業態_001
業態とは、どのような方法で販売活動を行うかという観点で事業を分類した言葉です。方法ですので、誰に何をどのように売るかといった切り口になります。(事業ドメイン)

イメージとしては、スーパーマーケットや、コンビニエンスストア、百貨店といった分類になります。

このようなスーパーやコンビニといった切り分けは扱う商品での分類だけではないですよね?(最寄品を中心に扱うスーパーマーケットに対して、百貨店は買回品専門品を取り扱っていますが、モノの違いだけではありません。)

ではどのような分類なのでしょうか。これから詳しく見ていきます。

■業態はモノだけでは分類できません

例えば、ナショナルブランドのカップめんは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンターなどでも同じものを扱っています。

また、スーパーもコンビニも百貨店もある程度、扱っている商品やサービスは共通しています。

そのため、モノを切り口とした場合、上にあげた様々な業態は分類することが難しいのです。

なお、パン屋さんと魚屋さん、金物屋さんのように明確に扱っている商品が違う場合は、モノで分類ができます。(こういった考え方を業種と言います。)

■業態とは売り方や顧客ターゲットが違います

では、スーパーマーケットとコンビニエンスストアは何が違うのでしょうか?

仮に扱っているモノが同じであっても、スーパーとコンビニが同じという人はいないと思います。

よくよく考えて見れば、「どのように売っているか?」という売り方が違いますよね。また、「誰に売っているか」という顧客ターゲットも違いますよね。このような売り方の違いを切り口にして業態というのです。

■業態は顧客視点と言われることもあります

このような事を捉えて、業態は顧客視点であると捉えられることがあります。何を売ると言ったお店の都合ではなく、どうやって売るという顧客視点であると言った捉え方です。
ただ、業種の「何を」といった切り口に加えて、「誰に」「どのように」といったように検討する要素は増えていますが、それを以て必ずしも顧客視点とは言い切れません。

お店の独りよがりな顧客と売り方の設定は常に可能ですので、業態は顧客志向であるとまではいえないと考えられます。

例えば、「うちのサービスは日本一だから、気持ちのいい接客で富裕層に高級品を売るんだ」などと言っても、所得水準が高い地域でなければそのような商売は成り立ちません。
このように、正確に言うならば、「業態はより顧客志向になる可能性が強い」と言った歯切れの悪い言い方になるでしょう。

onnanoko_bustup
隣町にすごいファンシーショップができたらしいのよね。

hiyoko
ですわ。定員さんは一切接客をしないでセルフサービスでお買い物をするみたいですわ。

onnanoko_bustup
うちは人的販売を重視した業態だから、別業態って考えていいわよね?

hiyoko
そうですわ。同じファンシーショップだけど、売り方が違うから別業態ですわね。


■新しい業態が生まれる事への説明

小売りの輪と言った仮説があります。この仮説は小売業の業態が、らせん状に発展していくといった仮説で、業態と関連づけて説明させることが多い内容です。

革新的な低価格の業態の小売業が市場を席巻しますが、そのうち同じような業態の競争相手が参入してきます。そのような競争相手に対抗するため、革新的小売業はサービスの向上と言った方向に舵を切り、最終的に別の革新的な低価格の業態の参入を招くといった理論です。


解説で出てきた用語・関連用語
事業ドメイン
小売りの輪
事業を営むのに必要な情報
姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。