知覚品質_001
知覚品質とは、顧客が何かを購入しようと考えたときに感じる、品質の事を言います。英語ではperceived qualityと表記されます。

この用語は「顧客が感じる品質」という所が大切です。イメージとしては客観的な品質というよりも、主観的なモノになります。

例えば、テレビという製品を考えてみます。

ある人は、映像の美しさに価値を感じていたとします。こういった人にとっては「従来の機種と比較して映像の美しさがアップしました!」という文言は非常に魅力的な宣伝文句です。

しかし、「映像の美しさよりも、音の良さの方が重要だよ。」とか、「消費電力が低い方が望ましいよ。」といった風に考えている人にとっては、映像の美しさがアップしたからと言っても、「このテレビの品質は高い」といった評価につながらないかもしれません。
 
このように、お客様が求めているものは多種多様なモノになります。それにもかかわらず、映像の美しさを追求して「世界一映像が美しいテレビ」を作ったとしても万人に受け入れられるわけではないのですね。(良いものを作りさえすれば売れるという発想を製品志向と言います。)

もちろん、映像が美しい事に価値を感じるお客様をターゲットとして差別化を図っていく(ターゲッティング)というアプローチは有効ですが、「世界一映像が美しいテレビは万人受けするハズ」と考えていると、思わぬ落とし穴にはまるかも知れませんね。

顧客が何を重視して商品や製品を選択しているかを意識することが大切というわけです。 
  • 実際の品質も最低限の水準を満たす必要があります
とはいえ、実際に品質がプアであれば知覚品質は上がってきません。

上のテレビの例では、そうはいっても消費電力が非常に多い、耐久性が低い、デザインが明らかに悪い、音質・画質が悪いといった事が一つでもあればすぐに不満に結びついてしまいます。

しかし、その品質がある一定水準を満たせば後はどの切り口を評価するかは消費者の考え方次第となります。

再び上のテレビの例に戻れば、世界一映像が美しいテレビは音質重視の人にとっては明らかに過剰品質であり、高い品質とは見做されないのです。

・ターゲッティングが重要
その意味で、「誰に」「何を」提供するかといったマーケティング的な考え方が重要となります。

世界一映像が美しいテレビは、映像の美しさにこだわる人たちに対して提供するならば知覚品質が上がり、満足度が上がると考えられます。

その意味で、知覚品質を考えるならば、誰に提供するかと行った事を考えていく必要が出てくるのです。

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