まんがで気軽に経済用語

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組織論
2015年9月25日

持ち株会 | 会社にとっては非常に利点の多い制度です

持株会
持ち株会とは、福利厚生制度の一環として従業員が自社の株式を持つことを奨励する制度のことを言います。(参考:従業員持ち株会

会社が利息を付けるという社内預金の代わりに、購入価格の数%の援助を会社が行い、従業員に株式を持たせるといったイメージです。
  • 会社のメリット
さて、このような制度ですが、会社にとってはとても大きなメリットがあります。

というのは、従業員さんは、「自社の株式を持っているため、一生懸命働いて業績をアップさせる→株価の上昇→自分の持っている財産が増える」といった事が期待できるため、従業員のモチベーションが上がるのです。

また、安定株主対策にもなります。というのは、従業員持ち株会が株式を持っていたとしても、経営に口を出してくるとは考えにくいです。さらに、企業買収を仕掛けられたような際にも、従業員持ち株会がある程度の株式を持っていれば、それだけ企業の買収は困難となります。

斜に構えた言い方をすれば、従業員持ち株会は、会社にとって都合の良い株主なのですね。

さらに、株価の維持にも役立ちます。というのは、常に一定の(通常は積立形式で運用されるため)株式に対する需要が発生します。つまり、買い圧力が常にかかるという事ですから、株価の上昇要因となりうるのです。
  • 従業員のメリット
さて、このような会社にとって大きなメリットがある制度ですが、従業員にも、一定のメリットがあります。

というのは、購入金額の一部が会社から援助されるので、自分で自社株を購入するよりも、割の良い貯蓄先となりうるという事です。

また、ドルコスト平均法といった効果も発揮されるため、株価が高いときは少なく、株価が安いときには沢山の株式を購入することができます。このことから、長期的には、一株当たりの購入単価を割安に抑えることができるのです。
  • ただし、従業員にとってはリスク大です。
とはいえ、「タマゴを一つの加護に盛るな」といった格言があるように、自分の生活の糧も、財産も、職場に集中して投下するという事は、リスクが大きいように考えられます。
 
例えば、自社の業績が悪くなってしまうと、せっかくためてきた自社株の価値は当然下がりますし、お給料も下がります。最悪の場合、自社株の価値もなくなり、自分の雇用も守られないといった事も発生します。

そのため、自社株会に参加するにしても、あまり入れ込み過ぎない様に気を付けたほうが良いと思われます。(いよいよ、会社の業績が怪しくなってきた時に、自社株会で株を手放すことができるかどうかも見逃せないリスクです。忠誠心を問われるような同調圧力を強くかけられた際に、客観的に判断できる自信がありますか?)

最終的には価値観の問題ですが、自社株を持ちたいなら、自社株会のような制度ではなく、一攫千金のストックオプションを提供しているような企業で働いた方がうま味があるかもしれません。

経営
2015年8月27日

持株会社 | 事業持株会社は実はそんなに珍しくない形態です

持株会社
持株会社とは、株式会社の株式を投資目的ではなく、その会社を支配する目的で持っている会社のことを言います。

株式を持っていると株主総会での議決権を得ることができます。そして、その議決権の過半数を持っていれば、一般的な事項についての普通決議ならば自らの思い通りにできますし、議決権の三分の二以上の株式を持っていれば重要な事項について決議する特別決議を自らの意志だけで行う事ができます。

※特別決議では、定款の変更や、事業譲渡なども行えます。

このように株式を持っていれば相手の会社に対して議決権を行使できるのですが、その議決権の行使によって、相手の会社を支配する事ができます。

例えば、普通決議が自らの意志のみで行える過半数の株式を押さえれば、取締役の選任が自由にできます。そして、取締役を自由に選任できるという事は、会社を支配することができるという事です。

