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財務・会計

財務・会計
2019年1月22日

他人資本 | いわゆる借金ですが他人資本を活用すれば事業が加速して儲かります

他人資本_001
他人資本とは、返す必要がある資金の事を言います。いわゆる負債というやつですね。

企業は返済義務のない自己資本と、返済義務のある他人資本を組み合わせて資金を調達しています。(貸借対照表の貸方(右側)は資金の調達源泉を示していると言うことができます。)

■他人の資本は返す必要があります


他人のモノを借りたら返す必要がありますよね?逆に、自分のモノの場合は返す必要はありません。

これは資本も同じです。自分のお金は誰かに返す必要はありませんよね。でも、借りてきた資本、商売の元手は、借りた人に返す必要があります。そして、通常は利息も支払う必要があります。

このように、他の人から借りてきたお金を他人資本と呼び、元本の返済義務や利息を支払う必要が出てくるのです。
 BS

■貸借対照表の例を示します


貸借対照表は右側が資金の調達源泉、左側が資金の運用形態を示します。

そして、上の貸借対照表の右側にある負債の部が他人資本にあたります。負債と借りてきたお金って日本語的にはほとんど同じだから直感的に理解しやすいと思います。

では、負債の部にはどのような『借りてきたお金』が乗ってくるのでしょうか?

これは、いわゆる外部金融で調達してきた資金がこちらに記載されてきます。

具体的には銀行からの借り入れ(間接金融)や、社債の発行(直接金融)、買掛金(企業間信用)などが該当します。

■他人資本とはひとことで言うと

さて、色々な言葉が出てきましたが、要するに自分のお金でないものが他人資本となって、貸借対照表上は負債の部に記載されます。

■他人資本は悪いの?

さて、負債というと借金というネガティブな言葉と結びついてしまいます。ということは他人資本=借金なんですね。

しかし、他人資本を活用することは別に悪いことではありません。

例えば、8%の利益を上げられる事業を金利2%の他人資本で調達したお金で実施できれば6%分儲かりますよね?こういった考え方をレバレッジと言います。

また、お金の入金と支払いのスパンにずれが出ることがあります。例えば、1月に70万円の商品を100万円で打った際に、仕入れは1ヶ月後に支払い、1ヶ月在庫で眠らせた後に売上が発生し、売上は1ヶ月後に回収できるような場合です。


1月 2月 3月
支払い 70万円
入金 100万円

この場合2月に仕入れ分の70万円の支払いが必要ですが、売上は2月に上がっていますので、3月まで待たないと100万円入金されません。

他に現金がないと、資金ショートを起こして倒産してしまいますが、他人資本で運転資金を調達できれば無事に30万円儲かります。


このまんがでは、経営の調子がいい要因として他人資本を利用して経営しているからと言っています。

解説で出てきた用語・関連用語
間接金融
社債
直接金融
企業間信用
貸借対照表
自己資本
財務・会計
2019年1月21日

企業間信用 | 商売をやっている中で企業の間で貸し借りをする事です

企業間信用_001
企業間信用とは、商品売買に伴い支払期日をずらす事によって生じる企業間の債権・債務の関係の事を言います。この企業間信用は外部金融の一つの形となります。

はい、何のことかわかりませんね。ちょっと定義が堅すぎると思います。

それなので思いっきり柔らかくしてみます。

これは簡単に言うと、企業が支払いをお互いに待つことで、直接お金の貸し借りをしていないけど資金調達できてますよねーって事を言っているのです。

■お金を払うのを待ってもらうのは

例えば、払わなきゃならない支払いを少し待ってもらうとします。それも広い意味ではお金を借りている事にあたりますよね。

逆にもらうことが出来るお金の回収を少し待つ。こちらはお金を貸している事にあたりますよね。

あなたがお店を経営しているとします。そして、よく知っている常連さんにつけで飲ませてあげました。この取引では、常連さんにお金を貸しているのと同じですよね?

逆に、常連さんはあなたのお店にお金を借りているのと同じですよね?

これを堅く言うと、あなたのお店は常連さんに対してお金を請求する権利を持ち(債権:資産)常連さんはあなたにお金を払う義務が発生します(債務:負債)。

そして、簿記を勉強された方にとってはおなじみの「買掛金」「売掛金」「支払手形」等が、この企業間信用に該当します。

onnanoko_bustup
あのお店には2ヶ月分の貸しがあって、あっちには、3ヶ月分ね。ファンシーグッズのレンタルなんて需要がないと思ったけど、結構頼まれるモノね。

onnanoko_bustup
で、あっちの会社には1ヶ月分の貸しと。回収サイトをバラバラにしたのはミスだったかしらねぇ。でも、与信管理をしっかりしないといけないし。

neko
なんだか管理が大変ですね。でも、それだけ貸しがあったら全部回収できたらすごく儲かりそうですね。

onnanoko_bustup
そうでもないのよ。あちこちから借りているから。なんか企業間信用ってすごいわよね。現金がほとんど動かなくっても商売できちゃうんだから。


■企業間信用は流動○○

この企業間信用は一般的に、金融機関からの借り入れと比較して短期間となります。また、正常営業循環基準という基準にも当てはまるので流動資産、流動負債に該当します。

短期間で回収したり、短期間で支払ったりしないとならない貸し借りなので貸借対照表上には流動○○と表示されます。

そして、比較的短期間に払ったり回収したりするお金が足りているかを見るのが安全性分析にというのです。

■確実にお金が返ってくるかの管理が必要です

このように、企業間信用でもお金の貸し借りが発生します。そのため、しっかりとお金が返ってくるかどうかを管理する必要があります。(こういうのを決済リスクと言います)

もちろん貸し手側(売掛金を計上する側)は、その企業がお金を払ってくれないような事態になれば貸し倒れが発生してしまうので、与信管理をしっかりとやっていく必要があります。

このまんがでは、メガネの先輩はお財布を忘れたようですごく焦っています。それは、どうやら後輩へご飯をご馳走すると言ってしまったからのようです。

それを察した学食の先生は、お代はもらっている事にすると言ってくれています。この場合、学食は男子生徒に対して食事代を貸していることになります。


解説で出てきた用語・関連用語
流動負債
流動資産
決済リスク
財務・会計
2019年1月20日

ワンイヤールール | 一年基準で貸借対照表の流動と固定を区分しておくと便利なのです

ワンイヤールール_001
ワンイヤールールとは、一年基準とも呼ばれ、資産や負債が貸借対照表上の流動○○に分類されるか否かを判定するための基準の一つを指します。

これは、単純に一年以内に現金化されるor現金が出ていくものは流動○○にしましょうというものです。英語ではそのままone year ruleと表記されます。

厳密には貸借対照日(要は決算日)の翌日から起算して1年以内という考え方になります。

■先に正常営業循環基準がある

この基準は、正常営業循環基準を適用したうえで、それで流動○○と判断できなかったものに対して用います。

判定の順番は以下の通りです。
1.正常営業循環基準
判断できなかったら↓
2.ワンイヤールール

■わかりやすくワンイヤールールの例を示します

売掛金や買掛金はどうでしょうか?これは正常な営業循環の流れに入っていますので、流動資産、流動負債と判別します。

また、棚卸資産(要するに商品)も正常な営業循環の中に入っていますので、流動資産と判別します。

では、どこかの金融機関から借りてきた借入金はどうでしょうか。また、経営者へ対して貸し付けたお金はどうでしょうか?

これらは営業循環の中には入っていませんよね?

そのため、ワンイヤールールを適用して判断します。

これを仮に、貸借対照表上の流動と固定を正常営業循環基準だけで判断するのであればどうなるでしょうか。

この場合は、営業循環の中に入っていないので『固定資産』『固定負債』となります。

しかし、決算日の翌月が返済期日であった場合に固定負債として問題ないでしょうか?

また、決算日の翌々月に返ってくる貸付金を固定資産として問題ないでしょうか?

少し考えると、すぐに返ってくる、すぐに払わなければならないモノだとわかりますので、固定○○に分類するのは不合理ですよね。

また、利害関係者(ステークホルダー)の判断を誤らせる可能性がありますよね?(流動比率が200%で短期的には安全だろうと判断した企業だったのですが、翌月多額の返済があって資金ショートしたなんてことになったら、何のために財務諸表を見たのかわからないですよね。)

そのため、このワンイヤールールは正常営業循環基準を適用した後に、この基準を補うように適用されます。
onnanoko_bustup
ウチは流動比率がいいから潰れませんよ。だからご融資を…

neko
融資の件はどうでしたか?

onnanoko_bustup
断られちゃったよ。ウチの流動比率を見たら問題ないと判断されると思ったんだけどなぁ。まあ、平気だけどね。

neko_akire
役員貸付金がワンイヤールールで流動資産になってるけど、この貸付金って期限が来ると借り換え借り換えでやっていて返ってこないから、実質的に固定資産、もっと言うとすでに貸し倒れているんだよなぁ。

onnanoko_bustup_2
何か言ったかしら?


