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経営

経営
2015年10月13日

中間持株会社 | ワザワザ中間持株会社である旨を言われることはほとんどありません

中間持株会社
中間持株会社とは、親会社(持株会社)の傘下で複数の企業を支配するといった持株会社のことを指します。この種の持株会社は親会社ではない持ち株会社くらいのとらえ方がしっくりくると思います。

例えば、中間持株会社が事業持株会社になるケースもあります。このような場合、親会社があって、中間に中間持株会社がグループ経営のうち、一定の分野について自社も事業を経営しながら、傘下の子会社(親会社からすると孫会社)を支配するイメージです。

■具体例は?

このような事業持株会社が中間持株会社となる例として、ソニーの音楽部門を束ねるソニー・ミュージックエンタテインメント社などがあげられます。

また、中間持株会社を純粋持株会社として設立し、ある一定の事業グループを束ねて支配させるようなケースもあります。こちらの例は、小田急電鉄の箱根関係の事業を統括する小田急箱根ホールディングスなどとなります。

■あまりメジャーな分類ではありません

事業持株会社、純粋持株会社金融持株会社などといった分類と比較して、あまり言及されることがない分類ですが、(この分類がよくつかわれるのなら、中間持株会社でない持株会社について、特別な名前が与えられているはずです。)こういった分類も存在しているのです。


経営
2015年10月9日

決済 | 取引を終了する事を指す言葉を決済と言いますが、同音異義語があるので文脈で判断しましょう

決済
決済とは、代金の支払いを行い、一連の取引を終了させることを指す言葉です。物やサービスを購入し、最終的にお金を支払うことを「決済する」と表現します。

物やサービスの取引がわかりやすいのですが、債券や株式を購入した際にも決済は行われます。この場合、最終的に現物株や債券などの権利を引き渡し、引き渡しを受ける側がお金を支払う事で決済とされます。

このような場合、一連の取引がお金の支払いと権利の引き渡しで終了するため、決済となるのです。

なお、同音異義語に、決裁という言葉があります。こちらは、物事を決めることを指すので、「社内のけっさいが…」などと取引先の担当者がいったのならば、社内で決めてもらわないといけないといった意味になります。(決裁の意味でつかわれています。)

また、「社内でこの件をけっさいするけっさいが下りた」などという場合には「社内でこの件の代金を支払う(決済)の意思決定(決裁)が行われた」といった意味になります。
 
同じ読みですが、意味が違うので誤変換に注意したい言葉ですね。(まんがで使用例を書いていますので、漢字に注意して読んでみてください。)
経営
2015年10月5日

純粋持株会社 | ○○ホールディングスといったかつては禁止されていた企業形態があります

純粋持株会社
純粋持株会社とは、みずからは本業となる事業を営まずに、他の会社を支配することを目的として営まれる会社のことを言います。
この純粋持株会社は○○ホールディングスといった企業のイメージで、自社では事業を行わずに、株式を持って他社を支配することを仕事としている感じです。


このような持株会社は、かつては禁止されていました。というのも、巨大な企業グループが生まれると、公正な競争が阻害されると考えられていたからです。(事業持株会社は従来から認められていました。)

戦前の財閥のような巨大企業グループが再び生まれないようにとの意図で、独占禁止法で禁止していたのです。

しかし、このような制限を加えることで様々な弊害が生じてきたため、解禁されたとの経緯があるのです。

■グループ経営

このような持株会社を立ち上げる事により、M&Aなどがやりやすくなるといったメリットがあります。

というのは、純粋持株会社が親会社とはなりますが、子会社間は並列の関係となるため、買収される方の企業の抵抗感が薄れますし(ある日、自社がライバル企業の傘下に入るよりも、共同で親会社としての純粋持株会社を立ち上げる方が心理的な抵抗感は少なくなりますよね)、あくまで別会社になるので、良くも悪くも旧会社の人事制度を温存できます。

また、こういった合併ができれば、範囲の経済規模の経済を獲得することにもつながりますしその結果、シナジーを獲得することもできます。

このように、純粋持株会社にはとても強力なメリットがあるのですね。
経営
2015年10月4日

事業持株会社 | ニュースでよく出てくる持株会社にも色々な種類があるのです

事業持株会社
事業持株会社とは、自らも本業となる事業を行っており、さらに、他の企業の株式を持って、他の企業を支配している企業のことを言います。

イメージとしては、親会社といった感じですね。

例えば、石川島播磨重工といった自ら事業を行っている大企業のような感じです。(自らも事業を運営していますし、IHI運搬機械などといった企業を支配しています。)このような企業は自らも事業を運営していますし、さらに持株会社として子会社の株式を持って支配しています。

また、自動車メーカーが子会社の部品メーカを支配する、商社が子会社としていろいろな事業を行っている企業を支配するといった形がこの事業持株会社に該当します。

あまり持株会社という言葉で連想できる形と、合致していませんが、このように、事業持株会社といった分類があるのです。

このような事業持株会社は、自社でやっていた事業を子会社として独立させたり、別会社を買収したりすることにより生まれます。

■事業を行わない持株会社もあります

さて、事業持株会社と言う用語がわざわざ用意されているという事は、事業を行わない持株会社もあるという事の裏返しです。

そして、自社は事業を行わないような持株会社を純粋持ち株会社と言います。

単に持株会社という場合には、こちらの純粋持株会社の形態を指す事が多いので注意が必要ですね。
経営
2015年9月28日

デコンストラクション | 『脱構築』と言われても何のことか分からないですよね。

デコンストラクション
デコンストラクションとは、経営を取り巻く既存の構造を別の視点から見ることによって、新しい事業構造を作り出すことを言います。

例えば、経営を取り巻く既存の構造としてお店を持っている企業があるとします。そのお店は、先代が仕入れたよく分からない商品が多量に残っていて、不良在庫に苦しめられているようなケースです。

このような場合、経営を取り巻く既存の構造ではその企業にとっては在庫コストが多量にかかっているわけですから、マイナスです。

しかしこのような経営を取り巻く構造を別の視点から見て、「確かに死筋だけど、よく見たら面白い商品が沢山ある。だったら、これを従来の商圏にとらわれないで、インターネットで販売するとよいのではないか。」と考えてECサイトを構築するようなイメージです。

もともと、『脱構築』(『デ』が否定の意味で、『コンストラクション』が構築だから、そのままですね)と表記される哲学用語だったものが転じて経営用語となった例です。

(このような言葉を使わなくても、無意識に実践している企業が多そうですね。)
 
