まんがで気軽に経済用語

中小企業診断士が実務で培った経験を基に用語集を作っています。

経営用語を解説することを通じて、社会の生産性向上に貢献したいと考えています。そして、社会の生産性向上を通じて、

生産性の向上で時間的・経済的に余裕ができる→地球環境への関心UP→省エネ性能の優れている製品への買い替えを促す→経済的成長と次世代に良い環境を残す

といった風にまんがで気軽に経営用語は貢献したいと考えています。

ご意見を頂戴できれば幸いです。
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経営
2011年8月3日

競争地位別戦略 | 競争地位によって取るべき戦略は異なりますがそれぞれにセオリーがあります

競争地位別戦略_001
本日は先日ご紹介しました、競争地位の4類型それぞれの戦略定石をご説明します。

1.リーダーの戦略定石
細かくは、先日リーダーの戦略定石の記事でご説明しましたが、一言でいうと、基本的なオーソドックスな戦略を採るというところです。

一例を紹介すると、リーダーは経営資源が豊富というのが何よりも大きな強みです。この強みは非常に強力であり、奇をてらったことをしなくても良いのです。

ということは逆に言えば、競争相手が奇をてらったことをやってきたら、そのままかぶせてしまえば、経営資源大きさで勝つことができます。

よく、似たような雰囲気の居酒屋がありますが、あれは経営資源が多い、相対的に大きな企業側が後からあえて雰囲気を似せている面があります。

同じようなことをやれば、大きな企業の方が規模の経済や範囲の経済、経験曲線効果が効いてくるので低コストで質のいいものを提供できます。

そのため、あえて似せると言った方法が効果を発揮するのです。

2.チャレンジャーの戦略
チャレンジャーはリーダーにはできない非オーソドックスな戦略で差別化を目指します。対リーダー、創造的、革新的がキーワードとなります。

チャレンジャーは二番手以下なので、リーダーを駆逐する必要があります。そのため、なんとしてでもリーダーの市場シェアを奪う必要が出てきます。

この場合、リーダーと同じ事をやっていてもかなわないため、リーダーとは違う方法をあえて取ります。この方法は苦し紛れに見えますが、とにかくやってみて突破口を開くために色々やっていくしかないのです。

有名な例で、アサヒビールがキリンにシェアで負けていたときに味の軸を変えました。従来は『苦み』がキーワードだったのですが、『コク』と『キレ』に集中してアサヒスーパードライを販売しシェアを逆転したのです。

この際に、キリンがリーダーとして真似してきたらどうなったかはわかりませんが、いずれにしても、アサヒビールは独自の切り口を打ち出すことでシェアの逆転を果たしたのです。

3.フォロワーの戦略
フォロワーはリーダーやチャレンジャーの戦略を模倣します。模倣戦略、低コスト、臨機応変がキーワードとなります。

細々と生き残りを図るのも決してわるい選択肢ではありません。もしかしたら、市場が縮小して、上位陣が市場から退出するかもしれませんから。

そうなると、残存者利益を獲得する可能性すら存在しています。


4.ニッチャーの戦略
ニッチャーは自らの市場を競争者と違うところに定義し、その市場にニッチを築くことを目指します。市場細分化、特定市場でのミニリーダー戦略、特定ニーズがキーワードとなります。

ニッチャーは、その選んだ市場のリーダーとなります。そのためニッチャーの戦略は基本的にはリーダーの戦略定石と同じになります。

説明で出てきた用語
残存者利益
範囲の経済
ランチェスター戦略
経営
2011年8月1日

リーダーの戦略定石 | リーダーの地位をも守り続けるための非常に巧妙な戦略です

リーダーの戦略定石_001
リーダーの戦略定石とは、先日解説した競争地位の4類型のうちリーダーのとるべき戦略定石の事です。以下具体的に解説しますが、基本は「需要拡大・最大の市場シェアを非価格競争で目指す」といったところになります。

以下まんがのコマに対応して解説します。

1.同質化戦略
競争相手が差別化戦略で挑んできた時に、リーダーも同質の戦略を採用して競争相手の差別化を無効化させます。同じ戦略で戦えば規模の大きいほうが強いという単純な理屈を利用しています。
メガネ君はチャレンジャーの地位にある人と同じポーズをとっています。チャレンジャーとあえてキャラをかぶせています。部活内で力のあるメガネ君とキャラがかぶるとチャレンジャーは厳しい戦いを強いられます。

2.最適市場シェア維持
市場シェアの拡大のみを狙うのではなく、最大の投資収益率が得られる市場シェアを確保・維持するということです。市場シェアのみを最大化する為には、例えば僻地にも販売員を配置する、マイナーな雑誌などにも広告を出すなど際限なく費用をかけていく必要があります。
メガネ君は大きくなりすぎずに効率重視といっています。

3.周辺需要拡大
リーダーは既存市場内での最大シェアを確保しているため最大の経営資源を保持していると考えられます。そのため、市場自体の規模が大きくなれば、売上は増加すると考えられます。
そしてこの市場自体の拡大は、①リーダーが独自に成し遂げる、②業界で協調して市場拡大を成し遂げるといった方法があります。
まんがではみんなが協力して影響力を増やそうとしています。

4.非価格競争戦略
リーダーは価格競争をしないということが重要です。リーダー自ら価格競争に打って出ると、市場全体が価格競争の嵐に巻き込まれてしまい、その市場では適正な利潤を得ることが困難になってしまいます。
まんがではメガネ君は時間の安売りはしないといって早く帰ろうとしています。


onnanoko_bustup
ふう、どうやっても地域一番店の地位を奪えないわ…

onnanoko_bustup_2
こちらが新しい取り組みをしても、すぐに同じような取り組みをしてくるし。

neko
でも、それじゃあ相手は模倣しているだけだから、オリジナルのウチの方が強いんじゃないんですか?

onnanoko_bustup
そうでもないのよね。向こうは使えるリソースが多いから、もっと精度が高くて品質がいい対応をしてくるのよ。

onnanoko_bustup_2
さらに、ウチよりも安く提供してくるし。品質とコストと納期は両立しないって勉強したんだけどなぁ。ずるいわよね。

neko_akire
両立はしないけど、経営資源の量が多ければより高い水準でバランスを取ることができるんですよね。



  • リーダーは1社だけ
リーダーは上で見てきたような戦略を取ると良いとされています

どれも非常に守りに強い戦略です。

なぜならばただ一社だけのリーダーの地位を守る。これこそがリーダーの戦略定石となるからです。

  • ウチはリーダーじゃないけど…と考える前に
さて本記事を読んでいる方の多くは、リーダーでない企業にお勤めであったり経営していたりすると思います。(リーダーは1社しかありませんから)

だったらリーダーの戦略定石など知らなくてもいいのかと言うとそうではありません。

これは相手の手の内を知ることにつながるからです。

つまりあなたの企業は市場シェアを奪うために様々な打ち手を使いリーダーの地位に挑んでいくこととなります。

その時リーダーはここに挙げたような戦略を用いて防衛を行うと考えられるのです。

なぜならばここに挙げている防衛策は非常に強力だからです。

そのためこれらのリーダーの戦略定石について、一般的な対応策を用意して行く必要は最低限あるのです。(相手がこう来たら、こう返すぐらいの想定シナリオは用意しておく必要があります。)

