まんがで気軽に経済用語

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2011年12月

財務・会計
2011年12月31日

アイドルコスト

アイドルコスト_001
アイドルコスト(idle cost)とは生産ラインが稼働していない際に発生する損失の事を言います。いわゆる設備が遊んでいる時間に生じる費用の事で、遊休費ともいいます。

生産ラインが動いていない時に生じる費用?なぜ何も作っていないのに、費用が発生するのでしょうか?モノを作っていないのだから費用など発生しないと考えたいですよね。

しかし、そんなに世の中は甘くありません。休んでいてもしっかりと費用は発生しています。

たとえば、工場の土地を借りていたら家賃が発生します。また、従業員の給与も払わなければなりません。ほかにも生産設備等の減価償却費も発生します。そのうえ、さらに設備が稼働していたら得られたであろう収益は機会損失となります。

休んでいていいことなど何もありませんね。ちなみに、生産ラインが休業や手待ちなどで正常に稼働していない時間をアイドルタイムと言います。

このまんがでは生徒たちがお店をお休みしたいと言っています。でも先生はお休みするとアイドルコストが発生するからお休みしないでほしいと言っています。
経営
2011年12月31日

アナジー

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アナジーとはシナジーの反対語で経営上の相互のマイナスの効果の事を言います。アナジーと呼ばずに負のシナジー効果と呼ぶことも多いです。シナジーの実現は現実的には難しい場合があり、沢山の事業を一つの企業で行うことによってマイナスの効果が生じる場合(アナジーもしくは負のシナジー効果)があります。
 
例えば、ある企業が新製品を発売する場合を考えてみます。販売チャネルや、生産設備はすでに保持しているとします。

この時、販売チャネルを保持している部門と生産設備を保持している部門間の調整を行うために、意思決定のスピードが遅くなる場合があります。その場合、経営資源を保持していることが必ずしもプラスになるとは限りません。
 
また、新事業と既存事業の業績評価を同一基準で行うとすると不公平感が生まれて、組織の士気が下がってしまうなどの可能性もあります。

このように、複数の事業を単一企業が行ったとしても、必ずしもシナジー効果を生み出せるわけではないのです。 

このまんがでは同一の評価基準(よく走ったかどうか)で生徒を判断しています。すると、基礎練習の一環として普段から走っているパートの生徒(管楽器を演奏しているパートを想定しています)は褒められますが、普段から走っていないパートの生徒は逆に叱られてしまっています。

そして最終コマでは不公平感を感じているとぼやいています。このように複数のパートが集まって練習をしても、同一基準で評価を行うと士気が下がってしまうといった問題が生じます。
経営
2011年12月28日

シナジー

シナジー_001
シナジーとは異なる経営資源を組み合わせることによって1+1が2以上になる効果の事を言います。

このような効果は経営資源間の相乗効果によりもたらされます。このシナジーの源泉には販売チャネルや生産設備の転用、技術や人材など組織に蓄積された知識・知恵の活用などが考えられます。

例えば、新製品を発売する場合を考えてみます。一から販売チャネルを構築する、生産設備を用意する場合には相当の投資を行う必要があります。

しかし、この時に既存事業の販売チャネルや生産設備を用いることができれば、費用を低減することができます。

そして、このことにより一から事業を立ち上げる場合に比べてより大きな利益を得ることができます。

具体的には、店舗網をすでに持っている薬局が関連事業として介護用品を取り扱うようなケースが考えられます。

この場合、店舗網をそのまま利用できること、既存事業の顧客が介護用品事業の顧客になってくれる可能性があること、薬局事業で培った信頼性などのブランドを活用できることなど有利な材料がたくさん出てきます。

このシナジー効果は上記のとおり範囲の経済に非常に近い考え方であるという事ができると思います。

このまんがでは一つのパートで練習するよりも複数のパートで一緒に練習する方が効果が上がると言っています。
財務・会計
2011年12月25日

減価償却

減価償却_001
減価償却とは取得した固定資産を毎期一定の費用を計上して各期に配分する事を言います。

建物や車などは永遠に使えるわけではなく、使い続けるうちに少しずつ劣化していきます。築30年の建物、10年乗っている車などは新築の建物や新車に比べてだいぶガタがきているイメージになると思います。

このことは使い続けると少しずつすり減っていくと言い換えてもいいと思います。そして、この少しずつすり減るイメージを帳簿の価格にも反映させましょうというのが減価償却の考え方となっています。たとえば100万円で買った新車が10年後いくらくらいになっているでしょうか?100万円のままとは直感的に言いにくいですよね。

それでは、帳簿価格を何年もかけて減らしていくという事はどのようなことになるかを考えてみたいと思います。

1.費用配分
会計の目的の一つとしてその期間の経営成績を算出する事があります。これは損益計算書(P/L)で表現されます。

それでは先ほど出てきた10年使える車にかかった費用はいつの期間の費用にした方がいいでしょうか?買った時に一気に計上する方がよいでしょうか?