固定資産
固定負債

財務・会計
2019年1月15日

DSCR | キャッシュフローで返済や利息の支払いが賄えますか?

DSCR
DSCRとは、ある企業がお金を借りた際に、負債の元金と利子を獲得したキャッシュフローでどれだけ返すことができるかという指標の事言います。英語ではDebt Service Coverage Ratioと表記されます。

元利金返済カバー率ともいい、獲得したキャッシュフローは元利(元金と利息)支払いの何倍かを示す指標です。なお、数字が大きい方がより安定していると考えられる指標です。

単純に言い換えれば、100万円のキャッシュフローを獲得している企業が10万円の元利金返済を行った場合と、100万円のキャッシュフローを獲得している企業が100万円の元利金返済を行っている場合のどちらが苦しいかを比較する指標であるといえます。
  • 借りたら返さなければなりません
さて、企業がお金借りてくれば当然返済をしなければなりません。そして、お金を返済するわけですから、どこかからお金を持ってこないといけないですよね?

もちろん、他人から借りてきても、資産を売却してもお金は生み出すことができます。

しかし、そのようなお金で返済できたとしても早晩行き詰まってしまうため、本業で稼いできたお金と返済すべきお金の比率を示して検討しようと言った発想で生まれたのが、このDSCRなのです。
  • DSCRの例

例えば、『田中正造商店』が元金と利息で合わせて100万円返済しなければならないとします。そして、この企業は活動の結果120万円の現金を生み出しているとします。(キャッシュフローは利益概念とは別の考え方になります。参考:キャッシュフロー経営)

この場合、DSCRを計算してみると

DSCR=返済前のフリーキャッシュフロー÷元金と利息の返済額

DSCR=120万円÷100万円=1.2

となります。


他方、『相田商事』が元金と利息を合わせて60万円返済しなければならないとします。相田商事は80万円の現金を事業活動で生み出してたとします。

このままだと、『田中正造商店』と『相田商事』どちらの企業の方が安定しているかわかりません。

ここで『相田商事』のDSCRを計算してみると両者を比較することができます。

DSCR=80万円÷60万円1.33

このことから、後者の『相田商事』の方が企業としては安定していると言うことができるのです。

・貸すのはいいけど…

ざっくりというとこのDSCRは、「貸すのはいいけど、おたくの会社は本当にお金を返せるの?」という事を見る指標なのですね。

onnanoko_bustup
金利が低い今のうちに借りられるだけ借りるのよ。レバレッジをかけてROEを高めるのが素敵な経営者なのよ。

neko_akire
確かに金利は低いから利益はあんまり圧迫しませんが、返済大丈夫ですか?

onnanoko_bustup
大丈夫よ。DSCRって指標でみると10ぐらいあるから。元利の返済の10倍のフリーキャッシュフローを稼ぐうちに死角はないわ。

neko
意外と堅実なんですね。


  • DSCRは不動産投資でも使われます
さて、上の説明は企業全体についての説明でした。しかし、この考え方は不動産投資などでも簡単に応用することができます。

すなわち、取得した物件から得られる利益で返済額がどれだけカバーできるかを見るという指標です。

この場合、

DSCR=利益÷元金と利息の返済額

となります。※利益ではなく、キャッシュフローとする場合もあります。

この指標が1.0以上になれば、取得した物件からの収益で返済ができているという事になりますし、1.0に満たないと、取得した物件の収益だけでは返済ができないのでどこからか返済の原資を持ってこないといけないというわけです。

もちろん、1.0ではカツカツなので話になりませんし、うまみがありません。節税などと言ったセールストークでこういった案件の話しが来るかも知れませんが、企業は税金を払ってでも成長すべきというのが本サイトの立場です。

また、現金を吸い取られるような投資をしていると、いざというときに本業の足を引っ張ることになりますのでおすすめはしません。(現金預金がいざというときにはものを言います。)

なお、このDSCRが1.0を下回るケースでは金融機関は融資を行わないと言われています。(一説には1.2未満が基準とも言われます。)

解説で出てきた用語・関連用語
財務・会計
2018年12月24日

ゼロベース予算 | 去年の事は関係ないのです。忘れてください

ゼロベース予算
ゼロベース予算とは、予算を立てる際に、過去がどうであったかを考慮せず、文字通りゼロから予算を策定していくことを言います。

長く続いている組織では予算であっても事業であっても「前年がこうだったから…」とか「前例を踏襲して…」といった事が行われることが多くなります。

もちろん、「前人の知恵」と言う言葉もありますし、そもそもどんな事業であれ始めたときは一定の効果を生んでいたはずですから、それを踏襲することは一概に悪いという事はできません。

むしろ、安定的な事業運営を実施していくといった観点に立つならば、褒められるべき行為かもしれません。

しかしながら、時代は変化します。その結果、始めた当初は有効だった事業であっても、形骸化してしまい、全くの無駄になっている可能性もあります。

ただし、そうであっても「前年比で…」といった発想で考えた場合、無駄とわかっていても完全に断ち切るのが難しいのです。

そこで、ゼロベースで考える。サンクコストを無視し、もし今この事業を新しく始めるならどれだけの予算を確保するか、またそもそもやるべきか否かを検討して予算を作るといった知恵が生まれたのです。

その結果、予算が自然に膨れ上がる事を防ぎ、必要な投資を行う事ができるとされています。

但し、ゼロベース予算を組もうと考えると、前年踏襲型の予算と比較してコストが余計にかかるといったデメリットもあります。
  • 前年踏襲型予算のメリットとデメリット
このゼロベース予算について考えるために、従来型の前年踏襲が他予算について考えてみます。

まず、前年踏襲型の予算は、策定に余計なコストがかかりません。いちいちすべてのことを精査していたら、非常に時間がかかってしまいます。そしてビジネスにおいて時間がかかると言うことはコストがかかると言うことです。

その意味で、最小限の時間で策定することができる前年踏襲型予算の場合は、コストを抑えることが可能となります。

また、昨年の予算にプラスマイナスして作成するだけなので、以前検討したリソースを活用することができます。

このことから、ある程度合理的な予算編成をすることができると言ったメリットもあります。

とはいえ、予算規模は膨張し続けます。たいていの場合前年比プラス○%とされるため(外部環境が変化していてもお構いなしです)そのうち現実から乖離して不合理な予算となってしまいます。

そして、売上予算は達成できない可能性がありますが、費用の予算は必ずといっていいほど使い切られてしまいます。

そのため、どんどん従来型の前年踏襲型予算は現実と乖離した精神論予算になりがちです。そしてその結果、組織の採算は悪くなっていきます。
  • ゼロベース予算のメリットとデメリット
一方、ゼロベース予算の場合はゼロから積算しますので、積算した際の外部環境に合わせた予算編成が可能となります。

この結果、無駄な費用の削減につながることも多くあります。

しかし、予算編成自体にコストがかかるといった弱点もありますので、あまり重要でない部分を毎年ゼロベース予算で策定するなどとやってしまうと、せっかくの費用削減効果が無駄となってしまいます。

このように、万能な方策はあり得ませんので、どのような方策であっても使うところを選んで行くことが重要なのです。
財務・会計
2018年12月22日

販管費 | 販売費及び一般管理費という言葉は聞く機会が多いと思います

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販管費とは販売費及び一般管理費のことで、売上原価以外の本業の費用が該当します。

例えば、あんパンを仕入れて販売しているあんパン専門店を考えてみます。

この企業は

100円であんパンを売るために70円であんパンを仕入れてきたとします。また、今期は仕入れた数量すべてを販売しており、仕入れた70円が売上原価となっているとします。

この場合、100円の売上から70円の売上原価を差し引いた額が売上総利益(いわゆる粗利額)となります。

売上-売上原価=売上総利益

【関連用語】
売上原価

売上総利益(粗利益)

この粗利額がそのまま企業の本業の利益になるかというと、そうは問屋が卸しません。このあんパン屋さんが営業するためには、お店の家賃も必要ですし、従業員の給料も必要です。また、お店を営むための交際費や、水道光熱費などもかかります。

また、広告費も必要とおなるでしょうし、場合によっては販売手数料も必要とされるかもしれません。

このように、本業を営むために必要な費用のうち、売上原価以外の部分がこの販管費とされます。

そして、この販管費を売上総利益から差し引いた額を営業利益といい、企業が本業で稼ぐことができる利益とされています。

売上総利益-販管費=営業利益

なお、損益計算書はこの後に、企業が実施している金融活動で生じた収益と費用を調整して経常利益を計算します。

こちらは、企業の特別なことがない場合の、資金の調達・運用も含めた収益力を図る指標です。

また、経常利益から普段は生じない特別な損益を加減して当期純利益を計算していきます。
  • マンガでは
マンガでは粗利額で評価すると言われたといっています。これを逆手にとって、広告を打ちまくって(広報費は販管費になりますから)、赤字だけど好評価を得たというお話です。
財務・会計
2018年12月21日

