稟議制度_001
稟議制度とは経営管理上の重要な事項や自己の権限を越える事項を、下位者が上位者にお伺いを立てて決裁を受ける制度の事です。(稟議は『りんぎ』と読みます。)

組織の階層構造に従って、下位の人から上位の人へと意思決定がが進んでいきます。

■全ての稟議が最上位まで行くわけではありません

通常は稟議の内容によって、決裁が必要となる階層が異なっています。

例えば、その稟議の内容が100万円でできる事までは課長の決裁で大丈夫ですが、1,000万円かかる場合部長の決裁をいただかないとダメといった決めごとがなされています。

また、内容によってもどこまで稟議を上げるべきかといったルールが決まっています。

この金額や内容については企業ごとに決まりますので、課長級でどこまで決裁できるかは一概には言えません。

しかし、逆に考えれば役職ごとで決裁できる金額を事前に把握できれば、営業活動に役立つ情報となります。

■稟議制度のメリット

この稟議制度は、会議を行うことなく、複数の決裁権者から決裁をもらえますし、関係各所に周知されるといった長所があります。

また、稟議書を書くことによって自らの権限外の事項についても、決裁権者の決裁が得られれば影響を与えることができます。

また、担当者レベルにおいては、決裁を上位者にしてもらうため、個人の裁量ではなく組織で決定したことにできます。

このことは、責任の所在があやふやにはなりますが、組織人として身を守る観点からはとても重要な事です。

また、逆に言えば、自らの権限を越えるようなことであっても、上位者を巻き込むことで実現できる可能性があるのです。

■稟議制度のデメリット

しかし、この稟議制度は決裁者が多いため責任の所在があいまいになる、時間がかかってしまうといった欠点もあるとされています。

また、いきなり稟議を上げる人はほとんどおらず、基本的には関係者に事前に根回しといった形で合意を取ることになります。そのため、稟議書は事前の意思決定の追認といった意味合いになりがちで、本質的に無意味である可能性すらあります。

特に、時間については、事前の合意形成の時間や上席の人が出張等で席を外していると決裁が進まないといった事から、非常に時間がかかるといった問題が生じます。


このまんがでは、先生が非常に素晴らしいアイディアを思いついたようです。しかし、この先生はそのアイディアを組織で実施するための方法がすぐには思い浮かばなかったようです。

最終コマで、年配の先生に稟議書を書いてみてはと勧められています。このように、稟議制度を用いれば、現場で頑張っている人でも、自らの決裁権限を越える事項について実施することができるのです。

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