経営
2015年8月27日

持株会社 | 事業持株会社は実はそんなに珍しくない形態です

持株会社
持株会社とは、株式会社の株式を投資目的ではなく、その会社を支配する目的で持っている会社のことを言います。

株式を持っていると株主総会での議決権を得ることができます。そして、その議決権の過半数を持っていれば、一般的な事項についての普通決議ならば自らの思い通りにできますし、議決権の三分の二以上の株式を持っていれば重要な事項について決議する特別決議を自らの意志だけで行う事ができます。

※特別決議では、定款の変更や、事業譲渡なども行えます。

このように株式を持っていれば相手の会社に対して議決権を行使できるのですが、その議決権の行使によって、相手の会社を支配する事ができます。

例えば、普通決議が自らの意志のみで行える過半数の株式を押さえれば、取締役の選任が自由にできます。そして、取締役を自由に選任できるという事は、会社を支配することができるという事です。

  • 持ち株会社にも種類があります。
このように、相手の会社を支配することを目的として株式を持つのが持ち株会社ですが、この持ち株会社には種類があります。

それは、事業持株会社と金融持株会社、純粋持株会社です。

事業持株会社は、自らも事業を実施します。事業を営む企業が子会社を持っているようなイメージとなります。

例えば自動車メーカーが子会社として部品メーカーを支配するといった場合、親会社の自動車メーカーが持株会社となります。

あまり持株会社といった言葉の響きが似合わない感じがしますね。
金融持株会社は、支配する子会社が金融系の企業のみである場合が該当します。大きな銀行や証券会社を○○ホールディングスといった企業が支配しているような感じです。

巨大金融グループといったイメージで、この金融持株会社は持株会社といった響きがしてきますね。
純粋持株会社とは、持株会社自体は事業を行わず、企業を支配することを主な事業としているような会社のことを指します。
  • 持株会社のメリットは
企業グループ全体がある程度同じ方向を向いていた方が、より強力な力を発揮できるといった事はなんとなく理解できると思います。

範囲の経済を追求し、グループ内でシナジーを求めるといった感じでしょう。

また、規模の追求を一社でやらずに、あえて別企業とする事で、グループ内の特定の企業が大規模な損失を発生させても、通常はグループ内他社には波及しませんし、グループ内の企業は経営的に独立しているので、経営責任が明確になるといった利点があります。
  • 持ち株会社のデメリットは
これらのメリットに対し、グループ会社で事業をやる場合には、グループ会社間の連携が一社で運営する場合と比較して取りにくいですし、同じような事業をグループ内の他社がやっていることにより、グループ内で競合してしまうといった問題点もあります。
経営
2015年8月25日

アグリビジネス | 古くて新しいなんて陳腐な言葉を添えたくなる領域です

アグリビジネス
アグリビジネス(agribusiness)とは、農業関連産業を示す言葉です。アグリカルチャー(agriculture:農業の意)+ビジネス(business:商売の意)を組み合わせた言葉と思っておけば覚えやすいと思います。

と、なんだか気取った言葉ですが、農業関連産業ですから、農薬や肥料。鍬や鎌、コンバインといった農機具、種や苗といった種苗。農産物の流通(八百屋さんや青果市場、直売所)や加工(落花生屋さんとかですね)などが含まれる言葉です。

数百年前までなら、いちいちアグリビジネスと総称せずとも、かなり多くの産業がこのアグリビジネスだったと捉えることができます。

社会科の事業で習った大規模なプランテーションもアグリビジネスと言えますし、近年では、バイオテクノロジーの領域も、農業関連産業といった切り口では含まれてきます。(遺伝子組み換え作物などは完全にこの領域ですね。)また、新しい分野では植物工場といったキーワードもアグリビジネスの中に含まれます。 

このように、非常に古くから存在する領域でありつつも、やはりそうはいっても農業は非常に重要な産業分野なので注目を集めつつ有る領域であるという事ができるのです。

陳腐な言葉を使うならば「アグリビジネスは、古くて新しい領域なのです。」という事ができるのですね。
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2015年5月14日

ピュアカンパニー | 単純に規模の拡大を志向すれば良いというものではありません

ピュアカンパニー化
ピュアカンパニー化とは、企業の組織が多角化し複雑化していく中で、その弊害が目立ってきた時に、特定の分野に集中的に経営資源を透過し、企業にとって最適な範囲での経営を実施することを指す言葉です。

企業の規模が拡大して、多角化すると範囲の経済シナジーと呼ばれる相乗効果が生まれてくると言われています。いわば、こういった拡大方向は、企業戦略上のセオリーだったのですね。

しかし、ある範囲を超えて企業の活動領域が拡大した場合には意思決定が遅くなるであったり、組織内での意見調整が難しくなるなどといった弊害が見られてきます。

「このハンコはどうして必要なのかな?」とか「あの話なら○○課長に話を通して、そのあと、関係会社にも声をかけて…」などといった風に、明らかに必要以上の調整が必要になってくるといった現象を経験したことがある人もいるはずです。

このような調整などに時間をかけているという事は、その分時間がかかって、納期が遅くなったり、コストが余計に係ったりとお客様に対しては関係のない部分で自社の競争力を殺いでいる事につながっているのです。

こういった弊害をシナジーに対してアナジーと呼ばれるのですが、このようなアナジーが目立ってきた際に、初心に戻って競争力のある分野に特化する方向を探るといった考えをピュアカンパニー化と呼ぶのです。

会社(カンパニー)を複雑なものから純粋にする(ピュアにする)ことからピュアカンパニー化と呼ばれるのですね、。
経営
2015年4月30日

レスポンシビリティ | 仕事をしようとする際には責任はつきものです

レスポンシビリティ
レスポンシビリティとは一般的には責任と訳される言葉です。企業では非常に重視されている概念です。(この言葉を使わないにしても、責任は重視される考え方ですよね。)これを英語で表記するとresponsibilityとなります。

さて、組織で働いていると、仕事を依頼したり、逆に仕事を依頼される事が出てくると思います。

そして、その仕事を相手が受託した段階で、仕事を完遂するという責任(レスポンシビリティ)が発生するのです。

難しい言い方をあえてしましたが、「誰か、このパンを3丁目の田中さん宅に配送してくれないか?」との問いに、あなたが「わかりました、私が対応します」と仕事を受けた段階で、あなたには3丁目の田中さん宅にパンを配送する責任が生じるわけです。

