ネットワーク組織とはライン組織のように階層型の組織ではなく、独立した構成要素同士が強みを持ちより、同一階層で双方向につながっている組織のことです。
各構成要素(構成員)の結びつきはかなり緩やかであり、参加や退出は原則として自由で、各構成員の自主性が重視されます。また原則的に上下関係はネットワークの中にはありません。あくまで各自ができることを持ち寄るといったイメージとなります。
この事を指して非階層的な組織であるといわれることもあります。このように、非階層的で参加や退出が自由であるという形なので必ずしも従来の伝統的な組織とは一致しません。
しかし、情報の共有が行われ取引関係も継続的に結ばれており一定の規範に基づいた関係のもとに連結されているため組織として考えられます。
この図のように、上下関係は存在せず、緩やかにつながっているイメージです。
■ネットワーク組織の例
ネットワーク組織で新しいサービスを作ることを考えます。この場合誰かが、「こんな新しいサービスを作りたい」と旗を掲げます。
とするとその理念に賛同した人たちが集まってきて、それぞれの持つ強みを持ち寄って新しいサービスを開発するといったイメージです。
この時集まってきた人の中に上下関係は生まれません。しかし相互に依頼をし引き受けるといった形で、依頼主と受託者といった関係性は生まれてきます。
このように従来型の組織と違い指揮命令系統が存在しないため、指揮命令系統に依存した理不尽な命令等を行うことはできません。
商店街でイベントやることになったよ。
広告とかチラシとか八百屋さんが作るみたいで、大きなのぼり旗については紙問屋が作るみたいだね。
うちは何をするのかしら。
うちは企画が得意だから企画をやろうかなと思ってるよ。
■ネットワーク組織の利点
ネットワーク組織を構築する狙いは、強みを持ち寄ることによって自分単独では生み出せない強みを築くことを狙いとしています。
同じ人と付き合っていれば同じような結果が安定的に得られますが、異質な人付き合うことによっていわゆるイノベーションが発生する可能性が増大します。
またネットワーク型組織の構成員が新しい能力の獲得につながる動きをする機会が増えるといった強みもあります。繋がりが多種多様になりますので従来の組織では考えられなかったようなところから学びを得る機会があるのです。
■ネットワーク組織の弱点
このネットワーク組織は上記のような利点もありますが、各構成員が垂直的な関係ではないめ、外部のパートナーとの関係性の維持に気を使わなければならないといった側面もあります。
せっかく構築した仕組みから自分が排除されたら困りますよね。ただし、自分がネットワークに対してなんら貢献していないとそのようなことになる可能性もあります。
また通常の組織のように指揮命令系統がありませんので、何か物事を非常に素早く処理をしなければならないと言った事は苦手とします。
また誰かが多大な貢献を強いられ短期的に犠牲にならなければならないような仕事の進め方も苦手としています。(それに報いるインセンティブを用意するとかが必要となります。)
このまんがでは、みんなが知恵を持ち寄って学食をよりよくしようとしています。たぶん、せっかくなら美味しくて安いものが食べたいと考え、自主的にアイディアを持ち寄っているのです。
しかし、ネットワーク組織は自主的な参加を前提とした緩やかな結びつきでしかないため、強制できないという弱点があります。最終コマでは 3年生がアイディアをくれなくなったと嘆いていますが、これは自主的に参加してもらっているため、アイディアを出すように強制ができないために生じたことと考えられます。