関連用語
QCD


経営
2011年7月29日

競争地位の4類型 | 漠然と頑張るのではなく自社がどのような位置にいるかを把握することが重要です

競争地位の類型_001
競争地位の4類型とはコトラー(kotler)が企業の役割の違いで競争ポジションを類型化したものです。

1.リーダー
当該市場で最大の市場シェアを保持している企業です。いわゆる業界再王手の企業を指します。リーダーは最大の市場シェアを保持していいるため、最も多くの経営資源を保有しているとされます。

2.チャレンジャー
当該市場のリーダーの地位を狙っている企業です。業界では2番手、3番手に位置しており、市場自体が成長しているときは一緒に成長することが可能ですが、市場が低成長期に差し掛かると、リーダーや下位企業から市場シェアを侵食されるとされています。

3.フォロワー
リーダーやチャレンジャーの市場戦略を模倣し、低コストの製品を供給する事によって市場内で存続することを目指す企業です。(模倣戦略

4.ニッチャー
市場内のニッチ(すきま)を探り出してその特殊市場内でリーダーになろうとする企業です。1.~3.のそれぞれの戦略に直接的には競合しません。

今回のまんがではパーカッションパートの人たちをそれぞれに例えています。4コマ目のギロが専門だといっている生徒は、その特殊市場内では圧倒的な地位を築いています。自分の得意な楽器に特化するとは、目の付け所がいいといえますね。

ちなみにギロは下のような楽器です。
中をくりぬいたヒョウタンの外側に刻みを入れ、棒でこすって音を出す打楽器
ウィキペディアより引用

次回以降、それぞれの地位にある企業の戦略定石を解説します。

neko
市場の中で一番大きなシェアを持っているのがリーダーなんだね。リーダーは経営資源も多いからある意味、横綱相撲をする事ができるんだよね。

neko
市場が成長すれば、リーダーの地位を維持していれば自動的に規模が大きくなれるので、地位の維持を考えた行動をして行くのです。

hiyoko
そうよ、それに挑戦するのがチャレンジャーなのよ。経営資源面では劣勢のことが多いけど、市場シェアをひっくり返すために色々やっていくのよ。

hiyoko
ひっくり返せないと、市場の成長が頭打ちになった時に厳しい状況に追い込まれてしまうのよ。


  • 自社がどこに位置しているかを把握する
さて、このような競争地位の類型が示されていますが、肝心なことは自社がそのどれに位置するかを把握し、ライバル企業の位置づけも把握することです。


競争地位によって、目指すべき方向が異なりますので、自社を知った上で何をするべきかを考えて行くように、自社を知ることがとても重要なのです。




経営
2011年7月28日

多角化戦略 | 多角化と言っても既存の経営資源を活かして対応するのが王道です

多角化戦略_001
多角化戦略とはアンゾフの成長ベクトルのうち自社の経営資源を新しい製品、新しい市場の組み合わせによる新しい分野へ投入することで、事業の拡張を目指す戦略の一つです。

ここで一口に新しい分野といっても、既存事業との技術やマーケティングの関係により次の4つに分類することができます。すなわち「水平型」「垂直型」「集中型」「集成型」の4つです。それでは以下その4つについてみていきたいと思います。

1.水平型多角化戦略
現在の顧客と大体同じタイプの顧客を対象として、新しい製品部門に進出する多角化です。既存の生産技術や流通経路を利用できるためリスクを比較的低く抑えることが可能です。このまんがでは、職員相手に健康食品を販売すると言っています。
しかし、ほぼ同一の顧客層を対象とするため、市場が停滞している場合には収益の改善が得にくくなるといった点を指摘する事ができます。


2.垂直型多角化戦略
現在の製品の川上や川下に向けて事業を展開する多角化です。このまんがの例では農業へ進出(川上へ進出)することで、原材料を安価かつ安定的に確保できるようにしようとしています。
しかし、生産・流通の過程で生じた問題がそのまま他の段階にも波及してしまうというリスクもあります。このまんがの例では、農業生産が不作だった場合材料の確保に問題が生じてしまいます。

3.集中型多角化戦略
既存製品と新製品との間で、技術とマーケティングのどちらかもしくは双方へ関連性を持たせるように行う多角化です。

4.集成型多角化戦略
コングロマリット型多角化ともいい、生産技術面、マーケティング面双方に関連性のない全く新しい事業に進出する多角化です。この多角化は成長力が高いとみなされる分野で収益性を高めることや、本業とは逆の動向となる分野に進出することで安定性を高めることを目的として行います。
このまんがの例では唐突に秩父山先生がPC販売と言い出しています。何の関連性もない異業種への進出のため、この場合のリスクは高くなることが想定されます。

多角化の狙いとしては次のものがあげられます。

1.範囲の経済の獲得を目指す
先日解説した、単一企業が複数事業を営むほうが総コストが低くなるという効果の獲得を目指します。

2.リスクの分散
全く別事業が同時にトラブルに陥る危険性は少なくなります。

3.余剰資源の活用
余剰人員や余剰生産能力を遊ばせておくのではなく、新規事業に活用することができます。

  • 多角化と言っても関連性を持たせる
さて上の方に多角化戦略の代表的な考え方をまとめています。

こちらを見てお気づきになったかもしれませんが、確かに標的とする市場や製品群はどちらも新規となります。

しかし水平型多角化戦略のように顧客のタイプが似た市場を狙ったり、垂直型多角化戦略のように、サプライチェーンで考えた時の川上川下に進出するなど、基本的には全く新しい分野に唐突に進出するということではありません。

ただコングロマリット型多角化という全く無関係の授業に進出することも方法論としては考えられますが、事業経営のノウハウであるとか投資のノウハウなど何らかの既存の経営資源を活用することには違いありません。

このように、経営資源に限界があるというのが現実ですので、ある程度事業分野は関連性を持たせた方が望ましいと考えられます。
  • 多角化が進展すると何の会社かが分かりにくくなります
このような多角化戦略ですが、仮にうまくいったとしてもデメリットはあります。

それは事業ドメインがあやふやになり何の会社なのかが分かりにくくなるということです。

誰に何をどのように価値を提供していくかという事業ドメインは、会社の中核的な価値観を養うために重要なものとなります。

また、事業の運営にあたって求められる経営資源や資質が変わってくるため、複数の事業を同時に走らせると言うことにつながります。

その結果経営者や経営管理者の負担が著しく増大しますので、ある程度の規模になると分社化するなり事業部化する形で権限委譲を適切に行っていくことは通常よりもより強く求められます。

同時に飲食店と不動産賃貸業と金属加工業を営むとなると、相当大変ですし、経営者の関与という経営資源の投入が難しくなってしまうと言うイメージです。
経営
2011年7月27日

アンゾフの成長ベクトル

アンゾフ成長ベクトル_001
アンゾフの成長ベクトルとはロシア生まれの経営学者、アンゾフ(Ansoff)が提唱した経営戦略上の意思決定の実用的枠組みです。今後の成長の方向性を分析・評価するために用います。

この成長ベクトルとは、製品と市場の二軸を取った表を作成し、成長戦略をそれぞれ①「市場浸透」②「市場開拓」③「製品開発」④「多角化」と分類して考えます。以下その4つの類型について簡単に説明していきます。

