まんがで気軽に経済用語

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2015年09月

ストーリー
2015年9月30日

お店にくる人が増えない?だったらもう一品余計に買ってもらえばいいじゃない

tanuki_2
いつもの朝、いつもの街並み

tanuki
ココは、町はずれのファンシーショップ。80年代の香りが今なお残るちょっと時代に取り残されたお店です。

tanuki_2
ファンシーショップという業態。結構昔の業態かなぁと思いきや、最近でも割とあるみたいです。

tanuki_2
とはいえ、このお店は、新しい感じではなく、それなりに年季の入ったお店になります。

kuma
あれだよね…ポプラ堂の方が安くて良いよね。

hiyoko
イヤイヤ、アカシヤ屋の方がもっと安かったよ。

panda
でも、マロニエ商会も良いと思うよ。

tanuki_2
なんだか、おなじみの面々は、お買い物の事で盛り上がっているようです。

neko_akire
僕らが外にでたらまずいよねェ(ましてやお買いものなんて…)

kuma
大丈夫だよ。

kuma
オーナーさんに連れて行ってもらえばさ。

tanuki_2
ぎーカランカラン

onnanoko
ふー、色々買っちゃったわ。

onnanoko
やっぱり、カエデ屋が一番よね。

onnanoko
そんなに安いわけじゃないけど、雰囲気もサービスもいいから。

onnanoko
イイモノをしっかり選んで買う事ができる、賢い消費者の私は、いつか、丸の内で働いて、キラキラ光るオフィスビルで、

onnanoko
仕事の出来る私は世界的な企業のCEOに。そして、素敵な執事に囲まれて(はぁと)

kuma
おーい、オーナーさん。帰ってきてよ。

onnanoko
あら、いけないわ。私としたことが、つい。

hiyoko
で、何を買ってきたの?

onnanoko
ふふふ、お裁縫のセットよ。

onnanoko
これでね、キミたちの付属品を作って客単価をあげるのよ。

hiyoko
客単価って、なんだかちゃんと商売っぽいお話をするんですね。

onnanoko
そうよ、私はできる女なのよ。

neko_akire
で、付属品って何を作るの?

kuma
何を作ってくれるの?

panda
新しいシャケを作ってもらえば?

kuma
これは、シャケじゃなくてニジマスなんだよね…

neko_akire
うーん、おさかなに詳しくない僕には、ブラックバスにも見えるかなぁ…

neko_akire
まあいいや、で、どうして客単価をあげる必要があるんです?

hiyoko
そうね、もっと宣伝をしてお客さんを増やせばいいじゃない。

onnanoko
確かに、お客さんの数が増えれば売上高は多くなるわ。

onnanoko
でも、残念ながら新しいお客さんを取りこむのはなかなか難しいのよ。

onnanoko
この小さな町で、古びたファンシーショップが行列のできるお店になるのは難しいのよ。

neko_akire
確かにそうですね。

neko_akire
お店の前で、迷っている人がいたから、来店してくれるようにと笑いかけたらさ…

neko_akire
回れ右をしてお客さんが帰っちゃったんだよね。

neko
どうしてなんだろうね…

hiyoko
(そりゃあ、ぬいぐるみが勝手に動くお店は怖いよね)

neko
何か言ったかい?

onnanoko
とにかく、ぬいぐるみが勝手に動くお店といういわれのない非難を受けているので、あんまりお客さんの増加は見込めないのよ。

onnanoko
こういったのはレピュテーションリスクね。

hiyoko
それで、客単価の上昇に舵を切るのね。

hiyoko
良いと思うよ。だって、売上高は客数×客単価で計算できるから

hiyoko
客単価を増やせば、売上は上がるんだよね。さらに言えば、客単価は販売数量×商品単価に分解できるから

hiyoko
ぺらぺらぺら

kuma
で、何を作るんですか?

neko
付属品ってことは、かわいい帽子とか作ってくれるんですね!?

kuma
いいな、僕も帽子が欲しいな。

panda
シャケの帽子をかぶると『さかなクン』みたくなっちゃうよ?

kuma
だから、シャケじゃなくてニジマスだから。

onnanoko
うふふ、出来てからのお楽しみよ。

tanuki
その日の営業時間終了後

tanuki_2
オーナーさんがみんなに作った付属品を披露しています。

onnanoko
じゃーん

tanuki_2
ざわざわ

tanuki_2
思いのほかクオリティが高いのでお店がにぎやかになってきました。

neko
すごいね。

neko
すごいね。

hiyoko
そうね、二回すごいねって言っちゃうほどすごいね。

neko
でも、こんなに手の込んだ商品をいくらで売るんですか?

onnanoko
うーん、客単価を増やしてと思っていたけど、思いのほかよくできたから、売るのが

onnanoko
もったいなくなっちゃったわ。

onnanoko
お店に飾っておこうと思うの。

tanuki_2
のんきなオーナーさんですが、なんとかやっていける程度の適正な利潤は得られているようです。

tanuki_2
で、何を作ったかですって?

onnanoko
それは秘密です。知りたい方は、ご来店くださいませ。

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ストーリーで解説経営用語

時事ニュース解説
2015年9月29日

宅配型クリーニングでめんどくさい作業を委託することでトータルコストを削減するという発想

外注生活
いきなり質問ですが、個人にとって一番貴重な資源とはなんでしょうか?最終的には価値観の問題となりますが、やはり『時間』が該当すると感じています。

一般的には、自分でできることを人にお願いするといった事は無駄遣いと捉えられていますが、自分よりもうまくできる人が、自分でやるよりも安くやってくれるのならば、サービスのみを購入するのではなく、時間についても購入していると考えられないでしょうか?

例えば、自分でも洗濯をしてアイロンをかけることはできなくはないですよね?でも、プロにお願いするとその時間が節約でき、かつ、仕上がりも良いといった判断から、Yシャツなどをクリーニング屋さんに出したりするわけです。

ただし、このクリーニング屋さんに洗濯物を出しに行くといった行為自体もちょっと時間がかかってしまうので、取りに来てくれると便利だなとも思うわけです。

■宅配型クリーニングがある

さて、そんなこんなで探していたら、ネット宅配型クリーニングといったサービスが世の中にあるようです。「これは良い」と思ったのですが、同時に気になるニュースもありました。少し古い報道ですが

インターネットで申し込み、宅配業者を利用して、衣類の受け渡しを行う「ネット宅配型クリーニング」の相談が急増している。クリーニング店の店舗数は減少傾向で、国民生活センターなどに寄せられるクリーニングに関する相談も年々減ってきている中、ネット宅配型の相談件数は、平成21年度は17件だったのに対し、26年度は1月31日時点で156件と9倍超に増加している。国民生活センターは、「店舗型との違いに留意し、事前に契約内容をよく確認してほしい」と注意を呼びかけている。2015年5月10日産経新聞

といった風に、ネット宅配型のクリーニングでは相談が従来のクリーニングサービスと比較して多いとされています。

これに関しては、「店舗型と宅配型の違いについて留意してほしい」と国民生活センターが指摘している通り、別のサービスであると認識したうえで利用する事で自衛していく必要があると考えられます。

■情報の非対称性が生じる

なんだか難しげな小見出しを付けましたが、情報の非対称性とは簡単に言うと、直接会わないわけなので取引の当事者同士が持っている情報量に差が生じるといった事です。

つまり、クリーニングを出す人にとっては状態等をしっかりと把握できているのですが、クリーニング業者側にとっては、受注して、モノが届いてからでないと正確な把握ができないといった点です。

通常は、事業者側が持っている情報量の方が多くなるのですが、宅配クリーニングといった業態では、直接相対で、クリーニングの対象物を確認できないといった弱点があるため、顧客側の方が情報を多く持つのです。

この辺は、実績がある、経験が豊富なクリーニング業者とお付き合いすることで埋めていくしかなさそうです。

■とはいえ便利です

クリーニングというものは、季節の変わり目に多量に発生するといった特徴があります。季節の変わり目は衣替えの時期なので、洋服や厚手のコートなども収納の対象となります。というのは、冬用のコートは夏には使わないものですからね。

そして収納する前には、やっぱりクリーニングに出してから、しまうようにする方も多いと思われます。

このような場合に、近所ににクリーニング屋があれば良いのですが、そうでなければわざわざ持ち込む手間が発生してしまいます。時間だけでなく、多量の衣類を抱えてクリーニング屋さんに持ち込むのは結構なストレスになるはずです。

また、時間を取れればいいのですが、仕事や家事・育児に忙しい人も多いため、いくら近くにクリーニング屋があっても中々持ち込むことができないといった悩みもあると思います。

その様な時に活用したいのが、宅配クリーニングサービスになると思います。何といっても、家から一歩も出ずにクリーニングに出す事ができる訳ですから、日々の生活にかかる見えないコストを大幅に引き下げることができます。

(クリーニングを出すために、2時間余計に掛けるのなら、その2時間でできた事をあきらめたというコストが発生しています。こういう考え方を機会原価と言います。)

■従来のサービスでは

従来のクリーニングサービスは、(店舗型クリーニングは)、クリーニングをしたい衣類の持ち込みが基本となります。そのため、クリーニング店毎に決まっている営業時間内に持ち込まなければならないといった制限が発生します。

どうしても、自分の都合だけでは動けないのですね。そして、自分の都合で動けないため、クリーニングの為に時間を割く事は難しくなってしまいます。(コンビニのように24時間営業していれば、都合を気にせず対応できるのですがそういったクリーニング屋さんはほぼありません。)

通常は18時か19時くらいにはお店が閉まってしまうようなケースが多いと思います。という事は、平日にお仕事をしているような人は、結局のところ休みの日に行くしかなくなってしまうといった現実があります。

