デジュールスタンダード_001
デジュールスタンダード(dejure standard)とは標準化団体などによって規定された公的規格の事を言います。

デジュールはラテン語で法律上のといった意味の言葉ですので、定められた標準といった意味の言葉になるのです。

ISOとかIEEEなどがこの標準化団体です。これらの団体によって規定された標準(ISやJIS規格など)を元に、製品を各メーカーが作っていくというわけです。

みなさんも乾電池を使った事があると思います。この乾電池は単3の電池ならば単3を使うと書かれている製品には、メーカーは関係なく使う事ができると思います。

この乾電池の規格はデジュールスタンダードの例です。

この乾電池の形状を各メーカーが勝手に決めていたりしたら結構不便な世の中ですよね?ソニーの電池はパナソニックの製品には使えない世の中はあんまり住みよい世の中ではなさそうです。

このように標準を決めて、みんなでそれに従う事によって世の中が便利になるのです。
  • 規格の例
世の中には様々な規格があふれています。その規格にみんなが従う事で便利な世の中が実現されています。

ネジ一つとっても、サイズさえ合えば別のネジを買ってきても使うことができます。当たり前のことかもしれませんが、これはすごいことなのです。

ネジをよく見ていただければ、かなり複雑な製品です事がわかります。ネジ山の大きさや角度などをネジを作っている工場が思い思いに作っていたら大変なことになります。

そのようにならないようにデジュールスタンダートが定められているのです。
  • 標準に従う事に意味がある
では、標準が定められたとして、なぜ皆がそれに従うのでしょうか?従わなくても別にかまわないのではと考える人もいるかもしれませんね。

しかし、標準に従わないと製品が売れないといった実害が発生します。

なぜかというと、世の中に出回っているもののほとんどが、ある規格に従って製造されているならば、その規格に合わせなければせっかく作った製品も価値を生まないためです。

例えば、USBにもタイプがたくさんありますが使っているPCやスマホに接続できないUSBの規格を独自で作ったとしても、そんなものは利用価値のないただの紐にしか過ぎません。

このまんがでは、乾電池の標準規格を無視した、三角形の乾電池を手に入れた言っています。

しかしこの乾電池は デジュールスタンダードが決まっています。そのため、どこのメーカーの製品にも、形さえ合えば使う事ができるのです。

そのため、この規格を無視した三角形の電池など作っても、4コマ目で指摘されているように、使う場所などないのです。

また、形が同じでも電圧などの規格が異なっていれば電池を使った機器を壊すことにつながりかねません。

そのため、標準規格に従わないことに、合理性は存在しないのです。
  • いつの間にか標準が決まっている場合もある
これに対して市場で勝手に標準規格が決まる場合があります。こちらはデファクトスタンダード(事実上の標準)と呼ばれています。そして、このディファクトスタンダードが後にこれらの公的標準機関から公的規格として認定を受ける例もあります。

現状が追認されるといったイメージですが、すでに普及している規格ですので標準とした方が色々都合がいいのですね。
  • 標準を取りに行くという作戦
中小企業の場合、自社規格をデジュールスタンダードにすることを狙うのは難しいかもしれませんが、不可能ではありません。

業界団体など外部の経営資源を活用して自社が作成した規格をデジュールスタンダードにする事で競争が優位に進む可能性があります。

例えば、自社が優位性を持っている分野の技術を業界標準の要件にすることに成功したらどうでしょうか?その後の競争がすごく有利になる気がしませんか?

ルールは人が作ったものです。そのため、私たち一人一人もルールの策定を働きかけることができるのです。

また、歴史的に欧州の企業は独自規格を標準にするといった、自分たちに優位なルールを作ったうえで、ルールに従うといった方法論に長けています。

うまく自分たちに有利なルールを作れれば、我が国全体を考えた国益にもつながりますので、業界団体や行政機関にも積極的に関与してもらうようにしていくことが重要です。
事業を営むのに必要な情報
姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。