マーケティング・コンセプト_001
マーケティング・コンセプトとはマーケティングの基本的な考え方で、経営理念を具体化したものです。

このマーケティング・コンセプトは以下のような変遷を経てきました。ここでは、お弁当という製品を例にとり解説を行います。

1.生産志向
学食で食事を十分に供給できないため、どんなものであれ食べ物を提供すれば売れるという状態です。品質などは二の次として、単純にお弁当の供給量を増やすことを考えていれば十分です。

2.製品志向
学食の食事供給量がある程度充足したため、作っただけでは売れ残る可能性がある状態です。製品の品質を向上させるというアプローチをとります。ただし、お客のニーズよりも作り手のこだわりを優先するという考え方となっています。

お弁当の例では、品質を向上させ地鶏のから揚げや、有機野菜を提供するなどこだわりを持ったものを提供するようなイメージです。

3.販売志向
学食の食事供給量がある程度充足したため、作っただけでは売れ残る可能性がある状態です。製品志向とは異なり、販売方法を変更し、売りに行くというアプローチをとります。この考え方が極端になってしまうと、押し売りに近い販売方法となってしまいます。

お弁当の例では、お弁当の品質よりもいかにして買ってもらうかを考えるようなイメージです。

ここまでの3つの考え方は作り手の都合を優先したプロダクトアウト的な考え方となっています。

4.マーケティング志向
顧客のほしがるものを作るという考え方です。顧客のほしがるものを調査し、それを製造するというアプローチをとります。市場のニーズを見つけてそれを充足させるといった考え方となっています。顧客志向ともいうことができます。

お弁当の例では、アンケート調査をして人気のあったハンバーグや、から揚げなどを製造するイメージです。また、ほしがる価格帯も調査することにより、品質にこだわり過ぎて価格が高くなりすぎることにも注意を払います。

5.社会志向
顧客のほしがるものを作るが、それは社会にとって長期的に役立つものでなければならないとする考え方です。市場のニーズを見つけ充足させることを目指しますが、さらにそれは社会的に有益なものでならなければならないとします。

お弁当の例では、お弁当に必ず野菜をつけ、その野菜は地域のものを使用するなど、買ってくれる人の健康や地域活性化、輸送に伴う二酸化炭素排出削減など環境問題にも気を配るといったイメージです。

この4.5.の二つはニーズが先に来ますので、マーケットインの考え方と言えます。

このまんがでは2コマ目でプロダクトアウト的な発想でやっていったら、売り上げが伸び悩んだが、3コマ目のマーケットイン的な発想でやっていたら売り上げが伸びたと言っています。
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