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2012年08月

経営
2012年8月31日

ゴーイングコンサーン | 企業が永続するといった前提を示す概念です

ゴーイングコンサーン_001
ゴーイングコンサーンとは企業がずっと事業を継続するという考え方のことを言います。これは改めて指摘されないと、特に意識しないと思います。

それというのも、逆に解散を前提とした企業って探すのが難しいですよね。という事は、現在のほとんどの企業はこのゴーイングコンサーンを前提に運営されているという事です。

それでは、事業を継続せずに解散を前提とする企業ってあるのでしょうか?これは、例えば昔の船があげられます。

昔、航海は大変危険なものでした。海賊に襲われるかもしれないし、海が荒れて二度と帰ってこれなくなるかもしれません。まさに命がけの大冒険でした。しかし、うまく商品を積んで帰れれば一攫千金も夢ではなかったのです。

そして、一攫千金を目指す計画には今も昔も、お金を出して分け前を頂戴しようと考える人間がいます。しかし、船が無事に帰ってこなかったときに無制限に責任を問われるのであれば、船が無事帰る保証がなかった時代の事ですから、怖がって誰もお金を出してくれません。

その様なことから、昔の人は、船が沈んでも出資金だけをあきらめればいいという有限責任という制度を作りました。

そして、この船に出資するという制度は、出資した船が航海から帰ってくるたびにかかった費用と収益を清算して、利益を出資者に分配していました。

このように、清算することを前提とした企業の逆に、永続することを前提としているのがこのゴーイングコンサーンです。
  • 永続する事が前提となっている
企業が永続するといった前提によって現在の会計制度は成り立っています。

例えば減価償却(固定資産は将来にわたって使うことができるので徐々に費用化するという考え方)はゴーイングコンサーンが前提となった考え方です。

また、企業と取引をする場合にもその企業が永続するといった前提で取引関係を構築するはずです。そして、相手が永続する前提に立つため、企業間信用などが成り立つのです。
こういった前提に立てない場合に信用リスクが発生します。

  • 会計監査人は警告してくれる
大会社や上場企業の場合会計監査人が監査しますが、このゴーイングコンサーンが疑わしい(もってまわった言い方ですが、はっきり言ってしまえば、倒産する恐れがある企業は)ゴーイングコンサーン注記がつきます。

プロがヤバいと警告しているわけですから、証券投資をする人は、ゴーイングコンサーン注記がついているような企業への投資は避けた方が賢明です。

・継続することで地域に貢献する
企業は存在するだけで基本的には地域に貢献することとなります。雇用の場を提供し、税金を納め、商取引をすることで経済を回す。また、地域の消費者に財を提供する。

基本的に企業は地域社会にとって有益な存在です。そのため、ゴーイングコンサーンが社会に対する貢献であると言うことができるのです。


解説で出てきた用語
企業間信用
減価償却
信用リスク
ゴーイングコンサーン注記
情報
2012年8月29日

eCPM

eCPM_001
eCPMとはeffective cost per millの略称で、広告表示1,000回あたりの収益額の事を言います。

これは
【収益額÷広告表示回数×1,000】
という計算式で計算を行うことができ、広告が1,000回表示されたらいくら収益が得られるかを示す指標です。なんだか1,000倍にするところなどが、PI値に似た考え方ですね。

それでは、この指標がどのようなことを表しているのかを考えていきたいと思います。

例えば、100回広告が表示されるサイトと10,000回広告が表示されるサイトがあったとします。そして、100回広告が表示されるサイトは10円の収益を上げ、10,000回広告が表示されるサイトは200円の収益を上げたとします。

ではどちらのサイトの方が優れているでしょうか?単純に収益の額だけを比較したら10,000回広告が表示されるサイトですよね。

ではeCPMを計算して比較してみたいと思います。

100回広告表示のサイトのeCPM
eCPM=10円÷100回×1,000=100

10,000回広告表示のサイトのeCPM
eCPM=200円÷10,000回×1,000=20

となります。このことから100回広告を表示するサイトの方が収益率が高いという事ができます。

例えば、もし広告表示回数を1,000回増やす施策を取る事ができるのであれば、前者の100回広告を表示するサイトに行うべきであると判断することができます。

このまんがでは、若いエンジニアが十分な閲覧者がいない状態にもかかわらず、eCPMが高いと喜んでいます。しかし、上の定義の通り、広告表示回数が少ない状態でタマタマ高い収益を上げるような事が起こると、このeCPMは上振れします。

上の例では、100回表示のときに10円の収益を上げていますが、これがタマタマ10回の広告表示で同じ収益を上げていたらどうでしょうか?

この場合eCPMは
10円÷10回×1,000=1,000
となってしまいます。 

このような指標の特性を知っていたためか、年配の社長の方はもう少し様子を見ようと言っています。このように、指標を用いて判断するときには、その指標は何を意味してどのように計算するのかを把握しておくと 誤った判断を行わずに済みますね。

関連用語
RPM 
財務・会計
2012年8月28日

退蔵益 | 先払いした人が結局使わなかった事で生じる利益です

退蔵益

退蔵益とは、プリペイド型の金券などを購入したお客さんが、その金券を使わないことによって発生する利益の事です。

お客さんが前払いしたけれども、商品やサービスを利用しなかったことによる利益と言い換えることもできます。

■使っていない金券ありませんか?

みなさんの机の引き出しの中にも、まだ使い切っていない図書カードやテレホンカード、バスカード、パスネットの類が眠っていませんか?

そして、それらの金券はまだ使うことができますか?中には有効期限が切れていたり、サービスが終了していたりでもう使えないような金券もあると思います。パスネットなんかはもう使えなくなっている金券ですよね。

でも、使えないと言っても、その金券を買う時にお金を払っていますよね?お金だけもらって商品やサービスを提供しない。なんだか、金券を発行する側の立場からすると美味しい話ですね。

・発行者は丸儲けです
例えば、みなさんが会社の同僚に珈琲を淹れる回数券を販売したとします。その回数券は半年の有効期限を設けていました。

大量に販売した後、あなたは一定の数の回数券は決して使用されずに有効期限が切れる事に気が付きました。

さて、この有効期限が切れた分の回数券の販売で受け取った金額はどうなるでしょうか?
もちろん、みなさんの手元にマルマル残ります。これは費用が発生していない利益だから非常に美味しいですよね。(もっとも同僚相手に有効期限が切れたから交換しないと言えるかどうかは別問題ですが。)

■全ての金券が使われるわけではありません

なんとなく経験則で退蔵益があるのは納得できると思います。例えば、宝くじも毎年一定程度の換金がないと言われています。

また、ポイントが失効して悔しい思いをした人も多いと思います。このように、毎年一定の範囲で退蔵益は発生するのです。

■退蔵益を狙いに行くビジネスもあるが…

この退蔵益を狙いに行く商売も考えられます。例えば、携帯電話などの契約時に割引の条件だからと言って、たくさんのオプションへ加入させると言ったことが横行しています。
すぐ解約していいからとお店の人は言うのですが、だったらそんな条件をつけずに割り引いてもらいたいと思いませんか?