アンゾフ成長ベクトル

1.市場浸透戦略
現在の製品、現在の市場に対して他社との競争に勝利し売上増大や市場シェアの向上を目指す戦略です。一般顧客をロイヤルカスタマー化する事を目指す場合もあります。
用いる手段としては
 ・広告宣伝の強化
 ・価格の改定
 ・カスタマーリレーションシップ・マネジメント(CRM)の導入
等があります。

2.市場開拓戦略
現在の製品で新市場を開拓していく戦略です。新市場への投入の場合、しばしば新ブランドを立ち上げます。用いる手段としては
 ・国内市場から海外進出
 ・業務用から一般用への進出
等があります。
このまんがの例では、今まで販売していなかった付属中の職員へ同じ製品を売るということを言っています。

3.製品開発戦略
現在の市場に対して新製品を開発・販売する戦略です。用いる手段としては
 ・短いサイクルで新製品の投入
 ・製品のバージョンアップ
等があります。
このまんがの例では、同じターゲットに向けて海鮮サンドという新製品を開発すると言っています。

4.多角化戦略
新しい市場に新しい製品を提供していくという戦略です。例えば、IT企業がスポーツクラブを運営するようなケースです。用いる手段は様々なものが考えられます。

多角化戦略について詳しくは後日ご説明しますが、アンゾフは、多角化戦略の類型として以下のようなものがあると指摘しています。

すなわち、横に事業を広げるイメージの「水平型多角化戦略」、流通経路の川上や川下へ事業を広げる「垂直型多角化戦略」、技術、マーケティング分野について少なくとも既存の事業と片方が関係する方向へ進む、「集中型多角化戦略」、全く関係ない分野へ進む「集成型多角化戦略」です。

漠然と、成長を目指すと考えるよりも、このアンゾフの成長ベクトルといった考え方を用いると、考えが整理されますよね。

こちらもご参考に
経営戦略の実務的な構築方法
経営
2011年7月26日

競争戦略(フォーカス戦略) | 特定の部分へ狙いを定めて経営資源を投入するのです

競争戦略・フォーカス_001
フォーカス戦略とは市場を細分化し、自分の能力に適合する一部セグメントのみに焦点を合わせて、そこでコスト面、もしくは差別化面で優位に立とうとする戦略です。

例えば、軽自動車に経営資源を集中しているようなスズキ、ダイハツのような企業はフォーカス戦略を取っているということができます。

コストリーダーシップ戦略や差別化戦略は業界全体で優位に立とうすることを狙いとしていますが、フォーカス戦略は特定のセグメントに絞り込むことが特徴です。

このコストリーダーシップ戦略はポーター(Porter)教授が提唱する3つの基本戦略の一つです。ちなみに3つの基本戦略とは、前回までに解説した「コストリーダーシップ戦略」、差別化戦略」、今回解説した「フォーカス戦略」です。

さて、フォーカス戦略を採用する場合次のリスクがあるとされています。

1.戦略的に絞ったセグメントと市場全体が同質化してしまうケースがある
 例えば、自動車市場が小さく燃費のいい自動車を求めるようになると、軽自動車に集中していた自動車メーカの戦略の効果が少なくなってしまいます。

2.絞り込んだセグメント内のさらに小さな市場へフォーカスする企業が現れる
 例えば軽自動車の市場内でさらにお買いものに特化するような企業が生まれ、もともとの企業を出し抜く可能性があります。

今回のまんがでは秩父山先生は職員にターゲットを絞り健康を売りにしていくことに決めたようです。

  • フォーカス戦略は中小企業の定石です
経営資源が相対的に乏しいとされる中小企業において、特定の分野に経営資源を集中させるフォーカス戦略は一つの定石となります。

なぜならば中小企業であっても、特定の市場を独占することができる可能性があるためです。

ただし経営戦略も全てそうですが全ては競争相手あってのこととなります。

そのため、競争相手がよりニッチな部分にフォーカスを当ててきた時には、自社の戦略は安泰ではありませんので再度考え直す必要が出てきます。

経営
2011年7月25日

競争戦略(差別化戦略) | 違いを打ち出してお客様に訴求していくのです

競争戦略・差別化_001
差別化戦略とは競合他社には見られない特色を出すことによって独自性を打ち出す戦略です。

差別化戦略としては、品質、デザイン、独自機能、プロモーションでの社会的認知度やイメージを高める、アフターサービスや販売経路で差をつける、ブランドを構築する等が考えられます。

この差別化がうまくいかないと最終的にはコモディティ化(ありふれた商品になってしまう)してしまい、価格競争に巻き込まれてしまいます。

このコストリーダーシップ戦略はポーター(Porter)教授が提唱する3つの基本戦略の一つです。ちなみに3つの基本戦略とは、前回解説した「コストリーダーシップ戦略」、今回解説した「差別化戦略」、次回以降解説する「フォーカス戦略」です。

さて、差別化戦略を採用する場合次のリスクがあるとされています。

1.コストの差が広がりロイヤルティが維持できなくなる
 競合品とのコストの差があまりに広がりすぎて、差別化によるブランドロイヤルティが維持できなくなる可能性があります。優れた製品であっても、販売価格の差が2倍3倍と開いて来た場合に顧客が差別化品を選択するかどうかが分からなくなってきてしまいます。

2.差別化要因へのニーズが落ち込む
 このまんがでは生ものを押していく方法を考えていますが、例えば梅雨時に生ものを敬遠されてしまうなど、差別化要因へ対するニーズが落ち込む危険性があります。

このまんがの例では秩父山先生は前職の経験を生かして、刺身を中心に売っていくと決めているようです。この場合、漁師としての経験や、新鮮な魚を仕入れることができるという流通経路で差別化するようです。

  • 中小企業のセオリーです
さてこの差別化戦略は中小企業にとってまず最初に検討すべき戦略であるということができます。

なぜならば経営資源が相対的に乏しいと考えられるため、価格競争で真っ向勝負することは避けなければならないためです。

差別化戦略の採用にはリスクがありますが、何らかの形で競合他社と差別化をして自社が選ばれるようにしていく必要があるのです。

ただ、差別化戦略は顧客からの視点を持つことが重要です。

顧客から見て十分に自社が差別化されているかどうか、これをしっかりと意識していく必要があります。

・お客様がどう受け取るかが重要です

この視点を持たないと、この違いがわからないお客様がいけないんだなどと言う思考に陥ってしまいます。

そのためお客様からみて違いがわかるように打ち出していく必要があります。

例えば、一般消費者向けに販売してるにも関わらず、プロが見ないと微妙な差異を見抜けないような訴求してもそれは作り手の自己満足です。

また逆に、プロ用に販売しようとしているにもかかわらず、一般消費者向けの差異を訴求しても仕方ないのです。

プロに向けて売るのであればプロから見て良いものを作っていく必要があります。

  • 精神論もよくありません
また差別化戦略を取るためには自社の経営資源を冷静に考える必要があります。

経営資源とはヒトモノカネで表現されますが、自社の差別化ポイントは卓越した接客であると定義しているにもかかわらず、十分なの接客ができるだけの人がいなければそれは絵に描いた餅です。

