当座比率_001
当座比率とは、当座資産(流動資産のなかで特に換金性の高い資産)を流動負債で割った比率の事を言います。(当座資産には現金、売掛金、受取手形、一時的に持っている有価証券などが該当します。また、当座比率は別名「酸性試験比率」とも呼ばれます)

この当座比率は

当座資産÷流動負債×100%で算出します。

さて、この当座比率とよく似た比率に「流動比率」というものがあります。こちらは、流動資産を流動負債で割った比率ですが、なぜワザワザ流動資産ではなく、当座資産を用いて計算した比率を別に設けているのでしょうか?

その答えを次の例を通して考えてみたいと思います。

例えば、流動資産が100万円(内、棚卸資産70万円)、流動負債が50万円という状態の企業A社があったとします。(棚卸資産は当座資産には該当しません。)

この場合、流動比率は100万円÷50万円×100%で200%となります。

流動比率が、この200%という水準であれば、短期的に困難な状況には陥りにくいと一般的には考えられます。

それではこのA社には何の不安要素もないのでしょうか?そんなことないですよね?なんとなく不安に感じますよね。

この流動資産の大きな部分を占めている棚卸資産が順調に販売でき、現金を回収できれば何の問題もありません。しかし、棚卸資産が無事に売れる保証はどこにもありません。

また、売れたとしても、大幅な値引きを余儀なくされるかもしれません。

そこで、流動資産のうちで換金性の特に高い資産を当座資産とし、その当座資産が流動資産に占める割合はどの程度なのかを考えるのが当座比率の考え方です。

簡単に言ってしまうと、流動比率をより厳しく判定するというイメージですね。

この例では当座比率は

30万円(流動資産100万円-棚卸資産70万円)÷50万円×100%=60%となります。

一般的には、当座比率が100%を上回っていれば理想的であると言われています。販売の努力をしなくてもいい、換金性の高い資産だけで、流動負債と同じだけ持っているというわけですから、100%を超えていれば安全な気がしますよね。
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