不渡り | お金が受け取れなかったら一大事です

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不渡りとは、小切手や手形を支払呈示したにもかかわらず支払いがされないことを言います。

大雑把に言うと小切手や手形は、銀行に持って行くと現金に換えてもらえる紙ぐらいのイメージで覚えておいていただければ大丈夫なのですが、その現金に換えてもらうという肝心の機能が機能しなかったらただの紙切れでしかありません。

言い換えると、小切手や手形は相手を信用して適法に呈示したら支払われることが期待されて運用されています。そのため、その支払いが拒絶されると言うことは極めて重いことなのです。

なお、不渡りとなった小切手や手形は不渡小切手、不渡手形と呼ばれます。
  • 不渡り即倒産ではありませんが…
さて、不渡りという言葉を聞くと直ぐに倒産という言葉が連想されてますが、不渡り即倒産ではありません。

確かに、約束していた期限までにお金を払ってもらうことができなかったというとても重い事故を起こしたことには違いがありませんが、それだけでは倒産までには至りません。

不渡りを起こしても、1回目では全金融機関に通知されるだけなのでその後の商売は信用がなくなるためとても難しくなりますが、それでも現金払いを徹底するなどの条件ならば続けることは可能です。

とはいえ、期日までにしっかりとお金を返してくれない企業と取引をしたいと望む企業はほとんどないと考えられますので(どんなに売上を上げても、現金が回収できなければ何の意味もありませんから。)極めて企業の存続は難しくなります。

そして、さらに2回目の不渡りを6ヶ月以内に起こしてしまうと、今度は銀行取引停止処分という重い処分が下されます。

こうなってしまうと、商売が止まってしまうので倒産まで突き進んでしまうこととなります。
  • 債務超過の場合
なお、似た言葉に債務超過という言葉があります。こちらは、会社の財産ををすべて売却しても負債を返済しきれないという状態であり、不渡りや倒産とは異なる言葉です。

特に、中小企業のなかでも比較的規模の小さい企業では役員が企業に貸し付けをすると言うことが行われるため、債務超過の状態でも問題なく経営している企業もあります。
財務・会計
2017年12月25日

未払金 | まだ払っていないお金ですが、一定の条件の下では買掛金となるのでわかりにくいですね

未払金
未払金とは、まだお金を支払っていない債務で、営業活動に伴う取引以外で発生したものを言います。

例えば、事務用品や機械や装置を買って、それを後払いにした場合等が未払金扱いとなります。
  • お金を払っていないだけなら
さて、この未払金と混同しやすい言葉に買掛金というのがあります。こちらは、仕入れ等通常の営業活動をしていく中で生じたものを指します。

例えば、パン屋さんが小麦粉を仕入れたりする際に、すぐにお金を払わなかったらそれは買掛金になります。

このパン屋さんにとっては、小麦粉の仕入れは原材料の仕入れですから、通常の営業活動になるわけです。

そのため、買掛金になるというわけです。

これに対して、このパン屋さんがパンを焼くためのオーブンを買ったり、その電気代を後払いにしたりした場合は未払金となるイメージです。

通常の営業活動かどうかで、未払金と買掛金というふうに言い方が変わるといったイメージですね。
  • 会計上は
さて、この未払金は通常は流動負債という扱いになります。厳密には、流動負債固定負債は正常営業循環基準とワンイヤールールの二つで分類するのですが、おおむね、1年以内に支払うことが多いので、ほぼ流動負債扱いになります。

簿記を学ぶと、費用が発生した段階で未払金が発生し、実際に支払った際にその未払金がなくなるといった風に教わると思います。

しかし、小さな企業などは会計処理上、お金を支払った段階で費用を計上しているケースが多くあります。

もちろん、税理士の先生や会計担当者がそのように処理しているので忘れる場合ないと思いますが、そのように処理した場合は、翌年度に実際に支払ったときにしっかりと未払金勘定を減らすようにしましょう。

財務・会計
2017年11月15日

清算価値 | 今やめて今持っているものを全部売ったらいくらになるかを考えます

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清算価値とは、ある時点で企業を清算したした場合の企業価値のことを言います。清算ですから、貸し借りを全て整理して始末をつけるといった意味合いの言葉になり、文字通り、今持っている資産を全部売り払って、今借りている負債を返した時にいくら残るかを考えるものとなります。

英語表記ではliquidation valueとされ、今日仮に企業を解散させて清算した場合、いくら株主の手に残るかを考える概念です。
  • 帳簿と一致するの?
さて、このように説明すると勘の良い方は、「一定時点の財政状況を表す貸借対照表に近い考え方なのかな。」と思うかもしれません。

確かに、一定時点の財政状況を表すので、すべての資産や負債が時価で計上されていればそうなるかもしれません。

しかし、実際の貸借対照表は取得原価で表示されていたり、帳簿上は価値がありますが、実際には売却できない繰延資産が計上されてあったり、いわゆるオフバランスの項目があったりと厳密には一致しません。

そのため、実際に清算価値を考える際は、仮に今の資産を全部売却して負債を返した場合、どれだけの価値が残っているかを考えるようなアプローチになります。
  • どんな時に使うの?
この清算価値の考え方を実際に使うのは少ないのですが(株式投資の際に一株当たり純資産を考えるときはあるかもしれません)、企業再生の際に、破産させたほうが回収額が多いのか、事業を継続させたほうが回収額が大きくなるのかを判断する際に使ったりします。

すなわち、清算価値を参考にしつつ、継続価値と比較してどちらが良いかを考えていくといった使われ方をするのです。


財務・会計
2017年11月14日

継続価値 | 企業が存続することを前提とした企業価値算定方法です

4_001
継続価値とは、企業がずっと継続するという前提に立った企業価値算定方法です。一応企業会計上の建前は企業は永続するという事になりますので、その建前に従った企業価値算定方法です。

英語ではgoing concern valueと表記し、文字通りゴーイングコンサーンの時の企業価値といったぐらいの言葉になります。
  • まずは計算式をコンパクトに
さて、この前提に従ったときの企業価値の算定方法は次のようになります

現在価値(PV)=キャッシュフロー(CF)÷割引率(r)

PV=CF/r

となります。

例えば、100万円のCFを資本コスト5%で毎年稼ぐ企業の継続価値は

PV=100万円÷5%=2,000万円

で2,000万円となります。
  • 資産価値とは異なります
さて、この計算式で算出した継続価値は2つの仮定が用いられています。それは将来のキャッシュフローに関する仮定と資本コストに関する仮定です。

どちらも、あくまで現時点での予測でしかありませんので、予測に基づいた企業価値も予測にしかすぎません。

しかし、一般的にはこの継続企業価値は現時点の企業の資産価値よりも高く算定されます。

例えば、上記の企業の純資産が1,000万円だったとします。そして、その企業を継続価値で買収したいと考えた場合、2,000万円で買収することとなります。

この場合、1,000万円の客観的な価値のものを2,000万円で買うわけですから企業会計上、いわゆる『のれん』が生じます。

この『のれん』の源泉は既存顧客との関係性や無形のノウハウなどグッドウィルであると言われますが、のれんの価格は実際の買収価格と純資産額の差額になります。

参考:清算価値
財務・会計
2017年11月13日

大馬鹿理論 | びっくりするような理論名ですが、内容もびっくりです

3_001 (1)
大馬鹿理論とは金融市場などにおいて、仮に価格決定要因が完全に織り込まれており、これ以上は高値になり得ないとしても、それ以上の価格で購入する『バカ』が相当数いるので投機が正当化されるという理論です。(ヒドイ理論ですよね…)

といっても、理論とは名ばかりで、「ババ抜きのババを引く人間がいるはずだから買っておけ」ぐらいのことを意味する言葉です。

英語表記ではgreater fool theoryと表記され、文字どおり愚か者理論となっています。
  • 本当に投機する人は愚か者なのか
とはいえ、投機自体は悪いことではなく、市場に流動性という価値をもたらしています。

誰も、投機的に金融市場に資金を投下しなくなってしまえば、売りたいときに売れないといった流動性リスクが生じてしまいますし、そのようなリスクが存在する市場では、その分のリスクを割り引いた価格でしか取引ができなくなるので、正確な価値で取引をすることができなくなります。

また、投機している当事者にとってはこのような社会的な意義は別として儲かればいいので、結果として儲けることができれば、決して投機は愚かな行為ではないのです。

逆に言えば本来価値よりも低い価格で取引されていると考え、投資した結果、損をしたらそれは愚かな行為となってしまいます。(結果論ですが)
  • 価値以上というけど
そもそも、金融商品の正確な価値とは何でしょうか?配当割引モデルなどを用いた理論株価の算定も可能ですが、その通りに行かないのは皆様の方がご存知のはずです。