また高い品質を差別化ポイントとしようとした場合、その品質を安定して提供できるだけの経営資源が必要となります。

それがないまま高い品質を努力で維持するというのも、また精神論になってしまいます。

上の漫画では新鮮なお刺身定食で勝負すると言っていますが、その新鮮さが求められているかどうかをよく検討する必要があるのです。

関連用語
フォーカス戦略
USP
経営
2011年7月24日

競争戦略(コストリーダーシップ) | コストを引き下げることと安売りすることはイコールではありません

競争戦略・コスト_001
コストリーダーシップとは競合他社より「低い原価」を達成することを目指す戦略です。このコストリーダーシップ戦略は「低価格」を目指すということとは違う事に注意が必要です。

一旦「低い原価」を達成したした場合、販売価格を引き下げ低価格で高い市場シェアを目指す、他社と同じ金額で販売し高い利益率を確保するといった展開が可能となります。

低価格販売を行う場合、高い市場シェアを生かしてさらなる低価格を実現しコスト面でのリーダーシップを取る事が可能となります。(先日解説した経験曲線規模の経済の効果でさらにコスト削減が可能となります。)

このコストリーダーシップ戦略はポーター(Porter)教授が提唱する3つの基本戦略の一つです。ちなみに3つの基本戦略とは、今回解説する「コストリーダーシップ戦略」、次回以降解説する「差別化戦略」「フォーカス戦略」です。
さて、コストリーダーシップ戦略を採用する場合次のリスクがあるとされています。

1.テクノロジーの発展
 技術の進歩が過去の投資や習熟を無駄にしてしまうケースがあります。例えば、そろばん製造でどれだけ優位性を誇っていたとしても、計算機やパソコンが誕生した段階で基本的には過去の投資は陳腐化してしまいます。

2.コストにだけ集中してしまう
 製品やマーケティング方法の変更の必要性に気づくことができなくなってしまうケースがあります。

このまんがの例では学食のおばちゃんは、どうやら政治力を駆使した参入障壁の構築には失敗しましたが、メニューを2割引きしても問題ない程度にコストの引き下げには成功していたようです。
  • コストリーダーシップは禁じ手か
コストリーダーシップは、競合よりも低コストを達成することを目指す戦略です。このことから、経営資源が相対的に乏しい中小企業にとっては禁じ手であるとされています。

というのは、このコストリーダーシップが結果としての安売りと結びついてしまうからです。

安売りを始めると、最終的には経営資源の豊富な自社よりも企業規模の大きな企業にはかないません。また、一度下げた価格は再度上げることは非常に困難である事から、安売りは禁じ手であるとされているのです。

しかし、本当の意味でのコストリーダーシップは原価を下げることを目指すだけであって、安売りをすることを目指すわけではありません。十分に原価を引き下げれば適正な利潤を確保しやすくなりますし、競合に対して低価格以外の戦略をとることが可能となります。

例えば、価格はそのままにしますが(価格を下げるのは簡単ですが、一度下げると再度価格を上げるのは困難を極めます)サービスを追加する事で競争力を確保するといった方法です。

また、コストリーダーシップ戦略が成功すれば、競合が参入してきにくくなりますし、原材料等の仕入れ価格の上昇も吸収することが可能です。
  • コストリーダーシップで自社よりも弱い企業を叩け
このような大きなメリットのある方法なのですが、やはり経営資源が豊富でないと難しい面があります。

コストを引き下げるためには、規模を大きくする規模の経済、様々な商材を取り扱うことで得られる範囲の経済、累計生産量を増加させることで得られる経験曲線効果などが必要ですが、どれも規模の大きな企業の方が有利になる考え方です。

しかし、規模の大きな企業と言っても絶対的な規模ではなく、相対的な規模で考えます。
例えば、あなたの会社が客観的にはそれほど大きな企業でないとしても、地元で1番の規模ならば、コストリーダーシップ戦略で2番手、3番手の市場シェアを奪うと言った方法は検討に値します。(こういった考え方がランチェスター戦略です。)
  • 定石は
と、コストリーダーシップについて書いてきましたが、やはり中小企業にとっての定石は差別化戦略であると言われています。

ただ、競争相手の出方を知っておく意味でもコストリーダーシップ戦略については知っておく必要があるでしょう。


説明で出てきた用語
範囲の経済
ランチェスター戦略

経営
2011年7月23日

コアコンピタンス | コアコンピタンスの見いだし方も一緒に考えてみましょう

コアコンピタンス_001
コアコンピタンスとは企業の中核的な能力(強み)を指し示すものです。各企業で長年にわたって蓄積された固有技術(ノウハウなど)のことを言います。

老舗の味噌メーカを例に技術や生産方式がコアコンピタンスとなったケースをいくつか考えていきたいと思います。(私は味噌屋さんではないため想定しているだけです。念のため)

1.コアコンピタンスは味噌を作ることと考えた場合
 味噌作りがコアコンピタンスであると考えた場合、味噌を用いた製品開発を行っていくことができます。たとえば、即席味噌汁市場に進出する、液体の味噌を開発する、無添加の味噌を開発する、だし入りの味噌を開発するといった方向を考えることができます。

2.
コアコンピタンスは大豆食品の製造と考えた場合
 大豆食品の製造がコアコンピタンスであると考えた場合、大豆を用いた食品の製造を行っていくことを考えられます。豆腐の製造、凍豆腐の製造、油揚げの製造などの製造を行っていくことが可能です。

3.
コアコンピタンスは発酵を管理する技術であると考えた場合
 発行を管理する技術がコアコンピタンスであると考えた場合、発酵食品の製造を行っていくことが考えられます。例えば、大豆製品ですと納豆の製造、醤油の製造、発酵食品だけで考えると、お酒やヨーグルトの製造まっで考えることが可能です。

この技術や生産方式以外でも、ブランドや物流、構成員の価値観など様々なものがコアコンピタンスになりえます。

ブランドがコアコンピタンスになる例は某電機メーカの製品だけスペックは大差ないけど少し高く販売できるようなケースが考えられます。

このまんがではメガネの先輩のコアコンピタンスはリズム感であると言われています。そして運動やほかのことはからっきしダメと言われています。もしこの人が、音楽以外の活動をする場合リズム感を生かした活動をすることがいいと思われます。

  • 中核的な強みはなにか
さて事業計画などを作る際に自社のコアコンピタンスを特定したいということがあります。

そのような場合において、どうやったら自社のコアコンピタンスを見出すことができるでしょうか。一般的にはなかなか難しいことです。

そのため以下のように自社の業務のプロセスごとに検討してみるというアプローチをとることができます。

例えば自社のバリューチェーン、価値を生み出すプロセスごとに考えてみたいと思います。

例えば原材料の調達の部分はどうでしょうか。

特別な原材料をなかなか取引は難しい事業者から仕入れてたりしませんか。そのような場合、調達力や調達部門に中核的な価値がある可能性があります。

また、製造の部分ではどうでしょうか。

よくコアコンピタンスと言われるのはこの製造部分の強みとなります。競合他社よりも良いものを作るというのはわかりやすいコアコンピタンスです。

また販売部門ではどうでしょうか。なかなか魅力を伝えることが難しいような玄人好みの商品をしっかりと販売するだけの販売力がある超えたものもコアコンピタンスとなりえます。