そして、その責任を果たすことが当然の事として期待されてくるのです。
  • 責任と説明責任
さて、このレスポンシビリティによく似た言葉でアカウンタビリティといった言葉があります。こちらは説明責任と訳される言葉で、単に責任を果たすだけではなく、それを説明するという責任もあるんだよといった概念です。

上の例では、3丁目の田中さん宅に配送するにしても、どのような経路で配送するのか、しっかりと安全性に配慮して運転をしているのかといった風に、配送するといった責任を果たす事に加え、その業務が適切である旨の説明をする事が求められるのです。

関連用語
経営
2015年2月10日

移動障壁 | 違う戦略を採るのは簡単ではないのです。成功していると特にです

移動障壁
移動障壁とは、ある特定の戦略を採っている企業が、別の戦略を採る事へ対する難易度を示す言葉です。

同一業界内で別の戦略グループに対しての移動の難易度を移動障壁といいます。文字通り、別の戦略に移動する時の壁といったイメージです。

一般的に企業は、現在の戦略において最適化されています。そしてこの最適化の度合いが高くなればなるほど、移動障壁は高くなります。 

簡単に言えば、高級店は高級店を営むための仕組みを整えているのです。それなので、単価の低いものを大量に売りさばくような商売に適合するような経営資源を持ち合わせていません。そのためそこには移動障壁があるのです。

■移動障壁を小売業の例から考えます

例えば、小売業という事業を考えてみたいと思います。

■1.戦略の変更には移動障壁がつきものです

一口に小売業と言っても、高級品を扱うお店、低価格品を扱うお店。若い人向けのお店、シニア向けのお店など、様々な切り口が考えられますよね。

そして切り口が違えば、当然売り方や仕入れ方その他の戦略的なものは変わってきます。その結果、同じ小売業という大きなくくりであっても業態が異なれば移動障壁があるのです。

それでは、ある特定の領域で成功した企業が別の領域で事業をしようとしたらどうでしょうか?

具体的には、シニア向けの低価格品を扱うお店が若い人向けの高級品を扱いたいと考えたとします。どうでしょうか?

■2.ビジネスの進め方が違うことが移動障壁となります

この場合、接客方法は従来のシニア向けで大丈夫でしょうか?低価格品を売るような陳列方法で大丈夫でしょうか?若い人が好む商品を仕入れる事は従来の仕入れルートで可能でしょうか?
 
ちょっと考えるだけでも色々問題がありそうですよね?

そして、このように、従来の戦略的なポジションから別の戦略的なポジションに移ろうとする際に生じる問題、障壁を移動障壁というのです。

この時期は、どのようなビジネスを行うかといった、商売の根幹によって違いが出ています。

■移動障壁にもいろいろあります

このように異なる戦略グループに移動しようと思うと移動障壁があることはわかりました。 そしてこの移動障壁には色々なことが考えられます。

■1.流通経路など商売の構造に由来する移動障壁

例えば小売業だけやっているような商売が、垂直統合を狙っていき、製造まで行うことを考えたとします。

やり方としては非常にシナジーがあるのですが、言葉で言うのは簡単ですが製造業と小売業は商売の構造が違うのでなかなか簡単にはいきません。

また、例えば工場が高級品を作っているのであれば、高級品にふさわしい流通経路を持っているはずです。この流通経路を変えて、ディスカウントストアで売ると言ったことはなかなか難しいでしょう。

逆に、単価の低い商品を作っている工場が、百貨店で販売するというのもなかなか難しいのです。

このように流通経路などの構造を変えることには移動障壁があるのです。

■2.企業内部の組織に由来する移動障壁

また、同じ小売業という中でも品揃えの面で浅く広く品揃えするような商売と、狭く深く品揃えするような商売では全く違った状態となります。

どちらが良いということではなく、商売のやり方が違うのでなかなか別のやり方を行うことは難しいのです。

■3.企業の持つイメージに由来する移動障壁

企業にはそれぞれ固有のイメージがあります。例えばシニア向けに上質な商品を販売しているお店、若者向けに比較的低価格の商品を販売しているお店などです。

こういったお店が、自社の持つイメージと異なる商売をやる場合に、お客様がイメージの違いに戸惑ってしまうなどの移動障壁があるのです。

■共通で使える資源もあります

但し、上の例でも、資金という経営資源には色がついていないので活用することが可能です。また、経理や総務といった間接部門のリソースもそのまま利用することができると考えられます。

さらに、既に持っている配送網や販売管理等のシステムも活用できると考えられます。(こういった考え方を範囲の経済と言います)

このように、別の戦略を採ろうとした際には、確かに移動障壁といった壁はありますが、逆に一から始めるよりも有利に働くような要素もたくさんあるのです。

また、低価格路線から高価格路線に舵を切る行為はアップスケール化という言葉があるように、移動障壁があると言っても割と一般的な戦略となっています。

解説で出てきた用語・関連用語
経営
2015年1月15日

アカウンタビリティ | 説明責任というもっとも基本的でとても大切な責任があります

アカウンタビリティ
アカウンタビリティとは、説明責任のことを指す言葉で、利害関係者(ステークホルダー)に対して自らの行動を説明させる責任のことを指す言葉です。そして、企業にとってのその説明は主に財務会計といった形を取って行われます。

このアカウンタビリティは、アカウンティング(会計)とレスポンシビリティ(責任)という2つの言葉かあら生まれた言葉となりますので、会計的に、利害関係者にたいして説明する責任といったニュアンスがありました。
  • どうして説明しないといけないの
今日の株式会社は、活動範囲が広範にわたっており、またその額も多額になっています。そして、その結果、企業を取り巻く環境に対して与える影響は非常に大きくなっています。


そのため、「会社?会社は株主のモノだから株主にだけ説明しておけばいいんだよね?」といった風にはいえません。

なぜかというと、利害関係を持つ人は広範にわたるためそれらすべての人に対して責任責任(アカウンタビリティ)が生じるためです。

そのため、「お金を借りている債権者にだけはちゃんと説明しないとね…」、「税務署の人が来たら大変だから適正に申告をしよう」といった風に、株主以外の利害関係者にも説明責任を負っているのです。

この例のほかにも、取引先や、顧客、消費者、従業員、事業所の存在する地域の住民といった風に、考えていくと利害関係者は非常に広範囲に存在することになります。
  • 説明する責任があります
さて、そういった様々な利害関係者に対して、企業が誠実であるために、できることはなんでしょうか?

株主に還元すべく、余剰資金はすべて配当することでしょうか?でもそうすると、債権者は借金の回収が難しくなりそうですよね?