10年間使えるという事は10年間の収益獲得に貢献するという事です。それならば、車の購入費用はある期の費用ではなく10年間に配分して費用化することが合理的ですよね。このように 収益に貢献している期間に費用を配分するという機能が減価償却にはあります。

2.資産評価
ある時点での企業の財政状況を表示する事も会計の目的です。これは貸借対照表(B/S)で表現されます。

先ほどの10年間使える車であっても、ある程度使った車を新車と同じ額では表現できないですよね。減価償却を毎期行うことによって毎期少しずつ固定資産の価値がすり減っていくことを表現することが可能となります。減価償却を行うことで例えば、5年後にはすり減った部分を控除した残りの部分が貸借対照表に記載される事となります。

3.資金回収
減価償却費という費用は現金が出ていく費用ではありません。(現金は車を買った時に出て行っています。)

でも、費用としては計上されています。すると、減価償却費の分は現金として回収されていることになります。減価償却にはこのような側面もあります。

このまんがでは学食の先生が設備投資するかどうかをずっと考えています。最終的には設備投資をすることを決めたようですが、今後は減価償却費がかかるからもっと稼がなきゃならないと言っています。

それに対して生徒さんはなぜ費用が増えるのかいまいち腑に落ちていないようです。

答えは、今回のテーマである減価償却費が毎期かかるからという事ですよね。
経営
2011年12月23日

ファブレス(fabless) | リスクもありますが、大きなメリットもある製造方法です

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ファブレス(fabless)とは自社の工場などの生産設備を持たない製造業者(メーカー)の事です。または、そういったビジネスモデルのことを指します。簡単に言ってしまうと自社でモノを作らないモノづくりの会社という事です。

ここで一つの疑問がわいてきます。工場などの生産設備を持たない製造業など可能なのでしょうか?

工場のない製造業なんてあり得ないと考えた方も多いと思いますが、現在ではそのような製造業も可能なのです。

調べて見ればすぐに出てくると思いますが、誰もが知っている有名な企業もこのファブレスといった経営形態を取っています。

なお、ファブレスといいつつも工場を持っている場合も存在します。定義上おかしいのですが、工場といっても量産を行うような工場ではなく、試作品対応や修理工場、特殊な小ロット対応のみであるため、量産対応は行っていません。
  • モノはどうするの?
このファブレス経営を行っている企業は、自社でモノを量産する生産設備を持っていないので、誰かに作ってもらわなければなりません。

実際の製造はやはりどこかでやらないといけない訳なので、その意味では製造活動は行っています。

しかし、その製造を行うのが自社ではなく、外部の企業に生産を委託するのです。
  • ファブレス企業は何をするの?
ではこのファブレスは何をするのでしょうか?製造業なのに生産をしないなら仕事はなさそうですよね?

でもそんなことはありません。このファブレス経営を行っていく企業は、生産以外の事をやっていきます。

具体的には製品のマーケティングや製品の企画、設計を行って行くのです。
  • ファブレス企業のメリットとは
さて、このように生産設備を持たないメリットは何かあるのでしょうか?

1.設備投資の回避
それは、生産設備を持たずに済むため、初期投資が抑えられる事がまず挙げられます。工場を所有しようと考えた場合には、工場の立地や機械装置の購入など莫大な投資が必要となります。

この莫大な設備投資を回避することができるのが大きなメリットです。

製品ライフサイクルが早いと考えられる製品については、設備投資から始めたのでは製品自体の寿命がつきる前に投資の回収ができません。そのため、ファブレスの方が有利であると言われています。

