ホワイトカラーエグゼンプション_001
ホワイトカラーエグゼンプションとは、いわゆるホワイトカラーの労働者に対して、労働基準法に定められている労働時間の規制を免除するという制度の事を言います。

これは、ホワイトカラーの人たちは成果と時間の紐付けが難しいから(多く働いた事≠成果を沢山あげた)ということから、「ホワイトカラーの人たちの賃金を時間で評価するのは不合理だよね?」といった発想から生まれた制度です。

と、いろいろ建前で書いていますが、簡単に言うと「君の成果は時間では測れないので、どれだけ残業しても、残業代は出さないよ。」という事です。

(まあ、時間管理をしないという事なので仕事さえ終われば早く帰っても良いのですが、同調圧力の非常に強い社会では、「自分の仕事が終わったんで、午前中だけど帰りますね」みたいなことができるかどうかは疑問が残ります。)
  • 昔の重役のイメージ
さて、この労働時間を管理しなくても良いとされる人たちは、このホワイトカラーエグゼンプションが実施されなくても存在しています。

それは、管理職の人たちです。みなさんも「管理職になったから残業代つかないんだよね…」みたいな声を聴いたことがありませんか?

それは、こういった管理職の人たちは労働時間の管理を免除しているからなんですね。

もっとも、労働時間の管理を免除するためには(=残業代を払わないためには)非常に大きな権限、時間管理にそぐわない仕事、とても高額な報酬といった三点セットを満たしている必要があります。昔の重役さんのイメージですね。
  • 名ばかり管理職? 
さて、これって少し前に『名ばかり管理職』ってことで問題になりましたよね?

権限もないし、お給料も安いし、時間管理をしていないと言いつつ重役出勤なんか決して許されないような人に『店長』とか『課長』といった風な肩書だけを付けて、残業代なしで働かせた問題です。
  • 生産性が上がればいいけど
さて、このホワイトカラーエグゼンプションが実施されたとしても、本当に繁閑に合わせて勤務ができれば生産性は向上すると考えられます。

忙しくない時期に自分の裁量でたっぷりと休養を取ったり、自己啓発に励んだりすれば、思わぬ発想が出てくるかもしれません。

ただ、「時間管理がそぐわない人たちを時間でしばりつけるのではなく、成果で評価するんだ。その結果生産性の向上が狙える」といった趣旨の通り運用されないと「単に、サービス残業を合法化しただけに終わってしまう」危険性もあります。
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