では、従業人に還元するために、ギリギリまで労働分配率を高めますか?でも、そうすると、株主へ対する利益の分配は減少しますし、会社にお金が無くなると、債権者の権利も害されますよね?

このように、金銭面の配分では、どこか特定の集団に対して為になる事をやったとしても、なかなかすべての利害関係者に報いることは難しいのです。

しかし、すべての利害関係者に対して同時に為になる事もあります。それは正確な情報を適宜開示し、対外的に経営陣が責任を果たしているかを知らせる事です。

その結果、利害関係者はその企業に対して判断材料を得ることができるのです。
  • 不透明だと…
さて、株主と経営陣の間には、経営陣の方が会社についての多くの情報を持っているといった、情報の非対称性が存在しています。株主にとっては経営陣が自らの信頼を裏切るかもしれないといった、エージェンシー問題が存在しているのです。

その対応策として、歴史的に株主は経営陣に情報開示、とくに財務情報の開示を求めてきたのです。(この辺の知恵が財務会計という領域に結実しているのですね。)

そして、今日では経営の透明性を高める必要性が叫ばれている関係もあり、株主のみではなく、様々な利害関係者(ステークホルダー)に対して情報開示を進んで行うようになっているのです。

そして、このような情報開示を行う責任をアカウンタビリティと表現するのです。
  • アカウンタビリティは拡張されています
当初は、財務会計の情報開示の側面が強く出ていたこのアカウンタビリティという言葉ですが、近年ではステークホルダーに対して説明責任を負うと言った側面が強くなっています。

アカウンタビリティの対象が地域住民や顧客、従業員まで拡張されてくると「お宅の財務会計の情報はわかったけど、でこの問題について何をどうしてくれるの?」といった疑問が生じてきます。

言い換えれば、あなたの住んでいる地域に工場があり、騒音問題を引き起こしているときに、財務諸表を提供されても何の説明にもならないということです。

このことから、会計情報以外の情報の開示もアカウンタビリティに含まれています。

ただし、情報を開示しただけではアカウンタビリティを果たしたとみなされなくなっている点注意が必要です。
  • 責任の側面
どういうことかというと、アカウンタビリティは説明責任だけでなく、実行する責任まで問われ出しているためです。

例えば、上の例で工場の騒音問題で「これこれこういう理由で、騒音が出ています。」と説明すれば『説明責任』としてのアカウンタビリティは果たしています。

しかし、アカウンタビリティ自体は果たしていないと考えられます。どういうことかというと、実行(この場合は改善する)責任を怠っているからです。

そのため、アカウンタビリティを果たすためには、騒音が出ている理由を説明した上で、改善する責任まで果たす必要があるのです。
  • 結果に責任を持つことまでがアカウンタビリティだが
この意味で、今日のアカウンタビリティは結果責任まで内包した言葉になっています。

しかし、この方向に進みすぎると説明するためのコストばかりかかってしまい、製品やサービスを利用する人と提供者が受け取るべき経済的利益を圧迫してしまいます。

もちろんアカウンタビリティが重要である事は論を待ちません。しかし、バランスを逸脱した説明責任、実行責任を社会が求めるならば、その対価も社会が支払う必要が出てきてしまうのです。


関連用語
コーポレートガバナンス
経営
2015年1月4日

経営方針 | 経営理念と具体的な経営計画の間をつなぐ重要な考え方です

経営方針
経営方針とは、経営理念を実現させるために、どのように行動するかの方針の事です。イメージとしては、企業がどうあるべきかの哲学的な概念である経営理念に対し、その経営理念を実現するために具体的にどのような方向を目指すかといったモノになります。

そして、この経営方針に従って長期経営計画中期経営計画短期経営計画に落とし込んでいきます。

まさに、経営の方針なのですね。

例えば、あるパン屋さんを考えてみたいと思います。このパン屋さんの経営理念が「地域の健康に貢献する」とあるのであれば、経営理念である「地域の健康に貢献する」ために、自社がどのような方向に向かうのかを考える必要があるのです。

何といっても、経営理念だけが漠然としてあったとしても、これをどのように事業活動に結び付けていけばいいのかが分からないですからね。

そこで、経営方針として、経営理念をもう少し具体的にしていくのです。今回の例では「今後、地域で採れる自然の素材を活用していく」といった方向性を決定し、具体的な経営計画に落とし込んでいくこととします。

例えばこの経営方針を元に、「今年は、地元の農家さんの勉強会に参加する」とか「今年は前年比で5%ほど収益性を向上させ、そのお金を原資に研究開発を行う」といった感じの具体的な行動計画を立てていくのです。

こういった意味から、経営理念を元にどのようなアクションにつなげていくかを考えて、言葉にしていくのが経営方針という事ができるのですね。

関連用語
経営計画
経営
2015年1月3日

リストラ | 本来の意味は違うなどと言われても、今更ですし、本来の意味で使っている保証もありませんよね…

リストラ
リストラとは、本来的には再構築といった言葉、restructuringのリストラクチャリングを日本的に略した言葉です。

そして、日本的に略した時に、再『構築』というニュアンスも省略されてしまい、単に人減らし、不採算事業の切り捨てといった要素が残ってしまい、人員削減とほぼ同義語になってしまっています。

本来的な意味では、事業の再構築ですので、不採算事業からの撤退をするのであれば、その撤退で生じた経営資源を今後成長が見込める分野へのテコ入れに用いたりするといった意思決定がなされたりします。

また、合理化策としてリストラという言葉を使うのならば、自社グループの間接業務を各社が行うのではなく、専門の組織を立ち上げて、シェアードサービスを実施する等の方法も考えられます。

このように、リストラ=解雇ではないのですが、どうにも解雇のニュアンスが強くなってしまっているため、本来的な意味のリストラを検討している企業の場合、リストラの言葉を避けるケースもあります。

選択と集中、コアコンピタンスといったキーワードが少し前に叫ばれていましたが、それを実現するための方法論として、『リストラ』というのが、 本来の使い方なのでしょう。しかし、何といっても、生活の糧を得る道が脅かされるといったニュアンスがある言葉なので、「我が社はリストラを検討している」などと言われると士気が下がりそうですからね。
経営
2015年1月2日

安定株主 | 経営が安定するという意味合いですが、どうにも経営陣目線が感じられます

安定株主
安定株主とは、企業の株主の中で、その企業の業績等に左右されずに長期間にわたって株式を持ってくれる(であろう)株主のことを指します。経営者の一族や、当該企業の役員、取引先、従業員持ち株会等が挙げられます。