  • 持ち株会社にも種類があります。
このように、相手の会社を支配することを目的として株式を持つのが持ち株会社ですが、この持ち株会社には種類があります。

それは、事業持株会社と金融持株会社、純粋持株会社です。

事業持株会社は、自らも事業を実施します。事業を営む企業が子会社を持っているようなイメージとなります。

例えば自動車メーカーが子会社として部品メーカーを支配するといった場合、親会社の自動車メーカーが持株会社となります。

あまり持株会社といった言葉の響きが似合わない感じがしますね。
金融持株会社は、支配する子会社が金融系の企業のみである場合が該当します。大きな銀行や証券会社を○○ホールディングスといった企業が支配しているような感じです。

巨大金融グループといったイメージで、この金融持株会社は持株会社といった響きがしてきますね。
純粋持株会社とは、持株会社自体は事業を行わず、企業を支配することを主な事業としているような会社のことを指します。
  • 持株会社のメリットは
企業グループ全体がある程度同じ方向を向いていた方が、より強力な力を発揮できるといった事はなんとなく理解できると思います。

範囲の経済を追求し、グループ内でシナジーを求めるといった感じでしょう。

また、規模の追求を一社でやらずに、あえて別企業とする事で、グループ内の特定の企業が大規模な損失を発生させても、通常はグループ内他社には波及しませんし、グループ内の企業は経営的に独立しているので、経営責任が明確になるといった利点があります。
  • 持ち株会社のデメリットは
これらのメリットに対し、グループ会社で事業をやる場合には、グループ会社間の連携が一社で運営する場合と比較して取りにくいですし、同じような事業をグループ内の他社がやっていることにより、グループ内で競合してしまうといった問題点もあります。
組織論
2015年1月29日

モデル賃金 | 平均的な従業員が詳細にわたってどのような報酬を得られるかを示した図です

モデル賃金
モデル賃金とは、ある人が新卒で起業に入社した場合において、いわゆる標準的な昇進や昇格をしていった場合のお給料の推移をモデル化したモノを言います。

イメージとしては、いわゆるその企業で一般的な働き方・貢献をした人がどのような報酬を得るのかを将来にわたって示すようなものです。

例えば、「自分は新卒でこの会社に入るけれども、どの程度の報酬を得られるんだろう?特に優秀でもないけれども、特に劣っているとも思えないので平均的な推移をするはずだ。」といった人がどのような報酬を受けるのかがモデル化されるのです。

もっとも、このモデル賃金全体が押し上げられるようなベースアップが行われたり、定期昇給が行われず、モデル賃金上の低い年齢のままでお給料が停滞する。また、会社自体の業績が芳しくなく、モデル賃金通りにいかないといった事はあり得るので、参考値にしかならない場合があるので注意が必要です。

この数値をあまりあてにし過ぎてしまうと「そうか、30代後半になれば年収が700万になるから、それを当て込んで住宅ローンを…」などという意思決定を行ってしまう可能性が出てきてしまいます。

しかし、このモデル賃金通りに自分の賃金が推移するかどうかは別に会社と約束しているわけではないので、それ程あてにすることはできません。

そのため、上の例のようにそれを当てにして将来の支出の計画を立ててしまうと後々、苦境に立たされる可能性が出てきてしまうのです。

関連用語
賃金カーブ 
経営
2014年8月25日

問題児 | 問題児が花形に育つケースもたくさんあります(育たない可能性も高いので問題児なのですが)

問題児
問題児とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが低く、市場自体の成長率が高い製品群のことを言います。

市場シェアが低いので経験曲線効果はあまり効いてきませんし、競合他社と比較して規模の経済もあまり効きません。つまり、あまりお金が入ってこない事業であるという事ができるのです。