このように業務のプロセスごとに分けて考えていくことでコアコンピタンスを見出すことができるのです。

生産管理
2011年7月21日

ECRSの原則 | 業務改善のための非常に有効な方法論です

ECRS_001
ECRSの原則とは業務改善のためのフレームワークの一つです。ECRSとは試すべき改善策の頭文字をそれぞれ取ったもので、
E(Eliminate)排除、なくせないか?
C(Combine)結合:一緒にできないか?
R(Rearrange)交換:順序は変更できないか?
S:(Simplify)単純化:簡単にできないか?
という意味です。

そしてこのECRSはこの順序で試すと効果が高いといわれています。以下、具体例を示していきたいと思います。

1.E:なくせないか?
そもそも不必要な仕事をなくすことができれば大きな効果を発揮することができます。たとえば、魚を捌くたびに、包丁を研ぐようなことは止めて、その日の仕事前に一度だけ研ぐようにするなどの改善があげられます。(魚屋さんではないため正確にはわかりませんが、素人考えでは切れ味に問題がなければそれでよいように思います。)

2.C:一緒にできないか?
業務をまとめて一緒にできれば改善の効果を発揮することができます。伝票を届けに事務所に行くのであれば、一緒にそのほかの作業票も届けてしまえばよいと考えれれます。

3.R:順序は変更できないか?
作業の順番を変更することによって改善をすることも可能です。A作業→B作業→A´作業みたいな順番の場合、A作業→A´作業→B作業といった順番にすれば段取り替えの手間が削減できると考えられます。

4.S:簡単にできないか?
わざわざ複雑にやっているようなところはないでしょうか?簡単にできることは簡単にやりましょう。

ただし、このまんがのように、肝心なこと(
品質が落ちるような事や、それがないと用をなさなくなるような事)をなくしてしまったりしてはダメです。念のため。


キャプチャ

  • やめることが何よりも効果的

さてこのECRSですがやはりやめることが何と言っても効果的です。

なんといっても止めることは、すぐにできますし、コストもかかりません。

例えば始めた当初は意味があったことでも今となった意味がないといったことはありませんか。

前例踏襲で何となくやっているような業務、これはなくすればすごく大きな改善となります。

例えば朝礼の時に一人5分のスピーチをするということをやっていたとします。

そしてこの5分のスピーチのためにかなりの時間を費やして準備をしなければならないようなことが常態化していたとします。

もちろんスピーチをすることでプレゼン能力が鍛えられたりと意味はあるのですが、それを惰性で続けていたらどうでしょうか。

この業務をやらないことで非常に大きな時間が生み出されると考えられます。

組織論
2011年7月21日

X理論Y理論 | 無味乾燥な理論名ですが、言っていることは人間の本性に迫る深い洞察です

X理論Y理論_001
X理論Y理論とはアメリカの心理学者マクレガー(McGregor)が提唱した理論です。理論名だけでは何のことを言っているのかさっぱりわからないので、まずX理論とは何か、Y理論とは何かを見ていきます。

1.X理論
マクレガーは伝統的管理論が持つ人間観をX理論と名付けました。この人間観は「人間は本来怠け者であるため、仕事をさせるためには強制や命令が必要となる」という人間観です。東洋思想でいうところの荀子の性悪説に似ているかもしれませんね。
こういった管理を行うためには、できなかったら処罰するなどのいわゆる「アメとムチ」の経営を行う必要があります。

2.Y理論
X理論に対し、人間は自ら働きたがるものであるという人間観をY理論と名付けました。この人間観は「人間は本来働くことが好きであり、自己実現の為に自ら進んで行動する」という人間観です。こちらは孟子の性善説に似ているかもしれません。
こちらは魅力的な機会、目標を与え続けることで従業員のモチベーションを高めていく必要があります。

マクレガーは、先日解説したマズローの欲求段階説の、生存欲求や安全欲求が満たされているような現代では、X理論での管理は現実にそぐわず、Y理論に基づいた管理が望ましいと提唱しました。

このまんがにあるように、メガネの先輩がバットを持って後輩を監視しているようなパート(X理論に基づくアメとムチの管理)より、目標を示して自主的に練習をさせているパートのほうが練習の成果が上がるというわけです。 

kitsune
X理論は「働きたくないでござる」的な人を想定しているんだね。だから、ある程度の強制力を持って働いてもらわないといけないという発想なんだね。

hiyoko
そうよ。それに対してY理論は「働くことこそ自己実現」的な人を想定しているのよ。

hiyoko
だから、目標だけ与えておけば自己実現を目指して努力してくれるというわけね。

kitsune
現代では、どっちの人がおおいのかなぁ?

hiyoko
現代社会では、基本的な欲求はすでに満たされているのが前提なので、Y理論の方が望ましいと言われているのよね。



  • 気をつけること

とはいえ Y 理論がどのような状況においても望ましいというわけではありません。

この議論の前提は、
マズローの欲求五段階説の生理的欲求や安全欲求が既に満たされているという状況や、
ハーズバーグの動機づけ要因衛生要因の
衛生要因が既に満たされているということです。

つまり、
基本的な待遇が満たされていない状況において、
Y 理論に基づく魅力的な機会の提供などを行ったとしてもあまり効果が出ないということです。

関連用語
動機付け要因・衛生要因
生産管理
2011年7月20日

QCD(品質・コスト・納期) | 現状のまま全てを両立させよという命令は単なる精神論です

QCD_001
QCDとはQuality(品質)Cost(コスト) Delovery(納期)の頭文字をとったもので、生産の3条件とも言われます。つまりモノづくりには、もっと言うと仕事には、品質・コスト・納期が大切ですよという当たり前のことを言っている用語です。

これらのQCD3つとも大切ですが、これらすべてを同時に追求することは難しいことが現実です。たとえば、

1.品質を高めようとした場合
より精度の高い部品を用いることによって余分なコストがかかったり、慎重な作業を行うために完成まで時間がかかり納期長くなったりします。

2.コストを下げようとした場合
精度が若干劣るが許容範囲内の部品を用い、品質を許容範囲内で落とす。もしくは、工場の操業に余裕があるときに製造し納期は長くなります。

3.納期を早めようとした場合
こちらも許容範囲内で精度の低い機械を用いる、もしくは、コストをかけ時間外労働を行ってもらえば納期を早めることは可能です。

ただし、現実的には品質を下げるということは行われません。これは、QCDがこの順序で記述されることにも関係しています。ではなぜアルファベット順でCDQではいけないのでしょうか?