そのため、どうしても実際の価値とは(それが算定できればの話ですが)離れた価格で取引が成立するのです。

また、1600年代に現在のオランダでチューリップの球根が莫大な金額で取引をされていたという実例があります。最盛期には数ヘクタールの土地や熟練の職人10人分の年収でチューリップの球根1個が取引されていたという、にわかには信じがたい話です。

この例もチューリップの球根自体の価値ではなく(美しいチューリップには確かに価値がありますがその価値をはるかに超えて取引価格がつけられていました)もっと高く買う人が現れることを期待して投機が行われたのです。

財務・会計
2017年11月8日

信用リスク | 相手がお金を返してくれなければ、どんな投資も大損になってしまいます

sinnyou
信用リスクとは取引先等が倒産などの原因でお金を払ってくれなくなるリスクです。取引相手の信用によるリスクなので信用リスクというイメージです。

一般事業者の場合は、上のような説明になりますが有価証券に投資しているような場合はいわゆるデフォルトリスクの事を指します。

と言っても話の筋はほとんど同じです。相手が何らかの原因でお金を返せなくなることから、株式投資の場合は相手企業の破たんに伴って株券が無価値になることを指しますし、社債などの債券投資の場合は相手が返済してくれなくなるといった事を指します。

いずれにしても、お金を貸した相手がお金を返してくれなくなるといったリスクを指す言葉です。
  • リスクはコントロールすることが大切です
このようなリスクはどのような企業と取引をしてもつきものですから、信用リスクをコントロールするために様々な手段を講じる必要があります。

例えば、取引先の業績が悪化傾向にあれば取引を絞っていくことや、支払いサイトを短くしてもらう事を検討する必要があります。

例えば、毎月100万円の取引を3カ月サイトでしていれば300万円ほどは常に売掛金という形で売上債権となっています。その取引を80万円に絞り込み、支払いサイトも2か月にすれば160万円に売上債権が減るので、万が一のことがあったとしても貸し倒れの金額は大幅に抑えることが可能です。

また、金融機関であれば、新規の貸し付けを行わずに通常の返済だけを受け入れれば貸付金は減っていきます

(逆に言うと、このようなことをされる危険性があるため、業績の悪化を隠そうとする企業が多いのです。)

また、証券投資の場合はある程度投資銘柄を分散させる事で信用リスクを分散させることが可能となります。
  • 国の制度でもリスクコントロールできる
また、国の制度で経営セーフティー共済(中小企業倒産防止共済制度)といった制度も用意されており、取引先が倒産した場合に、無担保無保証人で掛け金の最大で10倍まで借り入れることができるというものもあります。

とはいえ、貸倒損失が出るのは避けられませんので、この制度は緊急回避以上のものではありません。そのため、しっかりとした与信管理の方が相対的に重要なのです。
財務・会計
2015年11月25日

債務超過 | 債務超過イコール倒産は明らかに言い過ぎです

債務超過
債務超過とは、貸借対照表上の純資産がマイナスとなっている状態を示す言葉です。

この債務超過に陥っている企業がどういう状況であるかを端的に示すと、もし現時点で会社を解散した場合を考えてみればわかりやすいと思います。

この債務超過という状態では、持っている資産を全て帳簿にのってい価格の通りに売り払えたとしても負債を返済しきれないといった状態です。

■資産が無いの?

と、債務超過と書くと資産が無いと考える人がいるのですが、必ずしも資産の多い少ないとは関係のない考え方となります。

例えば、3000万円の新社屋を建てた企業は3000万円の資産を持っています。このほかには運転資金として1000万円の現金を持っている企業であっても、赤字を続けて負債総額5000万円になったらどうでしょうか?

この場合、総資産が4000万円、総負債額が5000万円となり、1000万円分が債務超過になります。

このように、資産があったとしても債務超過になるケースは大いにあります。

■債務超過になったらたちまち倒産するの?

債務超過になったからと言っても、会社は資金繰りが回り続ける限り倒産することはありません。仮にどれだけ大赤字になって莫大な債務超過に落ち痛っとしても 、現金が回り続ければその会社は存続します。

例えば、大幅な債務超過に陥っていたとしても、十分な売り上げがあり、かつ売り上げを現金で回収できるような取引条件に恵まれた業態であれば意外にしぶとく存続しつづけることが可能となります。

もっとも、債務超過の状態になると、取引先の金融機関が新規融資に応じてくれにくくなったり、取引先との取引が難しくなってきます。(債務超過な企業に後払いなんかを許していたら、回収しそこなう可能性がありますからね。)

その結果、債務超過になると業績に響き始めて、最終的には窮境に陥るケースも多くなります。しかし、債務超過イコール倒産というのは明らかに言い過ぎになります。


 

財務・会計
2015年11月18日

リスケジュール(リスケ) | 残念ながらなかなか企業再建の決め手にはなりえないのが現実です

リスケ
リスケジュールとはリスケとも呼ばれ、金融機関に対して債務の返済計画を変更してもらい、返済を長期化することを指す言葉です。

そして、返済が長期化するという事は、毎月支払う元金分が減少するという事になります。

例えば、600万円を5年で返済するという約束で金融機関からお金を借りていたとします。
当初は約束通り(約定どおり)毎月10万円の元金を支払っていたとします。(5年は60か月なので、600万円÷60か月でひと月10万円です)

その後、経済状況の変化によって、どうしても月10万円の返済が難しくなってしまって、リスケジュールをお願いし、月5万円の返済にしてもらったと言うのがこのリスケのイメージです。

この場合、月5万円の返済では当初約束していた期間よりも返済期間が長くなりますよね?

このような当初の返済スケジュールをリスケジュール(予定を組みなおす)といった意味合いでリスケと呼ばれているのです。

■リスケは企業再建の切り札となりえるか

さて、ここで当初の予定と異なる返済計画(つまり月々の返済を少なくするという事です)を金融機関にお願いするため、毎月の資金繰りは楽にはなります。

しかし、筆者の経験や周りの状況を訊く限りリスケジュール(リスケ)単体では企業再建の決め手とはなりえないと感じています。

企業の業績を良くするためには日々のコストカットや返済元金のカット等の資金繰りだけではなく、しっかりと利益を獲得していくことが必須です。

そして、利益を獲得するためには売上の向上を図る必要があります。しかし、この売上の向上を図るためにはある程度の運転資金が必要となってきます。

しかし、リスケを金融機関にお願いした企業については追加の融資を金融機関に打診しても応じてくれる可能性は極めて低くなります。

(リスケをすると金融機関内の格付けの関係上、経営改善計画書等を提供してもらえないと機械的に融資対象外となるとの事です。逆に言えば、そういった計画書をしっかりと作成し提出できれば良いので、その辺は専門家の出番です。)

しっかりと、将来を見据えてどうやって現在の状況を抜け出すのかまで含めた計画を作成し、その窮境を抜け出すための手段の一つとしてリスケジュールを活用するのならば、リスケは有効な手段とはなりえますが、目先の資金繰りが苦しいからといった理由だけでリスケを打診したとしても、企業再建の切り札とはなりえないのです。


財務・会計
2015年11月11日

季節資金 | 特定の時期に発生する資金需要を指す言葉です。季節という言葉を使うなんて詩的ですよね

季節資金
季節資金とは季節的な要因で発生する資金需要のことを指す言葉です。いつも必要となるような単なる運転資金ではなく、特定の時期に発生する資金を切り離して言う言葉です。
 
例えば、納税に必要な資金や賞与の支払資金、特定の時期のみに需要が発生するような商品の仕入資金等が挙げられます。

例えば賞与(ボーナスですね)を出している企業では、6月や12月には賞与を支払わなければならないため、その月については通常の月よりも支払いの原資となる資金が余分に必要となります。

また、食品小売業などでは年末にはお正月用の食材を買い求めるお客さんが殺到します。小売業は現金商売なのでそれほどではないかもしれませんが、小売業に商品を卸す卸売業や、商品を作る製造業は正月用の商品を確保するために、事前にお金を支払って製造を行ったり、製造業からの仕入を行うはずです。

その結果、お正月用の売上を確保するために、大きな資金需要が発生するというわけです。

そして、このような季節的な変動に基づく資金需要を季節資金と呼ぶのです。

■季節資金は予想できる

さて、このような季節資金ですが、かなりの確度を持って事前に予測できるといった特徴を持っています。

お正月用の商品を製造するのなら、年末前後に大きな資金需要が発生するのは毎年の事ですし、賞与の支払いや税金の支払いも前もって予測できるものとなります。

また、多くの業種には繁忙期というものがあり、大きな売り上げが作れる季節というのは逆に言うと多くの運転資金が必要とされる季節であるという事ができます。

このように、事前にある程度予測できる資金需要ですので、先を見越して事前に手当てしていくのが望ましい資金であると考えることができます。


財務・会計
2015年11月10日

つなぎ資金 | 現金が無くなった時点で経営は立ちいかなくなるので、次の入金までどうにかしてつなぐ必要があります

つなぎ資金
つなぎ資金とは資金繰りの都合上、入金は確定しているものの、その入金が必要な時期に間に合わないような場合において、一時的に借り入れてくる資金の事をさす言葉です。