しかし、いったん契約させる事によって退蔵益を狙っているビジネスなのです。

もちろん、一回使ってもらうことでサービスの良さを理解してもらって…と考えているとは思います。しかし、一定の割合で解約を忘れる人がいて、そちらの方もおいしいのです。

この解約忘れの人は、サービスは使わないのに、課金だけされ続けると言った一種の退蔵益が発生し続ける状況を作り出せるのです。

こういった方法をレ点ビジネスといいます。


このまんがでは、学食の回数券を発行しています。最終コマでは毎年一定の比率で回数券は使用されない(退蔵益が見込める)と言っています。 

もっとも、こういった退蔵益ビジネスはあまり誠実なやり方ではないためおすすめできません。

解説で出てきた用語・関連用語
経済学
2012年8月27日

エンゲル係数

エンゲル係数
エンゲル係数とは、ドイツの社会学者家計エルンスト・エンゲルが提唱した指数で、家計の支出の中でどれだけの割合の飲食関係費用が占めるかを算定した比率の事を言います。

これは
エンゲル係数=飲食関係費÷消費支出×100%
で求めます。

例えば、非常に裕福な人を想像してみてください。プライベートジェットを所有して、複数の別荘を維持しているような感じの人々です。

そのような人がどれだけ美食家であったとしても、支出全体の中で占める飲食関係の費用の比率は低くなりそうですよね?

逆に、つつましやかな生活を送っている人を想像してください。このような人は食費も可能な限り節約していくと考えられます。

しかし、食費を削るには限度がありますのでどうしても、最初の非常に裕福な人と比較するとこのエンゲル係数は高くなります。

そして、このような考え方から、【エンゲル係数が高い】→【相対的に生活水準が低い】という風に言われています。(例えば消費支出のうち80%が食費だったら非常に生活は苦しそうですよね?)

もっとも、このまんがのように食費を極端に削れば見かけのエンゲル係数は低くなりますが、その様なことはあまり考えても仕方ないですね。 
経営
2012年8月27日

社会的比較論

社会的比較論_001
社会的比較論とは、フェスティンガーによって提唱された理論で、人は自分自身を正しく評価したいという動機を持っていますが、自分自身を評価するための基準として、自分に似通っている他者との比較を用いるとする理論です。

簡単に言い換えると、人は自分に似た他人と比較して自分自身の評価を行うという理論です。そして、比較した結果、安心したり、自分の所属している集団に合わせたりするわけです。逆に比較することができないとなんとなく不安になってしまうという事もいえますね。

例えば、あなたが会社員だとします。その時に、数多くの同僚と一緒に働いていれば、なんとなく日々、自分が同僚たちと比較してどのような位置にいるのかと考えることができますよね。

同僚たちに比べてパフォーマンスが低ければ、向上する努力をしますし、パフォーマンスが高ければ安心するといった心理です。

しかし、同僚たちと隔絶された場所で一人働いていたらどうでしょう?(他者と比較ができない状態)なんとなく不安になりませんか?

または、自分とはくらべものとならないようなハイパフォーマーの中で仕事をしたらどうでしょうか?(自分と似た他者と比較ができない状態)これも不安になりそうですよね。

この社会的比較論はその様な状況ではなく、自分と似たような他者と比較する事で自分自身を評価するという理論です。

また、この理論を提唱したフェスティンガーさんは、認知不協和理論を提唱した事でも有名です。
経営
2012年8月25日

パーキンソンの法則

パーキンソンの法則_001
パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史学者であるパーキンソンが提唱した法則で、仕事の量は与えられた時間全てを満たすまで膨張する等とする法則です。

この法則は、官僚制組織の問題点を指摘して、法則と皮肉の意味を込めて名付けているものです。

例えば、会社の業務システムを改善するプロジェクトがあったとします。通常は1か月で完了できる仕事量にもかかわらず。3か月の期間が与えられたらどうなるでしょうか?

仕事をしている人々は通常、誠実な人々なので、一か月で仕事を終わらせて、あとの2か月は遊んでいるといった事はしないですよね?

この場合、それほど重要ではないような要件を作り出して3か月いっぱいを使って業務システムを改善するというような事が行われます。

このような場合、最も望ましいと考えられるのは、1か月で仕事を終わらせてしまい、後の2か月はほかの仕事を行うといった事ですがこのようなことはあまり行われません。

それなので、結局3か月の期間が与えられたら、仕事の量の方が膨張して3か月すべてを使い切ってしまうのです。

このほかにも、「支出は収入の額まで膨張する」、「役人の数は仕事量と関係なく常に増え続ける」などとする、法則があります。

皮肉の意味を込めた法則ですが、官僚的な組織を想像してみるとどれも発生しそうな事柄ですよね。
生産管理
2012年8月24日

消費者危険

消費者危険_001
消費者危険とは、抜き取り検査を行った際、不合格とすべきロットを合格としてしまう確率の事を言います。この危険は第2種の誤りともいいます。

この消費者危険という言葉は、不合格とすべきロットを合格にする→本来売ることができないものを売ってしまう→消費者側に不利になる→消費者危険といった風に考えていただければ覚えやすいと思います。(もっとも、そんな良くないロットの製品を販売したら生産者側の方こそ大変なことになりそうですが、そこは気にしないようです。)

これに対して、逆に抜き取り検査を行った際、合格とすべきロットを不合格としてしまう確率を生産者危険と言います。こちらは第1種の誤りと言います。

抜き取り検査の場合、抜き取ったモノの不良率からロット全体の不良率を推定します。そのため、タマタマ抜き取ったモノの良品率が高かった場合にこの消費者危険が発生します。

例えば、一万個中10個不良品ならば合格とできる製品があったとします。(0.1%の不良率なら合格)そして、今回全体の中から千個抜き取って検査をするとします。

抜き取った千個中1個が不良品だった場合(0.1%の不良率)このロット全体は合格になります。

しかし、本当はロット全体の不良品は今回抜き出した以外にもあり全体で20個あったとします。(一万個中20個の不良品:0.2%の不良率)このようにこのロットは、本来ならば不合格とすべきロットだったとします。

