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マーケティング

マーケティング
2019年11月12日

USP | 単なるセールスポイントや差別化でなく、独自性が重要です

USP_001
USP(Unique Selling Proposition)とは、独自の売りもの、競合と比較して自社の独自の売りものであり、自社サービスを顧客が選ぶための回答といった考え方です。

ユニークすなわち独自のものとまで言っているので非常に強いコンセプトです。
  • キャッチコピーや単なる差別化要因とは違います

さて似たような考え方で差別化要因というものが挙げられます。

自社の商品を競合他社と比較しながらわざわざ選ぶということです。そのため、差別化要因という似たような考え方であると思うかも知れません。

また広告上の売り文句であると考え、キャッチフレーズと混同する可能性もあります。

しかし USP はこの差別化要因やキャッチフレーズよりももっと強い考え方です。

そもそもユニークという言葉には唯一のという意味がありますので、非常にとんがった考え方となります。

  • USPの3つの要素
この考え方を端的に示す3つの要素があります。

・顧客への提案である事
・独自の提案である事
・強力な提案である事

この家の独自の提案であるということが重要です。

この独自のというのは競合他社が同様の提案をすることができないといった意味を持っています。このように非常に強い考え方なのです。

  • 独自の提案とは何か

さてこの独自の提案とはお客様があなたから購入する理由となります。

これは単に高くても買いたいと思わせるレベルでは足りず、この商品だからこのサービスだから買いたいと考えさせる水準まで高める必要があります。

例えば発売当初の iPhone などはそういったものを備えていたのかもしれません。

  • USPは見いだせるのか?
さて中小企業の経営実務において USPを維持することは可能でしょうか。

答えはもちろん可能です。

この USPは企業の活動において全ての段階で見出すことが可能です。

原料の調達から加工、マーケティング営業販売といった一連の行動において競合他社が真似をできない価値を提供できれば USPとなりえます。

例えば、○○市で採れた完全無農薬で育てた野菜だけを使い、アレルギーを持った人でも美味しく食べられる料理を提供するお店などは非常にユニークな存在です。

この場合原材料の調達と野菜だけで美味しいものを作るという加工のノウハウに独自性があります。

  • 実務的にはどうか

ただし、実務的には無理にこの USB を追求することはないと考えます。

なぜならば、模倣が困難であるというユニークさと、市場を無視した自己満足の開発は紙一重だからです。

例えば革新的なサービス業を何かやろうと考えた時に、色々なアイディアは出てくると思います。

しかしそのアイデアが現在競合他社がどこもやっていないということは、アイデアはユニークだからではなく誰もやらないキワモノサービスであるからかもしれません。

もちろん事業を作っていく中でユニークさを見出せるならばそれに越したことありませんか、ユニークさがないからといって優れた事業ではないということではありません。

マーケティング
2019年11月5日

ライフタイムバリュー(lifetime value:LTV) | 顧客生涯価値を高めることが商売のコツです

ライフタイムバリュー_001
ライフタイムバリュー(lifetime value:LTV)とは顧客生涯価値と訳され、顧客がその取引を始めてから終わるまでの期間を通じてもたらす利益の事です。

自社の製品やサービスに対し、顧客が高いロイヤルティを感じれば、長期にわたって(時には文字通り生涯にわたって)リピート購入が期待できます。
 
何度もリピート購入して頂ければ、企業にとって非常に多額の収益をもたらすことにつながります。
 
  • 長く顧客であり続けてもらうと利益が向上します
 
さてどうしてこのLTVが大切なのでしょうか。単にリピート購入を目的としている方でしょうか。
 
それは新規顧客の獲得が難しいからです。 難しいだけではなく多額の費用がかかってしまいます。
 
例えば、新規の顧客と取引を開始するためには、広告宣伝に費用をかけたりといろいろな費用が発生しますよね。
 
しかし、既存のお客さんならばそういった費用は最小限に抑えることが可能となります。
 
そのことから新規顧客を獲得するよりも、既存顧客に反復して購入してもらう方が利益につながりやすいという考え方があります。

読者の皆さんも、好きなお店に通ったり、好きなブランドの商品をいつも買っていたりしませんか?
 
このように、一旦ファンになってくれたお客様は何度も何度も反復して購入してくれるという考え方がライフタイムバリュー(lifetime value:LTV)の考え方です。
 
一説によると1:5の法則と呼ばれるものがあり、新しいお客様を獲得するコストはお客様をつなぎとめておくコストの5倍かかるという法則があります。
 
このような法則を鑑みると、やみくもに新規顧客を追いかけるという方法は経済的にあまり合理的な行動ではありません。
 
そして、この考え方に沿うならば、個々の取引での収益を最大化するのではなく、顧客と長期的にみて良い関係を築くことが重視されます。まじめにコツコツと顧客との関係を築くというイメージですね。
 
このまんがではメガネ君が雨の日も風の日も、日差しの強い日も学食に通っています。このように、常連さんをしっかりと作っていくことが大切なのです。

  • 具体的にライフタイムバリューをどのように活用するか
さてこのLTVという考え方を具体的にどのように活用するのが良いのでしょうか?

まず考えられるのは、顧客獲得にかける費用の目安を得るために活用することです。

例えば、LTVが5000円と見込まれるのであれば、顧客獲得にかける費用は5000円以下でないと最終的には赤字になってしまいます。

一人の顧客からもたらされる利益が、5000円であると見込まれるならば、その顧客を獲得するための費用は5000円以下でなければならないという考え方です。

と、このように考えればそんなに特殊な考え方ではないと理解していただけると思います。

  • ライフタイムバリュー(LTV)はどうやって計算するの?

このライフタイムバリューは顧客が取引を始めてから終わるまでの期間を通じてもたらす利益という定義です。

そこで、次のような計算式を考えることができます。

LTV=顧客からもたらされる収益×購買頻度(年何回買ってくれるか)×顧客の継続年数

ここで、顧客からもたらされる収益とはいろんな考え方がありますか、 単純に粗利益で考えていきます。

すると

LTV=(購入単価×粗利益)×購買頻度×顧客の継続年数

となります。

  • 具体例
では具体的に LTVを計算してみたいと思います。

粗利益率30%で平均購入単価が1000円の釣具屋さんのネットショップを考えて見ます。

このお店では、一度顧客になるとおおむね年4回リピート購入をしてくれる傾向があります。

また一人のお客様は、大体5年間お客様で続けてくれます。

このことからライフタイムバリューを計算すると

LTV=(1,000×30%)×4回×5年=6,000円

となります。

このようなケースで、一人の顧客獲得のために6000円以上の広報費をかけてしまえば赤字になるということが明確になります。

最も、このライフタイムバリューという考え方は長期にわたっての考え方になります。 そのためLTVがプラスだからといって短期的な費用をかけすぎてしまうと、資金繰りの面で問題が発生してしまいます。


onnanoko_bustup
ライフタイムバリューと広報費を比較してプラスになるなら強気でどんどん広報費を掛けられるね。

onnanoko_bustup
って、同業の人がマーケティングの本を読んで学んだらしいのよ。

neko_akire
たしかに、そんな風に思えますけど、本当ですか?

onnanoko_bustup
で、そのお店のお客様はLTVが5万円なので広報費に3万円掛けて頑張ってお客様を確保したのよね。

neko
だったら、たくさん儲かったんですか?あ、でも将来の100円と今日の100円は価値が違うって考え方もあるし…

onnanoko_bustup_2
ううん、そんな複雑なことを考えなくても結果良くなかったの。短期的に広報費を掛けすぎて資金ショートをしてしまったのよね。

マーケティング
2019年11月4日

プライスポイント | 売れ筋の価格ラインをプライスポイントと言うのです

プライスポイント
プライスポイントとは最も売れているプライスラインの事を言います。英語ではprice pointと表記されます。

さて、価格帯の幅はプライスゾーンといい、その中で一定の価格をプライスラインと言います。

これらの関係を図で示すと
プライス説明

といった感じです。

さて、この4本のプライスラインの中で、下から二番目の価格帯が一番売れるとすると、その価格帯をプライスポイントというのです。

簡単に言うと、売れ筋の価格帯といったイメージの言葉ですね。

  • プライスポイントを明確にコントロールする事が大切です

この説明からはプライスポイントが事後的に決まるような印象を受けると思います 。


プライスラインの中で一番の売れ筋がプライスポイントということですから、結果として一番売れたプライスラインがプライスポイントとなるといった印象を受けます。


プライスポイントは自動的に決めるものではなく、 戦略的に決めていく必要があります。


もっと言えば、 売れ筋としたいプライスラインに対して集中的に品揃えをする事で、意図的にプライスポイントを決めていくことができるのです。


 そしてプライスポイントを決めた後に、その上下のプライスラインに商品を配置していくのです。


  • なぜプライスポイントを明確にする必要があるか


お店に買い物に行く時には、大抵の場合予算が決まっていると考えられます。


そしてその予算に基づいて、どこのお店に買いに行くかを決めるというのが消費者の考え方となります。


このような消費者の考え方があるので、プライスポイントを明確にしておいてうちのお店はだいたいこれぐらいの商品を取り扱っていますよというメッセージを発信する必要があるのです。


大体いくらぐらいかかるのかわからないようなお店には、怖くてなかなか行けないと思います。


このようなことを避けるためにプライスポイントを明確にしておく必要があるのです。


そしてこのプライスポイントを明確にすることを徹底しているような業態も存在します。例えば1プライスで品揃えをしているお店や、2 PRICEで品揃えをしているお店などは、 皆さんも思い浮かべることができるのではないでしょうか。


こいたお店には、いくらの予算で買い物をすればいいのかが明確になりますので目的があれば行きやすいと思います。




neko
ウチの売れ筋価格っていくらなんだっけ?

onnanoko_bustup
ウチは980円よ。980円で買い物できるような商品を意図的にたくさん品揃えしているわ。

neko_akire
でも1,480円の商品もあったような?

