建値制_001
建値制とは、メーカ側が物流の下流でどれくらいの利潤を確保すべきかをあらかじめ決めておいて、希望小売価格を決める制度を言います。

これは希望小売価格を決める際に、途中の卸の利潤まで考えて決定するようなイメージです。例えば、メーカは40円で卸に販売し、卸は70円で小売業に販売し、小売業は消費者に100円で販売するという風に決めておくといった感じです。

さて、建値制を用いれば、卸も小売業も安心ですよね?いわゆる価格競争に巻き込まれませんからね。

しかし、消費者はどこの小売業者もメーカーが決めたとおり100円で販売していた場合、価格競争があれば手に入れられた価格よりも、高いお金を支払う必要があるかもしれません。

言い換えると、価格競争があったら90円で手に入れられたかもしれないのに、何処へ行っても100円でしか売っていないという事が起こるという事です。

そうすると、定価を決めてそれを守らせるという事は消費者の利益にはなりませんよね?このように、競争を阻害することがないよう、独占禁止法では再販価格を維持することは禁止されています。

(簡単に言うといわゆる定価販売を強制する事は禁止されています。)

しかし、希望小売価格として「うちとしては100円で売ってほしいんだよね」と販売価格を希望する事は禁止されていないため、建値制自体は違法ではありません。

■建値は守られていない

とこのような建値制ですがどこか抜けがけをしてしまうと、崩れてしまいます。消費者としては同じ商品であればより安く手に入る方が合理的になります。

また流通企業も競争が激化することにより、競合他社よりもたくさん売りたいと言う願望が常にあります。

この願望はメーカーが決めた建値を維持することよりも大きく、建値制は有名無実なものとなりつつあります。

■なぜ建値を決めたいの

このような守られない縦にですがではどうしてメーカーは建値を決めたいのでしょうか。

それは小売価格がどんどん低下してしまうと、メーカーから出荷する価格も維持できなくなり最終的にはその商品を売ることで、製造業も流通業も小売業も全く儲からなくなってしまうからです。

また価格が下がればブランドを維持が困難となりコモディティ化が進むと言ったこともメーカーが嫌がる点です。

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