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清算価値とは、ある時点で企業を清算したした場合の企業価値のことを言います。清算ですから、貸し借りを全て整理して始末をつけるといった意味合いの言葉になり、文字通り、今持っている資産を全部売り払って、今借りている負債を返した時にいくら残るかを考えるものとなります。

英語表記ではliquidation valueとされ、今日仮に企業を解散させて清算した場合、いくら株主の手に残るかを考える概念です。
  • 帳簿と一致するの?
さて、このように説明すると勘の良い方は、「一定時点の財政状況を表す貸借対照表に近い考え方なのかな。」と思うかもしれません。

確かに、一定時点の財政状況を表すので、すべての資産や負債が時価で計上されていればそうなるかもしれません。

しかし、実際の貸借対照表は取得原価で表示されていたり、帳簿上は価値がありますが、実際には売却できない繰延資産が計上されてあったり、いわゆるオフバランスの項目があったりと厳密には一致しません。

そのため、実際に清算価値を考える際は、仮に今の資産を全部売却して負債を返した場合、どれだけの価値が残っているかを考えるようなアプローチになります。
  • どんな時に使うの?
この清算価値の考え方を実際に使うのは少ないのですが(株式投資の際に一株当たり純資産を考えるときはあるかもしれません)、企業再生の際に、破産させたほうが回収額が多いのか、事業を継続させたほうが回収額が大きくなるのかを判断する際に使ったりします。

すなわち、清算価値を参考にしつつ、継続価値と比較してどちらが良いかを考えていくといった使われ方をするのです。


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