onnanoko_bustup
そうよ、一番売りたい額の、プライスポイントは980円。後は、1,480円と580円のプライスラインを基本にしているわ。

neko
これならお客様がいくら持ってウチに来ればいいかが明確だからいいですね♪

onnanoko_bustup
お客様がお買い物しやすいお店を作るのには、価格戦略も重要なのよ。


関連用語
アイテム
SKU
プライスレンジ
マーケティング
2019年3月11日

ワンストップサービス | 一カ所で必要な物が揃うのです

ワンストップサービス_001
ワンストップサービスとは、いくつかの分野のサービスを一回で済ますことができる状態を言います。文字通り、ワンストップ(一回止まるだけ)で全部完了するイメージです。

一つの事業者が一カ所で様々なサービスを提供するといったイメージですね。
 

■ワンストップサービスでお客様を囲い込むというメリット

このような、利便性を強調することによってお客様を囲い込むような効果が期待できます。これは、顧客側にとっては便利になるというメリットがあります。

そして、顧客側が便利になるということは、企業側にとっては顧客の囲い込みができるといった事がいえます。

例えば、コンビニに行って、お金を銀行からおろし、住民票を取って、夕飯の買い物もすると言うように、コンビニという場所に行くだけで必要なものやサービス、手続きを全て行えるような事をワンストップサービスと言います。

このような場合、消費者にとってはコンビニに行くだけで必要な事がほとんど揃うので、コンビニにいく動機が生まれるのです。

また、一つの金融機関で、保険も、預金も、投資信託もすべて販売しているような場合もワンストップサービスという事ができますね。

この場合も、顧客にとっては金融機関に行くだけで金融関係の必要が一度ですむので便利なのです。そして便利なので、その金融機関は他の金融機関よりも顧客を引きつけることができる要因となるのです。

neko
ウチのお店に来るお客さんって、この後あちこちに出かけているみたいなんですよ。どうにかもっと便利にできないのですかね。

onnanoko_bustup
そうねぇ。役場にお願いして住民票でも発行できるようにしようかしら。後は、生鮮三品を取り扱って晩ご飯のおかずも用意できるようにしようかしら?

hiyoko
ワンストップサービスってわけですわね。でも、生鮮三品なんかおいたらコンセプトがぶれるから危ないと思うわよ。

客数と客単価を掛け合わせて計算することができます。

そして、このワンストップサービスは、一人のお客様へ多数のサービスを提供する事で客単価を上げる事ができるのです。

上の例で出てきた金融機関が保険や預金、投資信託を販売する場合、それぞれのサービスで収益を得る機会が生まれます。

その結果、客数は一定であっても客単価を高める事が可能です。そして、客単価を高める事で、結果として売上を増やすことが可能なのです。

このまんがでは学食に行けば全てが揃うようにサービスを設計しています。このようなサービスをワンストップサービスと言います。

解説で出てきた用語・関連用語
マーケティング
2019年3月10日

屋外広告 | 屋外に看板を出すので継続的に効果を発揮してくれます

屋外広告_001
野外広告とは、屋外に掲示する広告のことを言います。不特定多数のいわゆる通行人を対象とする広告です。

街を歩いている時によく目にする、看板や広告塔、アドバルーンなどといったモノがこの屋外広告と呼ばれるものです。また、郊外を電車などで走っている時に田畑に立っている大きな広告もこの屋外広告です。

このように、文字通り屋外にある広告を屋外広告と呼びます。

■屋外広告の特徴


屋外広告は、繰り返し目にするので印象に残りやすいですし、広告がターゲットとする対象に合わせてピンポイントで広告を出すことができるのでうまく使えば非常に効果的です。(例えば、地理的に近くにあるお店の広告を出すことになるので無駄が少ないです)

また、比較的広告のコストも安くすることができるのも大きなメリットですね。 

ただ、屋外に広告を出すため、街の美観や安全面などにも影響するのでしっかりと法律で規制されている分野です。

そして法律のみならず、待ってによっては例えば京都のように自治体の条例によって法律以上に強い規制がかけられてる場合もあります。 

このような、ルールを熟知した上でしっかりと良い広告を打っていくことは屋外広告には求められるのです。 

onnanoko_bustup
うちの店もぜひ広告を打とうと思うんだけど何かいい方法ないかな。

neko
新聞広告がいいかも。地域の人に広く知ってもらえるし。後は折込チラシかな。こっちのだともっと細かく地域を狙って宣伝できるから。

onnanoko_bustup
でもチラシ系だと一回しか宣伝できないから、大きな看板を駅前に立てるとかはどうかな。


■主な屋外広告

屋外広告と言うと主に大きな看板などをイメージする方が多いと思います。しかしこの屋外広告とは、屋外に掲示する広告であるため特に看板に限ったものではありません。

例えば大きなディスプレイをピルなどに設置し、通行人に映像として見てると言ったことも行われています。

関東圏の方にとっては、渋谷のスクランブル交差点の大型ディスプレイなどがお馴染みかもしれません。

また繁華街などでは、大型トラックの荷台に企業広告が書いてあって、繁華街を走り回るなどといったことも行われています。

電信柱に掲示されている広告などもこの屋外広告の一種です。またイメージは着きにくいかもしれませんが、飲食店などの暖簾もこの屋外広告であるとされています。

関連法令
野外広告物法

関連用語
マーケティング
2019年2月25日

マス・マーケティング | もっとも効率の良いマーケティング手法ですが機能させるためには莫大な経営資源が必要です

マス・マーケティング_001
マス・マーケティングとは一つの製品を世間一般(一つの市場)に対して大量に作り、大量に流通させ、あらゆる買い手に対して画一的な方法で展開するマーケティングの事です。

■お客様は誰?誰かではない、みんなです

この場合お客様としてもし仮に想定するのであれば、その市場全体で一般的なお客様を想定する形になります。

現在のマーケティングにおいては、市場をセグメント分けして、その分けたセグメントの中の特定の市場をターゲットにして、ポジショニングを明確にして対応します。

しかしそのような面倒なことせずとも売れるのであれば、市場全体をターゲットとした方が潜在顧客が多いですしカスタマイズする手間もかかりません。

経済が成長している時代などはこのマスマーケティングが主流でした。現代においても大手清涼飲料水メーカーなどはこのマスマーケティングの手法で大きな成果をあげています。

■商品と価格、流通の考え方は?

マスマーケティングは単一製品を大量に流通(生産)させ、規模の経済の効果を享受し、最低のコストと価格を達成し、最大の市場シェアを獲得する方法論です。

全ての消費者を対象として商売を行い、市場を細かく分けるのではないので非常に大量の潜在顧客を抱えることになります。

そのため、うまく売れれば非常に多くの顧客に対して販売してこととなります。 そしてお客様が多いということですので、うまくやれれば非常に売上が多く上がります。

■プロモーションのやり方はどうするの?

マスマーケティングは単一製品を単一市場に対して投入するために、テレビやラジオなどのマス媒体を活用し、市場全体へ対するプロモーションを行ったりします。

とにかく、多くの人にリーチすることを目的としています。そして取り扱うアイテム数が少量になりますので、結果として少量のアイテムに対して多数の数の広告が届くことになりますので非常に効率がいいのです。

ただ効率の良さと効果の高さは別の考え方になりますので、マスマーケティングが有効でない市場においてますマーケティングを行っても効果は出ません。

neko
大量に広告を出して、大量に作って安くして、このサイクルが回るとすごく儲かるし、安く手に入るので消費者にとってもメリットがあるよね。

onnanoko_bustup
確かにそうだけどねー。私たちみたいなファンシーショップ業態はやっぱり個別に細かくみずを拾って行かないといけないのかもね。

neko
そうですね。全国展開した可愛い人形ってあるけれども、そんなに多くはないからね。

■マスマーケティングのメリット

もしマスマーケティングのメリットをあげるのならば、上で指摘したように 効率的に非常に多くの消費者顧客候補に対して売り込みをかけることができる。

また商品自体も絞り込まれたラインナップになるため、規模の経済が簡単に追求できる。その結果低コストで大量の売上を上げることができるといった点が挙げられます。

■マスマーケティングのデメリット

しかしマスマーケティングは現在において限られた企業しか利用していません。 なぜかと言うと市場が非常に細分化されており、単一の商品を市場全体に対して売り込むといった方法論自体が陳腐化しつつあるからです。

例えば、飲料水などはみんなが飲んでいてもいいでしょうか、みんなが同じ服を着ていたらどんなにかっこいい洋服でも、どんなに可愛い洋服でも、それは決して素敵なものではありません。

このように物が溢れている時代においてマスマーケティングという手法自体が、陳腐化しつつあるのです。 そのためマスマーケティングのデメリットとして、そもそも手法自体が陳腐化しつつあると言ったことが指摘されます。

■マスマーケティングの先に

とはいえ、マスマーケティングは完全陳腐化したわけではありません。

一部の製品は従来のマスマーケティングで効果を上げているといったケースもあります。 しかし一般的にはマスマーケティングでなくもっと細分化されたマーケティング手法を取るべきであるとされています。

特に経営資源が乏しい企業においては、市場全体で戦うのは難しい。けれども限定された自分の得意な分野であれば十分に戦えるといってことが起こり得ますので、もっと細分化されたマーケティング活動を行っていく形になります。

このまんがでは、新発売のアイスクリームが話題になっています。話題になるように相当量の広告宣伝が行われていることが暗示されています。

また、どこのお店に行っても山積みになっているという状態から大量に流通されていることもわかります。 このように、単一市場に対して大量に単一製品を投入することをマス・マーケティングと言います。

解説で出てきた用語・関連用語
規模の経済
市場シェア
マーケティング
2019年2月20日

バスケット分析 | 買い物カゴの中身を分析して一緒に買われやすいものを発見します

バスケット分析
バスケット分析とは、買い物かごの中に入っているモノ(つまり一緒に購入されるようなモノ)を分析するといったアプローチです。

文字通り、バスケット((買い物)カゴ)を分析すると言った意味合いの言葉なのですね。

■買い物かごを分析して何がわかるの?