文字通り、次の入金までのつなぎの資金なのですね。

■入金と出金にはタイムラグがある

例えば、建築業を営んでいる人がいるとします。この人が3か月で完成できる1,000万円の工事を受注したとします。

工事の着手金として200万円が、工事が完成した翌月に残額の800万円が支払われるとして、工事には1か月後に支払う材料費が200万円、毎月100万円ずつ人件費を支払い合計300万円の原価がかかるとします。

この時、工事自体では売上高1,000万円-工事原価500万円で500万円が儲かります。

しかし、この工事を請け負う場合、最初に現金を300万円以上持っていないと黒字倒産になってしまう危険性があります。

これは、入金と出金のタイミングで考えてみると理解できると思います。

入金と出金はそれぞれ

  • 1か月目には
入金:200万円
出金:100万円(人件費)
  • 2か月目には
入金:0円
出金:300万円(材料費の支払+人件費)
  • 3か月目には
入金:0円
出金:100万円(人件費)
  • 4か月目には
入金:800万円
出金:0円

となり、合計すると500万円の利益が出ます。(このように長期で見ると資金繰りと利益の概念は一致します)

しかし2か月目には現金が200万円のマイナスとなり、3か月目には300万円のマイナスが発生します。
(このマイナス分をいわゆる運転資金と呼ぶのです。)

このようなケースが生じるため、例えば当初、手元に200万円しか現金が無かったような場合、不足している100万円分の運転資金を調達する必要が出てきます。

■入金と出金の間を埋めるお金

さて、このような入金と出金の時間的な差を埋めるために導入する資金をつなぎ資金と呼びます。このような種類の資金はある意味返済できるのが前提の資金となります。そしてこの種の資金は比較的資金調達の難易度が低いものとなります。

そのため、主義として無借金経営を志向しているような企業以外は、この種のつなぎ資金を活用するといった選択肢はありだと思います。

財務・会計
2015年11月6日

ゴーイングコンサーン注記 | GC注記とも表記され、企業が倒産するかもしれませんよとの警告の事です

GC注記
ゴーイングコンサーン注記とはGC注記と表記されることもあり、財務諸表になされる注記のことを指す言葉です。

端的に言うと、その注記がなされた企業が継続し続ける事に疑いがある(つまり倒産する可能性がある)事を示す言葉です。

■企業は継続し続けるという前提がある

今日の企業は、ほとんどの人が意識していませんが継続し続けることが前提となって運営されています。

例えば、大手自動車メーカーや大手製パンメーカーが来年、事業を停止して会社を清算するなどとは誰も考えないのです。来年も、再来年も。可能である限り未来永劫企業は続いていくと考えられます。

こういった考え方を継続企業の前提(ゴーイングコンサーン:going concern)と呼びます。

■この継続し続けるという前提に疑義が生じた状態

さて、このような前提に立って企業は運営されているのですが、売上の減少に伴う多額の損失、財務内容の悪化、多額の損害賠償請求、営業キャッシュフローのマイナスによる資金繰り悪化、場合によっては債務超過などによってこの企業が継続し続けるという前提が崩れるような局面も出てきます。

そのような企業について、継続企業の前提に関する注記としてゴーイングコンサーン注記(GC注記)がなされ、投資家に対して注意喚起がなされるという制度が運用されているのです。(財務諸表に注記されます)

■とはいえ百パーセントダメになるわけではありません

とはいえ、このような注記が付いたからと言って必ずしも倒産するとは限りません。場合によっては、経営陣や従業員の努力の結果、このような継続企業の前提に対する疑義が解消されるケースもあります。

端的に言うと、このゴーイングコンサーン注記がついたとしても業績が回復する可能性はあるという事ですね。

そして、このような問題が解消すると読んでいわゆる『逆張り』をするといった株式投資の手法も考えることはできます。GC注記が出ているため株価は下がりきっていると考えられるため、倒産したら株の価値はなくなってしまいますが、業績回復する側に賭けてみるといった株式投資の手法です。(もちろん手元にある資産の一部で買う事になると思いますが)

このように考える人もいるので、株式市場で売買が成立するといった面もあります。


財務・会計
2015年11月3日

増加運転資金 | どうして売り上げ急増時に倒産する企業があるのか。答えはこの増加運転資金にあります

増加運転資金
増加運転資金とは、必要な運転資金が増加したことに伴い、調達してくることが必要となった運転資金の事を指します。

例えば、売上高の増加は一般的に望ましい事ではありますが、必要な運転資金も増加します。

また、売上高が一定であっても、取引条件が自社にとって不利に(売上債権の回収が遅くなるとか、仕入債務の支払いが早くなる)なれば必要な運転資金も増えます。

さらに、在庫管理がうまく行っておらず、在庫水準が増えても運転資金は増えてしまいます。

このように、一言で必要とする運転資金が増えたと言っても様々な原因が考えられるのです。

■売上が増えると

それでは売り上げの増加によって必要な運転資金がどれだけ増えるかを見ていきたいと思います。

今回は、従来50万円の売上高を上げている企業が200万円の売上を上げることができるようになったとします。

取引に関わるもろもろの条件としては、売価の半額での仕入を行い、仕入先には1か月後に支払う。また、販売後2か月後に現金を回収するとします。

また、機会ロスを防ぐために在庫として、月商の一か月分を常に保持するとします。

この場合の運転資金は、売上高が50万円の時には

所要運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務

なので、

売上債権=50万円×2か月=100万円
(販売後、お金の回収に2か月かかります)

棚卸資産=50万円
(1カ月分の在庫を持つため)

仕入債務=25万円×1カ月
(1か月後に原価率50%で仕入れた商品の代金を支払います)

となり

所要運転資金=100万円+50万円-25万円=125万円

となります。

つまり、50万円の売り上げを常に上げようと考えたとき、この会社は125万円を運転資金として持っていないといけないという事です。

このような条件の下、売上が200万円、つまり4倍になったとします。

この場合の所要運転資金は

売上債権=200万円×2か月=400万円
(販売後、お金の回収に2か月かかります)

棚卸資産=200万円
(1カ月分の在庫を持つため)

仕入債務=100万円×1カ月
(1か月後に原価率50%で仕入れた商品の代金を支払います)

となり

所要運転資金=400万円+200万円-100万円=500万円

となります。150万円の売上増によって、125万円でよかった運転資金が、500万円必要になったのですね。

この場合、375万円をどこかで調達してこないと、売り上げの急増によって資金ショートを起こす可能性が出てきてしまうのです。

(売上高の増加によって必要な運転資金が急増するので、急成長した企業が急に倒産するといった事が発生するのです。)
財務・会計
2015年10月28日

所要運転資金 | 普通に経営するためには運転資金としてお金が必要になります

所要運転資金
所要運転資金とは経常運転資金とも呼ばれ、企業が通常の営業活動を行っていくにあたって必要とされる資金の事を言います。

ここで、必要とされる資金といった通り、儲かるとか儲からないといった利益概念とは全く関係のなく、会社を存続させるための純粋な資金繰りの問題として把握する必要がある考え方です。

(これが不足するといわゆる資金ショートを起こしてしまいます。)

一般的に商品を仕入れて、販売し、それを回収して入金するまでには時間がかかります。また、かといって仕入れてスグにお金を払うわけでもありません。(こういった考え方を回収サイト支払サイトなどと表すこともあります。)

このように、通常に営業していてもお金の入金と支払いにはズレが出てきます。そして、そのズレを埋めるためにいくらお金が必要かを所要運転資金という概念で説明するのです。

■いくら必要なの?

と、通常に営業活動を行うにあたって資金が必要であると言いましたが、具体的にはいくら必要なのでしょうか?