2.固定費の変動費化
また、生産設備を持つことによって発生する固定費を変動費化できるといった点も見逃せないメリットになります。

固定費を変動費化できるという事をもう少しご説明すると、

①生産設備を持つと、生産設備を調達するために投入した資金が固定資産となります。

②固定資産は毎年減価償却という形で費用化します。

③この減価償却費は生産設備を用いて製造しようがしまいが発生するコストとなるため、固定費となります。

④ファブレスの場合、この固定費が発生せず、製造した分だけコストが発生するため変動費として処理することが可能となります。

このような事から、需要変動が激しい製品を取り扱っている企業にとっては、作らなければコストが発生しないため、リスクを小さくすることができるのです。

また、製品ライフサイクルが早いと考えられる製品については、設備投資から始めたのでは製品自体の寿命がつきる前に投資の回収ができません。そのため、ファブレスの方が有利であると言われています。

3.経営資源の集中
また、限られた経営資源を研究開発などだけに集中することが可能となります。工場の運営は極めて高度なノウハウが必要な領域となるため、工場を保有する事は相当量の経営資源の投入を要求されます。

このような事ではなく、自社が付加価値を生み出す点を企画・開発であると割り切り、底に経営資源を投入すると言った考え方を取ることができるのです。

4.立地戦略も選べる
物流を考慮した際に、需要地によっては最適な立地が変わってきます。工場を持たないことによって、最適な立地での製造が可能となり、総コストの圧縮を実現することが可能となります。
  • ファブレス経営のデメリットとは
ファブレス経営の良さそうな事をたくさん書きましたが、当然デメリットも存在してます。

1.品質・納期管理・コストの最適化が難しい
自社工場でないため、品質管理や納期管理は相手側に委ねることになります。当然、契約で縛るのですが、これらの3つの要素は両立しないため、最適化することが難しくなります。

また、通常は経験曲線効果と言って累積製造量が増加すれば総コストが圧縮されますが、この効果を享受するためには、工場を持っている相手に対して、製造コストの引き下げ分を還元してもらうような契約を結ぶ必要が出てきます。

2.製造によるフィードバックを得にくく、技術も蓄積できない
製造していく中で、製品の改善点等が見つかる事があります。しかし、外部企業に委託しているため、そのようなフィードバックをどこまで受けられるかは契約次第になります。
また、製造に伴う技術も自社には蓄積されません。

3.情報漏洩リスク
これも契約次第ですが、情報漏洩リスクは常につきまといます。

4.いざというときに製造依頼を受けてくれないリスク
自社ではないため、いざというときに製造依頼を受けてくれないリスクが存在します。

急に受注が伸びた際に、増産依頼を行っても工場のキャパシティの関係で受けられませんと断られるリスクがあります。

5.一般に製造原価が割高になる
製造を委託するため自社工場を持つこと変動費となるため、リスクは小さくできますがその分製造原価は割高になります。

このまんがでは先生が1コマ目でPC販売をしたいと言っています。PCの生産設備などは、このクラブは持っていないのでどうするのかを心配しています。

3コマ目ではPCは知り合いの工場で組み立ててもらうと言っています。4コマ目で生徒さんが驚いているようにファブレスならば生産設備を持たなくても製造業に参入することは可能になります。 


解説で出てきた用語・関連用語
変動費型事業
ファブレス後日談_001
店舗管理
2011年12月20日

機会ロス | 売れたはずのものが売れないだけでなく、お客様を裏切ってしまっています

機会ロス_001
機会ロスとは商品が品切れ等をおこしていたために、もし在庫があったなら売れていたであろうという販売機会を逃したことを指します。

例えば、アイスクリームを買いに来たお客様がいたのにもかかわらず、売り切れていた場合があります。この場合お客さまはないものは買えませんので他のお店に行ってしまうと考えられます。

この時のアイスクリームの売り上げ分の金額が機会ロスになります。

■機会ロスは目に見えにくいので意識して防ぐすることが大切です

■1. 得られたはずの売り上げが得られなかった


この機会ロスは目に見えにくい損失ということができます。お客様が買えなくて帰ってしまったとしても別に追加の費用が発生するわけではありません。

そのため機会ロスには気づかない可能性があります。 1日終わった後の売り上げが10万円だった時にその10万円がお客様が望むものが全て売れた10万円なのか、途中で諦めたお客様がたくさんいての10万円なのかは区別がつきません。

その意味で機会ロスには気をつける必要があるのです。

また、本来得られたはずの売上が得られなかったといった意味で損失と考えることができるのです。

■2.お客様からの信頼を失うことによる長期的なロス


また本来得られるはずの売り上げが得られないだけでなくお客様からの信頼を損なってしまいます。例えばお客様は〇〇が欲しいと思って来店したのにその〇〇がなかったらがっかりしてしまいますよね。