さて、買い物かごを分析して何がわかるのでしょうか?「うちの買い物かごを分析されても特売品しか買っていないことぐらいしかわからないよ…」と言う人もいるかもしれませんが、たくさんの情報を集めて分析することによって思いもよらぬ事がわかったりするのです。(こういう特売品しか買わないような人をチェリーピッカーと呼びます。)

例えば、常連である田中さんは来店すると『麻素材のシャツ』と『うちわ』を購入するとします。しかし、決して『化繊が入ったシャツ』と『うちわ』は一緒に購入しないといった事がわかったとします。また、佐藤さんや斉藤さんをはじめとして多くの人にも同様の傾向があったとします。

この事がわかっていた場合、『麻素材フェアー』をする際にはさりげなく『うちわ』を近くに陳列しておいたら売れそうですよね?または、機会ロスを防ぐため、『うちわ』の在庫は『麻素材フェアー』中は多めに持っておく必要があるという意思決定ができそうですよね。

逆に『化学繊維フェア』(こんなイベントは考えにくいですが)をやる際には『うちわ』についてはあまりたくさん在庫を持っても仕方なさそうです。

こういった風に、顧客の買い物かごの中身を分析することによって売れる組み合わせを見つけるというのが基本的な考え方になります。

■データの鉱山を掘るのです


さて、このバスケット分析を実施することで、よく言われるような『紙おむつとビール』といった売れる組み合わせを発見することができます。

そして、現在では一昔前では考えられなかったくらい多くのデータを扱って分析することができるようになっています。

その結果、日々の売り上げデータをどんどん蓄積していき、コンピュータを利用して大量のデータの関連性を探るといった事を行う事が可能となってきています。(こういう考え方をデータマイニングと呼びます。)

kitsune
買い物かごを分析するっていうけど、有名な話があるよね 。

neko
紙おむつとビールね。確かに後付の理由としては休日に紙おむつを買いに来るお父さんが一緒にビールを買うっていうことだけど、なかなか気がつかないよね。

kitsune
ただ紙おむつとビールを一緒に買う傾向が強いと言われても、それが意思決定にうまく使えるかどうかは別の話だよね。売り場的に紙おむつの隣にビールがあったらなんか微妙だし。

onnanoko_bustup
そうよね、分かったことをどう生かすかが重要なのよね。

■どこまでやるか

さてこのようなバスケット分析ですが細ければ細かいほどいいということではありません。

上の例で麻素材と家はぐらいの大きさであれば、ある程度のサンプル数が取れますがこれを麻素材の S サイズの白、や麻素材 S サイズ3色セット、などとやってしまうと(この粒感をSKU単位といいます)細かすぎて有効な知見が得られないかもしれません。

ということかというとある程度の量が売れていないとその購買傾向が見れないからです。

例えば麻素材のシャツを100人が買ってそのうち50人がうちわを買ったとすれば、この二つの商品に非常に関連があると考えられます。

しかし一人しか買わない商品でたまたまその人が何かを買った場合。例えば麻素材のシャツを買った人が一人しかいなくてたまたまその人がゴム手袋を買った場合、この二つの商品に関連性があると考えるのはノイズがあると思います。

このようにバスケット分析についてはどの粒感であるかという視点も大事になります。一般的にある程度の販売数量が出る粒缶でやっていく必要があるのです。

解説で出てきた用語・関連用語
SKU

マーケティング
2019年1月8日

プライスライン | 設定された価格帯の中で幾つかの価格を決めるのです

プライスライン
プライスラインとは、取り扱っている商品品種ごとの売価の事を言います。英語では

例えば、『お財布』を取り扱っているお店があったとします。このお財布の価格の下限が3,000円で上限が10,000円だったとします。(この場合プライスゾーンは3,000円から10,000円になります。)

さて、このようなお店ではどういった価格で財布を取り扱っていくのが一般的だと思いますか?

例えば、「仕入れ値に一定の利益率を付加した価格にするから、一個一個違うよ。」というお店が考えられますよね?このようなお店では、「あ、その商品は3,200円ね、そっちのは5,400円だよ」といった風に商品ごとにバラバラの価格を付けていきます。

一方、厳密には仕入れ価格は違うけど、3,000円、5,000円、8,000円、10,000円の4種類の価格にするよ」という風に考えるような考え方もあり得ます。

このような考え方を採る場合に、3,000円とか5,000円の価格帯の事をプライスラインというのです。
  • 仕入れ値よりも優先されます
よく、小売業の粗利率は30%ぐらいと言われます。

これは、逆に言うと仕入れ値に30%の利益を乗せて販売する事を意味します。例えば、10,000円で仕入れてきたならば、30%の利益を乗せて13,000円で販売するといった感じです。

しかし、このようにやってしまうと、上で挙げた例のように価格がバラバラになってしまい価格面でわかりやすいお店にはなりません。

このようなことを避けるために、プライスラインの中は粗利率をあまり考えずに、価格設定をしていきます。そのため、プライスラインの中には利益がたくさん取れる商品もあれば、逆に利益がほとんど取れないような商品も存在します。

ただし、でたらめに値段をつけるわけではなく、全体としては適正な利益を確保するような値付けの方法を目指すこととなります。
  • 業務の効率にもつながる
このプライスラインですが、比較的少ない値付けだけとなりますので業務の効率化につながります。

そのため、手間が削減できお店全体の総コストは削減することができます。
  • お客様も選びやすい
また、お客様も選びやすくなると言った利点があります。

どの商品を手に取っても、ある程度価格が決まっているならば選びやすいですよね。例えば、回転寿司のお店などはお皿の色でプライスラインを明示していますので選びやすいのです。

そして、選びやすいことから「もう一品」という行動が誘発でき、最終的な客単価が上がってくるのです。

また、このプライスラインを徹底すれば1980円か2980円で買えるお店といった形で訴求ができますので、プロモーション的にも有利になります。

なお、こういった少し安くするような価格付けを端数価格と言います。


関連用語・説明で出てきた用語
アイテム
SKU
プライスポイント  
端数価格
客単価
マーケティング
2019年1月7日

プッシュ戦略 | プッシュと言っても押し売りではありません

プッシュ戦略_001
プッシュ戦略とは、製造業者側が自社の製品やサービスを取り扱ってくれている卸売業者や小売業者に対して様々な支援を行う、もしくは消費者に直接的に働きかける事によって販売促進を図る戦略です。

言葉は悪いですが、流通の下流へ対して押し込む(プッシュする)というイメージで捉えていただければと思います。(リベートや各種アローワンス(陳列アローワンス広告アローワンスなど)も駆使します)

例えば、卸売業者や小売業者に対しては、人的販売を行う、いろいろなインセンティブを提供する、販売を支援するために販売応援員を派遣するといった方策を駆使して製品やサービスを取り扱ってもらうというイメージですね。

消費者側からの需要で小売業者や卸売業者が取り扱わせてほしいというようなプル戦略とは異なり、何とかして、消費者に対して販売していこうというイメージです。

このようなプッシュ戦略は、製品ライフサイクルの導入期にあたり、消費者に十分に認知されていないような製品や、コモディティ化が進んで差別化が困難な製品を販売する際に有効であると言われています。
  • 最初はなんとしても消費者へ押し込むのです
どんな優れた商品でも最初は知名度がありません。そのため、最初の販売に伯郎するのですが、このような際に積極的に用いられるのがプッシュ戦略です。

とにかく消費者に使ってもらわない事には、フィードバックも得られませんし口コミもあり得ません。

「うちの商品は優れているから、口コミで売っていく」などという人もいますが、すでにお客様がついているならまだしも、これから販売するような商品の場合は、最初はなんとしてでも売上を作る必要があります。

プッシュという語感から、なんとなく押し売りのようなイメージがありますが、決してそんなことはありません。

「むしろ、素晴らしい商品あらばしっかりと売り込んで紹介する事のほうがお客様のためになるのです」ぐらいのガッツを持って売り込みをして行きましょう。
  • プル戦略も併用する事が大切
なお、プッシュ戦略と対比されることが多いプル戦略ですが、プッシュ戦略とプル戦略は相互排他的な関係にはありません。

言い換えると、どっちも同時にやっていいのです。むしろ、プル戦略で顧客候補の興味を広く喚起し、具体的に興味を持った顧客候補にしっかりとプッシュ戦略で売り込んでお客様にしていくと行った事が重要なのです。
  • プッシュ戦略はコストがかかる
さて、このようなプッシュ戦略ですが、売上を上げようとすればするほどコストがかかるといった弱点があります。

そのため、コストを多少かけてでも売上を作っていくのが重要な局面ではプッシュ戦略に軸足を置き、評判が確立できたら、プル戦略に軸足を移すといった考え方でトータルのコスト負担を抑えながら対応することが重要でしょう。

マーケティング
2019年1月7日

ドミナント戦略 | 集中出店をして競争を有利に導く方法です

ドミナント戦略_001
ドミナント戦略とは、一定の限定した地域内に集中的に出店する事を言います。英語ではdominantと表記されます。

このドミナント戦略を一言で説明すると、集中的に出店をするという事です。例えば、「ある駅を降りたら、北口にも南口にも同じお店がある。さらに隣の駅や駅から少し距離のある住宅地の中にもお店がある」といった感じですね。

自分たちのお店で、この地区を埋め尽くすという感じです。
  • そんなに集中したら…
さて、集中的な出店って聞いてどのようなことをイメージするでしょうか?自店が互いに競合してカニバリゼーション(共食い)のような事をおこすかもしれないですよね。

おそらく、自店間で顧客を奪い合うという面はあると思います。

また、集中して出店しているわけですから、その商圏に何か想定外の事が発生すると根こそぎダメージを受けてしまうという事が挙げられます。

例えば、 大きなバイパスができて交通量が一気に減少したような場合、集中出店しているお店すべてがダメージを受けます。また、地域に大きな災害が発生したような場合にも非常に大きなダメージを受けてしまいます。

でも、このドミナント戦略にはこのデメリットを補うような大きなメリットがあるのです。
  • ドミナント戦略のメリットって
集中出店している場所では、どこへ行っても自分たちのお店があるという状況になります。

すると、物流の効率化といった効果が出てきます。これは、一つのエリアに沢山の自分たちのお店があれば、余計な移動を行わずに商品を配送できるといった効果です。

また、地域内での市場シェアが高まります。ポイントカードとかの施策を行っても効率的に行う事が可能となり、顧客を自分たちのお店で囲い込むことも可能となります。

さらに、広告宣伝も非常に効率的に行うことができます。自分たちのお店がある範囲に絞って集中的に広告宣伝を行えばいいわけですから、広い範囲に広告宣伝を行うよりも効率的なのです。

もう一つ指摘できるメリットとして、競合店の出店を未然に防止する事ができるといった面があります。既存の店が集中的に出店している地域には中々出店してシェアを奪うのが難しそうですよね?そのように競合が考えるという事は、心理的な参入障壁が高まるという事です。

このように、集中しているが故のメリットというものも確実のあるのです。 
  • ドミナント戦略に対抗するためには
さて、ドミナント戦略の利点はわかりましたが、中小企業はこれにどのように対抗していけば良いのでしょうか?