一般的には入金と支払のズレを明らかにするため、以下の計算式を用います。

【所要運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務】

それではこの式を使って、具体的に見ていきましょう。

例えば、毎月平均的に100万円の売上を上げる企業があるとします。この企業は原価率50%で商品を仕入れており、仕入先には仕入の1カ月後に支払い、販売後2か月後に現金を回収します。

また、在庫として、月商の一か月分を常に保持しているとします。

その場合、必要な各要素は以下のように計算できます。

売上債権=100万円×2か月=200万円
(販売後、お金の回収に2か月かかります)

棚卸資産=100万円
(1カ月分の在庫を持つため)

仕入債務=50万円×1カ月
(1か月後に原価率50%で仕入れた商品の代金を支払います)

所要運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務

なので

所要運転資金=200万円+100万円-50万円=250万円

となります。

言い換えると、このようなサイクルを回すためには、250万円のお金を準備しておかないといけませんよといった考え方になります。


 
財務・会計
2015年10月26日

売価還元法 | 「この売上原価って怪しくない?」簿記を勉強すると必ず遭遇するモヤモヤ感です

売価還元法
売価還元法とは、取扱品目の非常に多い小売業等でよく使われれる棚卸資産(要するに在庫の事ですね)の評価方法の一つで、売値ベースで把握した在庫金額から原価ベースの期末の棚卸資産有高を求めるための方法です。

売上原価を計算しようと考えた場合、期中にどの商品がどれだけ売れたか、売れた商品はいくらの単価で仕入れたものであったかを、先入先出法や、後入先出法、移動平均法などの方法を用いて把握していく必要があります。

「今回売れた商品は、100円で仕入れた商品が3ケと同じ商品だけど101円で仕入れた商品が2ケだった…」などと記録をしていく必要があるのです。

しかし、ちょっと近所のスーパーを思い浮かべて欲しいのですが、小売業などでは非常にたくさんの商品を取り扱っていますよね?

これらの商品を一つ一つ上にあげたような方法で管理していたら非常に手間がかかり、大変なことになります。

そのため、期中に単価を考慮せずに済ますといった売価還元法といった方法が用いられています。

■棚卸をするだけ

(その棚卸がきわめて大変なのですが)定期的にて商品がどれだけ残っているかをチェックする棚卸を行い、その情報と商品毎の売価(値札がついていますからこちらは簡単に把握できます)を掛け合わせて一定のグループごとに売価ベースの商品有り高を算出します。(惣菜とか日配、グロサリー等のグループごとに把握します)

その後、グループごとに算出したその期の原価率を乗じて、原価ベースの在庫有高を求めます。

原価率=(前期末評価額(原価ベース)+当期仕入高)÷(投機売上高+期末在庫高(売価ベース))

まず、原価率を求めそのあと、求めた原価率を用いて期末評価額(原価ベース)を求めます。

期末在庫高(売価ベース)=棚卸数量×売価

期末評価額(原価ベース)=期末在庫高(売価ベース)×原価率

といった計算で算出することができます。

そして、この計算を実施すると、期末評価額が判るのでいわゆる『シイレクリショウクリショウシイレ』といったオマジナイを唱えて売上原価を計算するのです。

(借方)仕入(貸方)繰越商品
(借方)繰越商品(貸方)仕入
※この仕訳を決算整理仕訳として実施することによって仕入勘定に売上原価が計算できます。

計算式にするとこんな感じです。

売上原価=期首在庫+当期仕入高-期末在庫

■この考え方怪しくないですか?

さて、このような売価化還元法ですが、なんだかモヤモヤしませんか?そのようなモヤモヤ感を感じた方は正解です。というのは、この売価還元法は完全に正確ではありません。

だって、どう考えても完全に正しい値にはなりえませんよね?

でも、会計上はこれでよいとされています。企業会計原則真実性の原則で言われるところの真実は相対的真実といった考え方となります。

もっというと、先入先出法を採用していたからといて、先に仕入れたものから売れていくわけではないですし(陳列棚の後ろからワザワザ商品を取るような人、いますよね?)もっと乱暴な最終仕入原価法(最後に仕入れた仕入れ単価を採用する)などといった方式も認められています。

そのため。ここに深入りしても学者先生以外は得をしないので、スルーしておくことを推奨します。

財務・会計
2015年10月21日

少額減価償却資産 | 少額なら全額その年の経費にしても良いよといった制度です

少額減価償却資産
少額減価償却資産とは、一年未満しか使えない資産や、単価が10万円未満の資産を指す言葉です。

なお、中小企業については上の10万円未満という要件が平成28年3月31日までに取得した資産については、30万円未満に引き上げられています。【平成27年4月1日現在】
 
さて、このような特例を設けるくらいですから、通常の固定資産との違いがあるはずです。

通常の固定資産の場合、減価償却といった手続きを経て、徐々にしか費用化することができません。

例えば、25万円の営業用の機械を購入したとしても、税務上それが5年使えると税法上で判断されているような場合、年間(12か月)で5万円しか損金(税務上の費用)にできません。

そのため、「えっ、利益を圧縮するために年度末に駆け込みで機械をかったけど、4,167円(250,000×0.2(償却率)÷12×1(ひと月分))しか損金にできないの?」といった事が起こり得るのです。

しかしながら、少額減価償却資産として扱われるような資産は購入した年度に『全額』損金とすることができます。

つまり、上の例では、25万円を全額損金にできるのです。

■この特例は制限なくできるの?

さて、このような特例を活用できれば、「じゃあ数千万単位の利益が出そうになったら、30万円未満の資産を沢山買えば利益を圧縮できそうですね。」と思う方もいると思います。

しかし、このような特例を際限なく認めていたら税収の確保が難しくなってしまいますので一定の歯止めがかかっています。

そのため、この特例を用いることができるのは、年間300万円を上限とするといったルールがあります。

どういう事かというと、26万円の固定資産ならば11ケまでならば286万円なので、全額購入した年の損金にできますが、12ケ購入すると累計額が312万円となり300万円を超えてしまいうといったルールです。

なお、通常の少額減価償却資産(一年未満しか使えない資産や、単価が10万円未満の資産)の場合、このような制限はありませんので、9万円の機械はいくら購入してもその年の損金とすることができます。

関連用語
一括償却資産

 
財務・会計
2015年10月20日

一括償却資産 | 固定資産を買ったらなかなか費用として落とせない?金額によっては3年で費用にできる制度があります

一括償却資産
一括償却資産とは、減価償却資産のうち、取得価額が10万円以上、20万円未満のモノについて、一括して3年間で均等償却を行えるとする例外規定の事を指します。

さらに青色申告を行っている中小企業においては、30万円未満、年間300万円未満まで認められるといった例外規定の例外も儲けられています。

■損金と会計上の費用

さて、税法上で認められる損金(税務上の費用)と会計上の費用は異なります。会計上は、収益の獲得に役だっていると考えられる期間で費用配分を行う事が合理的であると考えられています。

例えば、15万円である機械を購入したとして、その機械が10年間にわたって収益の獲得に貢献するのならば10年間かけて減価償却を行ったり、その機械が本年度の収益獲得にのみ役立つのならば、1年で減価償却をするといった感じです。

しかし、そのようなことを許していると「今年は利益が沢山出て税金を払わないとならないから、この機械はずっと使うけど、今年の費用にして利益を圧縮しよう」などといった事を行う人が出てきてしまい、税収の確保に支障をきたしてしまいます。

そのため、税法上は、「○○という種類のモノは5年、○△なら8年で償却しなさい。これ以下の期間で償却しても損金として(税法上費用として)認めません」とやっています。

そして、会計上の償却年数と税法上の償却年数がバラバラだとめんどくさいので実務上は、税法上の償却年数に合わせて運用されています。

また、3年未満の償却年数が設定されているような償却資産はそれほど多くないため(つまり、全額損金にするためには3年以上かかるケースが多い)、このような例外規定が設定されていると、通常よりも早く損金にできる(つまり税法上の費用にできる)といったメリットがあります。

また通常の固定資産は月割りでしか損金にできないため、決算月に購入した資産は1か月分か損金にできません。しかし、この一括償却資産は決算月に購入したとしても1年分を損金とできるといったメリットもあります。

■とはいえ

とはいえ中小企業の実務上はあまり出てこない考え方となります。というのは、青色申告者で中小企業者は、30万円未満の固定資産の場合(一括償却資産と同要件です)、少額減価償却資産として全額をその資産を使い始めた年に損金にすることができるのです。

そのため、利益を圧縮して税金額を少なくしたいと考える事業者については、ほぼこちらの少額償却資産の方を用います。

関連用語
減価償却
 
財務・会計
2015年10月17日

固定資産の除却 | 使っていたモノを使わなくするといった意味合いです

固定資産の除却
固定資産の除却とは、対象となる固定資産を利用しなくする際に用いる言葉です。イメージとしては、車両や機械などの固定資産を倉庫にしまっておくような感じになります。

そして、固定資産を利用しないわけですから、帳簿上では、通常に利用している固定資産と同じようには扱わなくするといった事に注意が必要です。

■車両を除却してみます

例えば、100万円で購入した車両を除却する場合を考えてみます。この場合、別に車両を廃棄や売却するわけではないので、車両自体はなくなりません。

そのため、車両自体に価値が残っていればその分は会計上資産として計上しておかなければおかしくなってしまいますよね。

しかし、使っていないわけですから、通常の固定資産と同じ管理をするのも不適当です。そのため、車両という固定資産を貯蔵品といった勘定科目に振替るといった事が行われます。

上の例で、減価償却累計額が80万円(80万円分を既に減価償却しているという意味です。)、処分価値を10万円(もし売却すれば10万円の価値がある)とすると以下のような仕訳を行う必要が生じます。