しかも、お金が入ってこないだけなく、お金をどんどんつぎ込んでいく必要があるという特徴もあります。

というのは、市場自体が成長しているので、お金をつぎ込まないと今の市場シェアすら維持できないからです。

「どうしてそんな問題児にお金を使うの?」と考える人もいるかもしれませんが、問題児にお金を使うというのは割とセオリー通りの考え方になっています。

というのは、市場自体は成長しているので上手く立ち回れば大きな市場シェアを獲得することが可能だからです。市場シェアさえ取れれば問題児は花形に育っていきます。

イメージとしては、才能のある若手俳優といった感じです。今はまだ大きく稼げないですが、俳優養成所に通ったり、ちょっと背伸びをした消費活動をすることによって自分を磨いているような感じです。なんとかスターつまり花形になる事を目指してどんどん投資していくような感じですね。

もっとも、市場シェアが採れない内に事業自体の成長率が下がってしまうような場合もあり得ます。

このような場合、負け犬という位置づけになってしまうため、傷口が広がる前に早期撤退するという選択肢もあり得ます。

「問題児」は、「金のなる木」の余剰資金を早いうちに集中投資をして、シェア拡大により「花形事業」にするか、「負け犬」になるのを回避するために、早期撤退するかの判断が必要になります。
生産管理
2014年5月28日

モジュール生産 | みんながそれぞれ自分の持ち場を守るのです

モジュール生産
モジュール生産とは、最終的な製品を生産するメーカーに、部品の供給側が機能毎にあらかじめ組み立てられた部品を納品し生産活動を容易に行えるようにする生産方式の事を言います。

このモジュールは機能的に独立したものであり、モジュール間のつなぎの部分だけしっかりしていれば簡単に切り替えられるという特色があります。(参考:モジュール化

車を例に考えてみると、エンジンはエンジン一式で納品され、ダッシュボードに関連する機能も、細かい部品ではなく、ダッシュボード一式といった感じで納品されるようなイメージです。

このような生産方式の場合、製品メーカーは納品された比較的大きな機能単位の部品ユニットをくみ上げるだけのイメージとなります。部品メーカーからは、ネジ一本とかパーツ一個という小さな単位ではなく、エンジン一式といった、大きな単位で納品されるため、製品メーカーは納品された大きな部品のユニットをくみ上げていけば良いのですね。

そして、各モジュールは機能的に独立しているため、もし不具合があった場合でも、不具合があったモジュールを中心に対応すればよいので管理も簡単となります。
  • 取引が簡単になります
さて、モジュール生産を実施した場合、どのような利点があるのでしょうか?一般的には、納期を短くすることができ、コストも圧縮できると言われています。また、品質の安定化にも効果があるとされています。

機能毎に完成している部品をくみ上げるだけですから、品質は改善しそうですよね?(エンジン一式とかダッシュボード一式で納品されてくるので、組み立てメーカーは組み立てさえミスらなければちゃんとした車が作れそうです。)

また、どこからどれだけの部品を購入するかといった事も考える必要がなくなるため(エンジンに必要な部品をあちこちから調達するのではなく、『エンジン一式』を調達すればよくなります)取引に要する資源が節約されます。(つまりコストダウンですね。)

そして、機能毎に完成している部品をくみ上げるだけですし、材料の購入に必要な折衝も減少するため、納期も短縮されそうです。

このような効果があるため、モジュール生産方式は自動車メーカーなどで取り入れられているのです。

組織論
2013年8月9日

モバイルワーク | 場所にこだわる時代は終わったのかもしれません

モバイルワーク_001
モバイルワークとは、オフィスといった場所にこだわらない働き方の事を言います。文字通り、移動可能な働き方なのですね。
  • モバイルワークの利点とは
このモバイルワークを上手く利用できれば、企業にとっても、働く人にとっても大きな利点があると考えられます。

企業にとっては、非常事態が発生し従業員がオフィスに出勤することができなくなったとしても、事業を継続することが可能になります。(BCP面で有用です)

また、従業員のワークライフバランスに配慮することができ、有能な従業員の確保にもつながります。(これは従業員にとってもメリットですね。)
  • モバイルワークが可能となった理由
 さて、現在では技術の進歩によって地理的な距離はそれほど問題ではなくなってきています。

