クリティカルマス_001
クリティカルマスとは、ある製品やサービスの普及が加速するポイントの普及率の事を言います。普及の弾みがつくポイントであるという事もできます。

通常、新しい商品やサービスは、最も革新的な価値観を持っている層に受け入れられます。(イノベーター)。その後、新し物好きな人々が利用していきます。(アーリーアダプター)この人々は所属しているコミュニティー内でオピニオンリーダー的な存在であることが多く、この人々の採用をきっかけに、普及に弾みがつくケースが多いのです。

通常、イノベーターとアーリーアダプターが採用した段階で普及率16%となり、大体この水準がクリティカルマスであるとされています。

この普及率を超えたとき、市場内での認知度が高まるであったり、ネットワーク外部性が効いてきて、その製品やサービスの価値が高まるといった事が起こるのでしょう。そして、そのようなことから普及に弾みがつくと考えられます。

このまんがではコンサルの先生がクリティカルマスについて説明をしています。それを受けて、「あんみつご飯定食」もある程度以上普及したら、爆発的に流行るはずと元気づけられたようです。客観的には難しいと思いますが、流行るといいですね。 
  • 実務的には
さてこのクリティカルマスの考え方ですが、実務的にはどのように使っていけば良いのでしょうか。

・市場の分析のために使う
まず考えられるのは、そのまま素直に市場についての分析をする際に使えます。

例えば、ある商品が開発されて、大体16%近い普及率まで来れば一気に市場が拡大すると言うことができます。

もし、先行者利益を狙いに行く戦略を考えているのならば、普及率16%以上の商品はもはや先行者利益を狙える対象とはならないと判断できますので(爆発的な普及期に入ると、市場占有率の維持のために規模の拡大、つまり投資を求められます。)その分野に参入しないといった意思決定が可能です。

逆に、市場の拡大に合わせて関連商品を販売する(例えば、スマートフォンのケースを販売するなどの商売)ならば大いに算入する価値が出てきます。

・目標の設定のために使う
または、16%というのは経験則ですが概ね普及率が16%まで来れば導入が加速するということがわかっています。

これを利用して16%を当面の目標として掲げるという事が考えられます。

例えば、自社内の企業文化の変革を狙う際に闇雲に全員に新しい企業文化の変革を働きかけるのではなく、コアとなる16%程度の人に集中的に働きかけていくといった事が考えられます。

このクリティカルマスの理論が正しければ、その後は一気に企業文化の変革が進みますので全員に向けた漠然としたメッセージではなく、少数の人に向けた強いメッセージを送ると行った事が考えられるのです。

関連用語
イノベーター
アーリーアダプター
アーリーマジョリティ
レイトマジョリティ
ラガード
先発優位(先行者利益)
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