目先の利益に左右されずに株式を安定的に持ってくれるという株主なので、企業の敵対的買収(敵対的TOBなど)への対策になるといった面があります。

また、経営陣が考えた通りに経営するために、ある程度の議決権を確保することが必要もあり、こういった面でも安定株主は経営の安定に寄与します。経営陣に協力してくれる株主集団という側面があるのですね。

この事を、悪意を持って言い換えると、経営陣に都合の良い株主という事ができるかもしれませんね。そのため、安定株主対策が必要であるとか言われるのです。

但し、近年ではアクティビストというモノを言う株主集団が登場してきており、自ら積極的に影響力を行使し、企業価値を向上させ、インカムゲインキャピタルゲインを獲得していこうという人たちもいます。

この人たちは、長期間にわたって株式を持ってくれるという面では安定株主なのですが、必ずしも経営陣に都合の良い株主とは言い切れないので注意が必要です。

なお、安定株主の確保目標としては、以下のような水準が目指されます。

・総議決権の3分の2の特別決議ができる水準

・総議決権の過半数の普通決議ができる水準

・総議決権の3分の1の特別決議を防ぐことができる水準

もちろん、上に行けばいくほど経営陣にとっては都合が良いのですが、安定株主だけで大きな金額を調達することは難しいという面もあるのでバランスが大切です。
  • 支配権が重要です
さて、この安定株主ですが中小企業の資本政策としては極めて重要な利害関係者となります。

善し悪しは別として、中小企業においては経営者が支配権をしっかりと掌握することが重要となるため、まずは経営者自身が十分な株式数を保有する事が目指されます。

特に最近では事業承継(つまり会社を引き継ぐこと)がフォーカスされているため、社長が3分の2以上の株を持つことが推奨されています。

しかし、必ずここまでの株式保有が上手くいくとは限りませんので、次善の策として安定株主対策を考えていく必要があるのです。

この際の安定株主は、(経営に口を出さない)親族や、(経営に口を出せない水準の保有にとどまる)従業員持ち株会などが候補としてあげられます。

また、取引先などに株式を持ってもらうと言うことも考えられます。

いずれにしても、支配権を十分に発揮するためには、経営に口を出してこない層を安定株主として向かい入れていく必要があります。
  • とはいえガバナンスが効きにくくなります
と、安定株主に多数の株式を持ってもらえばもらうほど良いように書きましたが、物事には善し悪しがあります。

それは株主が経営に口を出さないと言うことは、株主のチェックが働かない経営となりがちといった事を意味します。

その結果、社長が会社を私物化したり、そこまで行かなくとも株主価値を高めるような果敢な投資を行わなくなったりします。

その結果、資本コストを無視したような経営が行われ、企業価値が高まらなかったりします。(長期的に見ると生産性の向上が阻害され、従業員にとっても損をする意思決定です。)

関連用語
経営
2015年1月1日

株式持ち合い | 株式をお互いに持ち合えば、面倒な事を言う株主の影響力を排除できます

株式持ち合い
株式持ち合いとは、株式会社が相互にそれぞれの株式を保有しあっている事を言います。(互いに)株式を持ち合うから株式持ち合いと言うのですね。

そして、事象としては、株式を互いに持ち合っているだけなのですが、この株式を持ち合う事によって様々な効果が表れます。

お互いに株式を持ち合っているので、相互に安定株主を確保できる、取引関係の強化(資本提携と呼ばれることもあります)といった事が図れるという利点があります。

特に、安定株主としては重要で、企業の敵対的買収(敵対的TOBなど)への対抗策や、経営陣にとって都合の悪い株主提案等を否決することにつながってくるのです。

(自分がうるさい事を言うと、株式を持ち合っている相手もうるさい事を言ってくるので黙っていようという発想です。)

但し、株式を持ち合っている状態で、相手先企業の業績が悪化すると、株価の値下がりの影響を受けますし、株式の流動性も低くなってしまいます。

また、株主からのチェック機能が効きにくくなるため(うるさい事を言う株主が少なくなるため)非効率な経営が温存され、長期的に企業価値が損なわれる可能性があるという可能性もあります。

さらに、一般的には株式持ち合いの株式は、収益性がそれほど高くないので、収益率を引き下げ、自社のROAROEに対して悪影響を与える可能性が高いといった問題もあります。
 
株式持ち合いで安定株主対策をしていたと思いきや、そこをアクティビストに指摘される可能性もあるのですね。(一般の株主にとっては、経営陣の都合で収益率が下がっている状況は望ましくないですからね。)
経営
2014年12月30日

MECE | 「もれなくダブりなく」と日本語で言えばいいのにと聴くたびにモヤモヤします

MECE
MECE、ミッシーと呼ばれ、『もれなくダブりなく』という事を示す言葉です。コンサル系の人や意識高い系界隈の人がこういったカタカナ用語を使いたがる印象があります。(別にディスってるわけではないので石を投げたりしないでくださいね。)

普通に「もれなくダブりなく」というのが筆者の好みですが、知っていないと「何を言ってるのこの人?」とか「ミッシー・ミセスのミッシー?」といった風になってしまうので一応言葉としては押さえておいた方が良いと思います。

さて、『もれなくダブりなく』がどうして大切なのでしょうか?例えば、何かを考える際にダブっていたり、もれていたりするとどうでしょうか?

30人のクラスを考える際に、身長150センチ以下のグループと成績が平均以下の子で分けたら、成績が平均以下で身長150センチ以下の子がダブるし、成績が平均以上でかつ身長が151センチ以上の子が漏れそうですよね?
mece 

このような分類をすると、何かをちゃんと考えようとした際には役に立たなさそうですよね。漏れているから、重要なことがあっても見落としそうですし、ダブっているから、考える効率も悪そうです。

このようなことがあるので、MECEが大切なのです。なおMECEとはMutually Exclusive Collectively Exhaustiveの頭文字を取ったもので、相互に排他的、網羅的な集合といった意味合いの言葉です。これを端的に日本語で表すと『もれなくダブりなく』なのですね。

なお、上でもふれたとおりミッシーという風にカタカナで書くと、流通業ではいわゆるヤングミセスといった客層を指す言葉になります。
経営
2014年10月27日

スケールカーブ | スケールメリットを具体的に図で示したものです

スケールカーブ
スケールカーブとは、規模の経済すなわちスケールメリットがどのように効いてくるかを図に表したものを言います。

「生産数が増えるごとに一単位当たりの生産コストが下がりますよ」というのが規模の経済、すなわちスケールメリットの説明ですが、これを図に表したものに特別な呼び名がついているといったイメージです。