例えば、グループウェアを活用して、遠隔地の同僚がどのような仕事をしているかを共有するといった事が以前に比べて容易になってきています。

そして、こういった技術の進歩がモバイルワークをより容易にしているのですね。 

関連用語
クラウドコンピューティング
経営
2013年8月2日

モーダルシフト | 従来のトラック頼みの物流から鉄道や船舶を活用しようとする発想です

モーダルシフト_001
モーダルシフトとは、輸送手段を転換することを指し、とくにトラックや航空機での輸送を鉄道や船舶輸送に転換することを指す言葉です。英語ではmodal shiftと表記されます。

さて、どうしてワザワザ輸送手段を転換する必要があるのでしょうか?今まででも、皆様の自宅に荷物はちゃんと届いていましたよね?

「だったらワザワザ変えなくてもいいじゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、モーダルシフトには非常に大きなメリットがあるのです。
  • 環境負荷の低減
まずは、モーダルシフトを行う事によって環境負荷が低くなるというメリットです。

貨物列車を見たことがある人は、その迫力に圧倒され、一見すると鉄道での輸送の方がエネルギーを大量に使うように見えるかもしれませんが、実際には鉄道での輸送はトラックを用いる輸送と比較して非常に使用エネルギーが少なく、効率的です。

また、船舶での輸送も同様に、トラックを用いる輸送よりも使用エネルギーが少ないのです。

このように、使用エネルギーが少ないという事は、排出するCO2の量も少なくなるので、地球温暖化対策にもつながってくるのです。
  • 道路混雑の緩和
また、トラックでの輸送を鉄道や船に切り替えるわけですから、道路の混雑緩和に役立ちます。

道路が混んでいて良い事はあんまりありませんよね?例えば、渋滞による疲れが交通事故を誘発したり、渋滞によって余計に温室効果ガスが排出されたりとあまりいい感じはしませんよね。

この、あまり望ましくない道路混雑を緩和できるわけですから、社会全体にとって大きなメリットがあると考えることができるのです。
  • それぞれの手段のメリットを組み合わせる
さて、鉄道や船舶での輸送については、上記のような大きなメリットがあります。しかし、このような輸送方法が主流でないのにも訳があります。

というのは、鉄道や船舶での輸送は、大きな駅や港同士を結ぶ事しかできないため、結局個別の配送はトラックに頼ることになります。

また、空路を使えば非常に素早く物品を輸送することができるといったメリットや、トラックの個別配送能力も大きなメリットです。

このように、それぞれの輸送手段にはメリットとデメリットがあります。

その為、それぞれの手段を組み合わせて最適な物流が行えるように考えていく必要があるのですね。
経営
2013年8月2日

モータリゼーション | クルマ社会の到来は、新興国で商売をする人にとってすでに起こった未来です

モータリゼーション_001
モータリゼーションとは、クルマ社会が到来し、どんどん進行していくことを示す言葉です。英語ではmotorizationと表記されます。

さて、言葉自体は「へークルマ社会が到来するって意味なんだ」ってことですが、クルマ社会が到来するという事は非常に大きな環境の変化をもたらします。

そして、日本ではこのモータリゼーションはひと段落していますが、新興国ではまさに今進行中の現象なのです。
  • モータリゼーションで変わる(かわった)事
クルマって自分の都合で好きな場所へ移動できるので、とても便利ですよね。そして、この便利な道具をみんなが持つようになると次のような変化が生じると言われています。

1.商圏が変化する

このモータリゼーションが進展すると、郊外に大きな駐車場を持った大規模なショッピングセンターなどが出店するようになります。

その結果、従来の都市の中心部にあった従来の商店街から顧客が流出するなどの大きな商圏の変化が発生するのです。

このことは、われわれは既に経験済みですよね?(地方都市の中心商店街の元気がなくなって、郊外のショッピングセンターにはお客さんが沢山いるという光景です。)