さらに、クリーニングに出す場合、やっぱりある程度まとめて出すと思います。ワザワザ休みの日にクリーニング屋さんに行くわけですから一気に対応したいと考えるのは自然なことだと思います。

しかし重い衣類を運ぶのは案外大変です。(Yシャツでも枚数が増えるとかなりの重さになりますし、かさばります。)また、特に衣替えのシーズンなどは、重さやかさ張るコートなどを沢山出すケースもあるので、非常に苦労することととなります。

さらに、その苦労をもう一度、クリーニングが完了した時にも、しないといけないという問題があります。つまり、持ち帰るために再度お店まで行く必要があるのですね。(近所にクリーニング店がない方は、わざわざ時間をつくって持っていき、再び取りに行くので非常に大変です。)

■宅配サービスで機会原価を削減

このような煩わしさから逃れられるサービスとして、宅配クリーニングといった選択肢もありだと思います。

このような宅配クリーニングの良さといえば、自宅で渡しから受け取りができるという事です。家事や育児、仕事などで忙しく店頭に行く時間がない方や近所にクリーニング店がない、そんな方にとっては、上記の問題点を解消したとても便利なサービスであるという事ができます。

また、お店自体の営業時間を気にする必要がないというのも大きな利点です。申し込みはインターネットから出来ますので、時間の空いた時に利用できます。後は宅配会社の引き取りと受け取り時間を決めればクリーニングサービスを利用することができるので、従来の店舗型クリーニングに比べて時間を有効に使う事ができます。

さらに、クリーニングに出す衣類がたくさんあっても、自宅に集荷しに来て頂けますので持ち運ぶ必要がありません。何より、クリーニング店の営業時間とあわなくても、遠方でクリーニング店に行くのが大変という人でも、簡単に利用できるのが最大のメリットとなります。

このような利点から、機会原価を大幅に削減できる良いサービスであるという事ができます。(逆に言うと、従来の店舗型クリーニングサービス業を営んでいる人にとっては、『集荷』といった切り口が競合他社との差別化要因となるともいえます。)

■具体的な利用方法

まずはインターネットで気にいったクリーニング店を選びます。本サイトでは特にご紹介をしませんが、たくさんありますので後検索ください。

そのうえで、都合の良い日を集荷日と届け日として申し込みます。

指定した日に集荷が来ますので、それまでに梱包したうえで準備をしておけば、余計な時間や手間を避けることができます。もちろん、集荷を依頼していますので、出荷を行う宅配便の業者が自宅まで集荷に来てくれます。

また、2回目以降の利用については、送付キットが手元に届くケースが多いので、ネットで注文後にすぐに発送する事ができるので便利です。

気になる、納期に関しては、クリーニングを注文して集荷に出してから大体5日から一週間程度で仕上がってくる感じです。納期のイメージとしては、従来の店舗型に比べてそこまで変わらない感じとなります。また、価格は最安のクリーニング屋さんとはいえないものの、それなりに安い金額で対応してくれるようで(会員登録すれば割と安くなります)、送料も地域によって3,000円以上や4,000円以上の注文で送料が無料となります。

コートなどはメンバー価格で1,350円なのですが、まあ、相場通りかなといったイメージです。まとめてお願いすると、自分でお店に持ち込んでも同じくらい取られるので、手間が関わらなくそのための時間をワザワザ作らなくても済むといった効果があるので、結果としてお得となるようなイメージです。

■従来の店舗型の方が強い点

とはいえ、宅配型クリーニングの場合、配送する時間がどうしてもかかってしまいます。そのため、礼服など急に必要となるといった場合には店舗型クリーニングサービスの方が小回りが利きます。また、Yシャツなどをこまめに出すような場合も、店舗型クリーニングの方が(沢山まとめなくて良い分)便利となります。

また、「とにかく安い方が正義。安ければ安いほどよい」といった人にとっては、街で最安のクリーニング屋さんを探した方が安くなりますし、チラシなどが入っている時に、特売価格のモノを狙ってクリーニングに出せば表面上のコストは抑えられます。(こういった消費者行動をチェリーピッカーと呼びます。お店側はこの手のお客さんばかりを集めるようだと、経営に良くない影響が与えられますので注意が必要です。)

サービスについても、対人接客が受けられた方が、クリーニングなどについての相談をその場でできるために手厚いと考えられます。また、クリーニング店の人と人間関係が出来上がっているのなら、それを大切にした方が良い場合もあります。

(従来の店舗型クリーニングサービスが宅配クリーニングと差別化するためには、上記のような自分たちの強みをどのように生かすかを考える必要があります。)

■まとめ

と、双方のメリットデメリットを考えてきましたが、宅配クリーニングの一番のメリットは、やはりクリーニング店に行かなくても良いという事につきます。

家事や育児、仕事の都合でクリーニング店の営業時間と合わない人でも、気軽に利用できる。また、遠方でクリーニング店に行くのが大変であってもクリーニング屋さんに行かなくても良い。重たい物を運ぶ手間がかからない(Yシャツでも枚数が増えるとかなり重いですからね)など、時間以外のメリットも充分にあります。さらに、コンビニを利用して依頼できるといったサービスも存在します。

気になる料金についても、宅配型は宅配・集荷といった手間がかかるにしても、そこまで割増にはなりません。(一定以上の注文なら送料無料になります。おそらく全国からクリーニング需要を集めるため規模の経済が強く働くのだと思います。)また、全国対応してくれるお店も多いので、クリーニング単価が高い衣料などを中心に上手く活用する事でトータルコストを削減できると考えられます。

いずれにしても、忙しい日常の中で、こういったサービスを利用することでトータルコストを削減するといった発想はとても大切になります。時給1,000円の人が2時間何かで動き回ると2,000円、2,000円の人が2時間だと4,000円といった事も視野に入れながら、お得な生活を送っていくとよいと思います。(この辺のコスト意識は経営用語的にも大切だと思います。)


経営
2015年9月28日

デコンストラクション | 『脱構築』と言われても何のことか分からないですよね。

デコンストラクション
デコンストラクションとは、経営を取り巻く既存の構造を別の視点から見ることによって、新しい事業構造を作り出すことを言います。

例えば、経営を取り巻く既存の構造としてお店を持っている企業があるとします。そのお店は、先代が仕入れたよく分からない商品が多量に残っていて、不良在庫に苦しめられているようなケースです。

このような場合、経営を取り巻く既存の構造ではその企業にとっては在庫コストが多量にかかっているわけですから、マイナスです。

しかしこのような経営を取り巻く構造を別の視点から見て、「確かに死筋だけど、よく見たら面白い商品が沢山ある。だったら、これを従来の商圏にとらわれないで、インターネットで販売するとよいのではないか。」と考えてECサイトを構築するようなイメージです。

もともと、『脱構築』(『デ』が否定の意味で、『コンストラクション』が構築だから、そのままですね)と表記される哲学用語だったものが転じて経営用語となった例です。

(このような言葉を使わなくても、無意識に実践している企業が多そうですね。)
 
組織論
2015年9月25日

持ち株会 | 会社にとっては非常に利点の多い制度です

持株会
持ち株会とは、福利厚生制度の一環として従業員が自社の株式を持つことを奨励する制度のことを言います。(参考:従業員持ち株会

会社が利息を付けるという社内預金の代わりに、購入価格の数%の援助を会社が行い、従業員に株式を持たせるといったイメージです。
  • 会社のメリット
さて、このような制度ですが、会社にとってはとても大きなメリットがあります。

というのは、従業員さんは、「自社の株式を持っているため、一生懸命働いて業績をアップさせる→株価の上昇→自分の持っている財産が増える」といった事が期待できるため、従業員のモチベーションが上がるのです。

また、安定株主対策にもなります。というのは、従業員持ち株会が株式を持っていたとしても、経営に口を出してくるとは考えにくいです。さらに、企業買収を仕掛けられたような際にも、従業員持ち株会がある程度の株式を持っていれば、それだけ企業の買収は困難となります。

斜に構えた言い方をすれば、従業員持ち株会は、会社にとって都合の良い株主なのですね。

さらに、株価の維持にも役立ちます。というのは、常に一定の(通常は積立形式で運用されるため)株式に対する需要が発生します。つまり、買い圧力が常にかかるという事ですから、株価の上昇要因となりうるのです。
  • 従業員のメリット
さて、このような会社にとって大きなメリットがある制度ですが、従業員にも、一定のメリットがあります。

というのは、購入金額の一部が会社から援助されるので、自分で自社株を購入するよりも、割の良い貯蓄先となりうるという事です。

また、ドルコスト平均法といった効果も発揮されるため、株価が高いときは少なく、株価が安いときには沢山の株式を購入することができます。このことから、長期的には、一株当たりの購入単価を割安に抑えることができるのです。
  • ただし、従業員にとってはリスク大です。
とはいえ、「タマゴを一つの加護に盛るな」といった格言があるように、自分の生活の糧も、財産も、職場に集中して投下するという事は、リスクが大きいように考えられます。
 
例えば、自社の業績が悪くなってしまうと、せっかくためてきた自社株の価値は当然下がりますし、お給料も下がります。最悪の場合、自社株の価値もなくなり、自分の雇用も守られないといった事も発生します。

そのため、自社株会に参加するにしても、あまり入れ込み過ぎない様に気を付けたほうが良いと思われます。(いよいよ、会社の業績が怪しくなってきた時に、自社株会で株を手放すことができるかどうかも見逃せないリスクです。忠誠心を問われるような同調圧力を強くかけられた際に、客観的に判断できる自信がありますか?)