カーブを描くからスケールカーブとなんだか安直なネーミングですね。でも、このスケールカーブを使って企業を分析することもできるのです。
  • 並べてみましょう
さて、規模の経済性が強く働くような業種では(いわゆる固定費型ビジネスですね)生産量が多くなるほど、一単位当たりの生産コストは下がっていきます。

この事を利用し、生産数量順に事業者を並べてみれば、なんとなくではありますが、どこの企業がコスト的に苦境に陥っているかを判別することが可能となります。

そして、こういった情報があれば様々な交渉に活かすことが可能になるというわけです。
もっとも、コストが下がる要因としては範囲の経済経験曲線効果、逆に規模が大きすぎることによって生ずる規模の不経済といった考え方もあるので、あまり正確なモノではありません。

そのため、一定の目安として使うといった慎重な運用が必要になります。
経営
2014年10月23日

クロスライセンス | お互いの持っている特許を活かして新たな価値を生むのです

クロスライセンス
クロスライセンスとは、特許権を持っている企業同士がお互いの持っている特許権を相互に利用できるようにする契約の事を言います。英語ではcross licenseと表記されます。

このクロスライセンスを結べば、契約の当事者同士は特許権の使用料を支払わずに、お互いの特許を利用できます。

例えば、斉藤商店がパンと一緒に食べると非常に美味しい餡を開発し、それの特許を取得していたとします。

また、佐々木商店は餡とうまく合う小麦粉のブレンドの特許を持っていたとします。

しかし、その両方の会社とも、イマイチ自社の特許を活かしきれていなかったとします。というのは、「餡だけあっても…」「餡にあう小麦粉があっても…」といった状況であったためです。

このとき、斉藤商店と佐々木商店がクロスライセンス契約を結び、斉藤商店はアンパンを、佐々木商店は最中を開発したとします。

この例では、どちらの企業も、自社の持っている特許権だけでは作り出せなかった製品を作り出しました。

このように、相互に特許権を利用できるようにすることによって、今まで作り出せなかった製品を作り出せるようになるケースがあるのです。
経営
2014年10月17日

ゼロベース思考 | 過去を忘れることで新たな発想が得られることがあります

ゼロベース思考
ゼロベース思考とは、過去の実績や経験にとらわれることなく、ゼロから思考していくことをいいます。

文字通り、前提を持たず、ゼロから考えていくといったイメージです。

■組織や個人には有益な経験が蓄積されます

さて、組織を運営したり、様々なことに取り組んでいると、いろいろな成功体験やノウハウが蓄積されていきます。

また、「これはダメそうだな…」といったように、経験則を用いて判断することも可能となります。

また本質的でないことについては、何も考えずに前例を踏襲することが意思決定のコストを下げることにつながります。

例えば三日間検討して5000円の削減になるといったことがあるとします。しかし、企業においては3日分の人件費を考えれば、5000円の削減のために検討をするのではなく前例を単に踏襲するだけでいいとなります。 

このような経験則は非常に有用なものです。言われるこの経験則をノウハウと位置づけて、そのノウハウを組織全体で共有しようというのがナレッジマネジメントとなります。

組織に蓄積された経験は、コスト削減したりより収益を高めたりすることに活用されます。

 

■経験があるが故の弊害もあります

しかし、新しい事を生み出そうとしたときに、経験則を元に考えていくと「いいアイディアだけど、無理だよなぁ…」といった考え方に陥ってしまうケースもあります。

また、経験があるがゆえに「それだけの品質を求めるのなら、コストは従来の二倍かかるよ」といった判断がなされる場合もあります。

しかし、本当にそうでしょうか?

ただ、経験則が蓄積されている組織では本当にそうかどうか言ったことは検討されません。

また有望なビジネスの種があったとしても、経験に従って売れないと判断されればそうビジネスの種はそれ以上追及されません。

もちろん企業を取り巻く環境が安定的なのであれば、余計なことを検討する事で生じるロスを削減すると言ったことは非常に重要です。

しかし現代のようにビジネス環境が不確定の場合は、ある程度致命傷にならない範囲でイチカバチカを繰り返す必要があるのです。 

■ゼロベース思考でイノベーションを

日常の業務であってもゼロベース思考で、前提条件を取り払って考えれば、実際にはもっといい解決策があるかもしれません。

そもそも、そのような業務はする必要がないかもしれないのです。何かをやらないというのが一番の改善です。

やらなくても同じ価値が生まれるのであれば、そのようなことはやらないのが一番なのです。

また、従来の発想ではどう見ても成功しそうにないようなことであっても、現在では技術的な裏付けがすでに生まれていたり、ビジネスになる可能性もあります。

このように、ゼロベース思考は従来の思考の枠組みの中ではなかなか生まれないような、革新的なアイディアをもたらす可能性がある思考法なのです。

onnanoko_bustup
ここの陳列はこんな風にして。昔のノウハウがあるからやりやすくっていいわよね。

neko
ちょっと待って本当にそういう陳列でいいのかな。今のお客様ってちょっと考え方が昔と違うかもしれないよ。

onnanoko_bustup
確かにそうね、じゃあ一回前提条件取り払って考えてみようかしら。


■ゼロベース思考のデメリット

ただしゼロベース思考も万能ではありません。なんでもかんでもゼロベースで考えてしまうと、仕事は全く進みません。

何か日常業務をするにあたってこれはする必要があるのかもっといい方法があるのではないかと考えることは重要ですが、全てのものについて考えていると仕事になりません。

そのためゼロベース思考を活用するタイミングまた物事を考えていく必要があるのです 。

■ゼロベース思考を行うには

さてこのようなゼロベース思考ですが、デメリットを理解した上で活用すれば非常に強い武器となります。

そのゼロベース思考を行うためには、物事を言った批判的に考えてみると言ったことが有効なテクニックです。

本当にこんなことする必要があるのか?といった批判的な視点はゼロベース思考のスタートとなります。

もしそのような視点で見てみることによって、従来10やってた仕事が8で済んだといったことになれば非常に大きな効果を得たことになります。


関連用語
経営
2014年10月8日

アメーバ―経営 | 小集団で生産性を上げていくのです

アメーバ経営
アメーバ経営とは、企業内に小集団を作り、その小集団ごとに時間当たりの採算性の最大化を図るという経営手法のことを言います。京セラの稲盛会長が確立した経営手法です。
 