2.買い物弱者等の社会問題が発生する
モータリゼーションの進展によって街がどんどん郊外に移る事は、車を運転できるうちは良いのですが車の運転が困難になったときに問題を引き起こします。

市街地のそばに住んでいない人は、車で買い物等に出かけなければなりませんが、肝心の車が運転できないと言った問題です。

従来ならば、バスや鉄道網がこういった人たちの移動手段となっていたのですが、自家用車での移動が主流となっている地域では、バスも鉄道も採算が合わないのでどんどん撤退してしまいます。

その結果、いざバスや鉄道が必要な時に、バスも鉄道も存在しない、もしくはあっても一日数本しか走っていないので実用に耐えないといった事が行ってしまうのです。
  • すでに起こった未来
こういった事は、我が国と比較してモータリゼーションが進展していない国にとっては、これから発生するすでに起こった未来となります。

そのため、これから海外で事業をしようと考えている人や、海外の読者の皆様にはヒントになるかもしれません。

また、都会でも買い物弱者の方がたくさん発生する事は想定されるため、すでに買い物弱者の問題が発生している地域の知見はビジネスチャンスになるかもしれません。

こういった、すでに起こった未来の知見をまだ起こっていないところに持ち込んで経営する方法をタイムマシン経営と言います。

解説で出てきた用語・関連用語

店舗管理
2013年7月10日

目的客 | 自分のお店を目的地として来てくれるお客様を増やせば商売は安泰です

目的客_001
目的客とは、そのお店や飲食店などの商業施設を利用することも目的として訪れる顧客の事を言います。

と、なんだかわかりにくい定義ですね。簡単な言葉に直すと、いわゆる常連さんのイメージです。

例えば、ラーメン屋さんを考えてみます。常連さんは、そのお店のラーメンが食べたくてワザワザ来店するわけですよね。このことを、目的を持って来店すると捉えれば目的客となります。

また、ラーメンガイドブックなどを見て、○○というお店のラーメンが食べたいと思うような顧客も目的客となります。

つまり【目的客≒常連さん+そのお店に行ってみたいと思って来店したお客さん】といった感じになります。

と書くと、「それって、目的を持って訪れた顧客じゃん」とのツッコミを受けそうですね。
  • どうして目的客が大切なの?
さて、どうして目的客が大切なのでしょうか?「商業施設の魅力が大きくて流動客だけで十分な客数が見込めればいいんじゃないの?だって、同じお客さんでしょ?」と思われる人もいるかもしれません。

確かにそういった考え方もあるかもしれませんが、『新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持コストの5倍かかる』といった経験則を考慮に入れたらどうでしょうか?

なんか、目的客を増やした方が利益につながりそうですよね?

関連用語
経営
2012年10月20日

模倣戦略

模倣戦略_001
模倣戦略とは、他社が先行して販売している製品やサービスと同じようなモノを後発で販売していく戦略です。言いかえると、マネする戦略という事ができます。

もちろん、全く同じようなものを同じような価格で販売していたのでは、先行した企業に勝つことは難しくなります。

そのため、先行して販売されている製品やサービスを改良して販売する、先行して販売されている製品やサービスを単純化して価格を引き下げたものを販売するといった事を行います。

このような戦略は競争地位としてはフォロワー(参考:競争地位の4類型)に位置付けられるような企業が意図的に採る戦略です。

実際に売れている製品やサービスという事は、需要があるという事が実証されているため、開発リスクを負わずに販売していくことが可能となります。

また、このような模倣を競争地位がリーダーに位置付けられるような企業が行う場合、同質化戦略と言われます。(リーダーの戦略定石

この場合は、同じ土俵で戦えば規模の大きな企業の方が有利であるという非常に単純な理屈を利用した戦略です。

いずれにしても、他社を上手に真似するという戦略は有効なのですね。
経済学
2012年7月14日

モラルハザード

モラルハザード_001
モラルハザードとは、危険を回避する手段を用意する事によって逆に払うべき注意を払わなくなり、かえって事故の発生確率が上がってしまう事を言います。