こういった集中出店戦略に対して正面から対抗できるだけの経営資源のある企業はそれほど多くないですし、仮に経営資源があったとしても真っ向から迎え撃つ事はおすすめできません。

行き着く先は血で血を洗うレッドオーシャンになってしまいますので。

この場合、中小企業は自分の土俵で勝つことを考えていくことが王道になります。
  • 具体的には
例えば、地元で長く酒屋さんを営んでいる中小企業があったとします。あるとき、大手コンビニチェーンが自店の周りに数店舗出店してきたとします。

このときにどのように対抗すべきでしょうか。相手より安くするとか相手よりも利便性を高くするべきでしょうか?

おそらく、相手の仕入れ値は自社の仕入れ値よりもずっと安いはずですし、利便性も24時間開店し続ける相手にかなうはずもありません。

そのため、自社の顧客層にとっての利便性を高める方向に進む必要があるのです。

例えば、居酒屋などに酒屋さんならではのお酒を卸す、珍しいワインを取り扱う、特別な日用の特別なお酒を接客販売して売るなどいくつかの手が考えられます。

客層で、販売方法で、商品で大手コンビニよりも勝っている点はないでしょうか?こういったことを考えて、棲み分けをしていくのです。

関連用語、説明で出てきた言葉
レッドオーシャンランチェスター戦略


似た言葉
ドミナントデザイン 

ストーリーで解説経営用語
第2話 集中出店は効果的?効果が大きくなればリスクも大きくなります
 
マーケティング
2019年1月7日

ティザー広告 | じらして興味を引くという広告の手法です!

ティザー広告
ティザー広告とは、あえて断片的かつ重要な要素の公開を伏せることによって広告を見る人の注意を引こうとする広告手法の一つです。

このティザーとはじらすといった意味の言葉で、広告を見る人をじらすといったイメージの言葉だという事を押さえていただければ、なんとなくこのティザー広告の意味するところが理解できると思います。

まあ、簡単に言うと「エッ、どういう事?よく分からないなぁ…(ちょっと知りたいなぁ)」という心理を利用するような広告手法なのですね。

  • 具体的には
さて、ティザー広告の具体例をちょっとやってみたいと思います。

「突然ですが、『まんがで気軽に経営用語』ゲーム化か!?」
ティザー
大容量256KB、手に汗握るサスペンス。お見逃しなく!(ゲーム業界震撼!)

なんて情報を小出しにして出して期待感をあおるという手法です。

あ、念のため書いておきますが、『まんがで気軽に経営用語』は別にゲーム化される予定はありませんのでよろしくお願いしますね。
  • 中小企業の実務に応用するためには
さて、このティザー広告ですがどのように実務に応用したら良いでしょうか?「単にじらせばいいのなら、必要事項を書かない広告を作ればいいのでは?」と思われた方はちょっと待ってください。

日常のチラシなどで単純にこのティザー広告をやってしまうと、情報量が足りていない書き漏らしをした広告になってしまうのでせっかくの広告宣伝が無駄になってしまいます。

そのため、しっかりと狙いを持って実施する必要があります。

・少しずつ盛り上げていく
このティザー広告は情報をすべて出さないといった事ができるので、公表する順番をコントロールすることで期待値を盛り上げていくことができます。

一度興味をつかんでしまえば、定期的に情報を更新して、興味を維持ししっかりと記憶させることができます。

話題になれば、広告が通常届く以上の範囲まで届く可能性もあり、上手くはまれば非常に効果の高い手法です。

・とはいえ難しい手法です
と、なんだか良さそうな事を書きました、○月○日解禁なんて手法の広告は、よっぽど期待している映画やアーティストの作品ならまだしも、一般の商品でやられたらうっとうしいと感じませんか。

必要なので情報を探しに行ったら、特に興味もない商品の情報が見つかったが、○月○日解禁と書いてあって詳細がわからなかったら、なんかモヤモヤしますよね?

代わりが効く商品でそれをやっても微妙なところがあるのです。

また、この広告手法は事前に期待値を上げてしまうので、消費者に提供する商品やサービスはかなりクオリティーが高くないと不満を招く危険性があります。

そのため、利用する際には難しい手法である事を理解して対応する必要があります。

マーケティング
2019年1月6日

先発優位 | 先行者利益ともいい、先んずれば人を制するという格言は正しいのです

先発優位_001
先発優位とは、新市場に先に参入する事や新製品を世に出す事によって、後追い的に参入してくる競合に対して発生する優位性の事を言います。先行者利益とも言います。

新市場への参入や新製品の投入を行う場合、どこかの企業が上手くいくのかを見た後に参入した方が安心ですよね。それに、前例があれば稟議書などを用いての社内調整(稟議制度などを利用)もやりやすいと思います。

このように、後発だとリスクを抑えることが可能となります。しかし、リスクを取って新しい市場や新製品を果敢にチャレンジすると以下のようなメリットがあるのです。
  • 価格の選択が可能
最初に利幅を大きくとるのか(スキミングプライス)、市場シェアを確保するために低価格で販売する(ペネトレイティングプライス)のいずれかを選択することができます。
  • 製造数量を積み上げることができる
一般的に、累積生産量が多いほど(たくさん作った実績があるほど)製造コストが下がると言われています。(経験曲線効果)
  • 業界標準を狙える
新市場や新製品の標準(事実上の標準であるデファクトスタンダードもしくは公的な標準であるデジュールスタンダード)を狙う事ができます。
  • 先発優位の具体例
先発優位(先行者利益)がどうして狙えるかというと、一般的には経験曲線効果で説明されます。

単純に言うと、累計生産数が増えれば増えるほど(企業内の様々なプロセスが効率化して)総コストが下がる。

つまり、低コストで提供することができるというわけです。

このことから、先んじて取り組めば累積生産量は素早く増えるため、先行者利益が狙えるという理屈になります。

例えば、イチゴ大福がまだ一般的に売られていない地域でイチゴ大福を製造販売する場合を考えます。この場合、売れ行きが良ければ競合他社が模倣してきますが、模倣して販売されるまで1年かかったとします。

この1年の間に、製造方法のノウハウの確立や仕入れ先との関係性の確立、廃棄ロスが出ない原材料仕入れノウハウの確立など、実際に生産することによってコスト低減のノウハウがたまってきます。

そして、このコスト削減のノウハウを活用して1年後に競合他社を迎え撃つ事ができるというわけです。

また、消費者の心理に参入障壁を築けるといった点も見逃せません。人は慣れ親しんだ行動を変えるのを嫌がります。

このことは別に不合理ではなく、切り替えをするためには新しいやり方を覚えたりするためのコストがかかるのです。

そのため、一度先行して商品やサービスを市場に投入してしまえば、利用者にとっては切り替えコストが発生するため、

特に生産財の場合はこの傾向が強く、特別な理由がなければ同等品であっても別のモノを使いたくないといった気持ちは理解いただけると思います。


関連用語・この説明で出てきた他の用語
後発優位
ファーストムーバーズアドバンテージ
セカンドムーバーズアドバンテージ 
廃棄ロス


マーケティング
2019年1月6日

クリティカルマス | ある点を超えると一気に普及が加速するポイントがあります

クリティカルマス_001
クリティカルマスとは、ある製品やサービスの普及が加速するポイントの普及率の事を言います。普及の弾みがつくポイントであるという事もできます。

通常、新しい商品やサービスは、最も革新的な価値観を持っている層に受け入れられます。(イノベーター)。その後、新し物好きな人々が利用していきます。(アーリーアダプター)この人々は所属しているコミュニティー内でオピニオンリーダー的な存在であることが多く、この人々の採用をきっかけに、普及に弾みがつくケースが多いのです。

通常、イノベーターとアーリーアダプターが採用した段階で普及率16%となり、大体この水準がクリティカルマスであるとされています。

この普及率を超えたとき、市場内での認知度が高まるであったり、ネットワーク外部性が効いてきて、その製品やサービスの価値が高まるといった事が起こるのでしょう。そして、そのようなことから普及に弾みがつくと考えられます。

このまんがではコンサルの先生がクリティカルマスについて説明をしています。それを受けて、「あんみつご飯定食」もある程度以上普及したら、爆発的に流行るはずと元気づけられたようです。客観的には難しいと思いますが、流行るといいですね。 
  • 実務的には
さてこのクリティカルマスの考え方ですが、実務的にはどのように使っていけば良いのでしょうか。

・市場の分析のために使う
まず考えられるのは、そのまま素直に市場についての分析をする際に使えます。

例えば、ある商品が開発されて、大体16%近い普及率まで来れば一気に市場が拡大すると言うことができます。

もし、先行者利益を狙いに行く戦略を考えているのならば、普及率16%以上の商品はもはや先行者利益を狙える対象とはならないと判断できますので(爆発的な普及期に入ると、市場占有率の維持のために規模の拡大、つまり投資を求められます。)その分野に参入しないといった意思決定が可能です。

逆に、市場の拡大に合わせて関連商品を販売する(例えば、スマートフォンのケースを販売するなどの商売)ならば大いに算入する価値が出てきます。

・目標の設定のために使う
または、16%というのは経験則ですが概ね普及率が16%まで来れば導入が加速するということがわかっています。

これを利用して16%を当面の目標として掲げるという事が考えられます。

例えば、自社内の企業文化の変革を狙う際に闇雲に全員に新しい企業文化の変革を働きかけるのではなく、コアとなる16%程度の人に集中的に働きかけていくといった事が考えられます。