企業内に小集団を沢山作り、時間当たりの採算制で評価するというのがポイントとなります。まさに、アメーバのような小さな組織を沢山作るといったイメージですね。

そして、時間当たりの採算性(売上-費用=利益)を労働時間で割るという労働生産性的な指標で管理していくというイメージです。

また、このアメーバ―という小集団は一つ一つがプロフィットセンターとなっています。
経営
2014年9月30日

グロースキャピタル戦略 | 投資家と企業の利害が一致するのです

グロースキャピタル戦略
グロースキャピタル戦略とは、企業がリスクマネーを運用する投資ファンドなどを利用し、M&Aを実施して企業価値を向上させていく戦略のことを言います。英語ではGrowth Capitalと表記します。

企業は、リスクマネーを活用することによって事業拡大を図ることができ、投資ファンドは投資機会を得ることによって収益の獲得を目指すといった、いわゆる利害関係が一致する方策となります。

投資ファンドは、自ファンドが提供した資金を活用によって向上した被投資会社の株式などを市場で売却することで投資を回収し、また、キャピタルゲインを得ることを目的として投資を実施するのです。
経営
2014年9月18日

OBM(オープンブックマネジメント) | 財務情報を従業員に公開して士気を高めるのです

OBM
OBM(オープンブックマネジメント)とは、企業のブック(帳簿や財務諸表)をオープン(開示)して従業員の経営への参加意識を高めようという経営手法のことを言います。

例えば、あなたがとある中小企業に勤務していたとします。今年は様々な要因が重なり売上高が前年度よりも多くなったとします。

しかし、売り上げ高が伸びているにもかかわらず、上長からは「今年は業績が悪いからボーナスは出せません」と言われたらどうでしょうか?「去年よりも売上が増えたのに…」といった風に不信感が募りますよね。

これに対し、企業内の数字が従業員に開示されており「売上は増えているけれども、原材料費の高騰でそれ以上に売上原価が増えて利益は減少しているんだな…」と分かれば不信感は軽減されるはずです。

また、従業員が「企業の業績を良くして自分たちの報酬を増やそう」という風に考えてくれれば、企業業績の改善にも役立つはずです。
  • と言うけれども…
と、ここまでの説明で「そうはいっても、自分の責任ではない原材料価格の高騰という原因にで処遇を決められたらたまらないよね…」といった風に思われた方もいるかもしれません。

自分が管理できない『管理不能費』に基づいて業績評価をされても無力感が募るだけですからね。

そうではなく、従業員の人たちに必要な権限を与え、自分たちの頑張りで改善できることを成果指標にしていく必要があります。

また、適切な会計に対する教育訓練がなされていないと「原材料価格が上がると、どうして利益が減るの?」と言った風になってしまいます。これでは、会社の数字を開示しても意味がありませんよね。

そのため、適切な会計に対する教育訓練を実施するという事が大切であるとされています。

経営
2014年9月17日

資源ベース論 | 経営資源が企業の競争力を決めるのです

資源ベース論
資源ベース論とは、自社内の保有している経営資源の差が競争力の差であるという考え方のことを言います。つまり、「良いものを持っている方が強い!」という発想ですね。

このような考え方は、良い経営資源を獲得することが勝利につながるという事につながっているため、理解しやすいと思います。

すなわち、競争相手に勝つためには、良い人材を確保し、良い技術を獲得し、良いブランドを構築する事が大切である。日々の努力が重要であり、その結果、競争優位が得られるという考え方です。

強いブランド力を持っていればそれを持っていない企業よりも優位ですし、高い技術力があればそれが無い企業よりも優位に立つという「言われてみればそうだよね…」という風な考え方です。

これに対し、企業外部の環境に着目した考え方としてファイブフォースモデルがあります。 

関連用語
経営
2014年9月16日

ランチェスター戦略 | 強者には強者の、弱者には弱者の戦略があるのです

ランチェスター戦略
ランチェスター戦略とは、市場シェア1位の企業(強者)が採るべき戦略と市場シェアが2位以下の企業(弱者)が採るべき戦略を述べたものとなります。

ランチェスターの法則によると、強者は持っている経営資源も大きく、広い戦場で戦うならばランチェスターの第二法則が効いてくるので非常に有利になります。

これは弱者に置き換えて言うと、強者と同じ戦場で戦う場合には直接の経営資源の質・量の差以上に不利な戦いを強いられるという事になってしまいます。

そのため、市場シェアが2位以下の企業はランチャスターの第一法則を適用した一騎打ちの戦いに持ち込むことが大切であると説いているのです。

また、上手くニッチな市場を確保することができれば、自分が強者として振る舞う事も可能となります。

そのため、弱者は強者と同じことをすると負けてしまうので、差別化が重要であるという事が言えるのです。

関連用語
経営
2014年9月11日

ランチェスターの法則 | 一対一と多対多では戦いのルールが違うのです

ランチェスターの法則
ランチェスターの法則とは、戦争における理論で「第一法則」と「第二法則」の2つの法則からなっています。そして、現在では戦争における理論のみならず経営についての理論としても活用されています。

第一法則はいわゆる『一騎打ち』のような状況を念頭に置いた法則で、例えばAチームの8人とBチームの5人が戦ったら、Aチームは勝つけれども、相手であるBチームの人数5人分ぐらいの損害が出る(つまり3人残る)といった法則のことを言います。

8人と5人が戦ったら8人の方が勝つけど、5人ほど犠牲が出ると言われると直感的に納得できるイメージですよね。

これに対し第二法則は『集団戦』を念頭に置いた法則となります。この場合も上記と同じ例で、例えばAチームの8人とBチームの5人が戦ったとします。

この場合においてもAチームが勝という事は変わらないのですが、結果は大きく異なってきます。第二法則に従うと、戦力の差は投入する戦略の2乗の差になると言われているので、Aチームは6人以上残るといった結果になります。

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ランチェスター戦略
経営
2014年8月29日

経営の執行と監督の分離 | 所有と分離するだけでなく、執行と監督も分かれています

経営の執行と監督の分離
経営の執行と監督の分離とは委員会設置会社における企業統治体制を示した言葉です。経営を執行する人とそれを監督する人が分離、つまり独立して別々にいるという事を示しています。

さて、「経営を執行する人?それって取締役会で決めるんだよね?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、委員会設置会社においては、経営を実際に執行するために執行役という特別な役職を設けており、取締役会で決まった事項を執行することが求められています。

つまり、取締役会で決まった(経営についての事項)を実際に執行するのが執行役というわけです。

という事は、経営を実際に執行するのが執行役で、その人たちを監督するのが取締役会と言い換えることが出来ますよね?