最終的には価値観の問題ですが、自社株を持ちたいなら、自社株会のような制度ではなく、一攫千金のストックオプションを提供しているような企業で働いた方がうま味があるかもしれません。

組織論
2015年9月17日

HRM | 人的資源管理と訳される、戦略的に人材を育成しようという考え方

hrm
HRMとはヒューマンリソースマネジメント(human resources management)の頭文字をとった言葉で、日本語訳すると、人的資源管理と訳されます。

ただ、人的資源管理と言いつつも、単なる人事管理ではなく、経営戦略に合致させた形で包括的に人的資源を管理しようとするアプローチとなります。

経営は人モノ金、といった資源を投入し、成果を上手く生み出すことが重要ですが、そのうちの人の管理を『企業戦略』と合致させた形でやりましょうというのがこの言葉のイメージです。

単純に人が不足しているから人事異動で引っ張ってくるとか、なんとなくジョブローテーションの名目で、特に考えなく経理部から人事部、営業部といった風に異動させてみたりする事とは一線を画す考え方です。

自社の将来のビジョンに役立つように、人材を獲得し、配置し、育成し、活用する。新規採用から最終的な退職に至るまでどのように人材を活用すると自社の競争優位の構築につながるのかまで考えていくような感じです。

そして、これらの職能を統括する人をCHO(チーフ・ヒューマンリソース・オフィサー)と呼ぶのです。
時事ニュース解説
2015年9月16日

伊藤ハムと「ごてあらぽー」の米久が経営統合して美味しいハム・ソーセージを作るそうです

経営統合
ハムとかソーセージといった加工肉、美味しいですよね。、日持ちもするので冷蔵庫に常備しておけますし、普通のお肉とは違った魅力がある食材です。

そのハムとかソーセージを作っている大手企業、伊藤ハムと米久が経営統合をするといった発表がありました。報道では
食肉加工2位の伊藤ハム(兵庫県西宮市)と同7位の米久よねきゅう(静岡県沼津市)が、2016年4月をめどに経営統合する方針を固めたことがわかった。

 両社を傘下に置く持ち株会社を設立する。14年度の両社の連結売上高の合計は6361億円で、首位の日本ハム(1兆2128億円)を追う。統合による事業規模の拡大で、食肉の調達力の強化を図る狙いがある。2015年9月15日YOMIURI ONLINE
とされています。伊藤ハムは社名だけで、分かって頂けると思いますが、米久も、最近CMでよく流れている「御殿場高原あらびきポーク」といったブランドを持っている企業です。
  • 経営統合とは
この2社が経営統合をするとの事ですが、持株会社を設立して経営統合を行うとの事です。もともと、包括業務提携をしていたとの経緯があるので、経営統合に向けて関係性は構築されていたのでしょう。

さて、ここで素朴に「どうしてワザワザ経営統合を図るの?」といった疑問が生じては来ないでしょうか?どちらの企業も大きな企業ですし、包括業務提携のままではだめだったのでしょうか?

また、経営統合すると一口で言っても、持株会社方式以外にも、合併したり、親子会社の関係にしたりといった他の方法もあります。どうして持株会社方式を選択したのでしょうか?

本記事では経営統合をどうして行いたいと考えるのか、また持株会社方式を選んだ理由について考えていきたいと思います。
  • 市場シェアの拡大
さて、まず大きなメリットとして挙げられる事は市場シェアの拡大が図れるという事です。いわゆる市場占有率が上がれば、規模の経済が効いてきて、より低コストで製品の製造が可能となります。(製品価格を安くするかどうかは別の話ですが)

また、コスト面では経験曲線効果と言って累計生産量が増えると、総コストが下がるという経験則があり、市場シェアが拡大すれば、累計生産量の増大にも寄与します。

また、別々の会社が一緒になるわけですから、相乗効果(シナジー)燃えることができると考えられます。

これらの効果によって業界1位の日本ハムを追撃したいと考えているのでしょう。
  • 持株会社方式
さて、持株会社方式を選択するとの事ですが、この方式では経営統合と言いつつも、現行の会社自体はそのまま残ります。そのため、統合に伴う様々な混乱を比較的軽くすることができます。

経営統合というと合併といった風に現行の企業が一緒になるようなイメージが強いと思いますが、このような方法を採用するとかなり大変になります。

というのは、合併するのですから、消滅する側の企業の抵抗が大きくなりますし、人事の仕組みやその他さまざまな企業内の仕組みも、新たに構築するか、どちらかの企業に合わせる必要が出てきます。

もちろん、合併がうまくいけば協力に統合できるので、強力なシナジー効果を得ることができるのですが、上記のようなデメリットも見逃せないのです。

その点、持ち株会社方式では、現行の企業自体は存続し続けますので一体になる事に対しての、苦しみは比較的軽く済みます。

しかし、現行の企業はそのまま残りますので、合併と比較すると統一感に欠け、得られるシナジーも比較的少なくなりがちです。これは、一応別会社なので徹底的な合理化はできない(例えば、両方の企業に経理部も総務部もおく必要があるでしょう)ためです。

(もちろんシェアードサービスといったふうに、グループ内の間接業務を一手に引き受ける会社を作るという発想もあり得ますが。)
  • まとめ
経営統合を目指す場合、一般的には、売上や市場シェアの拡大、合併による合理化(重複している経営資源を合理化する)といった効果を狙います。

また、経営統合と一口で言っても、企業同士が完全に一緒になる『合併』や今回のような『持株会社方式』、本記事ではふれませんでしたが『子会社化』といった方式があります。

いずれにしても、高品質で美味しいハムやソーセージを低コストで作ってくれるような会社になってくれると良いですね。

ストーリー
2015年9月15日

あの人からの親近感を得るための裏ワザ!ザイオンス効果を使いこなそう

tanuki_2
ココは、町はずれのファンシーショップ。80年代の香りが今なお残るちょっと時代に取り残されたお店です。

tanuki
ファンシーショップという業態。結構昔の業態かなぁと思いきや、最近でも割とあるみたいです。

tanuki_2
とはいえ、このお店は、新しい感じではなく、それなりに年季の入ったお店になります。

tanuki_2
今日はそんなお店に、ちょっとした騒動が持ち上がりました。

neko_akire
はあ…

hiyoko
あれ、どうしたのちょっとアンニュイな感じねぇ。

neko_akire
はぁ…

hiyoko
なんだか重症みたいね…

hiyoko
そうだ、『先生』お願いします。

kuma
分かったよ。

tanuki_2
がしっ!

kitsune_odoroki
!?

neko
!?

kitsune_odoroki
ちょっと何するの!

kuma
ちょっとぼんやりしていたから、キミの小判で…

kitsune_odoroki
イヤイヤ、そんなの自分のシャケでやればいいじゃない!

kuma
あ、これシャケじゃなくてニジマスだから。

kitsune_odoroki
そんな事聞いていないから!

tanuki_2
ワイワイガヤガヤ

hiyoko
で、「ぼんやり」は治ったかい+?

neko_akire
うん、一応ね…

hiyoko
あらあら本当に重症ね。

hiyoko
まあいいわ、話してみてよ。

neko_akire
実は…

neko_akire
いつも来る常連さんなんだけど、

neko
あの人に買われたいと思っていてね…

hiyoko
ああ、あのいつも来る人ね。

neko
そうなんだよね。

neko
いつも来るから、気になってみていたら、なんとなくね…

hiyoko
それは、恋よ!

onnanoko
なになに、どうしたの?

hiyoko
あ、オーナーさん

hiyoko
じつは、『かくかくしかじか』なんですよ。

neko
何度も何度も見ているうちに、なんですよ…

hiyoko
思い出しますね。

hiyoko
わたしも、岐阜の縫製工場にいた頃

hiyoko
同僚の『ひよこ二号』の事が…

neko
岐阜に居たんだ。

hiyoko
そうよ、そのあと上海に行って、まわりまわって、このお店にたどり着いたのよ。

neko
へーすごいね。

neko
でね、何度も見ていると…

hiyoko
そうそう、上海の後にはね、

hiyoko
カラチに居たんだけど、あの時はね…

hiyoko
ぺらぺらぺら

neko
いや、僕に話させてよ…

neko_akire
ふぅ、まあいいや…

kuma
でも、そういう経験ってあるよね。

neko
分かってくれるのかい?

kuma
僕の場合は逆に、毎日来るお客さんの中で、どうにも我慢のならない人がいてね…

kuma
なにが気に食わないのか分からないんだけど、あの人にだけは買われたくないなぁと思うんだよね。

kitsune
でも、買われてもすぐ戻ってくるからいいじゃない。

kitsune_odoroki
売れるたびにキャラが変わったら、アイコンがいくつあっても…

onnanoko
あら、そういったメタ発言はダメよ。

kitsune
すみません…

onnanoko
でも、みんなのお話を聴いていてわかったわ。

onnanoko
それは恋なんかじゃなくて単なるザイオンス効果よ!