このクリティカルマスの理論が正しければ、その後は一気に企業文化の変革が進みますので全員に向けた漠然としたメッセージではなく、少数の人に向けた強いメッセージを送ると行った事が考えられるのです。

関連用語
イノベーター
アーリーアダプター
アーリーマジョリティ
レイトマジョリティ
ラガード
先発優位(先行者利益)
マーケティング
2019年1月6日

カラーバス効果 | 気にしている物事は、実際よりも目に入りやすくなる傾向です

カラーバス効果
カラーバス効果とは、気にしている事柄が目に入りやすくなる心理的な効果の事を言います。

例えば「経営マンガ」といったキーワードなどは読者の皆様にとってはあまり反応しないと思いますが、経営マンガの中の人にとっては最重要キーワードなので、仮に電車の中刷り広告などにそのような言葉が入っていたら必ずと言っていいほど目に入ると思います。
 
そして、2か月ほどの間に2誌ほどの雑誌が経営マンガというキーワードを使って中刷り広告を出していれば、「むむ、経営マンガが最近は流行っているのかな。」などといった風に判断しかねません。

また、自転車が趣味の人がいるとします。特にそのような趣味のない人にとっては、それほど自転車は目に入りませんが(今日、どんな自転車を見ましたか?)、自転車が趣味の人にとっては多種多様な自転車が世の中にあふれているように感じるはずです。

このように、自分の意識を向けている事柄のj兵法は無意識に集めやすくなるといった心理的な効果がカラーバス効果なのです。

やや、経営用語からは外れて、自己啓発用語的になりますが、そのような心理的な効果が人には備わっているので、意識を向ける対象には注意をする必要があるのです。

もし、ストレスにあふれた状況に置かれているのなら、リラックスできるような物事へ意識を向けると、ストレスが緩和されるかもしれませんよ。

■経営用語的には

例えば、消費者がせっかく購入した商品に不満足を覚えていたとします。このような場合、実際に購入したという行為と、不満足を覚えているといった自分の中で矛盾する心理状態となります。(このような状態を認知不協和と言います。)

このような時に、人は自分の行為を正当化するために、購入した商品について、購入すべきだった理由を探し始めます。(残念な意思決定だったことを認めても、認知不協和は解消できますが、多くの人は、自己の意見を正当化するための材料を探します。)

そして、探し出すとすぐに色々な評判が見つかるはずです。そして、探し出して色々な評判が目に入るような心理効果をカラーバス効果で説明できるのです。
 
  • 中小企業の経営に役立てるためには
では、このカラーバス効果を中小企業の経営に役立てるためにはどのように活用したら良いでしょうか。

・経営に関する情報収集のために
例えば、社長や上級管理職が経営のことを意識するといった方法が考えられます。

カラーバス効果は、気にしている物事が目に入りやすくなるという心理効果ですので、経営についてなんとなくでも気にしていれば「アンテナを張っている状態」になるわけです。

そうなれば経営に関する情報は、日常生活の中でも入手することが可能となります。

・従業員の心構えとして
また、組織として従業員に相手の良い面に目を向けるようにと教える事も考えられます。

相手の良い面について目を向けるようにしていれば、自然と相手の良い面が目に飛び込んできます。

(良いか悪いかは物事の裏表です。のんびりと書類をチェックする人がいても、良いと思えばミスの内容に心がけていると捉えることができます。)

このように従業員の心構えとしてカラーバス効果を応用すれば、安価に従業員の満足度を高めることが可能となります。

なんと言っても仕事での不満のうち人間関係の不満はとても大きな部分を占める訳ですから。


マーケティング
2019年1月5日

アドホック調査 | 一度限りの調査でもわかることは非常に多いのです

アドホック調査_001
アドホック調査とは、調査の企画・実施・集計・報告といった調査活動を一回限りで行う事を言います。英語ではad-hoc researchと表記されます。

調査を実施する時に「調査したい内容を特定し(仮説を立てて)、どのような項目を調査すればいいのか(仮説を検証するための情報の収集)」を、企画していくといった感じですね。

イメージとしては特定の問題への対処を行おうと考えたときに、どのような対処方法を採るかの意思決定を支援するような個別の調査といった感じです。

例えば、商店街(近隣型商店街とかですね)にある店舗が新商品を開発するために「消費者の嗜好を調査して、この街を訪れる人たちに好まれる商品を作りたいな。」と考えて一回限りで実施する調査がアドホック調査となります。

「商店街に来る人は比較的若い子育て世代が多いから、食品に求めるのは、安心できて量が…」みたいなことを考え、それを検証するための質問を考えていくといった感じですね。

このような調査を実施すると、貴重な一次データを入手することができるので非常に価値のある調査となります。

・仮説が重要
このアドホック調査は、事前に仮説を立てておくことが重要です。例えば、この地域の顧客層は価格で訴求するよりも、特典を付けた方が喜ばれるといった仮説を立てたとします。

その仮説を検証するためにどのような方法がとれるでしょうか。

一つは、実際にやってみるという事です。ただ、実際にやるためにはコストもかかりますし場合によっては大きな経営戦略の変更を伴うため、既存の得意先の離反を招いてしまう危険性があります。

そのため、実際にやるのではなくアドホック調査で仮説検証をするといった事が考えられるのです。

このアドホック調査は調査の方法ではありませんので実際の調査自体は、電話インタビューを行う、グループインタビューを行う、郵送で調査をするなど様々な方法が考えられます。

同一の母集団に対して継続的に調査を行うパネル調査と違い、仮説の検証を行うための調査ですので、立てた仮説を最もよく検証できる方法をゼロベースで考えて対応することができるのです。

関連用語
2016年12月22日

考慮集合 | 買ってもいいと思われる商品の中から実際に購入されます

考慮集合
考慮集合とは、消費者が買っても良いと思う商品やサービス群のことです。この考慮集合に含まれるためには消費者がその商品やサービスを知っているだけではだめで、「(場合によっては)買ってもいい」と考えるような商品です。

つまり、買ってもいいと『考慮する』(余地がある)(商品群の集まり)『集合』なのです。

  • 商品を買ってもらうためには、知ってもらうだけではダメです

商品やサービスを消費者が購入するためには、まずその商品やサービスを知っていないとダメです。(知らないものは買えませんからね)

しかし、知っているだけでは不足しており、消費者に、それを買っても良いと考えてもらわなければなりません。

こういった購入する商品やサービスの候補となるモノが考慮集合に入ってきます。一般にその商品がブランドとして高く認知されていればいるほど、考慮集合に含まれる可能性が高くなります。
  • 実際に購買に結び付くためには
さて、消費者がモノやサービスを購入する過程で、商品やサービスが必要だと理解し、情報の探索、代替案の評価、購買決定といったように進んでいきます。

このうち、代替案の評価には、認知集合、想起集合、考慮集合という3つの段階があります。

認知集合は消費者が名前を聞かれれば分かる商品やサービス群のことです。つまり(知っているもの)『認知しているもの』の(集まり)『集合』ですね。

想起集合は消費者が購買行動の前に思い出す商品やサービス群を指しています。これは、(思い出すもの)『想起するもの』の集まりです。

そして、考慮集合は3段階のうち、最も購買決定に近い位置になります。

潜在的に知っているモノの中から、購買にあたって思い起こすモノ。そして、実際に購入してもいいかなと考慮するモノといった順に商品やサービスが絞り込まれて行くのです。

関連用語
マインドシェア
 
マーケティング
2015年9月7日

レ点ビジネス | 漢文のレ点は日本人の知恵の結晶ですが、レ点ビジネスは不誠実さが漂っています

レ点ビジネス
レ点ビジネスとは、本来不要なはずのオプションを当初無料とのうたい文句で契約させるビジネスモデルのことを言います。

このように説明すると「当初無料だったら問題ないじゃない」と考える方もいるかもしれませんが、割と不誠実なビジネスモデルだったりします。

よく、携帯電話を契約に行くと「ココにチェックを付けてもらえればもっと割り引けますよ?ひと月は無料なので、契約後二三日たったら解約してくださいね。」などといった営業を受けた人も多いと思います。このような本来不要なオプションを(一定期間無料だからと言って)契約させるイメージです。
  • 退蔵益
話は変わりますが、退蔵益といった言葉をご存知でしょうか?金券などを購入した人は経験則として、全部使わない(つまり発行した金券はすべて戻ってこない)といった事から言われている言葉です。

どういう事かというと、例えば、当初100万円分の金券を発行したとして、期限までに実際に回収した金券が99万円だった場合、差額の1万円については、そのまま企業の利益となるという事です。(とても美味しい話ですよね?こういった利益を退蔵益と呼ぶのです。)

このような退蔵益を見越したビジネスモデルを退蔵益ビジネスなどと呼びます。

そして、このように、自ら購入した金券であっても、机の奥にしまいこんでしまったり、忘れてしまったりして使わない人がいるという事はレ点ビジネスを考える上でも重要なのです。 
  • 同じ考え方です
上述のように、人は自ら購入した金券であっても、利用することを忘れる場合があります。また、本来不要なはずのオプションであっても、同様に解約忘れが一定の頻度で発生します。(膨大な数の人を扱えば、かなり正確にどの程度が解約忘れになるかを想定できるはずです。)

一つ一つは月々数百円のオプションですから、働いている人などにとっては「いちいち解約するのも面倒だな」と思わせておいて、そのオプションの存在自体も忘れてしまうような場合があるので、解約忘れが出がちなのです。

但し、そうはいっても月300円の利用料の不要なオプションであっても、年間にすると3,600円になるので解約忘れをすると結構な痛手になります。

逆に、このようなビジネスモデルを構築している側にとっては相手のミスを待てば良いだけなので非常に美味しいビジネスモデルであると考えられます。

個人的には相手のミスに付け込んでお金儲けをするようなビジネスはちょっとやりたくないですが、儲かる仕組みであることは間違いないと思います。

もっとも、新規顧客ばかりを厚遇し、既存顧客をないがしろにしたり(参考:ドコモのMNPの割引き上限回数設定から考える、既存顧客を大切にするという商売のセオリー)このようなレ点ビジネスを繰り広げたりしていると、既存の大手キャリアはどこかで手痛いしっぺ返しを食らいそうですが…

マーケティング
2015年9月4日

コンテクストマーケティング | 前後の文脈を考慮してどんどん売り込むのです

コンテクストマーケティング
コンテクストマーケティングとは顧客が置かれている状況に適応したマーケティングを行うと言った言葉です。コンテクストとはcontextと表記され、英語では状況とか、前後関係といった事を意味するものです。

この言葉にマーケティングという言葉を付加し、コンテクストを把握理解した上でのマーケティングといった感じの言葉になっているのですね。

■難しく考えなくとも

さて、なんだか難しげな言葉ですが、言っている事は割と単純な内容です。要するに前後関係を考えて、消費者がどのような状況であるかについて想像力を働かせましょうといった考え方です。

消費者が何かを欲しがるタイミングで、すかさずその何かを提案できれば売れ行きは伸びそうですよね?

