安全性分析_001
安全性分析とは、企業の経営分析の領域の一つです。これは、企業の財務データを用いて企業がどの程度安全であるか(つぶれにくいか)を見る手法です。

さて、企業が倒産するというのはどういう時でしょうか?多額の赤字を計上した時でしょうか?

直観とは少し異なりますが、企業が多額の赤字を計上したからと言って、直ちに倒産することは少ないのです。

逆に、黒字倒産という言葉があるように、たとえ会計上で利益を計上していたとしても倒産する場合はあります。

この企業が倒産するときは?という質問のこたえは、「資金が回らなくなったとき」になります。
 

例えば、手持ちの現金が50円で、200円の売上が2か月後に現金として回収できるとします。また、販売した商品は100円で仕入れたとします。
安全性1
さて、この条件で仕入れのお金を、「売上を現金で回収した後に支払う」とした場合はどうなるでしょうか?この図のように、無事、お金を返すことができ、粗利益も100円(売上高200円-売上原価100円=粗利益100円)でめでたしめでたしですよね?

では、同じ条件で仕入のお金を1か月後に支払うとしたらどうなるでしょうか?
安全性2
この図のように、1か月後に50円しかないにもかかわらず、100円支払わなければならないため、現金がマイナスになりますよね?この場合、いわゆる倒産という状態に陥ってしまいます。

このように、たとえ黒字を計上していても資金繰りが悪いと倒産してしまう場合があるのです。取引先や勤務先などの利害関係がある企業が倒産してしまったら、とても大変なことになってしまいますよね?

そのため、相手の企業が安全な企業なのかどうかを見ようとするのが、この安全性分析の目的なのです。

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