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経営用語集といったサイトを運営していると、学生さんからの質問がたまにあります。大抵は大学のテスト期間と思われる時期に、経営用語に関する質問なのですが、中には就活や今後のキャリアを見据えた資格取得の相談といった事もあります。

もちろん、その人の置かれている状況によって、最適解は変わると思われます。(例えば、士業として独立したいのか、就職に有利な資格がほしいのか。また、学習に掛ける時間が十分にあるのか、すぐにでも取れる資格を取る必要があるのかといった条件によって答えは当然変わります。)

しかし、ある程度の一般論はお話しすることができるのはないかと思います。

■就職のためには

どういった企業に就職したいかにもよりますが、世界に名だたる大きな企業では、多少の資格を持っていたところで、特に就職に有利にはならず、ほとんど誤差の範囲であると考えておいたほうが無難です。

しかし、いわゆる中小企業の場合は、就活生が保有している資格が有利に働くケースがあります。特に、選考のノウハウが確立していないような企業を狙う場合(ほとんどの中小企業には選考のノウハウなど存在しません)、資格がある場合、就職活動を有利にするという傾向があります。とはいえ、基本的には資格が決め手になるとまでは言えませんので、過度な期待はしないほうが良いでしょう。

と、このように書くと、「就職活動をする際に中小企業を狙わないと、資格には効果がないんだ。だったら、あんまり意味がなさそうだね。」と思われる方もいるかもしれませんが、我が国の99.7%の企業は中小企業です。

この事実から考えると、ほとんどすべての企業へ対する就職活動に、資格の取得はある程度有効であるとも考えることができます。

もちろん、どちらの立場を取るかは人それぞれの価値観ですが、特にやりたいことがないのならば、資格取得のために学習するのは、とても割の良い投資だと考えられます。

■採用後に資格取得の支援をする余力はあまりない

残念ながら中小企業の場合、OJTといって現場で新入社員をトレーニングすることはできても、OFF-JTといった形で、現場から切り離して座学で研修をする余力がある企業はそれほど多くありません。

そのため、仕事で使う最低限の知識以上の、知っていると仕事の質が向上するような知識は自分で学ぶことが強く要望されることになります。

また、企業の規模によっては、仕事で使う最低限の知識すら自己啓発的に得てほしいと考えている場合もあります。

その点、何らかの資格を持っている就活生ならば、その資格を取得したという実績から採用後も自分で資格取得を志す可能性があると判断することができるのです。

また、その資格が採用したいと考えている職種に合致する資格ならば非常に有利になります。(例えば、経理部の人を採用したいと考えているときに、簿記の資格を持っている場合は、極めて有利になります。)

■採用担当者の立場

また、人の採用というのは極めて難易度の高い業務です。仮に、あなたが採用担当者をやったとして、優秀な人材を評価し、採用することができるでしょうか?

採用担当者を任せられたあなたは、何をもって就活生を優秀と判断しますか?印象ですか?受け答えですか?そして、その判断に絶対の自信を持つことができますか?

そこまで自信をもって人を採用するのはなかなか難しいと感じる人がほとんどだと思います。

また、せっかく採用した人が、すぐに辞めてしまったり、問題を起こしたりした場合、どのように組織の中で説明をしますか?(どんな人を採用しても、この手の事はつきものです。)

説明のできないリスクは避けたいと思うはずですよね?

■納得のいく説明ができることが大切

このように考えると、採用担当者は非常に苦しい立場の仕事であることが分かります。難易度の高い仕事を担当しており、また、完全に予見できない未来に対して責任を負わされるわけですから。

だとすると、その苦しい立場で生き抜くためには、保険をかける意味でも、採用活動を行う際に「これこれこういうわけだから、○○さんを採用しました」と説明できる採用活動をすると思いませんか?

例えば「あの人は、東大卒だったから採用した」とか「弁護士の資格を持っていたから採用した」といった事であれば、明確な理由になっていますよね。

このような理由で採用された人が、期待通りのパフォーマンスを発揮できなかったり、すぐに辞めてしまったとしても、採用担当者はそれほど責められないと考えられます。

これに対して、「あの人には、面接のときに何か光るものを感じた。」などといった曖昧な理由で採用活動をした場合、採用した人が期待通りのパフォーマンスを発揮できなかったり、すぐに辞めてしまったりしたら、採用担当者の適性を疑われてしまいます。

もちろん、採用のノウハウがしっかりと確立されているような企業では、上で言っていた「光るものを感じた」といった事がしっかりと基準として明確になっていると考えられるので、その基準に従った採用活動であると説明できれば担当者の適正が疑われる心配は少ないと考えられます。

しかし、残念ながら採用のノウハウがしっかりとしている企業の数はそれほど多くないため、採用担当者がいざとなったら言い訳をできるような、客観的にわかる属性を身に着けておく事が有効になるのです。

あなたを選考する採用担当者は決して特別な人ではありません。ほとんどの場合、採用関係の訓練を受けている採用のスペシャリストなどではなく、たまたま採用担当を任せられている人でしかありません。

これに対して「採用活動は、就活生の内面を見るべきだとか、そんな客観的に測れる資格などしか見れない企業は情けない」などといった綺麗ごとを言うのは簡単です。

しかし、それは綺麗ごとです。組織内で働いている人達にも生活があります。そのため、いざとなったら言い訳ができる人を採用時には選ぶという動機があるといった、組織内で働く人の行動特性を知っておいて損はありません。

■具体的に就職に効く資格は

さて、一般論として資格取得は就職活動に有利に働くといった事を述べてきました。今度は具体的に就活に効く資格について考えてみたいと思います。

■とりあえず押さえておきたい簿記

と、このような言い方をするのならば、やはり一番最初に来るのは簿記になります。

簿記の知識は、経理部に配属されなくとも、役立つ知識ですし、はっきり言ってしまえばビジネスの基礎体力となる分野です。

売り上げと利益がどう違うかわかりますか?利益が残っていても、倒産することがあるということが理解できますか?