消費者は、いつもいつも何かが欲しいわけではなく、前後の行動や状況によって様々なニーズが生まれては消えています。

例えば、蒸し暑い日に、アイスクリームをうまく販売できたら良く売れそうですよね?(もっというと、アイスクリームではなく、シャーベットとかの方が売れそうです。)

しかし、消費者がアイスクリームを購入する前に、冷たいジュースを飲んでいたとしたらどうでしょうか?

アイスクリームの需要は減退してそうですよね?

このようなコンテクストを意識したマーケティング方法がコンテクストマーケティングです。

■タイミングが大切

タイミングが大切であるという事から、何かを購入した直後とかに「ご一緒に○○もいかがですか」といった宣伝がなされることがあります。

こういったのを自動的にやってくれるモノをレコメンドエンジンと言いますが、考え方によっては、コンテクストを考慮したマーケティング手法ですよね。

同じモノであっても唐突に勧められるよりも、関連するものを購入した直後とかの方が「じゃあついでに買っておくか」となりそうです。

このように、前後関係や文脈に合致したモノを提案していきましょうというのがコンテクストマーケティングなのです。

kitsune
お買い上げありがとうございまーす

neko
あのお客さんキツネ君を買ってくれたから今度は付属品の小判を勧めようよ。

onnanoko_bustup_2
あら、だめよ。付属品が欲しくなってそうなタイミングを見計らって勧めないと、押し売り感がでちゃうから。



■いつ実施するかもコンテクストの重要なところです

例えば、地域で共通の知人がいて、こちらはよく知っているけれども(知人の息子さんみたいなイメージですね)、向こうはあまり良くしらないような時に、親しげに個人情報を活用した営業提案をしたらどうでしょうか?

このような場合は不信感が生じてしまいますよね。

でも逆に関係性を培っていれば時機を得た適切な提案に結びつきます。そのような提案をすれば信頼感にも結びつきますしロイヤルティの向上も図れます。

この世にコンテクストマーケティングいつやるかというのもコンテクストに依存するのです 。

■情報共有が重要です

顧客にとってはあくまで組織とお話をしています。繰り返し何度も同じような説明を求められたりした場合、やはり大切にされてるとは感じません。

このことから組織内で適切な情報共有をするような仕組みを作っていく必要があります 。ただ顧客が組織ではなくあなた個人に話してくれたような内容は、あなた個人の胸に留めておかないと信頼感が損なわれてしまいます。

いずれにしても相手のコンテクスト(文脈)を考えて対応するのがコンテクストマーケティングなのです。

解説で出てきた用語・関連用語
マーケティング
2015年6月25日

トレンド | ブームよりも長い流行です

トレンド
トレンドとは流れの事を意味する言葉で、流行の中でも長いスパンにわたって続くようなモノを指す言葉です。ブームファッドのように短期的なものではなく、傾向とか流れといった意味合いなのです。趨勢といったとても強い言葉に訳されることもあります。

例えば、地球環境にやさしいモノであったりサービスは長い期間にわたって求め続けられています。これは時代の趨勢であり、短期的に環境にやさしくない商品がもてはやされたとしても、長期的に見ればより環境にやさしいものが求められるようになってきています。

このように、長期的にみた流れをトレンドというのです。
  • 流行の期間で分けると
さて、このトレンドに似た言葉でファッド、ブームといった言葉があります。

ブームは聞いたことが多いと思いますが、ファッドはあまり聞きなれないですよね?この機会に大まかな違いを押さえてしまいましょう。

まず、ファッドですがこれは、ごく短期間の流行の事を言います。例えば、学校で『ネリケシ』が1学期の途中から流行ったけど、2学期には誰も持っていないとか、お笑い芸人さんのギャグが数週間だけ流行ったといったイメージです。

これに対してブームはファッドよりも長いスパンの流行となります。例えば、お笑い芸人さんで言うならば一世を風靡したギャグとかそんな感じです。ヨーグルトダイエットがブームになっているとか蕎麦ブームといった感じで、3か月以上続くけれども1年は続かないといったイメージになります。

そして、トレンドはこれよりも長く続く流行で、流行というよりも時代の流れといった感じになるのです。

マーケティング
2015年6月16日

ブーム | 定番になれなかった流行を後から振り返ってブームと呼びます

ブーム
ブームとはboomと表記され、急に熱狂的に盛んになる事を示す言葉です。にわか景気などともよばれます。

流行りを指す言葉には短期間の流行から長期的な流行まで順番に


ブーム

トレンド

といった風に言われます。

ファッドは本当に一過性の流行で、ブームはそれよりも長く1年ぐらいは続くことがあるモノをブームと呼びます。

しかし、流行り廃りは世の常と言いますか、流行は去るのが宿命です。しかし、その流行がファッドになるのか、ブームになるのか、それとも比較的長期間のトレンドになるのかは誰にも分からないのが現実です。

その為「よーしこれは息の長いトレンドになりそうだから生産設備を増強して…」と考えていたらあっという間に流行が終わり、後に残ったのは過剰な生産能力(とそれにかかる莫大な費用負担)だけだったといった事もあり得ます。

逆に、ブームはすぐ終わるからと乗らずにいたら、大流行になり、ブームに乗っていたら得られたであろう売上を逃すといった機会ロスが発生する場合もあります。

予測が難しいから
 
マーケティング
2015年3月30日

純広告 | 純粋な広告と言っても、内容が純粋なわけではありません

純広告
純広告とは、特定の広告代理店等を経由せずに直接特定の媒体に掲載されるような広告のことを言います。

例えば、この『まんがで気軽に経営用語』が「もっとゴルフをやる人に見てもらいたいな」と考えたとします。(あくまで例ですよ)

その場合、ゴルフ関係の用語を書くのにプラスして、広告で「こんなサイトがあるよ」といった風に知らせていくという手が使えますよね?

その際に、広告会社に依頼して一斉に広告を配信するといった通常の広告と、特定の媒体に直接「実はこんな事をやっているサイトなんですが、広告の掲載をお願いできますか?」といった風に交渉し、広告を掲載するといった方法の二通りが考えられます。

一般的に、広告代理店に依頼すれば、クリック課金である、クリック保証型広告や、みられる回数を保証してくれるインプレッション保証型広告といった方法を採ることになるのですが、直接交渉の純広告はどのような方法であっても採る事ができます。(相対の交渉ですからね。)

そのため、月額いくらの月極といった料金体系を取る事も可能になるのです。
ストーリー
2015年3月6日

集中出店は効果的?効果が大きくなればリスクも大きくなります

kai2
ココは、町はずれのファンシーショップ。80年代の香りが今なお残るちょっと時代に取り残されたお店です。

kai2
ファンシーショップという業態。結構昔の業態かなぁと思いきや、最近でも割とあるみたいです。

kai2
とはいえ、このお店は、新しい感じではなく、それなりに年季の入ったお店になります。

kai1
と、おなじみの紹介文を終えた所から本編に移りますね。

kitu2
大変だよ、ライバル店がこの地区に一気に出店してくるらしいんだよ。

kitu2
それも、一気に5店舗も構えるらしいんだ!

neko2
ずっとお店の中に並んでいるのに外の状況に詳しいね。

hiyo
ファンシーショップを一気に出店なんて変わった人がいるんだねぇ…

kitu2
なにのんきなことを言っているの?このお店が潰れたら僕たちは、フリーマーケット行きだよ?

neko1
ええっ、あの免許を持っていない素人が、路上で、人を見て『いい値』で売買するあのフリマに出店かい!?

kitu1
そうだよ。そして、使い古された雰囲気のあるぬいぐるみや人形は敬遠されて売れ残るあのフリマだよ?

kitu1
来る日も来る日も売れ残って、さびしい思いを僕たちと、人形のオーナーさん、両方がするフリマだよ…

hiyo
(なんか、偏見に満ちているなぁ…)

neko1
でも、普通のお店は、一気に何店も何店も出店なんかしないよ。

kitu1
普通に考えたら、そうだよね。そんな事をしたら自分のお店同士でお客さんを取りあっちゃうからね…

neko1
そ、そうね。それなら大丈夫だよね。

kitu2
そうだよ、仮に一軒ぐらいライバル店が増えても、フリーマーケットにはいかなくて済むと思うよ。

kai2
季節が廻り、そんなお話をしたこともすっかり忘れたころ…

pan
た、大変だよ。今日お客さんに買ってもらって街を回ったんだけど、ライバル店が5軒もこの地区にあったんだよ!

pan
それも、どのお店もウチのお店よりもかわいい気がするんだよね…どれもね…

kuma
(…だから、どうして売れたのに帰ってくるんだろう?)

kitu1
売れるたびにキャラが変わったら、アイコンがいくつあっても足りないからね。

girl
(前回、メタ発言はやめろって自分が言っていたのに…)

girl

hiyo
とにかく、ライバル店が沢山出ていて、このままじゃウチのお店が無くなっちゃうよ…

neko2
オーナーは道楽でやっているからイイにしても、僕らはフリマにはいきたくないなぁ…

girl
失礼な!