kitsune_odoroki
な、なんだってー(棒)

kitsune
って、それ却下です。

kitsune
全然ロマンティックじゃないですから。

hiyoko
そうですよ。ウチはファンシーショップなんですから、そんなザイオンスなんて固い響きの言葉は使ったらダメです。

neko
なんにしても、そんな心理学用語みたいな一言で方付けられるのは心外ですね。

onnanoko
あれ、どうして、こんな批判が集中しちゃうんだろう…

onnanoko
まあ、いいわ。

onnanoko
ザイオンス効果っていうのは、単純接触効果とも呼ばれていて、

onnanoko
何度も何度もあっていると好感を持ちやすくなるという心理的効果なのよ。

kitsune
そうなんですか。物知りですね。

onnanoko
丸の内で働いて、キラキラ光るオフィスビルで、仕事の出来る私は世界的な企業のCEOに。そして、素敵な執事に囲まれて(はぁと)

onnanoko
ってなるために、まいにち本とか、『まんがで気軽に経営用語』を読んでいるからね。

tanuki_2
と、ザイオンス効果についてのお話でした。

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ストーリーで解説経営用語

生産管理
2015年9月14日

リバースエンジニアリング | 分解してみると仕組みが分かります

リバースエンジニアリング
リバースエンジニアリングとは、他社の製品などを分解したり解析することにより、その製品の技術的な情報を入手するすることを指します。

例えば、機械などでは、その挙動を観察するだけではなく、場合によっては分解まで実施してどのような技術が用いられているのか、どのような仕様になっているのかといった事を解析します。

また、ソフトウエアなどでは挙動を追いかけるだけでなく、アプリケーションを直接ソースコードに変換するような逆アセンブルと呼ばれる方策も可能です。

これらの方策は非常に直接的であるため、難読化と呼ばれる技術が用いられることがあります。(自社の開発したプログラムがそのまま解析されるのはやはり好ましくないと考えられますから。また、悪意のある者に解析をされ、ソフトウエアの脆弱性を攻撃に利用される可能性もあるため、せきゅるティーの観点から難読化が施される場合もあります。)
  • 解析しても
仮に、解析を実施した結果、競合他社が解析対象の製品に対して用いている技術がすべて把握できたとします。

しかし、だからと言ってそのまま自社の製品に適用して良いわけではありません。製品は特許権や実用新案権などといった様々な知的財産権によって守られています。

そのため、自社の製品開発の参考には使えますが、他社が利用している知的財産権を侵害しないように対応しなければなりません。
法務・支援施策
2015年9月13日

悪意(法律用語) | この手の用語をしたり顔で話すのは学生あるあるですよね

悪意(法律用語)
悪意(法律用語)とは一般的な善悪とは関係なく、単に一定の事実について知っていることを示す言葉です。この言葉の対義語は善意となります。


この悪意と善意は一般的な言葉遣いと異なり、知っている事や知らないことのみを示しています。

道義的な善悪とは無関係ですので、『善意の第三者』みたいな人が出てきでも、良い人とは限らないので注意が必要です。
  • 悪意の場合
さて、このような悪意と善意ですが、ワザワザ法律的に知っているか知らないかを区別している以上、そこに何らかの差異を見出しています。

例えば、無権代理といった考え方が民法にはあります。

難しい言葉ですが、端的に言えば『勝手に』代理をしてしまうという事で、本人からすれば知らないところで何かをされてしまうといった事です。

もちろん、このような事がまかり用るようでは誰も安心して生活できませんから、無権代理の法律的効果は本人には帰属しません。

しかし、無権代理であっても本人が追認(あとで認めれば)その法律的効果は、時間をさかのぼって無権代理行為がなされた時点で成立します。

と、色々難しげなお話をしましたが、この無権代理の相手方になったときに受けられる保護が変わってくるのです。

無権代理で行われた行為について、相手方が善意(つまり知らない)の場合、本人が追認するまでの間、相手方の人は取り消しをすることができます。

しかし、無権代理で行われた行為について、相手方が悪意(つまり約束をした人が代理人でない事を知っていた)の場合、本人が追認するまでの間であっても、相手方の人は取り消し権を行使できません。

知っているのなら保護する必要は無いといった発想なのですね。

関連用語
善意(法律用語) 
時事ニュース解説
2015年9月12日

痴漢冤罪保険から考える少額保険が機会費用を減らすという話し(とはいえ悪いコトをする人も、えん罪に苦しむ人もいないのが一番ですね)

保険
痴漢冤罪保険といった保険がジャパン少額短期保険社より売り出されるそうです。その名もキャッチーな「痴漢冤罪ヘルプコール」。報道では、次のように弁護士にすぐに助けを求められる保険であるされています。
 ジャパン少額短期保険(東京都千代田区、杉本尚士社長、03・3516・8550)は9日、電車などで痴漢に間違われた時に弁護士にすぐに助けを求めることができる弁護士保険を10日に発売すると発表した。事前に携帯電話やスマートフォンに利用画面を登録しておくと、緊急時にボタンを押すだけで対応可能な弁護士と連絡がとれる。2015年9月10日 日刊工業新聞
実際に冤罪がどの程度発生しているかは定かではないですが、何かあっても、弁護士さんにつながるという心強さはあると思います。
  • 弁護士に相談するというハードルを下げる事に価値があるのかもしれません
とはいえ、この保険のキモはイザとなったら弁護士さんに相談できるといった所であると考えられます。弁護士費用の保証は、この保険としてそこまで大きな魅力の源泉ではないと思われます。

とすると、保険機能を切り離して、イザとなったら弁護士さんに相談できる会員制のサービスとか、アプリといったサービスも考えうるかもしれません。

もちろんスポット対応なので、弁護士費用は割高になるかもしれませんが、保険機能を抜いて同様のサービスを提供したら流行ると思いますよ。あとは、どこかのクレジットカード会社が付帯サービスで提供すると良いかもしれませんね。(JCBとかアメックス、ダイナースのプロパ―カードあたりなら持っている人の属性的にもウケると思います。)
  • 怖いのは機会費用
と、どうして費用をかけてでもこのようなサービスが受け入れられる素地があるかというと、痴漢冤罪事件に巻き込まれると、莫大な損害が発生するからです。

この場合、機会費用(別の事をやっていたら得られていた最大の収益)が莫大なものとなるため、被害を防ぐための方策をみんなが必要としていると考えられるのです。(例えば、商談に行けずに取れるであろう売上を逃した、無断欠勤になってしまい会社を解雇された等、経済的にも社会的にも致命的なダメージが発生します)

また、冤罪といった物事の性質上、本人からすると、防ぎようがないといった面があります。

つまり、落ちたらかなり致命的なダメージを受ける可能性がある橋を命綱なしで歩いているような不安があるのですね。(普段は意識しないにしても、不安ですよね。)

その不安を和らげる方策が今回話題になっている保険になると考えられます。
  • とはいえ
とはいえ痴漢も痴漢冤罪もなくなればいいのですが現実的にはなかなか無くならない残念な世の中です。

また、保険会社としても儲けなければならないという事情があるので
 「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士保険」の保険料は月払いで590円、年払いで6400円。事件発生後48時間に発生した弁護士の相談料、接見費用も補償する。2015年9月10日 日刊工業新聞
こういった年間6,400円といった価格設定になっているようです。しかし、逆に言うと年間1,000円とかでは保険会社が必要とする適正な利潤を得ることが難しいのでしょう。

とすると、割と多く利用されることを見積もっているのかもしれませんね。

ちなみに個人賠償責任保険という、マンションの水漏れや子供が自転車で人にけがをさせてしまったような場合に保証される保険があるのですが、こちらは保証上限を1億円としても、火災保険の特約などでつける場合には月数百円程度(300円くらいが多いです)で掛けることができます。

同社のプレスリリースでは

 お客様が痴漢と間違われ逮捕されてしまうと、一瞬で社会的地位を失ってしまいます。初期段階での弁護活動がその後の人生を大きく左右するため、事件が起きた直後にお客様が弁護士と電話できるサービスが「痴漢冤罪ヘルプコール」です。

中略

自動車を持たない人でも加入できるように、個人賠償責任保険の特約として開発しました。
 個人賠償責任保険は、自分が加害者になった際のリスクに備える保険ですが、弁護士費用保険は、自分が被害者になった際のリスクに備える保険です。
 
中略
 
  補償内容・保険金額(詳細は別紙2参照):
   弁護士費用等保険金:最高300万円
   法律相談費用保険金:最高10万円
   個人賠償責任保険金:最高1000万円
2015年9月9日 日経電子版プレスリリース 

と謳っており、個人賠償責任保険を押さえて、その分弁護士保険に回しているように発表しています。とすると、加入者がまだまだ少ないといった所を割り引いても、結構な痴漢冤罪発生のリスクを保険会社は見積もっているのでしょう。

お守り代わりにとても良い保険だとは思いますが、根本としては痴漢も痴漢冤罪もなくなるような社会になると良いですね。
法務・支援施策
2015年9月10日

善意(法律用語) | 法律家は性善説を採るべしといった意味ではありません

善意(法律用語)
善意(法律用語)とは一般的な意味の良し悪しとは関係なく、単に一定の事実について知らないことを指す言葉です。この善意の対義語は悪意です。(通常の言葉遣いとおなじ言葉が対義語なのが面白いですね。)

そのため、『善意の第三者』などといった法律用語が出てくるような場合でも、その人が善人であるかどうかは全く関係ない言葉なのです。

例えば、人類史上まれにみる極悪人であっても、一定の出来事について知らなければ『善意の第三者』になりえますし、聖人のような人であっても、ある物事に対して知っていれば『悪意』なのです。
  • 善意だと
さて、このような一般的な言葉遣いと異なる用語ですが、善意と悪意(要するに知っているか知らないか)を分ける意味はなんでしょうか?