このような損失は目には見えませんが顧客ロイヤリティの低下といった形で、将来的にボディブローのように効いてきます。

そのため機会ロスは本来得られた売り上げが得られないというだけでなくて、しっかりと防いでいく必要があるのです。

■機会ロスを減らす方法

機会ロスを小さくできればできるほど望ましいのは上で挙げたような損失を防ぐことができるからです。

neko
機会ロスを減らす、すごい方法見つけたよ。在庫をね、すごいたくさん確保するの。そうすれば誰が来ても欲しいものが必ず見つかるお店になれるの 。

hiyoko
でも在庫をそんなに置く場所はないし、そんなに資金繰りに余裕もないわよ。

neko
じゃあお客さんが欲しがるものを完璧に予測してその日に確実にあるようにすればいいよ 。

hiyoko
それができたら苦労しないわよ 。

onnanoko_bustup_3
ま、とにかく在庫管理を徹底的にやることね。


それでは。機会ロスを減らすための方法にはどのような方法があるのでしょうか。

■1.在庫量をたくさん持つ

機会ロスはお客様が訪れた時に欲しい商品がなかったことによって発生するものですので、 たくさんの在庫を持つことによって防ぐことができます。

ただ、在庫をたくさん持つということは在庫費用が発生することになりますので、際限なく在庫を持つことは不可能です。

また必要以上に在庫を持ちすぎると、今度は廃棄ロスが発生します。 

■2.仕入れの精度を上げること

お客様が本当に欲しがるものをしっかりと検討し、お客様が買いたい時に買いたいものが確実にあるような仕入行うことが重要です。

とはいえこれができれば誰も苦労しません。ただ難しいとはいえ、これを愚直にやっていくしかないのです。

■3.在庫管理を徹底する

仕入れの精度を上げることはなかなか難しいので、現実的には在庫管理を徹底することで対応していくことになります。

■機会費用との違い

この機会ロスの話をする時に似た考え方として、機会費用といった概念が出てきます。この機会費用という概念と機会ロスは似ていますが、 機会費用の場合はもっと広い意味で使われています。

機会費用とはある選択肢を選んだ時に他の選択肢から得られたはずの最大の利益を言います

例えばお客様が来た時にたまたま存在しないために1万円の商品が売れなかった場合、機会ロスとしては1万円です。

しかし機会費用としてはその1万円ぶんを使って何か他のことができその他のことが2万円ぶんの価値を持っていたのであれば機会費用は2万円になるのです。


このまんがでは1コマ目でおにぎりが売り切れるほど大繁盛だと言っています。売り切れになるほど売れたので喜んでいいはずですが、2コマ目では先生は険しい顔で補充が来るのか確認しています。

結局補充は来ないとのことで、最終コマでは先生が品切れだとせっかく来てくれたお客さんが買えないと諭しています。お客さんが来ても買えないというのは目には見えにくいですが損失が出てしまっているのです。

店舗管理
2011年12月18日

PI(Purchase Index)値

PI値_001
PI(Purchase Index)値とは、レジ通過客数1000人当たりの売上高や売り上げ点数という指標です。

これは他店との商品の売れ行きの比較を行う際に、店舗規模や来店客数が異なるためそのままでは比較できずに正確な判断に使えないといったことから生み出された指標です。

このPI値が分かれば自店でどれだけ売れるはずという基準が分かるので、その基準と現状との乖離を分析することで販促や、陳列など様々なことに役立てることが可能となります。

このPI値の計算式は次のようになっております。

買上点数÷レジ通過客数×1,000

例えばお客様が10人来店されて2点カレー粉が売れた場合を考えてみます。このPI値は買上点数÷レジ通過客数×1,000で算出しますので、2点÷10人×1,000=200となります。

この意味は1000人来店があった場合200点売れるということです。そして例えばその地域の一般的な競合店のPI値が400だったとした場合、何らかの問題があると判断することができるのです。

このまんがでは生徒が1コマ目でおにぎりがいくつくらい売れているのかを聞いています。それに学食の先生が200個と答えていますが生徒さんは納得していないようです。

彼はどうやら、学食の競合となっている購買との売り上げの差を気にしているようです。ただしお客さんが多ければ売上数量は大きくなるので単なる数量だけでは比較できないと感じているようです。

最終コマではお客さん1000人当たりの売上数量を比べようと言っていますが、このように指標化して考えればお客さんの数が異なっていても比較できると言っています。
組織論
2011年12月17日

