えば、基本的な歯の汚れを落とすといった機能を備えた低価格の歯磨き粉を市場に提供するような戦略です。
差別化戦略とは何らかのユニーク性を打ち出していき、それを使って優位性を発揮しようとする戦略です。歯磨き粉で例えると、歯周病予防の効果を前面に打ち出したり、歯を白くするといったプラスアルファの効果を訴求するような戦略です。
じゃあ、安くて差別化されている商品が最強じゃないの?コストリーダーシップと差別化戦略を同時に追求したらとても良いじゃないかと考える企業がでてきます。確かに差別化された製品を安く作れる企業はとても業績が良くなりそうですよね。
しかし、一般的にはコストリーダーシップと差別化戦略は互いにトレードオフ(どちらかを向上させるともう一方が悪くなる)といった関係性を持っているのでなかなか上手くいかないのです。身もふたもない言い方をすれば、差別化するためには金がかかるのです。
そのため、差別化するためにコストをかける事と、コストリーダーシップのためにコストを下げる事はなかなか両立しにくそうですよね。
ここに、3種類の車があるとします。一つは高いですが、非常に差別化されたカッコいい車です。二つ目は、ありきたりなデザインですがちゃんと走るし抜群に安い車もあります。三つ目は、なんとなくかっこいいし、それなりに安い車だとします。
この時、一つ目の高いけどかっこいい車は差別化戦略を選択した結果生まれた製品であると考えることが出来ます。
また、三つ目の抜群に安い車はコストリーダーシップを選択した結果の製品であると考えられます。ここで、二番目の中途半端な車を作ってしまうのが、スタック・イン・ザ・ミドルといった状態であるという事です。
このまんがでは恰幅の良いおじさんが先生に経営の悩みを相談しています。先生は、先生のやっている学食ではコストリーダーシップを採用して上手くいっているし、ライバルの購買は差別化戦略を採用して上手くやっていると言っています。
その言葉を聞いておじさんは、中途半端な自社の戦略がイマイチだと気が付いたようです。そして、この中途半端な状態をスタック・イン・ザ・ミドルといいます。
その言葉を聞いておじさんは、中途半端な自社の戦略がイマイチだと気が付いたようです。そして、この中途半端な状態をスタック・イン・ザ・ミドルといいます。