例えば、火事を恐れて、火の元に非常に気を付けていた人がいたとします。この人は心配を解消するために、火災保険に入ったとします。

その結果、心配は解消して以前ほどは火の元に気を付けなくなってしまいました。

このように、問題を起こしても大丈夫といった安心感から払うべき注意を払わなくなることを言います。

このまんがでは、男子生徒が非常に火の元に気を付けています。しかし、火災保険に入った途端、以前ほどは気を付けなくなってしまいました。

このような現象をモラルハザードと言います。 
組織論
2011年12月10日

目標管理(MBO:Management by objectives)

目標管理_001
目標管理とは自らの仕事上の目標を上長と協議しながら設定し、その達成に向けて自己管理する仕組みです。1950年代にドラッカーが提唱されたとされる非常に伝統的で歴史が長い手法です。

■目標管理の効果は

この目標管理は自分自身が決めた目標で管理されるため、仕事のやらされ感とか押し付けられ感がなくなり自ら主体的に動くことができるとされてます。

また目標を明確にしますので、目標が達成できたかどうかが明確になります。達成できたかどうかが明確になりますので、 その後のフィードバックも可能となります。

その結果そのフィードバックを用いて人事評価などに活かしていくこともできるのです。

■目標管理として定める時に留意すること

では、どのようなことが個人の目標に求められるのでしょうか。目標は次のような点に留意する必要があると言われています。

■1.具体的で明確な(測定可能である事が望ましい)目標であること。

 なんとなく頑張るみたいな目標は判断できないため望ましくなく、具体的に「○○を作成する」などといった測定できる目標が望ましいです。

■2.適切な目標レベルを設定する事。

 簡単に達成できる目標を立てて、達成してもあまり意味はありません。

■3.個人の目標と組織の目標とが結びつくような形で目標を設定する事。

 組織の目標に結びつくような個人の業績上の目標であったり能力開発上の目標を設定することがが望ましいです。

通常は一年もしくは半年間を単位として本制度が運用されます。そして、せっかく立てた目標が絵に描いた餅にならないように、目標の期中には必要に応じて上長からの進捗管理やフォローが行われます。また、目標の期末には達成度への上長からのフィードバックを受け取ることができます。

■目標管理のデメリット

と目標管理にとって有利なことをずっと書いてきましたが、目標管理には大きなデメリットがあります。

というのは目標管理は自分で目標を立てるというものが考え方です。しかし目標を立てる際に上長と協議をしながら設定しますので、事実上のノルマになりかねません 。

また業績評価というの、その後の対応ができないために単純に金銭的な報酬でもくれたりしますので、自分で決めた目標が金銭的報酬に直接リンクするという状況が生まれがちです。

そのようになことになると、目標はなるべく低くて発生しやすくしたいと考えるのが従業員の立場ですし、上長としてはなるべく高く達成が困難な目標にすると言ったインセンティブが生まれます。

いずれにしても本来の目標管理で目指す、自主的に能力開発をしていくための管理といった側面は無視されがちなのです。

また日本型の組織によくあることですが、目標管理と PDCA を組み合わせると言ったことが行われます。本当の意味での PDCA ならいいんですが、残念ながら名ばかり PDCA がまかり通っています。

どういうことかと言いますと、チェックして改善対応する際になぜか目標値が上がってしまうといったことです。

本来ならば目標値が高すぎた故に目標値を引き下げる。目標値が高すぎた故に投入する資源を増やすといった意思決定がなされてしかるべきですが、目標値はなぜかが上がり続けます。

このようなことが横行しているため、目標管理の目標値は発生可能なものよりも十分に低くしておきたいと言ったインセンティブが常に生まれるのです。 

このまんがでは、1コマ目から上長であるパートリーダーが後輩の目標の進捗を確認しています。このように定期的に上長がフォローしてくれるとよいですね。
経営
2011年11月8日

