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この記事は、livedoorブログ奨学金の奨学生ブロガー7人による共同企画「正力・原発、日本の漂流」の一環として書いています。ブロガーのテーマは様々ですが、一つの企画で書くことで、新たな展開があるのではないか、そんな思いで始めました。
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明日4月5日は「ボーイズラブを読む!」さんです。

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「まんがで気軽に経営用語」では4月3日の「CAZANA」さんの記事にある「日本人の劣化すなわちサラリーマンの劣化」という言葉から、日本の経営の劣化という切り口で記事を書いてみたいと考えました。

日本の経営の劣化(以前より劣ってくること)と言うからには、少なくとも昔の日本の経営は今よりは良くないとこの言葉はつかえません。かつて100の実力を持った人が現在200の実力を持っているのに、劣化しているなどという事は出来ないですからね。

では昔は今よりも良かったのか?実は、日本の経営は今よりは良かったどころではありません。日本の経営には、かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと言わていた時代があったのです。

その時代の日本の経営は「日本的経営」などと言われていました。「終身雇用」「年功序列賃金」「企業別労働組合」の3種の神器を武器に、日本企業は素晴らしい競争力で世界を席巻していたのです。

では、その時代と比較して、何が劣化しているのか?それは少し難しい問題です。確かに劣化の具体例として国際競争力が低下しているとか収益性の指標が海外の企業に比べて劣っている。ホワイトカラーの生産性が先進国の中で一番低い。などという事を取り上げることはできます。

しかし、そのようなありきたりで高度な議論は偉い先生に任せておこうと思います。今回はそんな高度な議論ではなく、ルールを軽視する風潮が日本の経営の劣化を示しているのではないかと素朴に感じた事、を書いてみたいと思います。

そして、ルールを守らない経営の身近な例として、サービス残業という問題を取り上げたいと考えています。


さて、サービス残業はルールに則しているでしょうか?ルール違反ですよね。もちろん、個人の心構えとして「たとえ賃金をいただけなくとも良い仕事をするために超過労働をいとわない」という気持ちはすごく良い事であるとは思います。
 
しかし、社会全体を考えた議論で、ルールを守らない事を良しとしてはダメです。

個人いう視点では努力が大切ですが、社会全体の視点では努力が報われる環境の整備が大切だと感じています。個別と全体という風に視点を切り替えると、必要な対策は反対になる場合があるという事です。

社会の制度を設計する側は「個人が成功できないのは自己責任」と言って環境の整備を怠り、個人の側は「環境が整っていないせいで報われない」と言って努力を怠っている。そのため誰もあまり幸せになれない。筆者は少し前にこんな風に感じていました。 

話題がそれましたね。サービス残業の記事に戻ります。

さて、このサービス残業の本質はなんでしょうか?筆者はサービス残業の本質は泥棒(窃盗・強盗と言い換えてもいいです)であると考えています。これから二つまんがを書きます。8コマでこのことを表現してみようと思います。
サービス残業―競合店の視点―_001

一つ目のまんがではまじめに商売をしている店主のお店の隣に、すごく安く料理を提供するお店ができてしましました。そのようなお店が出来たら、既存のお店も当然対抗措置を取る必要があります。そうしないとお客さんを取られてしまいますからね。

しかし対抗措置をとっても、同じような商品をさらに安い価格で販売されてしまいます。 こんなお店が隣にできたら、商売あがったりですよね。

結局、このお店が、安く料理を提供できる理由は食材を盗んできているからだったようでした。最終的には不正を働いていたお店は摘発されて、めでたしめでたしです。

では、サービス残業を従業員に強いて、このまんがと同じように安く製品を提供するお店が隣にあったらどうでしょうか?本来かかるべき人件費を支払っていないわけですから、このまんがと同じように安い商品を提供することが可能となるわけです。

この場合、自分のお店にとって、盗んだ食材で安く商品を提供するお店と、従業員へ支払うべきお金を支払わずに、安く商品を提供するお店は、本質的に何が違うのでしょうか?

そして、このような不正を行うお店が同じ市場に存在していると適正な利益を得ることが難しくなり、まじめにやっているお店が立ちいかなくなりますよね。

それって社会全体にとって幸せなことなのでしょうか?
サービス残業―従業員の視点―_001

二つ目のまんがでは最初から残業代が支払われないケースと、残業代が支払われたにもかかわらず後にお金を出すように強要されるケースを取り上げています。

2コマ目では最初から残業代が出ないと上司が言っています。それに対して、従業員は仕方ないとして受け入れました。これは最初から残業代が支払われないケースです。

4コマ目では一旦払った残業代を返せと上司が迫っています。これに対しては従業員は受け入れられないと反発しています。こちらは残業代支払われたにもかかわらず、後にお金を出すように強要されるケースです。 

さて、この2コマ目と4コマ目は本質的に何か違うのでしょうか?

一生懸命働いてお給料をいただきました。すると上司がやってきて財布からお金を出すように強要して結局お金を抜き取ってしまいました。これは泥棒ですよね。では最初からお金を払わないのは許容されるのでしょうか?許容されるとしたら何がどのように異なるのでしょうか?

そして、このような環境で正当な報酬を得られない従業員が、誠実に生産性の向上を図るでしょうか?


盗んだ食材で商売をする隣の店。財布から金を出せと強要する上司。

今、行われているサービス残業とはこのようなことではないのでしょうか?

さて、本ブログでは解決策は何も提案しません。窃盗に準じて処罰せよとか、サラリーマンはサービス残業をさせる企業など辞めてしまうべきであるとか、われわれ消費者もそのような企業の商品をボイコットせよなどと主張するつもりは全くありません。

ただ、サービス残業という現象を切り取って、まんがをつかって表現してみただけです。

明日4月5日は「ボーイズラブを読む!」さんです。  
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