これは、知らないで(善意)やってしまった事は保護に値するけれども、知っているにもかかわらず(悪意)やったことに関しては、知っていてあえてやっているんだから保護は弱くても良いよねといった発想に基づいています。

例えば、心裡留保といった考え方があります。難しい言葉ですが、要するに意思表示した人が『冗談』で行った意思表示の事です。冗談で、「このおやつ食べてもいいよ」(本人には、食べさせるつもりがない)といったようなケースですね。

この時、この意思表示の相手方が善意(つまり冗談であることを知らなかった場合)、おやつをもらう事ができます。法律的には冗談を言った人を保護する必要性が無いためです。

しかし、この意思表示の相手方が悪意(冗談であることを知っていた)場合、おやつはもらえません。(意思表示した人の意思表示はお互いに冗談と知っているのだから無効です。)

このように、善意であるか悪意であるかによて法律的な効果に違いが出る場合があるので大切な区別なのです。
行政書士_概要
2015年9月9日

働きながら独学で苦労して行政書士試験に合格した筆者が見つけた、効果的に憲法・民法を学ぶこと

kitu1
こんにちは。まんがで気軽に経営用語の中の人です。先日、『独学で苦労して行政書士試験に合格した筆者が見つけた、効率よく合格する方法』といった記事で行政書士試験の総論について触れましたが、今回は憲法と民法について特に触れていきたいと考えています。

『行政』書士も法律家ですので、これらの法律知識についてはある程度の水準が求められます。但し、やみくもに学習しようとしても、民法だけで1000条を超える条文があります。

記憶力や理解力が特別に優れている人や司法試験や司法書士試験を受験しようと考えている人にとっては腕ならしかもしれませんが、一般的に行政書士を受験するような人にとって、これらの分量はつらいハズです。

そのため、本稿では憲法、民法について(筆者が合格するにあたって)効果的だった学習方法を共有したいと考えています。

なお、本稿で説明するのはあくまで『行政書士』試験の合格のためのテクニック論です。そのため、もっと上級の資格を狙っている人からすると、「それは違うんじゃないの?」と思われるような説明をするかもしれませんが、あくまで行政書士合格に的を絞っているため、そこはご容赦ください。

第二回目は『独学で苦労して行政書士試験に合格した筆者が見つけた、効果的に憲法・民法を学ぶこと』といった記事になります。

(とはいえ、筆者は独学で苦労したので個人的には以下の資格スクールを活用することを強く勧めます。)

▼詳しい内容はコチラ▼




もっとも、どのような学習のツールを用いたとしても、最終的に学ぶのは受験生の方ですので、一応合格した事があるという実績ある学習方法を共有していきます。それでは、憲法、民法についてはじめていきたいと思います。
  • 法律の総論
と、各論に入る前に、法律についての総論を押さえておきましょう。この総論とは基礎法学といった科目です。試験対策上はそれほどウエイトの大きな科目ではないのですが、(場合によっては試験対策としては不要かもしれません)本格的な法律を学習する前にテキストを一読しておくと良いと思われます。

これは、試験に出る出ないの話ではなく、法律を学ぶというのはどういう事であるかを押さえるために必要な学習であると割り切ってください。

イメージとしては、ゲームでもなんでも、説明書がありますよね?最近では説明書など読まない人が多いので、最初はチュートリアルと言って強制的に基本的な説明を学ばせるためのステージをやらされたりします。

この基礎法学はそのチュートリアルに該当すると考え、辛抱してテキストを通読してみてください。
  • 理解できなくともいいのです
と、チュートリアルとか言いながら、最初は理解できなくても良いとあえて言い切ります。というのは、全体像というのものはその性格からある程度抽象的にならざる負えないためです。

例えば、『パンとは、小麦粉をこねて発酵させて焼いたモノ』です。クロワッサンでも、コぺパンでも、アンパンでも基本は『小麦粉をこねて発酵させて焼いたモノ』なのです。

でも、具体的なパンについて何も知らない人に『パンとは、小麦粉をこねて発酵させて焼いたモノ』といった定義を伝えただけで、理解してもらえるでしょうか?少し難しそうですよね?

でも、そういったパンのうち、クロワッサンやバターロールを食べてもらった後に定義を説明したら、理解してもらいやすくなると思います。

このように、 具体的なモノを知ってからでないと理解が深まらないような物事は沢山あります。

そして、法律についても、具体的な民法とかそういった法律を学んだ後にしか、『基礎法学』 といった内容は理解しにくいと考えられます。

但し、総論としての地図を先におぼろげでもよいので持っていると、各論を学びやすくなるといった効果があるので、一番最初に理解できなくてもよいので総論を押さえておく必要があるのです。これをやると学習の効率が上がりますよ。
  • 憲法について 
さて、基礎法学についてテキストを通読したら、具体的な法律について学んでいきます。まずは、順番としては憲法からなのですが、憲法の学び方については当初から過去問に取り組むといった方式をご提案します。

というのは、行政書士試験では条文自体を問われるケースは極めて少ないですし、判例を元に問題が作られているケースがとても多いのです。

そのため、過去問を力試しに使うために、取っておくなどといったアプローチをすると極めて効率が悪い学習となってしまいます。

テキストで学んだら該当j箇所の過去問を解いて、すべての選択肢についてどうしてそれが正しいのか、どうしてそれが誤りなのかを検討していきます。

また、行政書士試験は分野ごとに分かれていますので、憲法の分野を一通り学んだら、憲法に関する過去問もすべて解けるハズといった気持ちで過去問に取り組むと効率が良いと考えられます。

どちらかというと、テキストで全体像を把握し、過去問で各論を埋めていくようなイメージです。基本的には

過去問→解説→テキスト(全体の中でどのように位置づけられる論点なのか)

といった流れで押さえていくようなイメージですね。
  • 過去問に出た内容は何度も問われる
さて、どうして過去問を当初から使うなどというのでしょうか?これは資格試験に合格した後に実感することなのですが、本試験で問われる内容は過去問で既に問われているのです。

よく、「過去問と同じ問題は出ないからやっても無駄だ」などという方もいますが、それをいうなら、問題集であれ模試(資格用語だと答練と呼びます)であれ、ほとんど同じ問題など出題されないので、問題集や模試も否定しないとおかしな理屈となります。

でも、そういった過去問を解くことを否定する人は不思議なほど、問題集や模試(答練)を解くことが無駄であるとは言わないのです。(それでは論理の筋が通っていませんよね。)

しかし、現実には、問われる論点は角度を変えて、繰り返し問われます。そのため、過去問を優先して取り組み、それで余力があるのなら問題集などに取り組むといった方法論を推奨するのです。
  • 再び憲法について
で、話を戻しますが、過去問を解いていると憲法の分野では判例が繰り返し問われるといった事に気が付くと思います。

また、その判例も限られており、過去問に繰り返し取り組むうちに、覚えてしまえるくらいの分量です。それなので精神論で恐縮ですが、憲法の過去問に出た判例は全て覚えてください。

判例を覚えてしまえば、安定して問題を解けるようになってくるはずなので後は細かい論点をつぶしていく感じになります。
  • いよいよ民法
行政書士試験は民法と行政法の二枚看板といったイメージの試験になります。合格のためのイメージは、憲法など他の科目は取りこぼしを減らしていき(満点を狙うと無駄が多くなりますので、それなりの点数を安定して取れる水準まで持ってくれば十分です)、民法と行政法で大きく点数を稼ぐといった感じです。

特に民法は記述式の問題が出ますので、ある程度しっかりと理解をしておく必要があります。

ただ、記述式と書くと、「記述式?うわぁすごく難しいんだろうね…」といった風に考える方もいるかもしれませんが、必要以上に記述式の問題を恐れる必要はありません。

何といっても『論述式』ではなく『記述式』ですし、採点側の都合を考えれば、キーワードを用いた部分点方式となるはずです。

また、『記述式』と言っている通り、わずか45文字程度の記述では論理構成も何もないので、必要な論点を押さえて解答をつくっておけばそれで十分なのです。

(与件が与えられており、そのような状況下で、誰が誰に対して何をすることができるか?といった試験です。そのため、正解が一つに決まるような状況での記述なので、キーワードを外さなければ部分点がもらえるのですね。)
  • こちらも
さて、この民法も過去問を同時並行して解いていくことが極めて重要です。というか、過去問をもう一つのテキストとして、すべての選択肢についての解説を読んでいくといったアプローチになります。

但し、民法については独学の限界を感じざるおえない事象が生じたのでそちらを共有しておきます。というのは、民法では「誰が誰に対して、何を」といった関係性をしっかりとイメージをしていかないと途中で迷子になってしまうからです。

そして、独学の場合、確かにテキストは図が沢山盛り込んであり工夫されています。しかし、どんなに工夫されていても文書だけで理解しないといけないわけですから非常に苦労します。もちろん、図表を見て、文章を読んで、場合によってはその図表を自分の手で書いてみるとそれなりに理解することはできます。

しかし、正直なところこれを自分でやるのは非常に非効率でした。おそらく誰かに教えてもらえればこの辺の理解は一気に進んだものと考えられます。(もし通信講座だったら、分からない部分を数回見れば理解できたはずです。)

そういったロスがあちこちで発生したため、結果として独学では一発合格できずに、二回の受験に追い込まれたのです。

▼講座を利用した学習方法はコチラ▼




ストーリー
2015年9月9日

相続が発生した時に覚えておきたい3つの選択肢(知らなければ、大損するかもしれませんよ?)

kitsune
困ったなぁ…

kitsune
困ったなぁ…(ちらっ)

panda
あのお店美味しいよね。

kuma
そうだね、雰囲気が良いよね。

kitsune
困ったな!!!!(ちらっ)

hiyoko
でもさー、むしろ駅前のお店の方が…

kitsune
シクシク、無視しないでよ…

hiyoko
ごめんごめん、でも、面倒なおはなしなんでしょう?

kitsune
確かに大変なお話なんだけど、無視することはないよね?

kuma
まあいいや、話してごらんよ。

kitsune_odoroki
実は、実家から手紙が来て、衝撃的なことが書かれていたんだよ…

neko_akire
実家ってどこだ?