モジュール化 | 製品をいくつかの部品群の組み合わせで作る事のメリットとデメリット

モジュール化_001
モジュール化とは一つの複雑なシステム(製品)を機能的に独立した複数の構成要素(モジュール)で構築することを言います。

たとえば、PCの場合、CPUやストレージ(HDDとかSSDですね)、メモリ等のモジュールに分割して考えることができます。この際、各モジュールのインターフェース(つなぎ)の部分を規格化しておくことが大切です。

  • どうしてわざわざモジュール化するの? 

それでは、なぜこのような事が必要なのでしょうか?

1.モジュール化されていない世界を考える

ここで、PCを製造するにあたり、モジュール化が一切なされていない場合を考えてみます。

この場合、各メーカはCPUやHDD、メモリ等の機能を含んだPCという製品を独自に製造する必要がでてきます。

なぜならば、モジュール化されていない世界では他社のCPUは他社のPCでしか動かないように設計されているためです。

また、このような場合にメモリの仕様を変更したら、全体との整合性を確保するためにPC全体の設計を見直す必要があるかもしれません。

これでは機能向上を目指すと言っても簡単には行えませんよね。

2.モジュール化された世界の場合

今度は逆に、モジュール化されている場合を考えてみます。

この場合、あるメーカのPCの処理速度を向上させたいと考えた場合、より速度の速いCPUを搭載すればよくなり、特に全体との整合性を確認する必要がなくなります。

また、各モジュールのインターフェース(つなぎ)の部分を規格化さえしておけば、各モジュールは各々勝手に機能向上を図って問題ありません。

その結果、全て自社で作る場合に比べ、顧客により良いものを提供することが可能となります。

なお、モジュール化が可能となるためには、ある程度規格が決まっていることが前提となります。この決まっている規格をデファクトスタンダードもしくはデジュールスタンダードといいます。
  • モジュール化のメリットを改めて整理すると 
1.共通の部品を使うことで、性能アップ・開発が簡単に行える

上で書いた例のように、選りすぐれたモジュールが生まれた際に、それに取り替えることで性能アップが可能となります。

もっとも、こういった形の性能アップはもっとも性能の悪いモジュールの性能に引きずられますので(こういった考え方をボトルネックと言います)、結局はバランスが重要となります。

例えば、車でエンジンだけ強力なモノに取り替えても、そのほかのモジュールの性能がチープだったら、一番チープなモジュールの性能以上に車の性能はなりません。

2.発注ロットの増加によるコスト低減

みんながモジュールを使うことで、製造ロットが増加します。

するとたくさん作れば作るほど安くなると言った規模の経済が働くため、モジュールの供給業者がコスト削減の果実をシェアする意思があるならば製品価格の低減に役立ちます。

そして、モジュールの供給者がコスト削減の果実をシェアしないとしても、社会全体の生産性は改善します。

3.新規参入が容易になる

極論すれば工場を持たずとも、どのモジュールを組み合わせるのかを指示できれば製造業が可能となります。(こういった形態の製造業をファブレスと言います)
  • モジュール化のデメリット 
このモジュール化ですが、当然デメリットもあります。

1.新規参入を招きやすくなる

モジュール化が進展すると、新規参入が容易となるため競争が激化します。その結果、適正な利潤の確保が難しくなります。

2.差別化要素の維持が難しくなる

既存のモジュールを組み合わせて製造することから、機能面で差異をつけにくくなるため差別化要素の維持が困難になります。

消費者にとってはどれを買っても同じと言った状況となるため、製品価格の低下を招きます。

3.自社に責任のない不具合の影響を受ける危険性がある

すべて自社開発していれば、製品の不具合は自社の責任です。

しかし、利用しているモジュールに不具合があれば、そのモジュールを使っている製品はすべてリコール対象となります。

少し前にエアバックの不具合でメーカーを問わず多数の車種がリコールされたことがあります。このような事が発生すると言ったデメリットがあるのです。
  • 組み合わせるだけでは対応できない製品ならばモジュール化のメリットを強く享受できます
例えば、車など複雑な製品は、モジュールを組み合わせるだけでは製造することができません。

