帳簿

経理部とかがちゃんとあるような企業にお勤めの方や、学生さんにとっては、帳簿をちゃんとつけていなくて、自社が儲かっているかどうかがちゃんと把握ができていないといった事業者が存在することはにわかには信じがたいと思います。しかし、現実ではそんな感じの事業所はとても多いです。

但し、そうはいっても税務署に確定申告をしなければなりませんし、銀行でお金を借りようと思った場合には財務資料を用意しなければならないので、税理士さん等に帳簿をつけてもらっています。

しかし、そういった企業はせっかく税理士さんが帳簿をつけてくれて、財務諸表を作ってくれているにもかかわらず一度も目を通さずに、ファイルに入れているだけといったとてももったいないパターンも多くなっています。

■健康診断とか成績表とか言う前に

さて、「財務諸表は財務的な健康診断とか成績表である」みたいな言葉を昔読んだ『金持ち父さん』の本で見た覚えがありますが(うろ覚えですみません)、財務諸表なんて、見方もなんだか難しげですし、数字ばっかりですし、見ただけでアレルギーを発症する方も多いと思います。

でも、社長さんには難しい事は言いませんので、(専門的な分析はセンセイにお願いすればいいのです)一つだけ目を通していただきたい指標があります。

それは損益計算書という書類の中段あたりに書いてある『営業利益』という指標です。

■『営業利益』だけは必ず見る事

さて、中見出しにして目立たせてみましたが、『営業利益』という指標だけは必ず目を通してください。『営業利益』という指標だけは必ず目を通してください。(大事なことなので二回言いました。)

というのは、この指標は本業の儲けを示している指標だからです。そのため、この営業利益の額であなたの営んでいる事業がどれだけの利益を生み出しているかがわかるのです。

ところで、「営業利益の欄に▲○○円って書いてあるよ」「営業利益なんて言葉は無いけど、営業損失って書いてあるよ」といった感想を持たれた社長さんはいますか?

そういった社長さんは、数年前の財務諸表を引っ張り出してきて、同じ営業利益の欄を見てください。直近の年度だけ、たまたま営業利益がマイナスだったと判断できるのであれば、今年は営業利益をプラスにする事に注力していただければと思いますが、数年にわたってマイナスの場合、かなり注意が必要です。

それは、あなたの事業が利益を生み出していない事を示しているため(つまり続ければ続けるほど損をするという事です)、何らかの手を打たないとマズイ状況に追い込まれる可能性を示唆しているからです。

■営業利益はプラスだけどお金が足りない…

さて、営業利益がプラスであっても借入金の返済などが多くてお金が常に足りていないといったケースも想定することができます。

この場合、本業は利益を生み出しているけれども、過去の何らかの問題が尾を引いており(例えば過去、自社の景気が良かった時期に豪華すぎる建物を建てて、その借入金を未だに返しているとかそんな感じです)それが足を引っ張っていると考えることができます。

このようなケースでは外部からセンセイを呼んで来れば、ある程度の対応も可能です。(場合によっては借入金の返済条件の変更などを金融機関相手に交渉をするといった事まで行ってくれるセンセイもいます。いわゆる企業再生といった案件ですね)

このように、営業利益がプラスなのかマイナスなのかで大きな違いが出てくるのです。

■帳簿を付けよう

さて、このような結果の分析も大切ですが、やはり日々帳簿をつけて儲かっているかどうかを押さえて欲しいと思います。

スピードメーターなどを見ないで運転する人はほとんどいないと思いますが、経営に関すると「なんだか難しいな」といった先入観で計器を見ないで(つまり財務諸表などを見ないで)経営する人が多くいるのが現実です。

例えば、下のような弥生会計などを導入すれば(簿記の素養があれば)簡単に帳簿を付けることができます。



ただ、こうやって事業主さんが自分で帳簿を付けるという事は、実はかなりハードルの高い要求であることも分かっていっています。(でも自社でできるのが一番いい事ですからね。)

■技術は進歩しています

とこんな風に書くと「簿記?そんなの勉強してらんないよ。こっちは忙しいんだよ!」といった反応があるのも想定できます。(というか会計にアレルギーを持っている人はとっても多いと思います。)

そのようなニーズが多いのか、銀行口座の情報から自動で入出金を取り込んで、記帳してくれるといったfreeeという会計ソフトも出ています。(クレジットカードからも同様に経費の情報を記帳してくれます。)

このようなサービスを最初に聞いた時はビックリしたのですが、「確かにお金の出入りは分かっているわけですし、明細である程度どこに払ったのか、どこから入金があったのかは判断できるので自動化できるよね。」と納得感はありました。

いちおう、個人事業主だと税込980円/月、法人だと税込1,980円/月で使えますので、個人的にはありかなと思います。(無料での試用もありなので試してみるといいですよ)

無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」

■というか何でもいいから帳簿をつけて欲しい

と、色々書いていますが、経営を支援する側からの願いは一つです。「なんでもいいから帳簿をつけて欲しい」という事です。

それが税理士さんに丸投げであっても良いので帳簿だけはちゃんとつけたほうがいいです。

税理士をお探しなら『税理士探しの強い味方 税理士紹介エージェント』

というのは不確かな情報を元に適切な支援は誰にもできないからです。お医者さんは熱や血圧を測り、聴診器を使って音を聴きます。そして患者さんからお話を聞いて、総合的に判断を行ってから治療をします。

同じように、あなたの会社の状況が分からなければ適切な支援などできないのです。(ごくまれに社長さんのお話だけで状況を的確に判断し、適切な支援方法を提案できる人もいるのですが、そのような人にあたるのを期待するよりも帳簿を付ける方が確実ですし速いです。)

商売で儲けるために、帳簿を付ける事から初めて行きましょう。
 
事業を営むのに必要な情報
姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。