hiyoko
決まってるじゃない、岐阜の縫製工場よ。

neko
ああ、彼は日本製なんだね…

kitsune_odoroki
僕の実家がどことか、そんな事はいいから。

kitsune
で、話を戻すけど、実家から手紙が届いたんだよ。

hiyoko
なんて手紙が届いたの?

kitsune
なんだか、実家で相続が発生しそうってことらしいんだよね。

onnanoko
相続!?それはつまり、財産が沢山あるってことよね?

onnanoko
うまく引き継げれば、上京して丸の内のオフィスビルで…

kitsune
事業をやっているらしいから、確かにいろいろ引き継がなきゃならなくなりそうらしいんだけど、

kitsune_odoroki
でも、かりに財産が沢山あったとしても、オーナーさんには関係ない話だよね?

onnanoko
イヤイヤ、大家と言えば親も同然…

neko_akire
(大家って位置づけなんだ…)

onnanoko
ふふふ、まあいいわ。でも、素直に相続するっていうのでいいのよね?

kitsune
それが、どうもイマイチ違うみたいでして…

onnanoko
どういう事?

kitsune
確かに財産は多いみたいなんですが、事業をやっているので負債も多いらしいんです。

onnanoko
そんなの簡単よ。財産だけ引き継げばそれでいいじゃない!

hiyoko
それができれば苦労はしませんよね…

onnanoko
まあ、今のは冗談だけど、財産がプラスだったら相続して、マイナスだったら相続しないって考えればいいんじゃないの?

panda
相続しないってこともできるの?

onnanoko
そうよ!マイナスの財産があまりに多いなら、相続を放棄することも可能なのよ!

onnanoko
だから、子孫に迷惑をかけるからと遠慮するのではなく、

onnanoko
思い切った勝負に打って出る人生もありじゃないかなと思うのよね。

hiyoko
そういった考え方もありますね。

hiyoko
で、話を戻すけど、今の言葉を伝えればいいんじゃないの?

kuma
そうだよう、財産を調べて、プラスなら相続、マイナスなら相続放棄。とっても簡単なお話だよね。

kitsune_odoroki
ただ、お話はそう単純じゃないんだよね。

kitsune
どうやら、相続するにしても、財産と負債がはっきりしないらしいんですよ。

panda
え?ちゃんと把握していないって?

panda
だったら、一か八かで相続してみればいいじゃない。

kuma
そうだね、一か八かだね。

tanuki
割とみんなは他人事です。

kitsune
でもさ…

neko_akire
だって、分からないんだったら仕方ないじゃない。

neko_akire
一か八かに賭けるしかないよ。

onnanoko
そういえばうまい方法があったわよ。

onnanoko
プラスの財産の範囲内で借金を引き受ければいいんじゃないのかな?

panda
えっと、そんな都合の良い話があるわけないじゃないですか?

kuma
そうだよう。やっぱり一か八かで相続するしかないと思うよお。

kitsune_odoroki
ちょっと待ってください。その方法について教えてもらえますか?

onnanoko
相続には単純承認相続放棄があるのは知っているわよね?

kitsune
はい。さっき話していた内容ですよね。

onnanoko
それに加えて限定承認といった相続方法があるのよ!

kitsune_odoroki
おお、それは知らなかったです。

onnanoko
だから、その方法をご実家に伝えるといいと思うのよ。

kitsune
ありがとうございます。

tanuki_2
その日の夜…

onnanoko
いやぁ、キツネ君のご実家は…なのね

onnanoko
しっかりメモっておきゃなきゃね。

onnanoko
でも、お客さんが来なくて暇だったから毎日テレビを見ていた知識が役に立ったわね。

onnanoko
あとで、アドバイス料として請求書を送ろうかしら。

tanuki_2
と、そんな事を日誌に書きながら夜は更けていきます。

記事一覧はこちらです↓
ストーリーで解説経営用語
 
マーケティング
2015年9月7日

レ点ビジネス | 漢文のレ点は日本人の知恵の結晶ですが、レ点ビジネスは不誠実さが漂っています

レ点ビジネス
レ点ビジネスとは、本来不要なはずのオプションを当初無料とのうたい文句で契約させるビジネスモデルのことを言います。

このように説明すると「当初無料だったら問題ないじゃない」と考える方もいるかもしれませんが、割と不誠実なビジネスモデルだったりします。

よく、携帯電話を契約に行くと「ココにチェックを付けてもらえればもっと割り引けますよ?ひと月は無料なので、契約後二三日たったら解約してくださいね。」などといった営業を受けた人も多いと思います。このような本来不要なオプションを(一定期間無料だからと言って)契約させるイメージです。
  • 退蔵益
話は変わりますが、退蔵益といった言葉をご存知でしょうか?金券などを購入した人は経験則として、全部使わない(つまり発行した金券はすべて戻ってこない)といった事から言われている言葉です。

どういう事かというと、例えば、当初100万円分の金券を発行したとして、期限までに実際に回収した金券が99万円だった場合、差額の1万円については、そのまま企業の利益となるという事です。(とても美味しい話ですよね?こういった利益を退蔵益と呼ぶのです。)

このような退蔵益を見越したビジネスモデルを退蔵益ビジネスなどと呼びます。

そして、このように、自ら購入した金券であっても、机の奥にしまいこんでしまったり、忘れてしまったりして使わない人がいるという事はレ点ビジネスを考える上でも重要なのです。 
  • 同じ考え方です
上述のように、人は自ら購入した金券であっても、利用することを忘れる場合があります。また、本来不要なはずのオプションであっても、同様に解約忘れが一定の頻度で発生します。(膨大な数の人を扱えば、かなり正確にどの程度が解約忘れになるかを想定できるはずです。)

一つ一つは月々数百円のオプションですから、働いている人などにとっては「いちいち解約するのも面倒だな」と思わせておいて、そのオプションの存在自体も忘れてしまうような場合があるので、解約忘れが出がちなのです。

但し、そうはいっても月300円の利用料の不要なオプションであっても、年間にすると3,600円になるので解約忘れをすると結構な痛手になります。

逆に、このようなビジネスモデルを構築している側にとっては相手のミスを待てば良いだけなので非常に美味しいビジネスモデルであると考えられます。

個人的には相手のミスに付け込んでお金儲けをするようなビジネスはちょっとやりたくないですが、儲かる仕組みであることは間違いないと思います。

もっとも、新規顧客ばかりを厚遇し、既存顧客をないがしろにしたり(参考:ドコモのMNPの割引き上限回数設定から考える、既存顧客を大切にするという商売のセオリー)このようなレ点ビジネスを繰り広げたりしていると、既存の大手キャリアはどこかで手痛いしっぺ返しを食らいそうですが…

行政書士_概要
2015年9月6日

働きながら独学で苦労して行政書士試験に合格した筆者が見つけた、効率よく合格する方法

kuma

こんにちは。まんがで気軽に経営用語の中の人です。先日、行政書士試験を受けたいという方とお会いしてお話をしました。経営マンガの中の人は行政書士試験に独学で合格しており、そういった試験についての話をする資格があると思われたようでした。

学習の順番や、効果的な勉強方法。また、筆者の学習上での失敗談のお話をしたのですが、行政書士試験を受験される方にとっても一般的に有益な内容であると思われるので、少しこの場を借りて連載し共有していきたいと思います。

第一回目は『独学で苦労して行政書士試験に合格した筆者が見つけた、効率よく合格する方法』といった記事になります。

今回は総論とし、次回以降、各論に触れられればなぁと考えております。
  • 試験についての前に
さて、行政書士試験についてのまえに『行政書士さん』や『行政書士試験』に合格する事について筆者の感覚をお伝えしたいと思います。

巷では、「行政書士では食えない」とか「やっぱりもっと難易度の高い資格じゃないと」などと言う人もいます。しかし、このような事は資格を取得しようと志している人にとっては、雑音ですので気にしなくても良いと考えています。

「食えない」という意見についてはその通りで、(行政書士に限らず)どのような資格であれ、資格を取ったぐらいで安定して食えるなどと考えること自体が誤りであると思われます。

資格などは営業免許に近いもので、保健所に行って『飲食店営業許可』をもらってくるのと本質的に変わりがないのです。つまり、そのあとそのお店を繁盛店にするかどうかは店主の腕次第、才覚次第であって、取得の難易度が難しい資格であっても、ちゃんと需要に合った商品やサービスを提供できなければそれ自体に意味は無いのです。

また、少数の例外(と考えられる事象)を挙げても反証にならないことは十分に承知していますが、筆者の知り合いの行政書士さんは、ニッチな分野に絞って活動しているのですが、非常に大きく稼いでいます。(某社の最上級カードなども保持されているみたいです)

要は取得した資格(営業許可)をどう使うかなのだと思いますよ。

また、食える食えないは別として、それでも資格取得には意義があると感じます。というのは、ある分野を体系的に学ぶと、他の分野にも応用が利きますし、もしあなたがお勤めであるのならば、一芸に秀でた人材は重宝されますし、『イザという時』が一応想定できるので心理的にすごく楽になるはずです。
  • 行政書士試験の合格率はかなり低めです
さて、話を戻しますが、最初に指摘しておきたいところは、行政書士試験は確かに合格率がかなり低い試験です。(筆者が合格した平成24年度試験の合格率は9%程度でした)

しかし、ちゃんと勉強した人にとっての実質的な合格率はそんなには低くないという事も指摘できます。というのは、資格試験全般に言える事ですが、行政書士試験にも一定数は記念受験組というか、学習が不十分な状態で受験をする層がいます。