※正確には、単純にこの様な判断を行ってはダメですが、解説の便宜上このような例にしています。参考:OC曲線

この場合、本来は不合格であるロットを合格にしてしまったわけですから消費者にとって不利ですよね?それなので消費者危険というのです。(消費者にとっての危険)

この消費者危険はβという記号を用いて表します。そして、本当は不合格であるモノをぼんやりしていて合格としてしまうという事から「ぼんやり者の間違い」と呼びます。β→Bでぼんやり者といった感じです。
生産管理
2012年8月24日

生産者危険

生産者危険_001
生産者危険とは、抜き取り検査を行った際に合格とすべきロットを不合格としてしまう確率のことを言います。この危険は第1種の誤りともいいます。

この生産者危険という言葉は、合格とすべきロットを不合格にする→本来売ることができるものを売れなくする→生産者側に不利になる→生産者危険といった風に考えていただければ覚えやすいと思います。

これに対して、逆に抜き取り検査を行った際、不合格とすべきロットを合格としてしまう確率を消費者危険と言います。こちらは第2種の誤りと言います。

抜き取り検査の場合、抜き取ったモノの不良率からロット全体の不良率を推定します。そのため、タマタマ抜き取ったモノの不良率が高かった場合にこの生産者危険が発生します。

例えば、一万個中10個不良品ならば合格とできる製品があったとします。(0.1%の不良率なら合格)そして、今回全体の中から千個抜き取って検査をするとします。

抜き取った千個中2個が不良品だった場合(0.2%の不良率)このロット全体は不合格になります。

しかし、本当はロット全体の不良品は今回抜き出した2個だけで(一万個中2個の不良品:0.02%の不良率)、本来ならば合格させるべきロットだったとします。

この場合、本来は合格であるロットを不合格にしてしまったわけですから生産者にとって不利ですよね?それなので生産者危険というのです。(生産者にとっての危険)

※正確には、単純にこの様な判断を行ってはダメですが、解説の便宜上このような例にしています。参考:OC曲線

この生産者危険はαという記号を用いて表します。そして、本当は合格であるモノをあわてて不合格としてしまうという事から「あわて者の危険」と呼びます。α→Aであわて者といった感じです。
生産管理
2012年8月23日

OC曲線

OC曲線_001
OC曲線(Operating Characteristic Curve)とは、抜き取り検査の際にロット毎の品質と、そのロットが合格する確率の関係性を示す曲線の事です。検査特性曲線とも言います。
 
抜き取り検査を行う場合、その検査を行う元となる母集団の実際の状況は抜き取ったモノの状態から推定するしかありません。

この抜き取ったモノから推定するという意味は次の通りです。

例えば、ある製品を1000個作ったとします。そのうち、10個が不良品であったとします。(不良率1%ですね)この時、10個を抜き出して検査したら、不良品はいくつ混ざるでしょうか?

可能性としては0個から10個全てのパターンが考えられます。

つまり、タマタマ不良品は0個かもしれないし、タマタマ10個全てが不良品である場合もあるという事です。ただ、それでも不良率が1%なので10個全てが不良品である可能性は非常に低くなります。

このケースでは、不良品が0個の可能性は90.39%、不良品が1個の可能性は9.21%、不良品が10個全てである可能性は0.00000000000000000000038%となります。(直感的に全部不良品にはならないと感じたとおりの確率ですね。)

それでも、この母集団から10個を抜き出して検査を行った際、2個以上の不良品が混入する可能性は0.39%ほどあります。(不良品が0個、1個でない確率ですね。)

このことから、抜き取り検査の場合、合格とすべきロットを不合格にする可能性(生産者危険)もあるし、不合格とすべきロットを合格としてしまう可能性(消費者危険)もある事がわかります。

そして、この関係性を図で表したのがOC曲線です。

このOC曲線は、縦軸には検査に合格する確率を、横軸には母集団の不良率を取って曲線を描きます。
OC曲線例
この図は1000個の母集団から10個を抜き出し、不良品が1つ以下であったら合格(不良率10%以下なら合格)する試験を行う場合を想定して作成しています。

この図から読み取れることは、1000個の母集団から10個を抜き出す場合、不良率が1%のロットがこの検査に合格する可能性は99.61%、不良率5%のロットがこの検査に合格する可能性は91.47%、不良率10%のロットがこの検査に合格する可能性は73.63%あるという事です。不良率30%のロットになると合格率はさらに下がり、14.79%となります。

どうでしょうか?不良率30%のロットであっても、14.79%の確率で検査を合格するとは非常に恐ろしい感じがしますよね?

これは検査する個数が10個だけなのでこのような結果が出ています。検査する個数を増やせばもっと、検査の精度は上がってきます。

例えば、検査数を20個に増やせば不良率30%のロットがこの検査に検査を合格する可能性は3.41%に下がります。

このまんがでは抜き取り検査を行っていたロットの製品に不良があり、メーカーに対して問い合わせを行っているようです。

このように、抜き取り検査の場合には不合格としなければならないロットが合格として市場に出回ってしまう事があるのです。
法務・支援施策
2012年8月21日

有限会社

有限会社_001
有限会社とは、会社の形態の一つです。日本においては過去に設立することができた会社形態ですが、2006年の会社法施行によって新設はできなくなりました。(現在存在している有限会社を特例として存続させることは可能です。(特例有限会社))

この有限会社は(有)などと略して表記されることもあります。

新たに設立することはできませんが、当時は小規模企業に適合する会社形態としてこの有限会社があったとされています。

それは、資本金の額が300万以上で設立することができ(株式会社は1,000万円以上が必要でした)また、社員の数は50名以下に限られており(ここでいう社員とは従業員ではなく出資者の事です。)、持ち分の譲渡を自由に行う事はできなかったのです。更に、取締役が一人いれば設立することが可能であったといった事などから小規模企業向けであるということができると思います。

さて、この有限会社の有限とは、期限が有限でそのうち解散しなければならないといった意味ではなく、責任が有限であるといった意味です。(有限責任

有限責任を簡単に説明すると、出資者は出資した金額以上の責任を負わなくともよいとするものです。

このまんがでは会社の設立について言っています。このまんがのように、資本金額が少なくても設立できるといった利点から小規模事業を営む会社は有限会社を設立する傾向がありました。

また、このまんがの最終コマで言っているように、有限会社を新設することはできないので、有限会社とついている会社はある程度古くから営業している会社であるという事もできます。

