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製品ライフサイクルとは、生物が、誕生、成長、成熟、衰退へと至るプロセスをたどるのと同様に、製品にもこのプロセスがあるとする考え方です。

すなわち、

1.導入期は、製品が市場に導入された段階です。生物の誕生に対応する期間ですが、製品を市場に導入するため、比較的多額の費用を必要とします。産みの苦しみを味わう時期と言えますね。

2.成長期は、その製品が市場に受け入れられ、販売が伸びていく(成長する)時期です。高い成長率を誇り、生物の成長期に対応する期間です。

3.成熟期は販売の伸びは一段落して落ち着きますが、高い水準で維持される期間です。生物の成熟期に対応し、競争は激しくなりますが、高いパフォーマンスを発揮できる期間となっています。

4.衰退期は、販売が減少し、まさに衰退する期間です。

というように、需要と時間の流れを関連づけて考えます。

そして、製品ライフサイクルを図に表すと次のようになります。この図は縦軸に需要量、横軸に時間の流れをとり、需要量の線を描いています。
ライフステージ


この製品ライフサイクル理論と先日解説した、経験曲線を合わせてPPMという理論が導かれるのですが、こちらはまた後日解説いたします。

  • 製品ライフサイクル理論の活用方法

さて、ではこの製品ライフサイクル理論をどのように経営に活用していけばいいのでしょうか。


必ずしも製品はこのようなライフサイクルを辿るとは限りません。

しかし考え方に一つの指針を与えることは事実です。

そのため取り扱っている製品がライフサイクルのどこに当たるのかを想定しながらマーケティング戦略を考えていくというアプローチを取ることができます。

・導入期にあたると判断された場合は、まずは費用をかけてでも製品を認知してもらう必要があります。

知らなければ決して売れることはありませんのでとにかく知ってもらうことを重要視する必要があります。

その際どのような層に知ってもらうことが重要かと言うと、いわゆるイノベーターにあたる層です。

・次に成長期に当たると判断される場合は市場シェアを取りに行くことが重要です。製品がこの段階に到達すると、競争相手もどんどん参入してきます。

そのためマーケティングにかかる費用は相変わらず多く投入する必要が出てきます。

・成熟期に製品が当たると判断された場合は、マーケティング費用を徐々に抑えながら利益を最大化しつつ市場性を維持するという舵取りが求められます。

・そして衰退期に当たると判断された場合は、撤退を視野に入れるもしくは市場から利益を最大化するような価格戦略を取り収穫に入るという考え方もあり得ます。

なお経営資源に相対的に乏しい中小企業においては、あえて市場に留まり残存者利益を取りに行くという考え方もあり得ます。


関連用語
残存者利益 

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