「せっかく受験料を支払ったんだから受けなければもったいない」といったサンクコストに縛られた意思決定をする人が多くいるのですね。(受験会場で実際に試験を体験することはとても有益なので、一概に悪いとは言えないですが。)

そのため、実質的な合格率はそれほど悪くないと考えられるため、うまくやれば一回で合格することは十分に可能です。

行政書士試験は毎年、1万人くらいは受験申し込みをしても実際に受験していない試験です。学習が不十分であると自覚している人たちが、実際に受けるかどうかを半々で迷ったと仮定するのならば、この実際に受験しなかった人と同数くらい、学習が不十分だけど受けにきた人もいると考えてもそれほど不自然ではないはずです。

そのため、(それでも合格率は低いですが)極めて低いといった水準ではありません。
  • 行政書士試験は確かに難しいが歯が立たない難易度ではない 
「そうはいっても、司法試験や司法書士等のすごく難しい法律系資格を受ける人とかが、力試しに受けに来ているんじゃないの?」と考えてしまう人もいるかもしれません。

しかしそれも杞憂です。そういった人たちが受けていたとしても、行政書士試験は相対評価の試験ではなく絶対評価の試験だからです。

行政書士試験は、とにかく300満点中、180点を取ればよいといった試験制度なので、タマタマあなた以外の受験生は全員弁護士さんだったとしても、それはあなたの合否には関係のない事なのです。(まあ、弁護士さんは弁護士資格で行政書士登録できるのでワザワザ受験することはないと思いますが…)

と、このような試験に筆者も独学で挑み、何とか2回目の受験で合格することができました。(1回目はあと12点の不足で不合格でした。)
  • 短期決戦を狙う
さて、筆者は上で書いた通り、行政書士試験は2回受験をしました。2回受験して感じたことは、長く受験することは非常に効率が良くないといった事です。

というのは、もちろん法律系の資格なので色んな法律について学んでいくのですが、2回目の受験であってもある程度は覚えなおすといった作業が発生してしまうのです。

行政書士試験についてのお話をした際に、「あと12点で合格するところまで1回目の受験で到達していたので、2回目はちょっと復習して受けたのですよね?」と問われました。どう思われますか?あと3問で合格する水準まで来ていれば翌年の受験は余裕だと思いますか?

でも、残念ながら筆者は「勉強しなおしました」と答えました。

もし仮にこの記事を読んでらっしゃる方が日常的に法律触れていないのであれば、一回で合格できないとかなりの部分覚えなおしが発生すると覚悟しておいた方が良いと思います。

簿記などの分野は『技能』なので体が覚えるのですが、法律論は技能ではないのでしっかりと体系立てて何度も覚えていく必要が出てきます。

そして、人間は忘れる生き物ですので、忘れる速度よりも早く覚えていくことが大切になってきます。

このように、長く勉強するのは非常に非効率なので極力避けた方が良いと思われます。特に、学習の最初から3年計画などといった計画を立てるのは決してやめてください。(結果として3年かかるのは仕方ないですが、最初から3年なんて言っていたら、忘れるスピードに勝てないと思います。)
  • 多年度受験の罠
あと、多年度にわたって受験をする人が冒しがちな間違いがあります。これはどのような資格試験でもいえる事なのですが、行政書士試験については特にこのような経口があると思います。

というのは、多年度にわたって受験をする人の中には「合格できなかったのは勉強が足りなかった」と判断して、「じゃあもっと深く、論点の隅々まで学ぼう」といった風に考える人がいるのです。

前段の「合格できなかったのは勉強が足りなかった」はそれほど問題ではないのですが、後段の「じゃあもっと深く、論点の隅々まで学ぼう」といったところに罠が潜んでいます。

というのは、どのような資格試験でも繰り返し問われる内容は傾向として出ています。勉強が足りなかったというのは、繰り返し問われる範囲を確実に解答できなかったという事を言っているのであって、10年に一度出題されるかどうかみたいなマニアックな論点をひたすら勉強することではありません。

そのようなマニアックな部分まで含めた試験の全範囲について十分な勉強をしたという人はおそらく合格者の中でもほとんどいないと思います。

受験生がするべきことは、マニアックな論点で正解を確実にするために、莫大な時間勉強することではなく、短期的に合格点を取るために繰り返し問われる範囲を確実に正解できる実力を身に着けることです。

そのため、結果として多年度にわたって受験する人であっても、短期決戦。毎年初めて学ぶといった気持で、必要十分な範囲の学習に集中してみてください。
  • どうやって短期決戦にするか
と、短期決戦を狙うなどと書いていても、それは単なる精神論です。こんなことが書かれていても、「そんな事は分かっているけど、どうやったら短期決戦にできるんだよ。」と感じると思います。

学習の順番や効果的な学習方法については次回以降書いていきますが、短期決戦を狙うためには、まずは試験制度についてしっかりとみていくことが大切になります。

行政書士試験は上でも書いた通り、300点満点のうち、180点を取ればよい試験です。(つまり4割は間違っても良い試験です)そして、法令分野で244点、一般知識分野で56点となっています。また、一般知識で24点以上取れないと足きりになる(つまり不合格になる)といった試験です。

また、出題される分野は憲法、民法、行政法、商法・会社法であり、行政法の配点がきわめて高い試験です。(まあ、『行政』書士ですからね)

筆者はこのような試験制度について確認し、次のような戦略を立てました。

1.一般知識分野は過去問をやってみて、足きりにならない水準だったので、あえて勉強はしない。
 テキストを一回流し読みしましたが、範囲があまりに広範だったため、効果的な勉強はできないと判断しました。
2.商法・会社法は勉強しない。
 商法・会社法は極めて範囲が広い割には20点しか配点されていないので、いちおう中小企業診断士だし、全部外すことはないと割り切って勉強しませんでした。
3.憲法、民法、行政法の順番で勉強し、法律用語に体を慣らす。
 これは、使ったテキストがその順番で書いてあっただけですが…
4.過去問を当初より解いていく。
 過去問で問われた論点は繰り返し問われます。そのため、過去問を使って紛らわしい内容を覚えてしまう方法は極めて効果的・効率的です。

短期決戦を狙う場合、戦わない分野の絞り込みがとても大切です。全部やっていたらとてもではないですが時間がどれだけあっても足りませんし、合格だけが目的ならば、180点ギリギリで受かる方が効率的ですからね。

と、2年間通じてこのような戦略で学習しました。おそらく戦略自体はそれ程、誤ってはいなかったハズです。(いちおう独学で合格しましたから)、しかし、学習方法という戦術は完全に誤っておりました。

というのは、独学を選んだことは完全に誤りであったと思うからです。
  • 独学は誤りである
あえて言います。独学は誤りです。

もちろん、独学で行政書士試験に合格することは可能です。(現に筆者は合格しました。)しかし、この選択肢は完全に誤りだったと思っています。というのは、時間がかかり過ぎたためです。

合格自体は結果オーライだったのですが、学習に費やした数百時間は返ってこないのです。2年目に費やした学習時間は資格予備校に通学したり通信講座を利用していれば不要だったと考えられるので、おそらく数百時間の無駄が発生しているのです。

時給1,000円としても資格予備校代ぐらいは支払っておつりがくるくらいの無駄をしてしまったなぁと感じています。

また、テキストや過去問集も不合格だと買いなおさないといけなくなりますし(一年分揃えると、なんだかんだで6千円ぐらいします。)、受験料も受ける回数分支払う必要が出てきます。

このように考えると、独学という選択肢にコスト面での優位性はあまりないという事ができるのです。
  • 独学だと戦術レベルが甘くなる
おそらく、上で挙げた全体の戦略はそうは間違っていなかったと思っています。しかし、個々の戦術レベルが独学だと甘くなります。

例えば、憲法とか民法の学習を、法律にほとんど触れたことがない人がテキストだけを用いてする事が効率的かどうかを考えてみてください。

どう考えても、非効率ですよね?筆者も法律特有の考え方に慣れるまで、苦行のような日々を送りました。誰かに教えてもらっていれば、このような当初の苦労をスキップできた可能性が高いです。

また、民法、行政法を中心に学習するといった作戦を立てたのですが、それらの法律の中で学習の重点をさらに絞り込むことはあまりできませんでした。

どのような試験であっても、出題傾向を見れば学習の濃淡があるはずです。しかし、独学だとその辺が分からないのです。(憲法などは、条文が大切かなと思うかもしれませんが、条文よりも判例の方が試験で問われたりするといった事です。)

また、どんなにうまく説明されていたとしても、簡単な図表と文書だけのテキストを読んで頭に入るほど法律は甘くありません。

頑張ってテキストを読んでいると、気が付いたら意識が飛んでいた(つまり居眠りしていた)といった経験が何度となくあります。

その点、誰かに教えてもらえればこのような事は避けられるのです。
  • あえて問います
初回なので総論をと考えているため、漠然とした内容が多くなってしまい恐縮なのですが、あえて問います。

行政書士の勉強をする目的はなんでしょうか?それがもし試験に合格することであるのならば、独学ではなく資格スクールの講座を利用した方が良いと思います。

というか、合格してからが勝負ですし、資格試験に合格したらその知識を使ってお仕事をするつもりの方がほとんどですよね。それならば、資格試験合格のためにはある程度の金銭的な投資も必要であるし、正当化されると思います。
  • モチベーションを強制的に続かせます
また、「受講料を支払った」という行為はモチベーションの持続に役立ちます。というのは、経営学的にはどのように意思決定しても取り戻せないコスト(サンクコスト)は無視するというのがセオリーですが、心理的に無視しにくい傾向があるため、このようなことがあえて言われているのです。

