内部留保_001
内部留保とは、企業活動の結果得られた利益の中から社外に流出した分を除いた残りの部分の事を言います。

ここで、社外に流出した部分とは、租税の支払とか配当、役員賞与などが該当します。

と、難しく書いていますが、簡単に言うと「会社が儲けたうち、社内に残した部分」の事です。
  • 内部留保って現金なの?
さて、「儲けた中で社内に残した部分」というと、「それって現金なの?」って思われる方もいるかもしれません。

おそらく、『内部留保→社内に残した儲け→金庫の中に現金を入れておくイメージ』といった連想をしている人もいると思います。(経営マンガの中の人も昔はそんな風にイメージしていました。)

そのため、「内部留保が厚い企業は(現金を沢山持っている企業だから)、不況になっても雇用を維持する事が求められる。(だってお金を沢山ためているんでしょ?)」といった意見が良く出てくるのです。

さて、この現金を沢山持っているって本当でしょうか?
  • 内部留保=現金ではない
この図を見てください
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貸借対照表の貸方(右側)には「資金の調達源泉」って書いてありますよね?

内部留保の額というのは純資産として貸方(右側)に記載されます。そのため、「この会社は1億円の資産があって、そのうち3千万円は自己資本です。」という事はできますが、その自己資本がどうやって運用されているか?は分かりません。

例えば、あなたが自己資本の100万円と借りてきた(他人資本の)100万円を合わせて200万円を使ってお店を始めたとします。この時、お金を借りた人がやってきて、「うちの100万円は今どうやって使っているの?」と聞かれても困りますよね?

このように、内部留保も同様で、企業の資金の調達源泉であるのは確かなのですが、今現在、何に使われているかは分からないのです。

その為、内部留保が100億円あっても、それは工場や店舗として投資されており、金庫の中にはほとんどお金がないかもしれません。
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