(借方)減価償却累計額 800,000円 (貸方) 固定資産 1,000,000円
(借方)貯蔵品100,000円
(借方)固定資産除却損100,000円

■除却にするか、廃棄か、売却か

さて、同じ固定資産を使わなくすると言っても、倉庫にしまっておく除却や捨ててしまう廃棄、いくらかの金額で売却するといった方法があります。

このようにどういった風に扱うかによって少しずつ処理が異なりますので、「あの固定資産、使わなくしたから」といった報告をする際には、具体的にどうしたかまで報告していく必要があります。 

財務・会計
2015年4月20日

タコ配 | タコが自分の足を食べるように…と説明されますがタコは自分の足を食べないそうです

タコ配
タコ配とは、タコ配当の略で、タコがお腹が減った際に自分の足を食べてお腹を満たすように、本来は自分で持っていなければならない純資産(自己資本)を食いつぶして無理をして配当を行うといった行為を表す言葉です。

■配当金は利益の配分です

例えば、赤字になっていた場合、配当金はあくまで儲けの分け前といった位置づけであるため、本来は配当を出さないという選択肢もあるのです。

しかし、「配当を出しておかなければ株価の下落を招くかもしれない」とか、「配当が出せないと経営責任を追及されるかもしれない」といった理由によって、赤字で会社の体力が減っているにもかかわらず、更に配当という形で会社の経済的資源を流出させるような意思決定が行われる事があります。

このような姿を指して、前述のタコのようだという事でタコ配と呼ばれているのです。

■タコ配の例

例えば、大塚家具という上場企業において、株主からの賛同を得て経営権を確保するために配当を大幅に増加させたという例があります。

その後、いろいろあって大赤字に転落したにもかかわらず、大幅に増加させた配当金の水準をそのままにして手元にある現金預金の水準を大幅に低下させたことがありました。


そもそも大塚家具の現預金がここまで細った一因には配当の大盤振る舞いがあったことを見逃してはならない。お家騒動でプロキシファイト(委任状争奪戦)が行われた際、久美子氏は株主から賛同を得るため大幅増配を約束した。15年12月期、大塚家具はそれまでの倍増となる年80円配を実施。必要な原資は14億円超にも上った。

不可解なのは、大赤字に陥った16年12月期も80円配を継続、さらに赤字幅が拡大し現預金の枯渇さえ心配され始めた前期も減配とはいえ年40円配を実施した点だ。

大塚家具のビジネスモデル大崩壊で、銀行が備え始めた「Xデー」 マネー現代 2018/6/13 

■タコは足を食べないらしいですよ?

さて、タコが本当に自分の足を食べるかどうかについては知りませんし、特にその話題を突き詰めようとも思いません。(当サイトはまんがで気軽にタコの生態ではありませんからね。)

しかし、自らの身を削って配当をするという行為についてこのように、かなり強烈な例えを使って示しているのです。

なお、負債(他人資本)と純資産(自己資本)は単に会社が現金をどのように調達しているかを示す言葉です。

タコ配をするために「会社の資産を売り払って現金化して云々」といった解説がなされる場合があるのですが、それはこの『タコ配』という言葉とは特に関係のない話となります。

つまり、タコ配をするためには、最終的には現金を払い出すことになりますが、その現金の調達源泉はなんであっても構わないのです。

金庫にしまってあった現金であっても、建物を売り払っても、場合によっては銀行から借りてきても良いのです。

このタコ配という言葉で問題にされるのは、配当が儲けの分け前として行われるのではなく、過年度に蓄積された内部留保、すなわち利益剰余金等の剰余金が減るという事なのです。

そのため、会社にある金庫から現金を出してきて配当金を支払ったとしてもタコ配になる可能性もありますし、十分に利益が出ている会社ならば、配当をするために土地や建物を売り払ったとしても、通常の配当である場合もあるのです。

現金とその調達源泉を分けて記録するという簿記のお話が理解できればこの辺のカラクリを理解できると思うのですが、この辺を分かって話ができる人は少ないというのが現状です。

なお、会社法では債権者を保護するために分配可能額を上回るタコ配を禁じています。債権者も株主と同じ重要なステークホルダーですから、株主が企業が破綻するのを覚悟の上で際限なくタコ配をしてしまうと非常に問題です。

そのため、配当として分配できる金額は会社法上で制限が加えられているのです。タコの足を食べるぐらいならいいとして、タコの体までは食べてはいけないと言うことですね。

財務・会計
2015年4月8日

為替リスク | 変動するモノを扱う場合リスク(不確実性)はつきものです

為替リスク
為替リスクとは為替レートの変動に伴う不確実性のことを言います。

例えばあなたの会社が、1ドルで何かを購入する契約を結んだとします。この時の為替レートは1ドル100円だったとして、「1ドルが原価、つまり100円の原価のモノだから、130円で売れれば30円が儲かるな…」という風に想定していたとします。

さて、このような契約を結び実際にお金を払う段になった時に、為替レートが変化しているような事を為替リスクと称するのです。

この場合、1ドルが80円にまで円高水準になっていれば、あなたの会社は80円で仕入れて130円で販売できたわけですから当初の想定よりも20円ほど多く利益を獲得できています。(この20円分が為替リスクなんですね)

しかし、1ドルが130円まで円安水準になっているような場合、あなたの会社は130円で仕入れて130円で販売する事になるので利益は無くなってしまいます。(当初の想定より30円ほど利益が少なくなっています。この30円分が為替リスクです。)

このように、通常の意味合いでのリスクというと損失方向のみを考えるのですが、為替リスクというと変動の幅、つまり得する可能性もあるという事を意味するのです。
  • とはいえ
とはいえ、このような為替リスクを放置していたら輸出入取引といった海外と行う取引は儲かるかどうか分からない一か八かの取引になってしまいます。

それでは困るので、商品を販売すると同時に外貨を購入・売却しておく(または、その時点の為替レートで取引できるような約束をしておく)といった事が行われています。これらはオプション取引や先物取引などを活用することで実現することができるのです。

この種の取引はもともと投資家が投資目的(投機目的)で行われていたのではなく、実際の取引に役立つように考え出されたものになるのですね。

(こんな風に書くとちょっと投機目的で使っている人は良くないといったニュアンスが出てしまいますが、投機目的で取引をしている人も、必要性があって使っている人の取引が成立しやすくなるといった価値を市場に提供していますので、大切な人たちなんですよ。)

財務・会計
2015年2月4日

配当性向 | 利益の中からどれだけ配当するかを示した言葉です

配当性向
配当性向とは、得られた利益のどれだけを配当に回すかの割合のこと言います。『性向』という言葉が、物事の傾向などを示す言葉なので、配当に対する傾向といった感じの意味合いになるのです。

そして、得られた利益のうちどれだけを配当に回すか?といった事がこの言葉の関心事ですので、以下のような計算式で求められるのです。


配当性向(%)=1株当たり配当額÷1株当たりの当期純利益×100

または(一株当たり配当額などが分からない場合は)

配当性向(%)=配当額÷当期純利益×100


配当性向などと言うとなんだか難しげな用語ですが、単に「稼いだうちのイクラを配当に回すの?」といった指標なのです。

例えば、一株当たり100円稼いでるような企業があるとします。その企業が、一株当たり50円配当していた場合の配当性向は

配当性向(%)=50円(一株当たりの配当額)÷100円(一株当たりの利益)×100

なので、50%となるのです。計算してみると普通ですよね?
  • 配当性向の高低は
さて、配当性向については単に利益の中のどの程度を配当に回しているかを示しているだけですので、良い、悪いの価値判断とは基本的に関係のない指標となります。

例えば、その企業が成長著しい分野で活動していて、自分の事業に再投資した方が結果として株主に報いられるとの判断をする場合もあります。(この場合、株主は売却した際にキャピタルゲインを得ることになります。)

このような場合、別に配当性向が低いからと言って責められるようなものではありません。

逆に、成熟した事業で安定的に利益を得られるような場合は、株主に報いるために配当を多めに出し、配当性向が結果として高まる場合もあります。

もちろん、このまんがのように、儲かっていない企業が配当を従来のまま出し続けた結果、単に指標としての配当性向が高まっているような場合もあり得ます。

いずれにしても、この指標単体では分かる事はそんなにないという事なのですね。

 
関連用語
配当割引モデル
理論株価 
財務・会計
2015年1月25日

流動性リスク | 見逃しがちですが売ろうと思った時に売れないというリスクがあります

流動性リスク
流動性リスクとは、資金が必要になった際に手持ちの資産を売却しようとしたにもかかわらず、思うように換金できないようなリスクを言います。

例えば、あなたの会社が1億円相当の株式を持っていたとします。そして、月末に控えた支払いのため、その資産を現金化しようとしたとします。

しかし、売ろうと考えたけれども、買い手が現れなかったらどうでしょうか?資金ショートを引き起こす可能性が出てきてかなり困ったことになってしまいますよね?