例えば、「学習の進捗が良くないけど、受講料で100,000円支払っちゃったから、もったいないから最後まで受講しないとなぁ」といった心理的なハードルを上げていくといった考え方になります。

逆に言うと、独学の場合気軽に始められますが(テキストを3千円くらいで買ってくればそれでよいので)勉強をやめてしまう事に対する心理的なハードルも気軽なのです。

「結果にコミットする」といった宣伝で一世を風靡した減量に非常に強いジムがありますが、このジムは一般的な料金体系と比較すると割高な料金体系をあえてとっているように思われます。

返金制度も設けていると言いますが、「あれだけのお金を払ったのだから…」といった心理を利用し、利用者のモチベーションを強制的に働かせている面もあると思います。(結局、痩せるための努力をするのは本人ですからね。)
  • おススメは
さて、そういった意味で弊サイトとしては行政書士に短期で合格したいのならば資格予備校の利用を強くお勧めします。その方がトータルで見たときに、結果として割安になる為です。(トータルコストという発想は、とても大切ですよ。)

▼詳しい内容はコチラ▼




連載記事

マーケティング
2015年9月4日

コンテクストマーケティング | 前後の文脈を考慮してどんどん売り込むのです

コンテクストマーケティング
コンテクストマーケティングとは顧客が置かれている状況に適応したマーケティングを行うと言った言葉です。コンテクストとはcontextと表記され、英語では状況とか、前後関係といった事を意味するものです。

この言葉にマーケティングという言葉を付加し、コンテクストを把握理解した上でのマーケティングといった感じの言葉になっているのですね。

■難しく考えなくとも

さて、なんだか難しげな言葉ですが、言っている事は割と単純な内容です。要するに前後関係を考えて、消費者がどのような状況であるかについて想像力を働かせましょうといった考え方です。

消費者が何かを欲しがるタイミングで、すかさずその何かを提案できれば売れ行きは伸びそうですよね?

消費者は、いつもいつも何かが欲しいわけではなく、前後の行動や状況によって様々なニーズが生まれては消えています。

例えば、蒸し暑い日に、アイスクリームをうまく販売できたら良く売れそうですよね?(もっというと、アイスクリームではなく、シャーベットとかの方が売れそうです。)

しかし、消費者がアイスクリームを購入する前に、冷たいジュースを飲んでいたとしたらどうでしょうか?

アイスクリームの需要は減退してそうですよね?

このようなコンテクストを意識したマーケティング方法がコンテクストマーケティングです。

■タイミングが大切

タイミングが大切であるという事から、何かを購入した直後とかに「ご一緒に○○もいかがですか」といった宣伝がなされることがあります。

こういったのを自動的にやってくれるモノをレコメンドエンジンと言いますが、考え方によっては、コンテクストを考慮したマーケティング手法ですよね。

同じモノであっても唐突に勧められるよりも、関連するものを購入した直後とかの方が「じゃあついでに買っておくか」となりそうです。

このように、前後関係や文脈に合致したモノを提案していきましょうというのがコンテクストマーケティングなのです。

kitsune
お買い上げありがとうございまーす

neko
あのお客さんキツネ君を買ってくれたから今度は付属品の小判を勧めようよ。

onnanoko_bustup_2
あら、だめよ。付属品が欲しくなってそうなタイミングを見計らって勧めないと、押し売り感がでちゃうから。



■いつ実施するかもコンテクストの重要なところです

例えば、地域で共通の知人がいて、こちらはよく知っているけれども(知人の息子さんみたいなイメージですね)、向こうはあまり良くしらないような時に、親しげに個人情報を活用した営業提案をしたらどうでしょうか?

このような場合は不信感が生じてしまいますよね。

でも逆に関係性を培っていれば時機を得た適切な提案に結びつきます。そのような提案をすれば信頼感にも結びつきますしロイヤルティの向上も図れます。

この世にコンテクストマーケティングいつやるかというのもコンテクストに依存するのです 。

■情報共有が重要です

顧客にとってはあくまで組織とお話をしています。繰り返し何度も同じような説明を求められたりした場合、やはり大切にされてるとは感じません。

このことから組織内で適切な情報共有をするような仕組みを作っていく必要があります 。ただ顧客が組織ではなくあなた個人に話してくれたような内容は、あなた個人の胸に留めておかないと信頼感が損なわれてしまいます。

いずれにしても相手のコンテクスト(文脈)を考えて対応するのがコンテクストマーケティングなのです。

解説で出てきた用語・関連用語
時事ニュース解説
2015年9月3日

ドコモのMNPの割引き上限回数設定から考える、既存顧客を大切にするという商売のセオリー

MNP
携帯電話で電話番号はそのままに、別のキャリアに移れるといったMNP制度ができてから、かなりの時間が経ちました。

筆者は、特に携帯電話にはこだわりを持っているわけではない+複雑怪奇な料金制度を調べる気が全くしないので、ずっと某D社の携帯・スマホを使っています。しかし、MNP制度での他社への乗り換えが、長く使うメリットを全てかき消してしまうほどお得になっている現状にはちょっとした憤りを感じる時があります。

まあ、きちんと調べない怠惰な性格が悪いのですが、現状に応じたスマホ乗換の最適解を提案してくれるサービスがあれば、トータルコストの引き下げ分の半分ぐらいなら支払っても良いなと思っています。

さて、余談はさておき気になる報道がありました。
NTTドコモは1日、携帯電話端末の割引制度に回数制限を初めて設けた。「家族まとめて割」や「のりかえボーナス」などの割引を繰り返し利用し、安く購入した携帯端末を転売するケースが増えているためだ。携帯電話大手3社で「最も手厚い」(通信大手)とされるドコモの割引制度があだとなった。

中略

番号持ち運び制度(MNP)利用者を対象に、携帯電話大手3社は、最大10万円を超えるキャッシュバック(現金還元)などで他社からの乗り換えを促す販促キャンペーンを展開した。これに乗じて契約変更を繰り返し、現金や商品券などを得る悪質な“MNP長者”が増加した経緯がある。2015年9月2日産経新聞
との報道です。

「安く購入した端末を転売」。「悪質なMNP長者」などと、かなりお客さんを悪しざまに言っているなとの印象を受けますね。

と、転売の是非はおいておきますが、新規ユーザを明らかに優遇し、既存ユーザを冷遇する施策が企業経営の理論的にどのように位置づけられるのかについて考えていきたいと思います。
  • セオリーでは
さて、一般的には新規顧客の獲得重視ではなく、既存顧客との関係性を重視すべしといった事が企業経営上のセオリーとして言われます。

この事を裏付けるように、新規顧客を獲得するためには既存顧客を維持するよりもコストがかかる。おおむね、5対1ぐらいで(つまり新規顧客獲得には既存の顧客維持の5倍コストがかかる)と言ったような事が言われています。

どうでしょうか、MNP制度ができ、キャリアの持っているメールアドレスも意味をなさなくなってきている昨今、確かに既存顧客の数倍のコストをかけて新規顧客の獲得競争をやっているように見えますよね?(だからMNP長者が生まれているのでしょう。)

しかし、既存顧客との関係性をないがしろにして、新規顧客を追い求めるような方法は、少なくとも「不利ですよ」
といった考え方があるのです。
  • 顧客生涯価値という考え方
お客様が、長い間に一体いくら自社に使ってくれるのかといった考え方があります。こういった考え方を顧客生涯価値(LTV)と呼びます。

このような考え方に立つとき、企業は新規顧客を追い求める事よりも、既存顧客との関係性を大切にする事が大切であるとされます。

これは別に『お客様は神様だ』的な精神論ではなく、単純にその方が儲かるといった実利に基づいた考え方です。

上で指摘した通り、新規顧客の獲得には既存顧客の維持と比較して莫大なコストがかかるため、新規顧客だけを追い求めていても、率直に言えば儲からないのです。
  • かつては
かつては、携帯電話業界で、新規顧客はそのまま常連になっていたと考えられます。これは、昔の顧客の方が義理堅かったとか沿いう言った話ではなく、キャリア間の移動障壁が高かったためです。

例えば、一昔前はキャリアを変えれば電話番号は変わりますし、キャリアから支給されたメールアドレスも変わってしまいました。

すると、獲得した新規顧客は、「新しい携帯番号とかメールアドレスを知り合いに知らせるのが面倒だし、大変だな…」といった風に考え、そうそうキャリア間の移動ができないような仕組みになっていたのです。(こういったのをベンダロックインと呼びます。)

しかし、現在ではキャリア間の移動は非常に容易です。(電話番号もそのままですし、普段の連絡で使うのはフリーメールでありLINEやFacebook等ですからね)

そのため、二年縛り+違約金などといった形でスイッチングコストを高めています。(これは総務省からの行政指導でやめるようにと言われていますが、現状ではそのまま運用されています。)

このように、キャリアを移動するスイッチングコストが低くなっているため、携帯電話各社は新規顧客の獲得が常連獲得につながりにくくなっているという事を認識する必要があります。
  • やはりセオリー通りに…
そのため、業界外の人間からすると、やはりセオリー通りに長く使ってくれているお客様の満足度を高めるような施策に舵を切った方が費用対効果が大きいように考えられます。

もっとも、(既存顧客に不公平感を植え付けたとしても)新規顧客獲得至上主義の方が収益性が高いと判断されている可能性もあります。(筆者の専門とは別の業界の事ですからハッキリとはわかりません)

但し、本記事では、セオリーとしては「既存顧客重視策を採る事の方が収益性向上に寄与するとされている」と言われていることを指摘しておきます。

基本としては、新規顧客獲得至上主義はあまり筋の良い手ではないという事は覚えておくとよいと思います。
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