
OC曲線(Operating Characteristic Curve)とは、抜き取り検査の際にロット毎の品質と、そのロットが合格する確率の関係性を示す曲線の事です。検査特性曲線とも言います。
抜き取り検査を行う場合、その検査を行う元となる母集団の実際の状況は抜き取ったモノの状態から推定するしかありません。
この抜き取ったモノから推定するという意味は次の通りです。
例えば、ある製品を1000個作ったとします。そのうち、10個が不良品であったとします。(不良率1%ですね)この時、10個を抜き出して検査したら、不良品はいくつ混ざるでしょうか?
可能性としては0個から10個全てのパターンが考えられます。
つまり、タマタマ不良品は0個かもしれないし、タマタマ10個全てが不良品である場合もあるという事です。ただ、それでも不良率が1%なので10個全てが不良品である可能性は非常に低くなります。
このケースでは、不良品が0個の可能性は90.39%、不良品が1個の可能性は9.21%、不良品が10個全てである可能性は0.00000000000000000000038%となります。(直感的に全部不良品にはならないと感じたとおりの確率ですね。)
それでも、この母集団から10個を抜き出して検査を行った際、2個以上の不良品が混入する可能性は0.39%ほどあります。(不良品が0個、1個でない確率ですね。)
そして、この関係性を図で表したのがOC曲線です。
このOC曲線は、縦軸には検査に合格する確率を、横軸には母集団の不良率を取って曲線を描きます。

この図は1000個の母集団から10個を抜き出し、不良品が1つ以下であったら合格(不良率10%以下なら合格)する試験を行う場合を想定して作成しています。
この図から読み取れることは、1000個の母集団から10個を抜き出す場合、不良率が1%のロットがこの検査に合格する可能性は99.61%、不良率5%のロットがこの検査に合格する可能性は91.47%、不良率10%のロットがこの検査に合格する可能性は73.63%あるという事です。不良率30%のロットになると合格率はさらに下がり、14.79%となります。
どうでしょうか?不良率30%のロットであっても、14.79%の確率で検査を合格するとは非常に恐ろしい感じがしますよね?
これは検査する個数が10個だけなのでこのような結果が出ています。検査する個数を増やせばもっと、検査の精度は上がってきます。
例えば、検査数を20個に増やせば不良率30%のロットがこの検査に検査を合格する可能性は3.41%に下がります。
このまんがでは抜き取り検査を行っていたロットの製品に不良があり、メーカーに対して問い合わせを行っているようです。
このように、抜き取り検査の場合には不合格としなければならないロットが合格として市場に出回ってしまう事があるのです。
このように、抜き取り検査の場合には不合格としなければならないロットが合格として市場に出回ってしまう事があるのです。
事業を営むのに必要な情報姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。