職務記述書(job description)

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職務記述書(job description)とは職務の内容について詳細に記述したものです。職務を分析して作成します。

企業の側では仕事の中身をはっきりさせておくことによって職務給を決めたり、採用活動や人事異動等に役立たせることを目的としています。

また職員や将来の職員の側では、仕事の内容が明確になっていれば、求職者の入社してからの雇用のミスマッチを防止することも可能となります。その上、職務が明確化されているので目標設定を行いやすくなります。

(漠然と営業リーダーのポストに就きたいと考えるより、営業リーダーの仕事は○○であって、△△といった権限があり、この職務は□□といった知識や技能を求められると定義されている方が目標にしやすいと思います。)

このように様々な利点がある職務記述書を有効にしておくために、定期的なメンテナンスを行う必要があり、また客観性を確保するために第三者に作成してもらうケースもあります。

この職務記述書に記載される代表的な内容は以下の通りです。

1.責任と権限について
その職務はどのような責任があってどのような権限を与えられるのかを記述します。

2.具体的な職務の内容と範囲
その職務の内容は何であり、その範囲はどこまでであるかを記述します。

3.担当者に求められる要件(知識・技術・技能・資格など)
その職務を担当するに当たりどのような知識や技術が必要であるのかを記述します。

4.期待される結果
その職務に求められる結果はどのようなものであるかを記述します。

このまんがでは学食のおばちゃんがバイトの学生を採用したようですが、具体的にどのような仕事をやってもらうか決めかねていたようです。

そこで最終コマで昔作っていた職務記述書を引っ張り出してきました。この職務記述書を使って何をやってもらうのかを決めるのでしょう。
組織論
2011年12月12日

職務充実(job enrichment)

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職務充実(job enrichment)とはハーズバーグが提唱した考えで、自らの仕事を垂直的に拡大することです。これは、現在やっている仕事よりさらに多くの事を管理できるようにしたり、さらに大きな裁量権を持たせるなど、より上位レベルでの職務を担当させることです。

この職務充実は従業員の仕事に対するマンネリ感をなくし仕事への意欲を高めたり、より能力を高める方法の一つとなっています。

スーパーマーケットの例に考えてみます。たとえば、いつもレジを打っている人が店長からその時間帯のリーダーとして一緒の時間に働いている人の管理や統制などの仕事を任せられるイメージです。このように、 職務を充実(垂直方向に)させて動機付けを行うとよいと主張したのがハーズバーグです。

このまんがでは、3コマ目でサブリーダーに任命された生徒が急にやる気を出しています。やはり、権限や責任を付与されてできることの幅が広がるとやる気が出るようですね。
組織論
2011年12月11日

職務拡大(job enlargement)

職務拡大_001
職務拡大(job enlargement)とはアージリスが提唱した考えで、自らの仕事を水平的に拡大することです。現在やっている仕事と同レベル(同じ水準)の仕事を行わせることを言います。

このように現在やっている仕事と同レベルの仕事を行うことによって、仕事に変化を持たせて従業員の仕事への単調感を少なくする、職務経験を多様に積ませ、いわゆる多能工の育成を行うなどのメリットがあります。

スーパーマーケットを例に考えてみます。たとえば、いつもレジを打っている人が品出しを手伝うようなイメージです。

レジ打ちは接客を行うお店の顔ですが、余裕があるときに品出しを手伝いを行うことによって、お客様の商品の場所に対する問い合わせに素早く回答できるようになったり、品出しも手伝えるような人材になると考えることができます。

このまんがではパーカッションの男子生徒がアピールの効果もあって今やっている楽器だけではなく、新しい楽器を任せてもらえるようになったようです。

最終コマではその結果、やる気が出たと言っています。 
組織論
2011年12月10日

目標管理(MBO:Management by objectives)

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目標管理とは自らの仕事上の目標を上長と協議しながら設定し、その達成に向けて自己管理する仕組みです。1950年代にドラッカーが提唱されたとされる非常に伝統的で歴史が長い手法です。