girl
確かに丸の内で働いて、キラキラ光るオフィスビルで、仕事の出来る私は世界的な企業のCEOに。そして、素敵な執事に囲まれて(はぁと)

girl
と考えているけど、このお店だって大切なのよ!

pan
オーナーさん、丸の内のくだりになると心が飛んで行ってしまうんだよね…

neko1
(話を戻してっと)でも、どうして、同じ地区に沢山お店を出店させるんだろう?

girl
それはね…

pan
(あ、戻ってきた)どうしてなんですか?

girl
近くに同じお店があると物流が効率的になって、物流コストがすごーく安くなるのよ

kitu1
(物流コスト!?)

girl
他には、広告宣伝が効率的に行えるの。だって、この地区だけにチラシをまけばみんなに知られるからね。

kitu1
(効率的な広告宣伝!?)

girl
あとは、この地区での市場シェアが高くなるのよね。

kitu2
(市場シェア!?)

neko2
随分、物知りですね…

girl
まとめると、集中出店することによって物流や広告宣伝が効率的に行えるから、市場シェアが高まりやすいって感じなんだよね。

kuma
(あれれ、いきなりゆるい感じの世界観が壊れてきたぞ…)

neko1
世界観とかメタ発言はやめようね

girl
まあ、これも『まんがで気軽に経営用語』で調べたんだけどね。

neko2
えっと、丸の内のくだりと、マンガで気軽に経営用語のくだりが定番になるのかな?

girl
『マンガ』じゃなくて『まんが』ね

girl
まあ、なんとかしないといけないわよね…そうしたら…ぴっぽっぱっとオマジナイ

girl
とぅるるる、とぅるるる。ガチャ。もしもし…

neko2
(オマジナイというか、どこかに電話してる…)

kai2
その日の夜…

kuma
営業お疲れ様でした。

hiyo
おつかれさま。今日は良く売れたね。

neko1
そうだね、僕も3回売れたよ。

kuma
でも、どうしてそんなに売れ行きが良くなったのかな?

kitu1
売れるたびにキャラが変わったら、アイコンが…

kitu2
あれ、誰も言わないの!?

kuma
言わないよ、そんなメタ発言

kai2
ワイワイ、ガヤガヤ

kai1
臨時ニュースをお伝えします

kai1
最近この地区に出店していたライバル店のトラックがクラクションを鳴らし、騒音問題を…

kai1
その結果、迷惑防止条例により営業停止処分を受けました。

kai1
この事によりライバル店は地域住民の反感を買い…

girl
ほら、ざっとこんなものよ…

girl
確かにドミナント出店は強力な出店方法なのよ。でも、ひとたび評判を落とせば

girl
集中出店している分だけ、ダメージは大きいのよ。

kitu2
へーそうなんだね。でも、誰がクラクションを…

pan
シクシク。悪事を働いてしまったよぉ…

pan
(何故か、トラックの運転手さんの運転席に置かれることになって、そしたら隙をみてクラクションを鳴らせって指示が…)

kitu1
それで、今日は見なかったのね。

hiyo
まるで『呪いのぬいぐるみ』みたいだねw

pan
(好きでやったんじゃないんだよ…)

kai2
詳しくはこちらで解説しています。または、レピュテーションリスクについての説明も、このお話には盛り込んでいます。


  • 解説
今回のお話はドミナント出店についてのお話です。

よく同じお店が集中してたくさん出店してるのを見たことありませんか。

中の人が昔住んでいた街には駅前から住宅地にかけて同じ系列のコンビニエンスストアが3店舗もありました。

でもどう考えても自社の系列同士で競合してしまいお客様を奪い合ってしまうように思われます。こういったものをカニバリゼーションと言いますが非常に非効率ですよね。

でも、お話に書いてある通り、物流が効率化したり広告宣伝が効率化して行えるという利点があります。

そしてその利点の方が大きいと考えるからこそドミナント出店が行われるのです。

さらに、フランチャイズ形式で加盟店を集めているような事業の場合は、多少フランチャイズ加盟店の売上が下がったとしても全体で売り上げを最大化すると言うことも行われます。

この場合は、ドミナント出店のカニバリゼーションと言うデメリット気にしなくてもいいという判断が行われるのです。

本当にいいかどうかは別の話ですが。


記事一覧はこちらです
マーケティング
2015年2月24日

非計画購買 | 計画していた以外のものを買ってしまうといった事ありませんか?

非計画購買
非計画購買とは、購買しようと計画を立てていなかったものを購買する事を言います。と、購買とか言うとなんだか固いですね。

平たく言うと、「あれ、こんなの買うつもりがなかったんだけどなぁ」といった行動の事を言います。
  • 衝動買い?
と、このように書くと「それって衝動買いの事だよね?」と考える方も多いと思います。
 
確かに、衝動買いは非計画購買の中の大きな部分を占める行動ですが、「買うつもりがなかったけど買ってしまった」といった行動には、例えば「店員さんが巧みに勧めるから欲しくなった」とか「そういえば、トイレットペーパーが切れていたっけ?」といった風に思い出して購入するといった行動もあり得ます。

これらの行動は、最初から計画を立ててお店を訪れたわけではないので非計画購買に該当しますが、別に衝動買いではないですよね?

こういった風に、非計画購買イコール衝動買いとはならない点に注意が必要です。
  • 非計画購買を引き起こすためには
売上高は客単価×客数といった非常に分かりやすい計算式で示されます。そして、非計画購買を上手くひき起せれば客単価の向上が図れます。(理屈ではですが)

さて、非計画購買を引き起こすためにどのような工夫がありうるでしょうか?

関連したものを近くに陳列する
例えば、『イワシのつみれ』の近くに『白菜』や『鍋の素』などを置いておいて、「そうだ、今日は鍋にしよっと。」といった風に思ってもらうといった事が良く行われています。(こういうのを関連購買と言います)

タイムセールで半額
また、POP等で「今だけ半額」といった条件に従うと割引を受けられるといった事を訴求するといった方法もあります。(条件購買と言います)

思い出させる
「あれ、トイレットペーパーが切れていたなぁ…、タマゴがあと少しだったなぁ…」といった記憶を思い出させるような工夫をしたりします。(これもPOPで「お買い忘れありませんか?」といったメッセージを表示するといった事が行われます。固い言葉では想起購買と言います)

とにかくプッシュ
または、とにかく販売員が頑張って人的販売を行い、欲しいと思わせて販売します。

「奥さん見てください。この包丁はなんでも切れちゃう。ワイヤーでも電線でも。スパスパ切れますよ!今ならこれにまな板までつけちゃう!」といった口上でまくし立てて欲しいと思わせる手法です。(冷静に考えれば、ワイヤーも電線も包丁で切ったりしませんので不要な機能なんですけどね。)

なお、こういった非計画購買は店舗に長くいればいるほど起こりやすいと言われています。その為、客動線を長くなるようにあちこちにマグネットを置いたりと小売業は様々な工夫をするのです。

逆に言うと、非計画購買をして無駄遣いをしたくなければ、目的のモノを買ったらさっさと立ち去るとよいのですね。
マーケティング
2015年1月17日

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、みんなが使っているから、欲しくなるといった現象のことを指す言葉です。英語ではBandwagon Effectsと表記されます。

「○○君も持っているから欲しい」とか「この製品は普及していて、安心感があるなぁ。だからこの製品にしよう」といった心理ですね。

このバンドワゴン効果を端的に言うと、長いものにまかれる的な消費行動です。定番品は定番になる理由があるはずで、だから良いものだといった考え方ですね。
  • 一理あります
さて、このバンドワゴン効果ですが、流行がさらなる流行を呼ぶといった現象の理由となりえます。すなわち、みんなが使っているから、更に普及が進むといった事です。

ワザと行列を作り出したり、品薄にすることによって需要が集中していることを顕在化させて(要は、任期があるという事をアピールして)さらなる需要を生み出すといった事にも使える効果ですね。

ただ、消費者としては、様々な製品でうまく流行った方がディファクトスタンダード(事実上の標準)になる事を経験的に知っているため、規格同士が争っている際には、より普及している方の製品を選ぶ方が合理的である場合があるのです。

また、普及すればするほどネットワークの価値が高まるというメトカーフの法則や、ある程度の普及率を超えたら一気に普及が進むという、クリティカルマス。普及が進むとそれによって普及に弾みがつくといったネットワーク外部性など、このバンドワゴン効果と同じ結果をもたらす経営用語は沢山あります。

関連用語
マーケティング
2015年1月16日

グーテンベルグ仮説 | 値段が上がっても下がっても売れ行きが変わらない価格帯がある!

グーテンベルグ仮説
グーテンベルク仮説とは、消費者にとっては、価格が多少変動してもあまり需要に影響を与えないような価格帯があるという考え方です。

一般的に、価格が上がれば需要は減少し、価格が下がれば需要は増加します。平たく言いかえれば安くなれば沢山売れるし、高くなれば少ししか売れなくなるという事ですね。

そして、このような一般的な傾向はあるものの、細かい値段については、心理的価格政策といったテクニックがあります。

例えば、端数価格と言ってほんの少し値下げして非常に安く思わせる(1,000円ではなく、980円にするといった感じです)、あえて高い値段をつけて良いものだと思わせて需要を喚起する威光価格(参照:スノッブ効果)といった方法です。
  • 価格の上下が需要を上下させません
こういったお話に加えて、グーテンベルグ仮説によると、値段が多少上がり下がりしても需要に影響を与えない価格帯があるという事が言われています。

そして、このような価格帯では、値段を下げても需要は増えず、値段を上げても需要が減らないので、可能な限り高い値段を付ける事が望ましいと考えられます。(売上を最大化できますからね)

例えば、「この種のTシャツは2,600円ぐらいかな?」といった感覚が定着しているのならば、2,500円にしても、2,700円にしてもそれほど需要が増減しないというイメージです。(この時の2,600円という感覚を参照価格と言います。)

また、参照価格が定着しているケースとしては缶ジュースが挙げられます。「缶ジュース?値段は見ていないけど130円ぐらいだよね?」といった風になんとなく相場観がありますよね?

