いきなりですが、半沢直樹面白いですよね。ちょっとエキセントリック過ぎな感じもしますが、組織の中で政治力を駆使しての戦い。ゾクゾクしますね。

さて、ここで劇中で疑問となるようなお話ってなかったですか?

「あれ、200億借りて、120億の損を出したんだよね?それなのになんであんなに沢山の引当金を積む必要があるの?120億とか200億とかじゃ足りないの?」って思いませんか?

まあ、いちいち解説するなんて野暮ってもんですが、「まんがで気軽に経営用語」ですから一応解説を試みたいと思います。
  • まずは…
まずは劇中では詳しく語られていませんが、東京中央銀行は伊勢島ホテルに対して今回の200億以外にも多額の融資を行っている事が想定されます。

そして、今回の120億の損失が致命的な事態を引き起こしたと想定されるのです。

下の図を見てください。200億の融資をした時点では以下のような貸借対照表(一定時点の財政状態ですね)を想定していたはずです。(正確かどうかは別として、致命的な状況には陥っていないという段階です。)
スライド1
あ、別に200億の融資自体で純資産が減ったりするわけではないのでそこは心配しなくても大丈夫です。(自己資本比率といった指標は悪化しますが)

しかし、120億の損失があったとするとこの図は次のようになります。
スライド2
債務超過になったか否か語られていないので、ここまで極端ではないかもしれません。しかし、この120億の損失は伊勢島ホテルに対して致命的であったと考えられるのです。
  • 実質破綻先
さて、話は少し飛びますが、企業は将来の損失に備えて一定の引当金を積みます。そして、この引当金は積むときに費用として扱われます。(貸し倒れに備える場合は貸倒引当金となります。)

そして、貸し倒れに備えるという事ですから、当然、貸倒れが発生する可能性によって引当金の額は変わってきます。

例えば、つぶれそうにないような企業に対しては、(もちろん事故も発生しますが、大半は大丈夫でしょうから)貸付額の数%ぐらいでOKですよね?

でも、実質的に破たんしているような企業にお金を貸していたらどうでしょうか?融資額のかなりの割合を引当金にする必要がありそうですよね。というか、実質破綻先の場合引当金は100%、つまり融資総額と同額となっています!

ここで、大切なことはこの120億の損失が伊勢島ホテルに対して『致命的』であるという事です。

つまり、この120億が決め手となって実質的に破たんしてしまうという状況なのですね。

その為、融資総額と同額を引当金にする必要が出てくるという事なんですね。これが、120億の損失で数千億の引当金が必要となるカラクリです。

(まあ、この辺の理屈は説明していたらスピード感が無くなってしまうので省いたんだと思いますけどね。)

いずれにしても、本記事がドラマ鑑賞をさらに楽しいものにできたら幸いです。
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