関連用語
無限責任
組織論
2012年8月20日

官僚制の逆機能

官僚制の逆機能_001
官僚制の逆機能とは、官僚制組織という組織構造のデメリットの事を言います。

官僚制組織はマックス・ウエーバーが提唱した組織構造で問題なく運用されていれば極めて効率の良い組織です。しかし、残念ながらいろいろな種類の問題が発生しがちであると言われています。

このような問題を官僚制の逆機能と言い、このような問題を皆さんは「あの組織は官僚的でね…」といった批判めいた言葉で指摘するのです。

それでは、官僚制の逆機能とはどういった事でしょうか?具体的に見ていきたいと思います。
  • 規則にないから…
「規則にないから対応できません。」このような言葉を聞いたことがありますか?規則になくても、ちょっと気を利かせば出来そうなことでも、官僚制組織の元では、規則が非常に強いためなされない事があります。

それがたとえ顧客にとって非常に重要なことであってもです。例えばバーゲンで購入した不良品を返品しに来たお客さまに対して、「割引品は返品はできない」との対応を行って、長年にわたっての上顧客を怒らせてしまうようなケースもあります。この場合、この顧客のLTV分だけ組織は損失を受けます。
  • 私の責任では…
「それは私の責任ではありません」といった、責任回避の言動がなされることもあります。
  • セクショナリズム
自部門の利益を優先して組織全体にとって最適な意思決定を行わないといった事もあります。

例えば、別の製品を製造している部門と共同で仕入れを行えば物流関係のコストが半減できるような案件があったとします。しかし、それをやってしまうと自部門に仕入れの権限が無くなってしまうような場合に、その案件を握りつぶすような事が行われます。

これは、組織全体では利益になりますが自部門にとっては不利益になるためです。

上の例はどこかで聞いたような例ですよね?それだけ官僚制組織の逆機能はありふれた現象であるという事です。

この他にも秘密主義や、権威主義、規則を守る事が目的化するといったような問題が発生すると指摘されています。

このまんがでは、どうやら研修を行っているようです。このような、規則にないからできないという対応は官僚制の逆機能として発生するような問題点です。

でも、規則が作られた本当の目的に立ち返って考えたならば、2コマ目のような対応は不適切であるように考えられます。 
組織論
2012年8月19日

官僚制組織

官僚制組織_001
官僚制組織とはマックス・ウエーバーが提唱した組織構造で、公式化された権威を基礎にした、安定した組織のことを言います。

課長が担当の部長の命令に従うのは、課長よりも部長の方が権威が高いためという事で、一般的なピラミッド型のライン組織がこの官僚制組織のイメージです。

また、官僚制の言葉通り、行政組織や軍隊などの典型的な組織はこのような官僚制組織になっています。このような組織は合理的で安定的な組織であるという事ができます。

といっても、官僚制組織はあんまり評判が良くないですよね?「あの組織は官僚的だ」というような言い方は決してほめ言葉では使われていないと思います。

しかし、この官僚制組織は外部環境に変化が乏しい時期ならば非常に合理的かつ効率的に働きます。

例えば、規則に基づいて組織が運営されるので、行動方針も明確ですし、方針に沿って効率的に業務を遂行することができます。

また、組織は専門によって分けられるので、各専門部門ではいろいろなノウハウが蓄積され非常に効率的に行動をすることができます。

但し、これらの特徴が悪い方向に出ると、官僚制の逆機能と呼ばれる官僚制組織の問題点が噴出します。

このまんがでは、学校の組織について書いています。この学校の組織はまさに官僚制組織であり、極めて迅速に、トップの判断が末端までいきわたっています。 
財務・会計
2012年8月18日

高低点法

高低点法
高低点法とは、発生した費用を固定費変動費とに分解する方法の一つです。これは、操業度が正常の範囲内で、一番高い操業度の原価と一番低い操業度の原価を用いて、固定費と変動費を推定する方法です。

この方法は、操業度が正常の範囲内でという前提がついていますので、異常値は排除して計算を行います。
高低点グラフ
この図では1,000時間操業の場合原価が1,500万円発生しており、800時間操業の場合原価が1,400万円発生しています。

またこの図は、原価が直線的に発生するとみなしていることを示しています。(y=a+bxという関数で表せるという事です。)

ここで変動費率bは下の計算式で求めることができます。
高低点変動費計算
この場合変動費率は、0.5万円ですね。

このことから、1000時間操業の場合には変動費が500万円、800時間操業の場合変動費が400万円となることがわかります。

また、固定費の額が1000万円と計算することができます。(最高点の総費用1500万円-最高点の変動費500万円=固定費1000万円)

この手法は非常に簡単に計算することができるのですが、異常値を排除する際に、何を異常値にするかが恣意的になるといった問題点もあります。

上の例では、操業度が800時間から1000時間が正常の範囲内と言っていますが、操業度750時間が異常値であるとするのは恣意的に決められる危険性があるというわけです。

このまんがでは、損益分岐点の説明を先生が行っているようですが、この損益分岐点を求めるためには、変動費と固定費を区分して考える必要があります。そのため、変動費と固定費を分ける方法について質問がなされているんですね。

この変動費と固定費を分ける方法(固変分解)には、費目別調査法やスキャッターーチャート法、最小自乗法などといった方法がありが、 今回はこの高低点法の説明が行われているようです。

また、このように、座学で仕事に必要な内容を学ぶことをOff-jtと言います。 
経営
2012年8月18日

満足化基準

満足化基準_001
満足化基準とは、人は求めうる最高の水準の効用を得ようとするのではなく、十分満足できる水準ならば、その選択を行うというものです。

人間の能力には残念ながら限界があります。極大化基準のように全ての情報を集めたうえで、考えうる代替案すべてを評価するような事はできませんし、たとえできたとしても、その判断が正しい保証などありません。

その様な制約のある条件の中で、人は可能な限り満足できる意思決定を行うとするものがこの満足化基準です。

そして、この満足化基準に基づいて行動する人間観を経営人モデルと言います。

このまんがでは、メガネの先輩は極大化基準で物事を考えているようで、最良の意思決定を行おうとしていつまでたってもPCを手に入れることができていません。

 これに対して、満足化基準で考えると十分満足できる水準ならば意思決定を行う事ができます。最終コマでは気になった機種を買うと言っています。

この満足化基準は、極大化基準に比べて現実的な基準ですね。

関連用語
経済人モデル
経営
2012年8月16日

経営人モデル

経営人モデル_001
経営人モデルとは、サイモンが提唱した人間観で、人は満足できる水準で意思決定を行うとするものです。

これは人は、代替案をすべて検討したうえで最高の案を合理的な基準で選択するとした経済人モデルと比べて、現実的な人間観を提供しています。

例えば、洗濯機を買う事を考えてみたいと思います。

経済人モデルでは、どのような機種の洗濯機がいくらで売っているかを完璧に知っており、同じ機種であったら最安値で、違う機種であったら様々な要素を比較して最高のモノを購入するとしています。