少なくとも、性能の良い自動車は買ってきたモジュールを組み合わせるだけでは実現できませんので、モジュール化が進展しても競合他社と差別化要因を維持することができています。

一方、モジュール化によるコスト低減効果は享受することができるため、おいしいところ取りとなるのです。

しかし、電気自動車の時代が本格的に来るとまた局面が変わってくるかもしれません。電気自動車の場合は、既存のモジュールを組み合わせるといった色合いが強いため、自動車もモジュール化のデメリットを受けることになるかもしれないのです。

このように、技術革新の流れは全体的にモジュール化を進展させる方向に向かっています。

このまんがでは吹奏楽部という団体を一つの複雑なシステムとして考えています。そして、各パートをモジュールになぞらえて説明しています。 今回はパート練習を行うと1コマ目で言っています。それを受けて各パート毎にパート練習を行っています。

この練習の目的は各パートのレベルアップです。そして、各パートがレベルアップして上手くなれば、部全体が上手くなると言っています。

このようにモジュール化している場合、各モジュールのレベルアップによって全体のレベルアップが可能となります。

解説で出てきた用語・関連用語
規模の経済
デファクトスタンダード
デジュールスタンダード
ファブレス
マーケティング
2011年10月6日

最寄品 | 身近な商品なので消費者は購入するために必要最小限の努力しかしません

最寄品_001
最寄品とは消費財を購入のされ方で最寄品、買回品専門品と分類したうちの一つです。

この最寄品は消費者が日常的に頻繁に購入する比較的安価な商品です。消費者はこのような商品を購入する際、必要最小限の努力しかしません。

この必要最小限の努力とは、いくつかのお店を見て回ったり、価格や品質を比較検討するようなことはあまりしないということです。

具体的には、食料品や日用雑貨などが該当します。

最寄品についてまとめると以下のようになります。

1.行動
あまり比較検討などの努力をせず、衝動的に購入する。

2.購買頻度
比較的購買頻度は高い。

3.価格帯
比較的低い価格帯。

4.商圏
比較的狭い範囲となります。そのため近隣の消費者が購買の中心となります。

このまんがでは、焼き芋を素材に最寄品の説明を行っています。3コマ目で言われている通り、買うために特別な努力をしないといった事が最寄品の特徴となっています。
  • 最寄品を取り扱う場合は
この最寄り品という分類は相対的なモノですが、最寄り品を自社が取り扱っている場合は、消費者が気軽に購入できる売り場づくりが重要となります。

そのため、清潔感を持ったお店で購入しやすくする事に主眼を置いて訴求をしていくことを心がけていきます。

適宜POP広告を用いて商品の魅力を訴求しますが、消費者はあまり比較検討をしませんので自社が信頼できるお店であることを訴求し購入しやすいお店作りを優先する必要があります。

また、店舗の従業員によるしっかりとした接客販売よりも、お買い物のしやすいお店作りの方が優先されます。

顧客に対して、ワンストップサービスを提供する(例えば生鮮三品をすべて一応は取り扱う等)ことなどが重要な考え方となってきます。

非計画購買(いわゆる「ついで買い」)も十分にある価格帯ですので、ついでに買ってもらえるような売り場づくりを心がけると客単価向上につながります。
  • 在庫管理について
在庫管理については、ABC分析を行ったうえで、定量発注方式などを適宜組み合わせて対応します。

廃棄ロスを恐れすぎて、機会ロスを発生させないように十分に商品を確保するようにします。ただし、そうはいっても廃棄ロスは最小限に抑えるために日付管理を徹底する等の工夫は必要となります。
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