退蔵益とは、プリペイド型の金券などを購入したお客さんが、その金券を使わないことによって発生する利益の事です。
お客さんが前払いしたけれども、商品やサービスを利用しなかったことによる利益と言い換えることもできます。
■使っていない金券ありませんか?
みなさんの机の引き出しの中にも、まだ使い切っていない図書カードやテレホンカード、バスカード、パスネットの類が眠っていませんか?
そして、それらの金券はまだ使うことができますか?中には有効期限が切れていたり、サービスが終了していたりでもう使えないような金券もあると思います。パスネットなんかはもう使えなくなっている金券ですよね。
でも、使えないと言っても、その金券を買う時にお金を払っていますよね?お金だけもらって商品やサービスを提供しない。なんだか、金券を発行する側の立場からすると美味しい話ですね。
・発行者は丸儲けです
例えば、みなさんが会社の同僚に珈琲を淹れる回数券を販売したとします。その回数券は半年の有効期限を設けていました。
大量に販売した後、あなたは一定の数の回数券は決して使用されずに有効期限が切れる事に気が付きました。
さて、この有効期限が切れた分の回数券の販売で受け取った金額はどうなるでしょうか?
もちろん、みなさんの手元にマルマル残ります。これは費用が発生していない利益だから非常に美味しいですよね。(もっとも同僚相手に有効期限が切れたから交換しないと言えるかどうかは別問題ですが。)
■全ての金券が使われるわけではありません
なんとなく経験則で退蔵益があるのは納得できると思います。例えば、宝くじも毎年一定程度の換金がないと言われています。
また、ポイントが失効して悔しい思いをした人も多いと思います。このように、毎年一定の範囲で退蔵益は発生するのです。
■退蔵益を狙いに行くビジネスもあるが…
この退蔵益を狙いに行く商売も考えられます。例えば、携帯電話などの契約時に割引の条件だからと言って、たくさんのオプションへ加入させると言ったことが横行しています。
すぐ解約していいからとお店の人は言うのですが、だったらそんな条件をつけずに割り引いてもらいたいと思いませんか?
しかし、いったん契約させる事によって退蔵益を狙っているビジネスなのです。
もちろん、一回使ってもらうことでサービスの良さを理解してもらって…と考えているとは思います。しかし、一定の割合で解約を忘れる人がいて、そちらの方もおいしいのです。
この解約忘れの人は、サービスは使わないのに、課金だけされ続けると言った一種の退蔵益が発生し続ける状況を作り出せるのです。
こういった方法をレ点ビジネスといいます。
このまんがでは、学食の回数券を発行しています。最終コマでは毎年一定の比率で回数券は使用されない(退蔵益が見込める)と言っています。
もっとも、こういった退蔵益ビジネスはあまり誠実なやり方ではないためおすすめできません。
解説で出てきた用語・関連用語
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