でも、実際にはあなたが買った値段よりも安く売っているお店もあるでしょう。また、機能を全て比較検討することも不可能です。(そもそも一般の人には何の役に立つのかわからないような機能もありますしね。)

これらの事から、○○というメーカーのモノならば安心だとか、○△というお店の接客が良くてつい買ってしまったといった事があると思います。(あるお店に絶大な信頼を持っているといった、ストアロイヤルティなども関係しますよね。)

それでもあなたが満足できる水準であれば問題ないですし、そんな風に人は必ずしも完璧に合理的ではないとするのがこの経営人モデルなのです。

このまんがでは、男子生徒がより良い選択をしようとして悩んでいます。ただ、完璧な意思決定を求めているためか、なかなか決めることができないようです。

しかし、完璧な意思決定などできるはずがないと割り切った途端に「とりあえず」と決めています。このように、人は自分が満足できる水準ならば意思決定を行うとするのが経営人モデルです。

関連用語
極大化基準
満足化基準
経済学
2012年8月15日

アナウンス効果

アナウンス効果_001
アナウンス効果とは、予想や計画を公表する事によって、人々の行動が変化し、予想と異なる結果が生じる事を言います。

例えば、非常に信頼できる予測的中率100%に近い株式のアナリストがいたとします。(そんな人は現実にはいないのですが説明の便宜上、いる事にします。)

その人がA株の株価は1年後に2倍になると言ったとします。このことによって、みんながその株を買って1年を待たずして2倍になってしまったとします。その場合1年後の株価はどうなるでしょうか?

当初の予測通り2倍の水準に落ち着くでしょうか?それとも、上昇に加速がついてもっと上がるでしょうか?はたまた、もう買う人がいなくなってかえって下がってしまうでしょうか?

いずれにしても、1年後に2倍になるという予測は、その予測を公表した事によって大きく影響を受けてしまいます。

このまんがでは、アイスクリームの需要が夏場になると伸びて、生徒全員にいきわたらなくなる恐れがあるため値上げを行って需要を抑制しようとしています。

いきなり値上げを行うと混乱を招くと考えたのか、先生は値上げの前週に値上げ計画を公表しました。

その事が、来週値上げされるならば安いうちに購入してしまえという結果を招いてしまいました。このように、予測や計画を公表することによって、人々の行動を変化させるような効果をアナウンス効果と言います。 
生産管理
2012年8月14日

非破壊検査

非破壊検査_001
非破壊検査とは、検査する対象物の商品価値を損なわないような検査の事を言います。

例えば、缶詰工場で検査をする人が缶詰を小さなハンマーでたたいて音を聴いている光景を思い浮かべてください。この検査の場合、検査を行う人は音によって異常を検知することができます。

ただ、この検査を行ったとしても、缶詰は壊れたり商品価値を損なわれていないですよね?

このように、検査する対象物の商品価値を損なわないような検査を非破壊検査と言います。そして、このような検査の性質から、全数検査に用いることも可能です。

例えば、上の缶詰工場で検査する人がハンマーで叩いた缶詰であっても全く問題ないですよね?

でも、缶詰の品質を調べるために開封して薬品を混ぜたような缶詰はいらないですよね。こちらのように、商品価値を損なってしまうような検査を破壊検査と言います。

このまんがでは、タマゴの非破壊検査を行おうとしています。タマゴの破壊検査は、タマゴを割って中身を検査するようなイメージとなります。

これに対して非破壊検査はタマゴを割らずに検査するといったイメージです。

もっとも、このまんがでは最後のコマでタマゴが孵化してしまっている様子が描かれていますので、失敗してしまったという事ができると思います。
生産管理
2012年8月13日

破壊検査

破壊検査_001
破壊検査とは文字通り、破壊(商品価値を損なう事を許容)して検査を行う手法です。

これは例えば、キャベツに含まれる有害物質の量を調べるために、キャベツをバラバラにすりつぶして検査するであったり、建築材料の強度を調べるために、壊れるまで力をかけ続けるといった検査方法です。

また、検査対象物を破壊するわけではないのですが、ジュースに薬品を混ぜて検査するといった事も破壊検査に該当します。(薬品を混ぜてしまうと飲めなくなりますからね。)
 
この破壊検査は文字通り、破壊(商品価値を損なう)ことを前提とするので、もちろん商品価値はなくなってしまいます。(有害物質の量を調べるためにバラバラにすりつぶしたキャベツを好き好んで欲しがる人はいませんよね?)

そのため、この破壊検査は全数検査には向いていません。というか、売り物全てを壊して検査するなどという事は通常ありえない事です。そのため、破壊検査を行う場合は、抜き取り検査を行う事が前提となります。

上のキャベツの例では、一部のキャベツをサンプルとして抜き出し、全体の有害物質の混入量を推定するわけです。

このまんがでは野菜の成分検査を依頼しています。そして、野菜の成分を検査する場合には野菜をバラバラにしての検査となると言っています。

この検査は破壊検査であるという事ができます。そして、破壊検査に使った野菜がもったいないと言われていることから、破壊検査を行った野菜には商品価値がなくなるという事ができます。 

関連用語
非破壊検査
生産管理
2012年8月13日

予知保全

予知保全_001
予知保全(predictive maintenance)とは、設備の劣化状態や性能の状態を基準として保全の時期を決定する方法です。具体的には、定期的に稼働状況を診断して、故障やトラブルの徴候を察知した上で保全活動を行うというアプローチです。

この考え方は予防保全の考え方に近いと思われますが、診断を行ったうえで必要ならば保全を行うという事から、予防保全の中でも、状態基準保全(CBM)に該当します。

予防保全のアプローチとして、一定の周期でメンテナンスを計画する時間基準保全(TBM)と呼ばれるものがありますが、これは保全の周期を客観的に定めることが難しい事や、壊れてもない機械を保全と称して壊してしまう(いぢりこわし)事があると指摘されています。

このような問題を克服するために、機会の稼働状況を診断して問題が発生しそうであったら保全活動を行うとするアプローチが予知保全なのです。

そして、この「診断」というキーワードが示すように、保全を行うための時期や方法を決定するための診断技術の確立がカギとなります。

このまんがでは、機械のメンテナンスを行うエンジニアの人が、機械の診断に来ています。どうやら今までは壊れていなかったり、壊れる徴候がなくてもメンテナンスを行っていたらしく、メンテナンスを行った事で壊してしまうような事もあったみたいです。