そして、この相場観から多少値下がりしても「えっ!?缶ジュースが120円だって?じゃあ買わなきゃ!」とはなりませんよね?こういった風に、値段が多少下がっても需要はあまり変わらないような状況を示すのです。

(もっとも、缶ジュースの場合、値下がりしてもあまり需要が増えないけれども、値上がりすると極端に需要が落ちるといった慣習価格という感覚が定着していると言われています。)

マーケティング
2015年1月8日

顧客エンゲージメント | 顧客の満足ではなく、愛着を得られるように貪欲に製品・サービスの水準を磨くのです

顧客エンゲージメント
顧客エンゲージメントとは、顧客が自社の提供する製品やサービスに強い愛着を持っている事を言います。

エンゲージメント、というぐらいですから、顧客は単なる満足を超えて、非常に強い愛着を自社の提供するサービスや製品に抱いていると言えるのです。

この水準にまで至った顧客は、自社のサービスや製品を積極的に宣伝してくれたり、繰り返しサービスなどを利用してくれたりします。

例えば、あなたが利用していて満足した製品やサービスについて友人に勧めた事はあるでしょうか?もしあるのならば、単なる満足を超えた水準の愛着を感じている製品やサービスならなおさら友人に勧めてみたいと思いますよね。

逆に、もし友人に勧めないとしても、自分だけは継続的にその製品やサービスを利用したいと考えるはずです。

さらに、今日ではWeb上での情報発信が非常に低いハードルで行えるようになっています。そのため、直接友人に勧めないとしても、Web上で発言していわゆる『拡散』に務めたりと愛着を持っている製品やサービスの提供元に取って有利になるような行動をとってくれることが期待されるのです。

関連用語
リテンションマーケティング
LTV
顧客ロイヤルティ 
マーケティング
2014年10月16日

グループインタビュー | 集まってもらってインタビューをするのです

グループインタビュー
グループインタビューとは、調査の対象となる人を集めて、各自に自由に発言してもらうようにすることによって情報を収集する調査手法です。

もちろん、「はい、それでは自由に意見交換してください。」といった感じで行うのではなく、司会者が質問を行うなど、ある程度方向性のコントロールは行います。

注意点が色々あります

さて、司会者が質問を行うわけですから、効果的な調査を実施するためには、あらかじめ何らかの仮説を持っている必要が出てきます。

何の仮説も持たずに行き当たりばったりで質問をしていても、せっかく設けたインタビューの機会が無駄になってしまうと考えられますよね。

また、情報源が大手メディアに限られている人たちをターゲットとしているサービスを提供する会社が、調査対象者を自社サイトで募集してしまうと変なことになりますよね?

(インターネットを使わない層にサービスを提供したいのに、インターネットを使う層を集めていますからね。)

さらに、司会者が非常に巧みに議論を誘導したり、参加者の中に非常に発言力の強い人がおり、議論がその人の意見で左右されるような状況も望ましくないですよね。

このように、グループインタビューは注意すべき点が多数あります。

しかし、インタビュー対象者が相互に意見交換をすることによって、当初考えてみなかったような深く意義のある情報が入手で切る可能性があるといった利点もあります。

関連用語
デプスインタビュー
マーケティング
2014年10月14日

デプスインタビュー | 深い内容まで聞き出すのです

デプスインタビュー
デプスインタビューとは、深い内容を聴きだすためのインタビューで、被インタビュー者とインタビュー者が相対して行われます。

イメージとしては、文字通りデプス(depth)なインタビューなのです。

さて、どのような時にこのデプスインタビューが行われるのでしょうか?ある製品の評判について消費者10,000人の意見を集めるようなときでしょうか?

違いますよね。時間もかかりますし、どちらかというと、深く特定の内容について聞きたいようなときに採るような方法ですよね。

例えば、「どうしてこの製品を選んだんですか?」と単に聞いた場合、消費者自身が自覚している内容は話してくれるかもしれません。しかし、消費者自身が自覚していない真の理由があったとしても、通常の聞き取りやアンケートでは聞くことが出来ません。(自覚していない事は表現できないですからね。)

しかし、デプスインタビューといった形式を採れば、そういった深いところまで聞くことが出来るかもしれません。

そして、一対一で聴くわけですから、他の人には知られたくないようなデリケートな話題についても効くことが可能ですし、複数人で実施するグループインタビューのように、同調圧力が働いて思っている事と違う事を聞き出す可能性も下げることが出来ます。

と、すごく良い調査方法のように書いていますが、もちろんデメリットもあります。

というのは、一対一で時間をかけて聞くわけですから費用が凄くかかりますよね。また、聞き出すといった視点ですので、アイディアが発展するといったタイプの聞き方でもありません。

いずれにしても手法の長所と短所を考えながら知りたい内容に対して最適な方法を選んでいく必要があるのですね。
  • 掘り下げていくのです
作り手がどれだけ考えて商品やサービスを作り上げても、それが消費者に届いているとは限りません。

場合によっては、消費者が考えている商品やサービスの価値と作り手側の価値観が全くずれている可能性もあります。(消費者が感じている品質を知覚品質と言います。)

このような場合、作り手にとっての改良が、消費者にとっての改悪になる危険性すらあります。

例えば、ラーメン屋さんがサイドメニューで餃子を出していたとします。お客様にトテは手軽に食べられることが喜ばれてたのに、お店側はがっつり食べてもらっているから喜んでもらえていると認識しているとします。

この場合、お店が売れ行きを伸ばそうと内容量を大きくしてもっとガッツリ系に改良したとしても、お客様にとっては改悪になってしまうでしょう。

このように、お客様の感じている価値をしっかりと訊くことが重要なのです。

・デプスインタビューで訊く
デプスインタビューの場合、インタビューをする人が臨機応変に訊くことができるため、この「本当は手軽に食べられる事がうれしい」といった消費者の本音を聞き出せる可能性があります。

もちろん、なぜかを突きつめる手法ですので聞かれる方はかなりの負荷がかかりますので、多用は難しいですがとても有効な手法です。


この説明で出てきた言葉
マーケティング
2014年1月7日

マルチチャネル | 色々なチャネルを活用して売り込むのです

マルチチャネル
マルチチャネルとは、顧客に自らの商品やサービスを購入してもらうために、複数のチャネル適切に使い分けたり、組み合わせて活用することを言います。

「色んなチャネルを組み合わせる?どういう事?」と思われる方もいると思いますので、例を挙げていきたいと思います。

例えば、クリックアンドモルタルの業態で考えてみたいと思います。

クリックアンドモルタルとは、インターネットにてECサイトを運用し、また、実店舗でも販売を実施するといった業態です。

そして、この種の業態では、実店舗の商圏内の人に対しては、実店舗にて人的販売を行ったり、説明の必要な商品をじっくりと説明を行いながら販売したりします。

また、ECサイト側では、実店舗で持っている在庫を活用して広域に販売していくといった事が可能となります。

このように、複数の手段を用い、それぞれの手段が独自に顧客と接点を持って販売していくといったイメージの販売手法となります。

このマルチチャネル的な考え方の場合、それぞれのチャネルは独立して、販売活動を行っていきます。例えば、ECサイトだけや実店舗だけでも販売活動は完結し、「ECサイト上で見た○○といった商品を詳しく実店舗でみたいなぁ」といった要望には基本的には応えるような考え方ではありません。

また、ECサイト上の顧客データと、実店舗の顧客データもとくには連携しておらず、「お客様は、先日ECサイト上で○○って商品を買っていましたよね?それに合う、こちらの商品はいかがですか?」みたいな接客も行うような考え方ではありません。

簡単に言うと、ECサイト部門はECサイト部門、実店舗部門は実店舗部門で運営していきますよといったイメージです。

オモニチャネルと比較して

さて、様々なチャネルを活用して販売すると言うと、オモニチャネルというキーワードも近年提唱されてきています。

なんとなく、似たような考え方なのですが、少し違うので注意が必要です。そこでこの違いをざっくりと絵にまとめてみました。
マルチ・オモニ
と、色々書いてみましたが、簡単に言うとマルチチャネルは各チャネルの個人技で販売を狙うイメージ、オモニチャネルは各チャネルが 連携して販売を狙うイメージとなります。
マーケティング
2013年12月20日

オムニチャネル | ありとあらゆるチャネルを総動員して販売するのです

オムニチャネル
オムニチャネルとは、あらゆる顧客との接点を連携させて販売をしようというマーケティング戦略のことを言います。

例えば、実店舗というチャネルと、カタログ販売、ECサイト(インターネット販売)という3つのチャネルを持っている小売業があったとします。

このような場合、「カタログは比較的高年齢者向けの商品を扱って、ECサイトは若年層向けで、実店舗は売れ筋を中心に…」といった風に、従来は各販売チャネルが別個に動いているようなケースが多かったのです。

しかし、ラテン語で『すべて』を表す『オムニ』という言葉を冠されたこのキーワードは、従来のように各チャネルが別個に動くのではなく、一体のものとして動くことを目指しています。

上の例では、カタログを見て商品を知った消費者が、実店舗で実際にモノを手にとって、接客等の人的販売を受け、最終的にECサイトで購入するといったイメージとなります。

この場合、縦割りの考え方で「どこのチャネルが販売したか?」という事ではなく、すべてのチャネルが連携し、一体となって販売したという事になるのです。
さて、実店舗をショールームのように利用して実際の購入は割安なECサイトで行うという消費者の行動が実店舗を構えている小売業の課題となっています。

実店舗を持っている小売業としては、せっかく費用をかけて仕入れ、廃棄ロス機会ロスのリスクを背負って陳列しているのに、競合のECサイトのショールーム扱いされたらたまりませんよね?

でも、自社のECサイトで購入してもらえれば、ショールーミングされても一向に問題ないという発想が生まれたのです。

(もっとも、店舗の業績評価をどうするかといった問題は残りますが…)


例えば、店舗にタマタマ在庫がなくとも、ECサイト部門から即座に消費者の自宅あてに配送するとか、ECサイトで見た商品を実際の店舗で人的販売を活用して売り込んでいくといった発想です。

そして、このように『すべて』のチャネルを連携させて一体のものして販売活動を行うような事をオムニチャネルと呼ぶのです。

関連用語
マルチチャネル
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