これはQすなわち品質が一番重要であるからです。これは、品質が低いものをいくら低コスト・短納期で作ったとしても、そのようなものは市場には受け入れられないからです。

また、仮に受け入れられる範囲の低品質のものを製造したとしても、

1.低品質であるが故のコストがかかる
歩留りが悪いため作り直しのコストがかかる、不良品に備え在庫を余分に抱えておく必要がある、検査工程に余分な資源を割く必要がある。

2.低品質であるが故の納期へ余裕を持つ必要がある
各工程の品質が不安定であると、必要数量を確実にそろえるために余裕を持った納期の設定が必要となる。

といったことが考えられます。

キャプチャ
  •  工夫の余地はあります
ただしこのトレードオフは『既存の経営資源・ノウハウ』で到達可能な範囲で生じています。経済学でいうところのフロンティアに近いような考え方です。

現在のまま品質やコスト納期などの要素のどれかを向上させようと思うと、トレードオフが発生します。

しかし新たな経営資源を導入し他場合(例えば非常に生産性の良い機械を導入するような場合)このQCD全てが改善するということもあり得ます


また経営支援を導入するのではなく、新たなノウハウに基づいて工程を簡略化するといったことが行われれば、コストや納期面で有利になります。

そしてコストや納期面で有利になった為生じた余剰経営資源を品質にふり向ければ、やはりQCD全てが改善するということもあり得ます。

組織論
2011年7月19日

動機づけ要因・衛生要因 | 人の心理を知っていればモチベーションを上げて業績アップに役立ちます

動機付け衛生要因_001
動機づけ要因・衛生要因とはハーズバーグ(Herzberg)が提唱した理論で、不満足にかかわる要因と、満足にかかわる要因は別のものであるとするものです。ハーズバーグの二要因理論などとも言われます。

それでは、それぞれの要因についてみていきたいと思います。

1.衛生要因
衛生要因とはそれが満たされないと不満足の原因となりますが、満たされたとしても、やる気の源にはならない要因のことを言います。一般的には、「組織の管理方法」「給与」「対人関係」などが衛生要因にあたるとされています。

たとえば、このまんがのように暑い場所での作業などは不満足の原因となります。しかし、いくら涼しく快適な場所で練習をしたとしても、積極的なやる気の源とはならないということです。

このことを端的に示して不満ではないという言い方をされます。つまり衛生要因が満たされていても満足するわけではなく不満で無くなると言うことです。


2.動機づけ要因
動機づけ要因とは、それが満たされた場合積極的なやる気の源となりますが、満たされなくとも不満の種にはならない要因を言います。一般的には「達成感」「承認されること」「責任感」などがあるとされています。

たとえば、このまんがのように「みんなうまくなったね」という言葉に代表されるように、達成感を得たり、リーダーに承認された事は動機づけの要因となります。

  • ビジネスにどうやって活かすか

さてこのハーズバーグの動機付け要因衛生要因理論ですがどのようにビジネスに活かせば良いでしょうか。

一つは働く人のモチベーションを高めるためにこの考え方を生かしていくというアプローチです。

この理論では衛生要因と動機付け要因という二つの要因があると言っています。

そのためまず衛生要因を満たすことを優先的に考えます。

なぜならば衛生要因が満たされていない場合不満につながってしまい、働く人のモチベーションが上がってこないからです。

またある程度衛生要因満たしたにもかかわらず、衛生要因の向上だけに固執するような考え方も危険です。

ひたすら職場環境良くすることだけを考えていたとしても、衛生要因が満たされ不満ではなくなるかもしれませんが満足にはなかなか繋がりません。

そのためある程度衛生要因が満たされたと判断された場合、動機付け要因である仕事内容や達成感についてしっかりと考えてデザインしていく必要があるのです。

組織論
2011年7月18日

マズローの欲求段階説 | 人間の欲求には順番があるとする考え方です

マズロー欲求段階説_001
マズロー(Maslow)の欲求段階説とは、人はいくつかの欲求を持っているが、それらの欲求は階層構造を形成していると考える説です。この欲求は低次のものから順に
1.生理的欲求
2.安全欲求
3.社会的欲求
4.尊厳欲求
5.自己実現の欲求
となるとされています。

この説は階層の低次の欲求が満たされた場合のみ、より高次の欲求へ段階的に移行すると仮定されているのが特徴です。たとえば、1.生理的欲求が満たされない場合には、2.安全欲求も3.社会的欲求も生じないとされています。

このまんがの例のように、のどが渇いて死にそうな場合、水さえ得られれば、そこが安全な場所かどうか?仲間に受け入れられるかどうかなど、究極的にはどうでもよいということです。

それでは、具体的に欲求の中身についてみていきます。
1.生理的欲求
人間が生命を維持するための欲求です。食欲、睡眠欲、性欲などの根源的な欲求が該当します。

2.安全欲求
安全な状況を望み、不確実性を回避しようとする欲求です。このまんがのように、野犬などに追いかけられずに済む状況を人は望んでいるといえます。

3.社会的欲求
集団への所属、友情、愛情を求める欲求です。

4.尊厳欲求
他者からの尊敬や地位を求める欲求です。

5.自己実現の欲求
自己の成長や発展の機会を求める欲求です。このまんがのように、うまく演奏できるようになったなど、自分の潜在能力を発揮したいと考える欲求です。

キャプチャ

  • 商売にこの考え方をどうやって活かすか
さて、ビジネスにこのマズローの欲求5段階説をどうやって活かすかが読者の関心事だと思います。

一つのアプローチは、このような欲求があるということを認識しそれぞれの欲求段階に対して価値を提供していくというアプローチです。

具体的には
  1. 安全や安心を提供するようなサービスを提供していく
  2. 社会的欲求を喚起し帰属意識を高揚させるようなサービスを提供する
  3. 尊厳欲求を刺激するようなステータス性のある商品を提供していく
といったアプローチです

但し、マズローの欲求5段階説は、例えば安全欲求が満たされていない環境にいる人に対しては、社会的欲求を喚起したり、尊厳欲求を刺激しても効果が薄いと指摘していますので、消費者の情況を確認しながら提供する価値を考えて行くという方法論です。

もう一つのアプローチは、社内の管理に活かすというアプローチです。

この欲求五段階説は欲求には順番があると教えています。

そのため必要最小限の待遇を提供できない企業が、どれだけ帰属意識を高めるような施策をとっても効果が薄いと考えられます。

また生理的欲求や安全欲求が既に満たされている職場において、さらに安全な職場やさらに健康に良い環境を用意するといったアプローチはあまりモチベーションを上げることには繋がりません。
(もちろん大切なことですが)

そのためこのような段階に至っていると判断できるのであれば、社会的欲求として帰属意識を高めたり尊厳欲求に対して、自尊心を高めて働けるような環境を作るといったことに力を注いだ方が望ましい結果が得られます。

直接経営に関係内容に思われる理論ですが、人間に対する優れた洞察を与えてくれる考え方ですね。
経営
2011年7月11日

BCP(事業継続計画) | 最優先で復旧させる部門を決めると言うことは復旧を後回しにする部門を決める事です

bcp_001
BCP事業継続計画(Business continuity plan)とは危機的な出来事が発生しても事業が継続あるいは、目標時間内に復旧できるように予め立てておく計画の事を言います。

似た概念として先日解説したコンティンジェンシープランという考え方があります。簡単に違いを説明しますと、コンティンジェンシープランは危機的な出来事の発生時にどのように対処するかを中心に考えているのに対し、BCPは事業継続に重点を置いている点が異なるというところです。

とにかく最優先で復旧すべき事業内容を特定しておき、 ひとたび大災害が発生した際にはその復旧を最優先で行うというイメージですね。


BCPは、以下の手順に沿って策定されます。

1.業務が抱えるリスクと損害を洗い出します。
 例えば、有害な物質を原材料として使用している工場を考えます。有害物質が漏れ出す危険性と、それが漏れ出した場合の損害がどの程度になるかといった事を洗い出していきます。