それに対して、機械を診断したうえでメンテナンスを行う現在の方式では、納得感もあり優れた方法であると言っています。 

関連用語
経済学
2012年8月12日

極大化基準

極大化基準_001
極大化基準とは、人はあらゆる条件を比較検討して、求めうる最高の水準の効用を得ようとする。そして人は、そのような最高水準の効用を求める行動を行うとするものです。

これは経済人モデルという人間観で用いられる基準でありますが、ちょっと非現実的な基準ですね。現実的な基準には、人は満足できる水準で妥協するという満足化基準というものがあります。

この極大化基準を満たそうとするならば、すべてのお店の売値を知っていて一番安いものを常に把握していることが必要ですし、考えうる代替案を全て評価して最良の案を選択するだけの判断力も必要とされます。

何故このような非現実的な基準が存在するのでしょうか?それは、経済学などでいろいろなことを分析する時に、いちいち情報の非対称性まで考慮に入れていたら非常に煩雑になってしまうためです。

そのため、経済人モデルという人間観では、人はこのような極大化基準に基づいて行動をするとしています。

このまんがでは男子生徒が極大化基準に基づいて行動しています。彼は、最高水準の効用を求めようとしています。そのため、情報を集め代替案を比較検討しようとしています。 

しかし、現実にはすべての情報を手に入れ、それらを比較検討することなどできないため、最終コマのように検討結果より有利な代替案が存在するといった事が多々発生します。

関連用語
経営人モデル
経済学
2012年8月11日

経済人モデル

経済人モデル_001
経済人モデルとは、経済活動を行うにあたり人は完全に合理的な存在であり、自己の利益を最大化するために行動するとしたモデルです。アダムスミス(神の見えざる手で有名ですよね)の提唱したモデルです。

このモデルに従うならば、人は完全に合理的なので同じ財があったら印象などに惑わされずにより安い方を購入します。さらにいくつかの代替案があるような選択を行う際には、すべての代替案について結果を正しく予測し、自己の利得を最大化する行動を採る事ができます。

例えば、この経済人モデルによると、あなたが桃を買いたいと考えたときには、あなたはどこで桃がいくらで売っているかを知っており、必ず一番安いお店で買い物をするというようなモデルです。

もっとも、みなさんもご存じのとおり、そんな風に完全に合理的な人間はほとんど存在しないのです。人間関係やそのお店への信頼感などによって、必ずしも一番安くないと知りながらも購入したり、そもそももっと安く売っていることを知らなかったりします。

その意味ではこの経済人モデルは、非現実的なモデルであるという事ができますね。

しかし、この経済人というモデルは人間の行動を分析しやすくするという効果があるため、いくつもの理論で分析のための前提になっています。

このまんがでは、先生が常に合理的な判断をしたいと願っています。その結果、「経済人モデル」のような人間になることができたようで、同じモノならば一番安く手に入れる方法を合理的に判断できるようになっています。 

関連用語
極大化基準
満足化基準
経営人モデル
経営
2012年8月10日

CI(コーポレートアイデンティティ)

CIコーポレートアイデンティティ_001
CIとはコーポレートアイデンティティの事で、企業の存在する理由や自社の提供する価値などを明らかにして、自社の経営理念を社内外に知ってもらうような活動の事を言います。

自社の存在理由や自社の提供する価値を明確化するためには、経営理念事業ドメインの明確化が必要となってきます。そのうえで、社内外に自社の存在する意義を発信していくのです。

例えば、自分が誰だかわかっていない人は自己紹介をうまくすることはできませんよね?その逆で、自分がどのような人間かよく分かっていればうまく自己紹介を行うことができますよね。そのため、先ずは自社の現状を認識して目指す姿を明確にする必要があります。

このように、明確になった目指す姿に向けて意識を変えることをMI(mind identity)と言います。

そして、目指す方向に向けて意識を変えたならば行動も変えていくことが大切です。この行動を変えることをBI(behavioral identity)と言います。

これは、「自分は野菜を食べるのが好きな健康志向な人間です」などと思っていたとしても、行動が伴わずジャンクフードばかり食べている姿を見られたら意味がないという例を挙げればなんとなく納得してもらえると思います。

そして、行動も変えたならばそれを発信していく必要があります。会社のマークとかロゴなどで統一したイメージを視覚情報として発信するといった、VI(visual identity)と言われる行動です。

とはいえ、実際にはCIと言いつつ、会社のロゴやマークを変えてそれで満足しまうようなケースも多いと言われています。(これだとVIしかやっていないですよね?)

このまんがは、購買は健康志向であるというメッセージを発信したいようです。そして、その一環としてロゴマークを変えて、行動も変えて(変えさせて?)います。

ただ、CIなんとなく上からの押しつけ感が強いのであんまりうまくいきそうにない感じがしますね。
マーケティング
2012年8月9日

エクスターナルマーケティング

エクスターナルマーケティング_001
エクスターナルマーケティングとは、外部の顧客に向けて行われる通常のマーケティング活動の事を指します。

これは、企業内部の従業員さんたちの満足を向上させるためにマーケティングの手法を応用するインターナルマーケティングの対義語としての用語です。

自社と顧客の間のマーケティング活動であるという事ができます。これは通常のマーケティング活動ですので、マーケティングミックスを考慮したりします。

このまんがでは思わずエクスターナルマーケティングと言ってしまったようですが、普通に使う分にはそのような言い方をせずに、マーケティングといった方がわかりやすいので、最終コマで言い換えています。

このように、新しい概念を説明するために既存の概念に特別な名前を付けるという事は良く行われています。

例として、このエクスターナルマーケティングはインターナルマーケティングを説明するため対義語として語られている用語ですし、ブルーオーシャンを説明するために通常の競争環境をレッドオーシャンと言っているような場合もあります。

関連用語
インタラクティブマーケティング 
マーケティング
2012年8月9日

インターナルマーケティング

インターナルマーケティング_001
インターナルマーケティングとは従業員を顧客と捉え、その組織内部にいる顧客に対して行うマーケティング活動です。

従業員のモラールが高くなれば自ずと組織の成果も上がるという考え方がこのインターナルマーケティングの基となっています。

これは、
(1)従業員を大切に扱い、自分の仕事に誇りを持てるようにする。(従業員満足(ES)の向上)
(2)自分の仕事に誇りを持った従業員は、質の高いサービスの提供を顧客に行う。
(3)質の高いサービスを受けた顧客の顧客満足(CS)が高まり、顧客が常連さんになったり、顧客ロイヤルティを持つようになる。
(4)お得意さんがたくさんついた結果、会社の利益があがる。
(5)あがった利益を、インターナルマーケティング活動に投資する。((1)に戻る)
といった良い循環が生まれるという考え方です。

