マクレランド(McClelland)の欲求理論とはモチベーションの理論の一つです。この理論によると、人は「達成欲求」、「権力欲求」、「親和欲求」の3つの欲求を持つとされます。そして、この3つの欲求はマズローの欲求段階説やERG理論のように高次、低次の階層構造を持たないものであるとしています。
それでは3つの欲求をそれぞれを見ていきましょう。
達成欲求
目標を達成したいという欲求です。
この欲求が強い人は責任感が強く、何事も自分で行う事を好みます。また、素早いフィードバックを得ることができる仕事を好み、中程度のリスクの仕事を好みます。
なかなか仕事のパフォーマンスを高めてくれそうな欲求ですね。しかし、この達成欲求が高い人物はマネージャー向いているかというと、必ずしもそうではないようです。
高い達成欲求は、何事も自分で何でもやらねば気がすまず、仕事ができない部下をないがしろにするといった傾向を生み出すため、あまりマネージャー向きの傾向ではないようです。
権力欲求
他の人々に影響力を行使したいという欲求です。
この欲求が強い人は、責任を持つことをや、激しい競争を好みます。また、他者に対して影響力を行使することを好みます。
この権力欲求の強い人はマネージャーに向いているとの調査があります。それは部下に影響力を行使するのがマネージャーの役目であるためです。
親和欲求
他の人々と友好的な人間関係を気づきたいという欲求です。
この欲求が強い人は、他者によく見られたいという傾向が強く、一人で緊張した状態にいるのを好みません。
仲間と仲良くやっていこうという志向なので、この親和欲求が強い人はよいマネージャーになると一見思われますが、そんなことはないという調査結果が出ています。
この親和欲求の強いマネージャーは部下から好かれたいという強い願望を持ちます。そして部下に好かれるために安易に部下の要望を聞き入れてしまい、結果チーム内の不公平感を醸成してしまうといった傾向を持っているためです。一言でいうとチームが「グダグダ」になる可能性を持っているという事ですね。
このまんがでは、パーカッションのリーダーであるメガネ君が非常によくパートをまとめています。それは彼が権力欲求を強く持っているからだと説明されています。