この辺のお話が簿記を取っていれば、何となくでも理解できるようになります。

また、意識を高くして簿記の2級まで目指せば、損益分岐点売上高といった管理会計の基礎(基礎ですが核心部分です)まで理解することができます。

一言でいうと、数字に対する感性が非常によくなりますので、ビジネス系の資格として特にこだわりがないのならば簿記の取得がおすすめなのです。

なお、簿記などは技術の訓練ですから専門の学校で習うか、通信講座をお勧めします。

もちろん独学でも合格は十分可能ですが、時間のロスが大きいため就職活動のためにと考えているのなら、通学か通信を強くお勧めします。

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簿記を持っている就活生の場合、数字の素養があると判断することができるため、採用側も安心して採用することができる人材だということができます。

なお、簿記をお勧めすると簿記1級まで目指そうとする人も出てきます。しかし、さらに上級の会計系の資格(税理士とか公認会計士)を目指すつもりがないのならば、基本的にはお勧めしません。

簿記1級は難易度が簿記二級までと比較して格段に上がりますし、莫大な労力をかける割には収入増加には結び付きにくい(就活には役立つとは思いますが…)といった特徴があります。

一言でいうならばコストパフォーマンスがあまりよくない資格なのです。

そのため、個人的には簿記1級を狙うのなら、もう少し難易度は上がりますが、社会保険労務士や行政書士、中小企業診断士などのいわゆる士業を狙ったほうがいいと思います。

■合わせ技で差別化を

簿記を持っていればビジネスにおける数字の素養があると考えることができます。これに加えて、合わせ技でちょっとした資格を持っていると重宝されます。

そして、その資格はできればあなたが狙っている業界ではあまりメジャーじゃない分野のほうが良いでしょう。例えば、デザインとかあまり関係のなさそうな業種を受ける人が色彩検定やカラーコーディネーターなどを持っていれば、色彩を使うような業務で頼られる事が増えると思います。

また、昔からある古い業界を狙うのであれば、IT関連の資格を持っていれば重宝されます。

就職した後は組織で働くことになりますので、あなたがその組織内での第一人者となるような分野を作っておくと、非常に仕事がやりやすくなります。(代わりが効きにくい人材になれば、会社に対して交渉力が強くなります。)

■狙うなら上位資格も

さて、ここまで書いてきましたが、せっかく狙うのなら上位資格を狙っていくのも手です。

いわゆる士業の資格を取れば、その職域の人材を採用したいと考えている企業への就職活動は極めて有利になります。

例えば、社会保険労務士ならば、おそらくほとんどの企業で入社した時点で雇用関係の第一人者になれます。そのため、総務部や人事部の人材がほしいと考えているような企業への就職は極めて有利になるでしょう。

ただし、狙っている企業が、あなたが取得した職域と異なる分野の人材を採用したいと考えている場合はあまり有利にはなりませんし、場合によっては敬遠される事もあり得ます。

コピー機の営業の人を採用したいと考えている企業だった場合、弁理士さんだったり、土地家屋調査士さんをあえて雇うといった選択肢はあまりないと思います。

また、いわゆるブラック企業の場合は、労働基準法の専門家である社会保険労務士を従業員として雇おうなどとは考えないはずです。(その人に訴えられる可能性がありますからね。)

さらに、士業者を雇う場合、企業側はその人が将来的に独立開業して会社を去るといったリスクをどうしても考えてしまいます。そのため、必ずしも就職に有利になるわけではないといった事は念頭に置いておく必要があります。

しかし、めぐりあわせが良ければ極めて強力な武器になり得ます。というか、士業の資格は採用の決め手になりえます。

相手企業の採用予定の職種によっては敬遠される事がありますが、ポジティブに捉えるのならば、あなたが採用後に意に沿わない仕事をさせられる可能性が下がるともいえるのです。

物事はとらえ方次第ですが、このような利点があるので、狙えるのならば、上位資格を狙っていくのは非常に良いことです。

■いざとなったときに

世の中はどんどんスピードを増してきています。一昔前は会社(事業)の寿命は30年程度といわれていましたが、今日では、最初に就職した企業が変わらぬ姿で30年後も存在しているなどと確信をもって言うことは難しくなってきています。

最近では、世界に名声を轟かしていた我が国が誇る大企業であっても、定期的に業績の悪化が伝えられ大規模なリストラを迫られたり、事業の統廃合をしたりするのを見聞きすることが多くあると思います。

はっきり言っておきますが、業績が悪くてニュースになっている大企業は、10年から5年ほど前ならその企業に新卒で就職できたら、大成功と言われていたほどの企業ばかりです。

そのような大企業ですら、業績がひとたび悪化したら苦境に立たされるのです。会社はあなたを守ってはくれません。(これから就職活動をしようとする人に、なんてことを言うサイトなんでしょうね…)

あなたを守れるのはあなた自身です。そのため、いざとなったときにあなた自身のものとして持ち出せる個人的なスキルを持つことが大切だと思います。

個人的なスキルを身に着けるといった切り口から、

行政書士を独学で取得して分かった事
中小企業診断士

についての学習方法を共有しておきます。資格試験一般で使えるノウハウも惜しみなく書いていますので、参考にしていただければ幸いです。

また、いざとなったときに独立開業を考えておくのも、リスクヘッジになります。

ひとたび独立開業を考え出すと、企業のノウハウを深く学ぶ動機付けになりますし、その結果業績が上がって処遇が良くなれば、無理に独立開業をしないといった選択肢もとることができます。

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