目標管理_001
目標管理とは自らの仕事上の目標を上長と協議しながら設定し、その達成に向けて自己管理する仕組みです。1950年代にドラッカーが提唱されたとされる非常に伝統的で歴史が長い手法です。

■目標管理の効果は

この目標管理は自分自身が決めた目標で管理されるため、仕事のやらされ感とか押し付けられ感がなくなり自ら主体的に動くことができるとされてます。

また目標を明確にしますので、目標が達成できたかどうかが明確になります。達成できたかどうかが明確になりますので、 その後のフィードバックも可能となります。

その結果そのフィードバックを用いて人事評価などに活かしていくこともできるのです。

■目標管理として定める時に留意すること

では、どのようなことが個人の目標に求められるのでしょうか。目標は次のような点に留意する必要があると言われています。

■1.具体的で明確な(測定可能である事が望ましい)目標であること。

 なんとなく頑張るみたいな目標は判断できないため望ましくなく、具体的に「○○を作成する」などといった測定できる目標が望ましいです。

■2.適切な目標レベルを設定する事。

 簡単に達成できる目標を立てて、達成してもあまり意味はありません。

■3.個人の目標と組織の目標とが結びつくような形で目標を設定する事。

 組織の目標に結びつくような個人の業績上の目標であったり能力開発上の目標を設定することがが望ましいです。

通常は一年もしくは半年間を単位として本制度が運用されます。そして、せっかく立てた目標が絵に描いた餅にならないように、目標の期中には必要に応じて上長からの進捗管理やフォローが行われます。また、目標の期末には達成度への上長からのフィードバックを受け取ることができます。

■目標管理のデメリット

と目標管理にとって有利なことをずっと書いてきましたが、目標管理には大きなデメリットがあります。

というのは目標管理は自分で目標を立てるというものが考え方です。しかし目標を立てる際に上長と協議をしながら設定しますので、事実上のノルマになりかねません 。

また業績評価というの、その後の対応ができないために単純に金銭的な報酬でもくれたりしますので、自分で決めた目標が金銭的報酬に直接リンクするという状況が生まれがちです。

そのようになことになると、目標はなるべく低くて発生しやすくしたいと考えるのが従業員の立場ですし、上長としてはなるべく高く達成が困難な目標にすると言ったインセンティブが生まれます。

いずれにしても本来の目標管理で目指す、自主的に能力開発をしていくための管理といった側面は無視されがちなのです。

また日本型の組織によくあることですが、目標管理と PDCA を組み合わせると言ったことが行われます。本当の意味での PDCA ならいいんですが、残念ながら名ばかり PDCA がまかり通っています。

どういうことかと言いますと、チェックして改善対応する際になぜか目標値が上がってしまうといったことです。

本来ならば目標値が高すぎた故に目標値を引き下げる。目標値が高すぎた故に投入する資源を増やすといった意思決定がなされてしかるべきですが、目標値はなぜかが上がり続けます。

このようなことが横行しているため、目標管理の目標値は発生可能なものよりも十分に低くしておきたいと言ったインセンティブが常に生まれるのです。 

このまんがでは、1コマ目から上長であるパートリーダーが後輩の目標の進捗を確認しています。このように定期的に上長がフォローしてくれるとよいですね。
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