2.優先的に復旧する業務を明らかにする。
 例えば、電力供給が断たれると1.の有害物質の漏出の原因になる事が明らかなのであれば、電力供給の復旧は優先的に対応する業務となります。

3.目標復旧時間や復旧手順を計画する。
 優先的に復旧する業務の目標復旧時間や復旧手順を計画しておきます。

このマンガでは調理場が使えなくなった場合に備え、予め近くの定食屋の調理場を使えるようにしておいたようです。

まあ難しく書いていますが、一言で言うならば「備えあれば憂いなし」という事ですね。

  • BCPには社長の関与が必須
上でBCPについて概論を述べましたが、自然災害が多くなっている昨今、BCPについて掘り下げて行きます。
 
掘り下げて行く中で 注意が必要なのは、会社の中核となる事業を何にするか、最優先で復旧するべき事業は何であるかを特定するのは、中小企業においては社長の他にないということです。
 
どのような組織であっても、組織で働いている人は自分の事業こそもっとも重要であると考えます。これは当然のことですし、そのような矜持を持って仕事に取り組むというのは非常に良いことです。
 
しかし組織全体で考えたときに、全ての事業を平等に復旧することはできません。
 
そのためBCPを定める際には、社長が関与して自社の中核の事業はこれで行くと優先順位を決めていく必要があります。 
 
このような事があるため、トップマネジメントがリーダーシップを持って決定せず、社内の様々な部署から関係者を集めて決めようとすると「全ての事業をできるだけ早く復旧する」という名ばかりBCPができてしまいます。
 
 
  • 信用にも繋がります 
BCP をあらかじめ定めておき、災害が発生した場合でもAという事業はなるべく速やかに復旧させるとしている企業があったとします。
 
他方、 BCP を定めておらず災害が起こった場合どのようにすればいいのか分からなく、とにかく全部の事業を復旧させるとしている企業があるとします。
 
あなたの会社はどちらと取引をしたいと考えるでしょうか。
 
もちろん取引関係や信頼関係がありますので基本的には従来の取引先と取引をしたいというのが通常の発想です。
 
しかし、 あまりに長期間にわたって操業停止が続くと、自社の経営に対する悪影響も大きくなってしまいます。
 
そのため、災害が起こった場合速やかに復旧させるという計画あらかじめ取っている企業の方が、 取引先としてより安定していると考えることができるでしょう。
 
このように、BCP を定めることによって、自社の速やかな復旧のみならずサプライチェーン全体としての責務を果たすことも出来るのです。 
 
この観点から、BCP を定めることができれば、競合他社に対して優位に立つことができると考えられます。
 
そして、最終的には様々な企業 BCP を策定し、災害に対して経済的に強靭な社会を作っていくことが重要ではないでしょうか。
 
  • あらかじめ作成しておく意味は?
ひとたび災害が発生すると、やらなければならないことがたくさん生じてしまい何からやればいいのかという優先順位をつけることすら大変になってしまいます。
 
そのため、あらかじめ何をすべきかを決めておくことが重要なのです。

経営
2011年7月10日

参入障壁 | 経済活動は原則自由ですが簡単に参入できない目には見えない壁があるのです

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参入障壁とはある業界への新規参入を防ぐ障壁の事をいいます。参入障壁が大きいほど新規参入が困難になり、既存の事業の競争が緩和されます。

この参入障壁の大きさは先日ご紹介したファイブフォース分析の新規参入の脅威の大きさを決める要素となります。

簡単に復習すると、参入障壁が大きな業界は、新規参入が起こりにくく競争が緩和されます。逆に参入障壁が小さい業界は新規参入が盛んになるため競争は激しくなる傾向があるという事です。

では、何がこの参入障壁の大きさを決めるのでしょうか。以下の要因が考えられます。

1.既存事業の優位性
 規模の経済がとても強く働くような事業、不動のブランドを確立されている事業、独自の技術がある事業、購入先を変えるコストが大きい事業などは既存事業が優位(参入障壁が大きい)とと考えられます。

2.法規制
 そのものズバリで、参入が規制されているような事業の参入障壁はとても強いです。

このマンガの食堂のおばちゃんは、既存顧客のロイヤリティーを高めるべく新メニューを続々と投入するだけでなく、政治力を駆使して参入を禁止させてしまう事を考えているようです。

  • 代表的な参入障壁
それでは、具体的な参入障壁を見ていきます。

上で既存事業の優位性が参入障壁に当たると書いていますが、それはなぜでしょうか?一つ一つ検討してみます。

・規模の経済
規模の経済が強く働くような事業においては、後から参入した事業者が十分な競争力を持つためには相当な規模を最初から確保する必要が出てきます。

例えば大規模な製造能力を確保した装置産業が主流となってるような境界が挙げられます。

このような業界で十分な競争力を保つためには競争相手よりも大きな設備を持つ必要が出てきますので、新規参入の意思決定は非常に難しくなります。

例えば競争相手が100億円の設備を持っているとして、自社がそれに対抗するためには100億円以上の投資が必要となれば容易には新規参入できませんよね。

・不動のブランド力とは
不動のブランド力がある企業と対抗するためには、十分な品質を備えるだけでなく十分に価格を競争力も必要となります。

品質と価格は一般的には両立し得ないものですので、このような先行している事業者がいるような業界にはなかなか参入できないのです。

・独自の技術

独自の技術が必要な業界については、その技術を持っていないと参入できません。

技術を手に入れるためにはコストをかけて自社で研究開発するか、知的財産権をどこかから入手してくる必要があります。

いずれにしてもコストに跳ね返ってくる為、参入は容易ではないのです。

・購入先を代えるコストが大きい業種
いわゆるスイッチングコストが大きな業種というものです。

例えば業務フローに完全に組み込まれた使い慣れたシステムを入れ替えるとします。この場合多少のコスト優位性では既存の契約をひっくり返すことはできません。

なぜならば既存の業務フローを全てを変える必要があるからです。

そして既存の業務フロー全てを変えるということは表面上は見えませんが莫大なコストがかかります。このような目に見えないコストが参入障壁となるのです。

5そのほかの参入障壁

この他にも独自の流通チャネルを獲得しなければならないであるとか、既に知的財産権で必要な技術を囲い込まれている。経験曲線効果が強く働き、先行している事業所に対してコスト面で追いつくことが到底できない。

などといったことが考えられます。

逆に言えば上に挙げたような参入障壁をいかに築いていくかが、競争優位を永続的に保つために我々が工夫すべきことなのです。



関連用語
移動障壁
スイッチングコスト
経営
2011年7月7日

範囲の経済 | 経営資源を共用することで生まれる効果なので、うまく使うことが成功のカギになります

hanni_001
範囲の経済とは、単一の事業ではなく複数の事業を持つことによって、低コストの運営が可能になることを言います。シナジーと非常に近い考え方ということもできるかもしれません。