外部の顧客に対してマーケティング活動(エクスターナルマーケティングといいます。)を一生懸命行い、顧客が求めるような商品やサービスを提供できたとしても、その商品やサービスをもって直接顧客に接するのは従業員さんです。

そして、この従業員が仕事に満足しておらず、低いモラールで顧客に接したとしたらどんなマーケティングの努力も台無しになってしまいます。

例えば、とてもおいしい食事を提供するお店に行ったとします。しかし、従業員さん達は見るからにやる気がなく、嫌々料理を運んで来たらどうでしょうか?なんだか感じ悪いですよね。

逆に、従業員さんたちは自分の仕事に誇りを持っており、素晴らしいサービスをしてくれたとしたらどうでしょうか?こちらはうれしくなりますよね。

このように、顧客に直接接する従業員さんたちが気持ちよく働けるようにマーケティングの手法を企業内部に適用することがインターナルマーケティングです。

このまんがでは、従業員さんが気持ちよく働けるように社員旅行を行ったようです。その旅行の中では、社長が自社の経営理念について語ったり、いろいろな企画を実施することによって、社員の帰属意識やモラールを高める事を目指したようです。

関連用語
インタラクティブマーケティング
マーケティング
2012年8月7日

従業員満足(Employee Satisfaction:ES)

従業員満足(ES)_001
従業員満足(Employee Satisfaction:ES)とは、従業員が感じる、自らの仕事や勤務環境や職場の人間関係などに対する満足度の事です。

従業員の満足度という言葉の通りの用語です。この従業員満足は従業員の待遇を改善したり、モチベーションを向上させるような様々な施策を行う事によって向上させることができます。

この用語は、顧客満足(customer satisfaction:CS)という用語と合わせて語られることが多いです。この文脈で使われるときには、
(1)従業員満足(ES)の改善
(2)従業員のやる気を向上させ、サービス水準の改善
(3)顧客満足(CS)の向上
(4)客数の増加や客単価の向上などによって、企業の業績向上
といった関係で、従業員満足(ES)の向上が最終的に企業の業績につながるという因果関係が語られます。

このまんがでは、男性会社員二人が街でばったりと会ったらしく、情報交換をかねてコーヒーを飲みに行きました。

そこで、青い髪の男性会社員が自社で従業員満足の向上に取り組んでいると言っています。 そして、その従業員満足の向上が業績の向上に結びついているようです。

その話を聞いて、 ピンク色の髪の会社員が自分の会社にその話をしてほしいと言っています。

自社の業績が上がればうれしいですし、その業績アップの要因が自分たちの満足度の向上だったらもっと嬉しいですよね。 
店舗管理
2012年8月6日

客単価

客単価_001
客単価とは、お店に来たお客様が使った一人あたりの金額の事を言います。文字通りお客様一人あたりの単価という事ができます。

これは売上高を客数で割れば求めることができます。言い換えると、お客様一人あたりの平均売上高の事ですね。

ところで、売り上げを上げる方法ってどんな方法があると思いますか?こんなことを漠然と質問すると、「それがわかれば苦労しないよ」といった声が聞こえてきそうですね。

それでは、このような漠然とした聞き方ではなく、売り上げをもう少し分解して考えてみたいと思います。

売上は、【お店に来るお客様の数】×【一人一人の使うお金】であるとしてみたらどうでしょうか?計算式に直すと下の通りになると思います。

売上=客数×客単価

このように少し分解してみれば、売上を増やす為のアプローチの方法として、お客さまの数を増やすか、客単価を上げるかといった風に考えることができると思います。

ここで、客単価はさらに【お買い上げ点数】×【商品の単価】と分解することもできます。こちらも式に直すと下の通りとなります。

客単価=販売点数×商品単価

客単価を向上させると決めたら今度は、もう一品余計に買ってもらうのか、商品の単価を上げるのかといった風に考えていくことができます。

良く行われている方法が、もう一品余計に買ってもらうという方法です。これはレジの横に、ガムやあめ、電池等をおいてついで買いを誘発したり、ネットショップなどでは、○○円以上で送料無料と謳ったり、レコメンドエンジンといって、これを買った人は一緒に○○を買っていますという風に自動的に勧めたりしています。

このまんがでは、客単価の高い人が来店した際に、更にいろいろ買ってもらうために商品を勧めています。このまんがではさらにもう一品買ってもらえるようにお勧めの商品について情報を提供しているようですね。
経営
2012年8月6日

レッドオーシャン

レッドオーシャン_001
レッドオーシャンとは激しい競争環境の血みどろの海のことを言います。といっても、競争はあるのが当たり前なので実質的には通常の市場の事を指します。

これは、ブルーオーシャン戦略の説明でブルーオーシャンとの対比で既存の市場を説明したことから来ています。

すなわち、ブルーオーシャンとは新市場であり、競争のない青い海である。これに対して既存の市場はレッドオーシャンであり、血で血を洗う競争が行われているとした事から来ています。

この競争が激しい市場(レッドオーシャン)では、競争の果てに製品がコモディティ化してしまったり、儲からなくなってしまったりするとされていいます。

このレッドオーシャンでは通常市場と同じように競争がありますので、様々な競争戦略を駆使して生き残っていく必要があります。

このまんがでは、受験勉強は競争が激しいレッドオーシャンであると言っています。通常の受験は、やることが決まっているわけですから(戦う土俵は決まっているわけですから)、その中でより高いパフォーマンスを発揮した人が勝つという感じです。

そうなると、血で血を洗うような激しい競争が待っているというわけです。その結果、レッドオーシャンになる(海は血で染められて赤くなる)というイメージです。

大人の競争とは、ここが異なる部分ですね。大人になると、自分で戦う土俵を選ぶことができますし(得意なことで勝負するという選択肢があります)、場合によってはブルーオーシャン戦略のように、自らの土俵を作り上げることもできます。

ただ、それを指摘したところで授業をサボる言い訳にはならないですよね。
経営
2012年8月4日

ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャン戦略_001

ブルーオーシャン戦略とは、従来存在していない全く新しい領域(競争相手のいない領域)で事業展開する戦略です。市場を創造する戦略と言い換えてもよいかもしれません。

新市場での事業展開ならば、競争相手はまだいません。そして、競争相手がいないため、低コスト(コストリーダーシップ)と差別化(差別化戦略)の一般的には両立し得ないとされる二つの優位点を、同時に実現できるのです。(通常は両立させようとするとスタック・イン・ザ・ミドルという状況に陥ります。)