また、このような状況では、「1億円は出せないけれども、8千万円なら出すよ」といった資産価値よりも低いオファーでも場合によっては受け入れる必要が出てきてしまいます。
  • 原因は
さて、十分な取引量がある資産だったらこのような事は発生しないと思いませんか?

例えば、同じ株式でも程度の数量が売買されていれば売れないというリスクは低くなります。また、取引量が多ければ、時価からあまり乖離した価格を受け入れなくとも、直に近い金額で取引をすることが可能となります。

逆に言うと、取引量が十分でない金融資産を持っている場合、流動性リスクが生じる可能性があるのです。
  • まとめると
と、色々書いてきましたが、一言で言うと、売るに売れないリスクがあるという事です。そして、仮にあなたの会社が持っている株式が我が国を代表する市場へ上場している銘柄だとしても油断はできません。

市場に突発的な問題が生じて取引量が著しく減少したり、そもそもあなたの会社が持っている株式の銘柄の取引量が少ない可能性もあります。

また、一般的に不動産などの固定資産も流動性が高くない資産であると言われています。

関連用語
財務・会計
2015年1月11日

財務会計 | 企業外部に情報を適切に伝えるための方法論です

財務会計
財務会計とは、主に企業外部の利害関係者に対して報告を行うための手法です。報告のための手段、外部向けの会計といった風に理解すれば大丈夫だと思います。英語ではfinancial accountingと表記されます。

と、ここで外部向けと強調して書いたのには理由があります。それは、外部向けの会計に対して、企業内部のための会計という考え方がある為です。

そして、この企業内部向けの会計を(企業)管理に役立つ会計という意味合いから、管理会計と呼びます。
  • どうして外部に報告するの?
さて、財務会計ですが、先ほど企業外部のための会計といった風に言いました。それではどうして企業外部にワザワザ報告をしなければならないのでしょうか?

この疑問に答えるため、企業を運営するために何が必要かを考えてみましょう。

まず、企業を運営するためにはお金が必要です。そしてそのお金は、他人から調達、自己資金いずれの場合でも別の誰かのモノです。

(自己資金(自己資本)であっても株式会社の場合株主がもともとは出したお金ですし、自分で稼いで内部留保しているようなお金も、株主に帰属します。)

また、企業が儲けるためには社会全体のインフラを利用しているわけですから、その対価として税金を支払う必要もあります。

このように、企業を様々な人たちが利害関係を持って取り巻いているのです。(こういった人たちをステークホルダーと呼びます。)

そして、そのステークホルダーに対して情報提供を行う事。経営者自身が責任を果たしている事を報告することが必要となってくるのです。
  • 細かいルールがあります
さて、外部に伝達する事が財務会計では大切だと書きました。それでは、外部に伝達するときに大切なことはなんでしょうか?

正確なことですか?適宜報告される事ですか?誰が見てもわかる事ですか?これらの事はどれも大切ですよね。ただ、いずれにしても、一定のルールに則って報告されていないことにはこれらの要件を満たすことはできなさそうですよね。

そのため、財務会計は管理会計と比較して細かいルールに則った対応が必要となるのです。
  • 情報提供が機能しないと
「別に、そんな細かいルールなんか気にしなくてもいいんじゃないの?」と考える方もいるかもしれませんね。そこで、財務会計の報告機能がしっかりと機能していないとどうなるかについて考えてみたいと思います。

例えば、あなたが会社に対してお金を貸して運用したいと考えているとして、このまんがのようなルールに則っていないあやふやな報告書が出てきたらどうでしょうか?ちょっと、リスクが高そうに感じますよね? 

そして、リスクが高い借り手には通常よりも高い金利を付けないと、とてもじゃないけど貴重な資金を投じることはできません。

その結果、真面目にやっていて、リスクの低いと考えられる企業も、(報告の方式が整備されていないがために)リスクが高いとみなされて高い金利を要求されてしまいます。

その結果、本来低利で借りられたはずの企業も高い金利に苦しむこととなるため、その市場から負債(他人資本)としての資金調達を諦めるといった結果になります。

しかし、リスクの高い企業にとっては、いずれにしてもその市場からの資金調達は必要となるため、市場には質の悪い企業があふれかえってしまうのです。

このような事を逆選択といい、情報が適切に提供されないなどの情報の非対称性があると発生すると言われています。(アカロフのレモン市場とも言います。)

財務会計のルールがしっかりと整備されていないとこういった大きな問題が発生するのですね。
財務・会計
2015年1月10日

売上高総利益(粗利率) | いわゆる粗利率で、これが低いとなかなか儲かりません

売上高総利益率
売上高総利益率とは収益性の分析の一種で、販売している商品の利益率が高いかどうかを示す指標です。粗利益率とも言います。この指標は売上高から売上原価を控除した売上総利益を用いて算出します。

そしてこの指標は高ければ高いほど、望ましいという事ができます。

この売上高総利益率は【売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100%】という計算式で求めます。この式はその企業の売上高で売上総利益を除すという構造になっているため、売上高や売上総利益の大きさが異なっていても比較することができます。

例えば、100万円の売上で30万円の売上総利益を確保する企業の場合、売上高総利益率は30%となります。
  • 一概に○%以上とは言えませんが、傾向は重要です
さて、高い方が良いという売上高総利益率という指標ですが、一般的に○%以上あればよいといった風に言う事はできません。

売上高総利益率の水準は、どういった商売を行っているかによっています。例えば、自社で商品を一から製造し、販売しているような垂直統合が進んでいるような事業では粗利率は高くなる傾向がありますし、販売を専門の企業に任せているような場合は、低くなっていきます。

このため、同業他社と比較しても、この数値の水準は異なる事が普通ですし、低いからよくないとは一概には言い切れないのです。

しかしながら、この数値がだんだん低くなっていくような傾向が表れているような場合、営業力、商品力が以前よりも悪くなっている、販売管理が適切でないため、見切り販売による値下げロス、廃棄ロスが発生している等の原因が考えられるので、何らかの対策を採っていく必要があります。

関連用語
売上原価
売上高経常利益率
財務・会計
2014年9月29日

インベストメントセンター | 投入した経済的資源の量も考えあわせて業績評価を行います

インベストメントセンター
インベストメントセンターとは、プロフィットセンターのように利益だけではなく、投下資本の収益性についても責任を負う部門のことを言います。

コストセンターは費用だけに対して責任を負うとされています。また、レベニューセンターは収益のみに責任を負うとされています。

これに対して、プロフィットセンターは収益と費用の差額である利益に対して責任を負います。

これらの部門に言えることは、損益計算書(P/L)上の科目に対して責任を問われるため、ざっくりというと、費用を小さくして、収益を増やす事が目的となるという事です。
 
これに対して、インベストメントセンターは、一定期間の経済的成果を獲得するために投入される経済的資源にまで責任を負わされるという事ができます。

つまり、貸借対照表(B/S)にまで責任が拡大されるという事です。
  • どういう事?
さて、「貸借対照表にまで責任が拡大される?どういう事?」という風な反応があるかと思いますので簡単に考えてみたいと思います。

例えば、A部門は100円の元手で10円を稼ぎました。これに対してB部門は50円の元手で10円を稼ぎました。どちらの方が優秀でしょうか?

この場合、少ない元手で同じだけの利益を稼いだB部門の方が優秀ですよね?でも、プロフィットセンターだった場合、A部門もB部門も獲得した利益は同じ10円となります。
 
なんとなく不合理な気がしますよね。そこで、利益という指標ではなく、投資額にまで考え方を拡大して業績評価を行うというのがインベストメントセンターの考え方です。

上の例で、投資額まで考慮した場合ROIといった指標を用いることができます。

ROIは、投資資本利益率と言われ、獲得した利益を投資額で除すといった指標です。

この場合A部門のROIは10%、B部門のROIは20%となるのでインベストメントセンター的に考えると、B部門の方が優秀であるという事が出来るのです。
  • 近視眼的になるかも
さて、あなたが部門責任者で「君の部門はインベストメントセンターだからROIで業績評価するよ」と言われたらどうなるでしょうか?

もちろん、誠実に少ない投資で多くの利益の獲得を目指すという行動を採ると思います。しかし、このROIを短期的に大きくする魔法の杖があります。

というのは、ROIは獲得した利益を投資額で除すという指標なので、投資額を減らせば同じ利益でも数値を高めることが可能になります。

この事を利用して「将来的には必要だけれども今の収益に貢献しない投資を控えよう」などと考えたらどうでしょうか?

焼き畑農業的ですが、部門の責任者を長くやらないという前提があるのならば有効な施策となりえますよね。

このように、インベストメントセンターでは視野が短期的になるというデメリットも指摘されているのです。
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