端数価格_001
端数価格とは、あえてきりのいい値段から少し価格を下げて割安感を高めた値段のことを言います。例えば、1,000円で売っていた商品をきりの良い1,000円ではなく、端数の980円で売ることによって割安感を演出します。いわゆる心理的価格政策の一つの方法ですね。

この場合、1,000円を切ることによって割安感を演出しようとしているわけです。このわずかな値下げで、値下げ分以上の需要増加が見込めると一般では言われています。
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もっともこの手法は、消費者もよく知っている手法ですので、最近ではそれほど効果はないと言われています。そのため、安易に実施すると利益を圧迫する原因となります。

例えば、上の例で1,000円で販売していた商品は700円で仕入れていたとします。この時の粗利は300円になります。

この時、需要増加を狙って980円にした場合の粗利は280円となります。それでは値下げ前と同じだけの利益を確保するためにはどれだけ販売数量を伸ばさないとならないでしょうか?

ここで1,000円で売ったときに100ケ売れるとします。その場合、総粗利は30,000円となります。
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では980円で販売した時にいくつ以上売ればこの粗利を超過する事ができるでしょうか?
 
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107.14個以上売る必要があると計算することができました。この時は8個余計に売る必要があるという事ですね。意外と沢山販売数量を伸ばさないといけないことがわかります。 

■一般消費者向けの手段です

この端数価格は一般消費者向けにはまだ若干の効果があるかもしれません。1000円と980円ではやはりなんとなく大きな差があるように感じますから。

そのため家電量販店なども29800円等の端数価格を活用した価格帯を使っています。特に10万円と98000円では客観的には2000円しか違いがありませんが、10万円台なのか10万円以下なのかというところで非常に大きな心理的な差があります。

そのため端数価格は現在でもよく使われているのです。

しかし業者に販売してくような B to B になる場合相手は合理的に判断しようとしますので、この端数価格といった手法はあまり効果がないと考えられます。

相手の購買担当者は購買価格に責任を持っているプロですので、そのような心理的価格政策に惑わされるわけにはいかないといった責任を持っているのです。

なお日本では8という数字を端数価格として使うことが多くあります。先ほどの例も全て末尾が8になってました。980円とか98000円とかそんなイメージですね。

これがアメリカでは9が端数価格になると言われています。よくアメリカのドラマなのでスーパーが出てくると1ドル99セントとか29ドルとかそんな端数価格が使われているのがわかります。

neko
売れ行きが良くないなー。2000円で売っているから高く見えるのかな。

onnanoko_bustup
ちょっとだけ出たりして売上を上げる方法があるらしいわよ。

tanuki_2
20円だけで値下げして、 1980円にしたら、お客様が安く感じたみたいで、売り上げが上がったよ。


■E コマースにおいての端数価格

また事業者向けの商売では端数価格があまり効果ないと指摘しました。この傾向はEコマースにおいても同じようであると言われています。

Eコマースの BtoB も双方冷静に価格を検討することができます。特にネットショッピングの場合は検索して最初に出てきたお店ですぐ買うのではなく色々なお店を検索すると思います。

その場合冷静に価格を見比べますので、多少の端数価格で割安感を演出するよりも本当に安い価格のお店が存在しています。

そのためあまりネットショッピングにおいて端数価格は有効ではないとされています




このまんがでは端数価格が上手くいった場合を書いています。1,000円の時には「スペシャル豪華定食」はあまりよく売れなかったのですが、980円にしたらすごく良く売れるようになったと言っています。

このように1,000円などの、きりのいい価格ではなく、 980円などの半端な価格をつけることを端数価格と言います。

解説で出てきた用語・関連用語
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