(例えば、パンを仕入れてきて売るという事を決めた後、実際に他の人たちにその業務の執行を任せた場合、当然、それが上手く執行されているかを監督しますよね?)

このように、委員会設置会社では経営の執行と監督が分離しているという事ができるのです。そして、そのような状況を示した言葉が『経営の執行と監督の分離』というのです。

所有と経営が分離したり、経営について考えるのは大変ですね。 

関連用語
経営
2014年8月27日

BPR | 業務内容を抜本的に見直すことに意味があるのです。

BPR
BPRとはビジネスプロセスリエンジニアリングの事で業務に関する内容を抜本的に見直して最適化して行くことを指します。英語ではBusiness Process Re-engineeringと表記されます。

イメージとしては、今までやってきたことを改良するのではなく、そもそも論に立ち返って必要な成果を得るためには何が必要かといった所にまで立ち返って改革を行っていくような感覚です。

例えば、アンパンを作っている工場で「今までは購買係と倉庫の管理係は別々の人がやっていたんだよね。今回、購買係と倉庫の管理係の連絡を良くする仕組みを取り入れるよ。」といった改善策ではなく、「そもそも、購買と倉庫で担当者を分ける必要があるのかな?」といった所まで踏み込んで、業務プロセスを再構築するといった発想がBPRなのです。

このように、目標とするゴールを達成するために現状の業務プロセスを活かしたまま改善をするのではなく、業務プロセスを抜本的に見直して、最適化していくといった考え方なのですね。

経営
2014年8月25日

問題児 | 問題児が花形に育つケースもたくさんあります(育たない可能性も高いので問題児なのですが)

問題児
問題児とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが低く、市場自体の成長率が高い製品群のことを言います。

市場シェアが低いので経験曲線効果はあまり効いてきませんし、競合他社と比較して規模の経済もあまり効きません。つまり、あまりお金が入ってこない事業であるという事ができるのです。

しかも、お金が入ってこないだけなく、お金をどんどんつぎ込んでいく必要があるという特徴もあります。

というのは、市場自体が成長しているので、お金をつぎ込まないと今の市場シェアすら維持できないからです。

「どうしてそんな問題児にお金を使うの?」と考える人もいるかもしれませんが、問題児にお金を使うというのは割とセオリー通りの考え方になっています。

というのは、市場自体は成長しているので上手く立ち回れば大きな市場シェアを獲得することが可能だからです。市場シェアさえ取れれば問題児は花形に育っていきます。

イメージとしては、才能のある若手俳優といった感じです。今はまだ大きく稼げないですが、俳優養成所に通ったり、ちょっと背伸びをした消費活動をすることによって自分を磨いているような感じです。なんとかスターつまり花形になる事を目指してどんどん投資していくような感じですね。

もっとも、市場シェアが採れない内に事業自体の成長率が下がってしまうような場合もあり得ます。

このような場合、負け犬という位置づけになってしまうため、傷口が広がる前に早期撤退するという選択肢もあり得ます。

「問題児」は、「金のなる木」の余剰資金を早いうちに集中投資をして、シェア拡大により「花形事業」にするか、「負け犬」になるのを回避するために、早期撤退するかの判断が必要になります。
経営
2014年8月25日

負け犬 | 自分の職場をこんな風に言われたらテンション下がりますよね

負け犬
負け犬とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが低く、市場自体の成長率も低い製品群のことを言います。英語ではdogなどと表記されます。

この負け犬に位置付けられた事業は、市場シェアが低いため、競合他社と比較してコスト高になりがち(あまり儲からない)し、市場自体の成長率が低いため、挽回が困難(でもあまりお金もかからない)といった特徴があります。

このようなことから撤退を検討するのが定石であると言われています。(参考:撤退戦略
  • 士気の維持も困難です
また、もし社内でPPMで区分された事業の位置づけを共有しているならば、負け犬に位置付けられた事業に携わっている人の士気を維持することも困難になってきます。

もしあなたが『負け犬』と呼ばれる事業に配属されたとしたらやる気を維持できる自信がありますか?また、社内や取引先から「あそこの事業部は負け犬だから…」などとみられて、そのように取り扱われる(投入すべき資源が投入されないなど)結果本当に負けてしまうという『自己成就的予言』といった事も指摘されています。

このように負け犬に位置付けられると非常に不利な戦いを強いられる可能性が高いのです。
  • とはいえ
とはいえ、負け犬事業に「多額の資金を投入してきたんだから今更引けない。もっと投資をして金のなる木に転換させるんだ!」との判断をしてしまう経営者もいます。

もちろん、可能性はゼロではありませんが、一般的に言ってそのような経営判断はサンクコストに囚われている判断なのであまり得策とは言えません。(今回のまんがも「あきらめない事が大切」とサンクコストに囚われた発言があるようです。)

また、様々な撤退障壁があって、引くに引けないといった状況になるケースもあります。

関連用語
問題児
経営
2014年8月19日

金のなる木 | いかにも儲かりそうな、それでいて実際儲かる事業のことを言います

金のなる木
金のなる木とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが高く、市場自体の成長率が低い製品群のことを言います。英語ではcash cowと表記されます。英語にしろ日本語にしろいかにも儲かりそうなネーミングですね。
 
さて、金のなる木に位置付けられる事業ですから、やはり非常に現金をたくさん生み出してくれます。簡単に言うと儲かる事業という事です。

でも、どうしてそんなに儲かるのでしょうか?
  • 儲かる秘密
金のなる木は、市場シェアが高く、また市場自体の成長率が低いという位置づけにあります。というと「なんだか市場があまり成長していないと儲からなさそうな雰囲気がるけれども…」と思う人もいるかもしれませんね。

でも、市場があまり成長していないという事が大きく儲かるために大切なことなのです。
 
というのは、市場シェアが大きいと、経験曲線効果などが効いていて、競合他社よりも安く製品を提供できるようになっていくのです。(大きく儲かる)そして、市場の成長率が低いため、特にあまり新規の投資をしなくても市場シェアを維持することが出来るのです。(あまりお金を使わなくて済む)

つまり、大きく儲かるにもかかわらず、あまりお金を使わなくて済むので、結果としてお金が残るというわけです。

そしてこのような事業に位置付けられるところで上がった収益を、花形問題児に投資して次の金のなる木を育てましょうというのがPPMの基本的な考え方なのです。

関連用語
負け犬
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