そして、競争相手がいないという事は高成長と高収益も両立できるので非常に有利なことなのです。

これはあたかも、ブラックバスなどの外来種が、天敵や競争相手がいないことから、日本の在来種である魚を駆逐して一斉に広がるようなイメージですね。(外来種にとっては日本の環境はブルーオーシャンであったのです。)

例えば、近所のパン屋さんが今までパンを食べなかった層にパンを食べてもらいたいと考えたとします。

そのパンを食べない層に対して、従来使用していた卵などのアレルギー原因物質を使わなくするなどの新しい価値を付け加えてアプローチをした結果、新市場を創出したとします。

ただの差別化戦略から一歩進めて、パンを食べない層に食べてもらうパンという新市場を創出したわけですね。そして、当然この新市場は競争がないので高い成長性と高収益を狙うことができます。

ところで、なぜブルーオーシャンなのでしょうか?競争がないのが青い海って言われてもピンときませんよね。

これは、従来の競争が激しい環境を血みどろの海(レッドオーシャン)と表現して、それに対比する意味でブルーオーシャンとされた言葉です。

このまんがでは、パート対抗料理大会が行われ、それに勝利したパートが海に来られたようです。(ブルーオーシャン戦略の説明だから海にしました。)

勝利の秘訣は、真っ向から競合と戦わずに全く新しい切り口の料理を提供したことにあるようです。このように、競争を避けて、全く新しい価値を提供する、新市場を創出するという考え方がブルーオーシャン戦略です。
マーケティング
2012年8月3日

ロングテール

ロングテール_001
ロングテールとは販売数量が少ない商品を沢山そろえることによって、全体としては無視の出来ない大きな売り上げを占めることができることを言います。

これは売れ筋から順番に並んだグラフを描くと、あまり売れていないモノが長い尻尾のように右に伸びていくことから名づけられています。
ロングテール
通常は売上上位20%の品目で80%を売り上げるとの経験則があり(パレートの法則)、いわゆる売れ筋商品に力を注ぐことこそが、上手い商売のやり方であるとされてきました。この図でいうと、左側の販売数量が多い領域の商品群が売れ筋ですね。

このための分析方法としてABC分析などの手法も考案されています。

しかしインターネット上の小売業では、店舗の物理的スペースといった制約がなく、更に実店舗がないので低コストで販売することができるため、ごくまれにしか売れないような商品であっても、販売することができるようになりました。

このように、ほとんど売れないようなモノであっても在庫のコストが無視できるくらい小さければ、機会ロスを防げることのメリットの方が大きくなります。

そして、このような考え方をロングテールというのです。

このまんがでは、倉庫などのコストがほとんど無視できるようなので、いわゆる死に筋商品を集めたインターネット上のお店を出したようです。

このまんがではロングテールを狙う方式が上手くいったようで、いい商売だと言っています。
店舗管理
2012年8月2日

死に筋 | 売れない商品は死んでいるのです

死に筋_001
死に筋とは、購入する人が非常に少なく、売れないために、売り場を占有しつつけるような商品を言います。

これは、魅力が乏しい商品であるとか、流行が去った商品であるといった原因で発生します。またコモディティ化が進展してしまっても死に筋になる傾向があります。どの商品でも消費者にとっては一緒ですのであえて今買う必要はないのです。

といっても、パレートの法則に従えば、売れている商品は全体の2割程度であり、残りの8割の商品は全部合わせて2割程度の売上にしかならないので、売り場のほとんどは売れ筋商品ではないという事ができます。

そして、この中でも特に売れ行きが悪い商品を死に筋と表現するのです。まさに、その商品は死んでいるのです。

■死筋商品を排除することによって生じる利点

死筋商品を 排除してことによって売上を上げていくことが可能となります。死に筋商品とは売れない商品ですからお客様にとって魅力の乏しい商品であるということが言えます。

そのような商品を排除することによってお客様にとって魅力の多い売り場を作っていく事が可能となるのです。

買いたいものがほとんどない売り場よりも買いたいものがたくさんある売り場の方が魅力的ですよね。

また売れ筋商品であれば仕入れてから早いスパンで売れていきますの、在庫をたくさん維持するような在庫コストを削減することにもつながります。

このように、考え方としては死筋商品は徹底的に排除すべき対象なのです。

と難しく考えなくても売れない商品が売り場を占有しているよりは売れる商品が売り場にあった方が売り上げが上がるでしょうという素朴な発想です。

■死筋をおきつづける余裕はないのです 

また、死筋商品を取り扱い続けるといった負担に耐えることが難しいといった現実もあります。

売り場の面積に制約がないのであれば、そのような商品を放置していても問題は少ないのですが(棚卸資産に投下された資金は回収できないですが)、実際には売り場には物理的な面積の制約があるので、死に筋商品は値下げをするなどの方策を採る事によって早めに売り切ってしまう必要があります。

積極的に見切り販売をしていくような大胆な方策が必要となります。

とは言え、死に筋と言っても売れにくいだけで需要がゼロではありません。そのため死筋を全てカットしてしまうとお客様がせっかく来店した時に欲しいものがいないとして失望感を与えてします。

こういった観点から、どう見てもあまり売れていないような死に筋商品であっても置いてある小売業が多いのです。

・死筋をあえて取り扱うという戦略もあり得ます

但し、インターネット上のお店などでは物理的な売り場面積の制約がないので、このような死に筋商品であっても取り扱い続ける事も可能です。死に筋商品全体の売上高を合計すると無視できない量になるので、それをあえて狙う戦略も考えることができるのです。(ロングテール)

また、あえて死に筋商品を中心に取り扱う事によって、珍しいものが売っているお店であるとして競合店と差別化するという方法も考えられます。

neko
うちの商品ってほとんど死に筋だよね。

onnanoko_bustup
そんなことはないわ。死に筋とは相対的に考えるものだから。うちにとっては半年に一個売れるだけでも売れ筋なのよ。

neko_akire
うわぁ、それは厳しい商売ですね…


このまんがでは、開校以来ずっと売れ残っているダルマについて、死に筋だと言っています。売れないだけなら、べつに売上原価にならないので問題ないでしょうと考える方もいるかもしれません。

たしかに売上原価には入ってこないのですが、ダルマが占有しているスペースには他の商品を置くことができません(他の商品を置いたら売れたであろう収益を逃しています:機会原価)し、ダルマに投下した資金も回収する事ができません。

このように、死に筋商品をいつまでもそのままにしておくのは、あまり良い事ではないのです。

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