■目標管理の効果は

この目標管理は自分自身が決めた目標で管理されるため、仕事のやらされ感とか押し付けられ感がなくなり自ら主体的に動くことができるとされてます。

また目標を明確にしますので、目標が達成できたかどうかが明確になります。達成できたかどうかが明確になりますので、 その後のフィードバックも可能となります。

その結果そのフィードバックを用いて人事評価などに活かしていくこともできるのです。

■目標管理として定める時に留意すること

では、どのようなことが個人の目標に求められるのでしょうか。目標は次のような点に留意する必要があると言われています。

■1.具体的で明確な(測定可能である事が望ましい)目標であること。

 なんとなく頑張るみたいな目標は判断できないため望ましくなく、具体的に「○○を作成する」などといった測定できる目標が望ましいです。

■2.適切な目標レベルを設定する事。

 簡単に達成できる目標を立てて、達成してもあまり意味はありません。

■3.個人の目標と組織の目標とが結びつくような形で目標を設定する事。

 組織の目標に結びつくような個人の業績上の目標であったり能力開発上の目標を設定することがが望ましいです。

通常は一年もしくは半年間を単位として本制度が運用されます。そして、せっかく立てた目標が絵に描いた餅にならないように、目標の期中には必要に応じて上長からの進捗管理やフォローが行われます。また、目標の期末には達成度への上長からのフィードバックを受け取ることができます。

■目標管理のデメリット

と目標管理にとって有利なことをずっと書いてきましたが、目標管理には大きなデメリットがあります。

というのは目標管理は自分で目標を立てるというものが考え方です。しかし目標を立てる際に上長と協議をしながら設定しますので、事実上のノルマになりかねません 。

また業績評価というの、その後の対応ができないために単純に金銭的な報酬でもくれたりしますので、自分で決めた目標が金銭的報酬に直接リンクするという状況が生まれがちです。

そのようになことになると、目標はなるべく低くて発生しやすくしたいと考えるのが従業員の立場ですし、上長としてはなるべく高く達成が困難な目標にすると言ったインセンティブが生まれます。

いずれにしても本来の目標管理で目指す、自主的に能力開発をしていくための管理といった側面は無視されがちなのです。

また日本型の組織によくあることですが、目標管理と PDCA を組み合わせると言ったことが行われます。本当の意味での PDCA ならいいんですが、残念ながら名ばかり PDCA がまかり通っています。

どういうことかと言いますと、チェックして改善対応する際になぜか目標値が上がってしまうといったことです。

本来ならば目標値が高すぎた故に目標値を引き下げる。目標値が高すぎた故に投入する資源を増やすといった意思決定がなされてしかるべきですが、目標値はなぜかが上がり続けます。

このようなことが横行しているため、目標管理の目標値は発生可能なものよりも十分に低くしておきたいと言ったインセンティブが常に生まれるのです。 

このまんがでは、1コマ目から上長であるパートリーダーが後輩の目標の進捗を確認しています。このように定期的に上長がフォローしてくれるとよいですね。
マーケティング
2011年12月4日

マーケティングマイオピア(近視眼的マーケティング)

マーケティングマイオピア_001
マーケティングマイオピア(Marketing Myopia)のマイオピアとは近視眼的という意味です。この近視眼的とは大局を見通せず目先の事にとらわれてしまうことを言います。それでは、近視眼的なマーケティングとはどういう事でしょうか?

このマーケティングマイオピアという言葉は1960年代にセオドア・レビット(Theodore Levitt)が用いた言葉です。当時のアメリカでは鉄道会社が自動車や航空機に押されて衰退してしまっていました。

その原因は鉄道会社が顧客が輸送手段を求めていることと捉えずに、鉄道車両を動かすことを自らの使命であると定義していたためであるとしています。

鉄道会社は荷物の輸送手段としてトラック等の代替的な輸送手段が現れ、人の輸送手段としてバスや自家用車、航空機などの手段が現れたときに重大な脅威だと考えるべきでした。なぜならば顧客が望んでいることは鉄道で輸送や移動することではなく、単に輸送や移動する事であるからです。

しかし、鉄道会社は自らの使命を鉄道車両を動かすことと捉えていたため、適切な対応を行うことができず衰退を招いてしまったとしています。

このように、自らの使命を狭く考えすぎてしまい、市場の変化へ適切に対応できずに機会を逃してしまう事をマーケティングマイオピア(近視眼的マーケティング)と言います。

今回のまんがでは、学食や売店の顧客である生徒はおなかを満たすことを望んでいます。そのため、学食や売店以外のコンビニで買ったモノであってもおなかが満たせればそれでよいと考えています。

学食や売店がこの生徒の本当のニーズを忘れた使命を自ら定義するとマーケティングマイオピアに陥る可能性があります。
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