範囲の経済性とも呼ばれ、企業規模が拡大することにより、様々な経営資源を共用することができるようになるために生じる効果であると言われています。

近い言葉で規模の経済がありますが、規模の経済は単一の製品やサービスの生産量が増加することで生じる効果です。

範囲の経済はこれとは異なり、様々な製品やサービスを一つの企業が提供する事で生まれる効果なのです。 簡単に比較すると以下のような関係性になります。

範囲の経済 規模の経済
発生する条件 一つの企業が多数の事業を行うこと 一つの事業の規模を拡大すること
生じる効果 総コストの削減 総コストの削減
効果が生じる理由 経営資源を共用することができ、単一の事業を実施する時に比べ固定費が薄まるため たくさん作ることで、固定費が薄まるため

  • 範囲の経済は経営資源が共用できることで生じる
これは、経営資源が共用できるためといわれています。経営資源が共用できると追加の費用をあまりかけずに(つまり単一事業をもつ同業他社と比較して低コストで)事業を運営する事が可能となります。

以下、具体的にどのような経営資源が共用できるかを見ていきます。

1.既存事業の販売チャネルやブランド

既存事業が持っている販売チャネルやブランドをそのまま用いることが可能です。イメージとしてはブランドを確立し店舗網を持っている薬屋さんが、関連商品として介護用品を取り扱う感じです。この場合、○○薬局の介護用品とのブランドや、店舗網がそのまま活用可能です。

2.既存事業の生産設備

既存事業が持っている工場や機械を使用できれば、追加の設備投資をせずに、新規事業に進出することが可能です。

3.固有の技術

食品事業を営んでいる企業が、その事業のなかで獲得した技術を用いて、健康食品事業に進出するケースなどがあります。


但し、何でもかんでも範囲の経済が生じるわけではありません。まんがで指摘しているように、全然合わない食品を製造・販売したり、本業のイメージを損なうようなものを製造・販売すると、範囲の経済はうまく働かないといわれています。
  • 範囲の経済を大きく働かせるためのコツ 
範囲の経済はこのような理屈で生じます。そして、範囲の経済を大きく働かせるためのコツもこの理屈から導き出せます。

それは、事業の重複範囲をなるべく大きくさせることです。

例えば、いくら範囲の経済が効いていると言っても、薬局が自社店舗の空きスペースでオーディオ機材を売るよりは、健康食品を販売する方が範囲の経済は大きく働きます。

これは、販売員といった経営資源がオーディオ機材を売る場合にはあまり重複しませんが、健康食品を売る場合には重複するためです。

また、調味料を作っている企業が、その発酵技術などを活かして健康食品を開発するなどと言ったことも範囲の経済が大きく働くと考えられます。
  • 単なる多角化とは違う
範囲の経済というと、多角化に走ろうとする相談を受けることがあります。

しかし、全く既存の事業と関係ない分野に進出してもあまり範囲の経済が効いてきません。

アンゾフのマトリックスの考え方で言うところの製品軸か、市場軸のどちらかを既存のものにすると言った考え方で企業を大きくしていけば、範囲の経済が働きつつ成長していくことができる可能性が高いでしょう。

解説で出てきた用語・関連用語
アンゾフの成長ベクトル
経験曲線
シナジー
規模の経済

経営
2011年7月3日

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

ppm_001
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、企業の複数の事業を市場成長率と、相対的市場シェアの高低によって分析し、全社レベルで最適な経営資源を実現するための手法です。

これは、先日解説した経験曲線
と、製品ライフサイクルから導き出された考え方です。すなわち、

1.どのような製品であっても、成長は鈍化する時が来る。
2.シェアの高い製品は、累積生産量が増やせるためコストを下げる事が可能である。
3.成長性の高い製品はそれだけ資源の投入が必要である。

という前提のもと、縦軸に市場成長率を、横軸に相対市場シェアをとった図を作成し、分析します。

ppm_1


花形製品
 花形製品はシェアが大きいため、コストを下げる事が出来るため資金流入は大きいですが、市場成長力が大きいため、その分資源の投入も必要であります。資金の流入はそれほどありません。

問題児
 問題児は、シェアが小さいためコストは十分に下がっていませんが、市場成長力が大きいため、資源の投入は必要です。そのため、資金の流出が発生します。

金のなる木
 金のなる木は、シェアが大きいため、コストを下げる事が出来るため資金流入は大きく、市場成長力は小さいため、資源の投入はあまり必要でないです。資金の流入が多く、まさに金のなる木です。

負け犬
 負け犬は、シェアが小さいためコストは十分に下がっていませんし、市場成長力は小さいです。資金の流入はそれほど無いもしくは、赤字になっている場合が多いです。


PPMの欠点としては、上のまんがで指摘されている通り、

1.モチベーションの低下と自己成就的予言
「負け犬」に位置づけられた人々の動機付けは非常に難しくなり、しかも「負け犬」のレッテルが貼られてしまうと、その事業部は内外双方の人がそのようにみる事によって、本当に負け犬になってしまいます。

2.質的評価が難しい
経営資源の蓄積(ノウハウなど)は評価が難しいため適正に評価されない場合があります。

3.新規分野の展開の手掛かりにはなりにくい
PPMの分析対象は既存事業であるため、新規事業へ進出すべき方向を見出すことは難しいです。
経営
2011年6月29日

製品ライフサイクル | 製品にも生き物と同様ライフサイクルがあるとする理論です

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製品ライフサイクルとは、生物が、誕生、成長、成熟、衰退へと至るプロセスをたどるのと同様に、製品にもこのプロセスがあるとする考え方です。

すなわち、

1.導入期は、製品が市場に導入された段階です。生物の誕生に対応する期間ですが、製品を市場に導入するため、比較的多額の費用を必要とします。産みの苦しみを味わう時期と言えますね。

2.成長期は、その製品が市場に受け入れられ、販売が伸びていく(成長する)時期です。高い成長率を誇り、生物の成長期に対応する期間です。

3.成熟期は販売の伸びは一段落して落ち着きますが、高い水準で維持される期間です。生物の成熟期に対応し、競争は激しくなりますが、高いパフォーマンスを発揮できる期間となっています。

4.衰退期は、販売が減少し、まさに衰退する期間です。

というように、需要と時間の流れを関連づけて考えます。

そして、製品ライフサイクルを図に表すと次のようになります。この図は縦軸に需要量、横軸に時間の流れをとり、需要量の線を描いています。
ライフステージ


この製品ライフサイクル理論と先日解説した、経験曲線を合わせてPPMという理論が導かれるのですが、こちらはまた後日解説いたします。

  • 製品ライフサイクル理論の活用方法

さて、ではこの製品ライフサイクル理論をどのように経営に活用していけばいいのでしょうか。


必ずしも製品はこのようなライフサイクルを辿るとは限りません。

しかし考え方に一つの指針を与えることは事実です。

そのため取り扱っている製品がライフサイクルのどこに当たるのかを想定しながらマーケティング戦略を考えていくというアプローチを取ることができます。

・導入期にあたると判断された場合は、まずは費用をかけてでも製品を認知してもらう必要があります。

知らなければ決して売れることはありませんのでとにかく知ってもらうことを重要視する必要があります。

その際どのような層に知ってもらうことが重要かと言うと、いわゆるイノベーターにあたる層です。

・次に成長期に当たると判断される場合は市場シェアを取りに行くことが重要です。製品がこの段階に到達すると、競争相手もどんどん参入してきます。

そのためマーケティングにかかる費用は相変わらず多く投入する必要が出てきます。

・成熟期に製品が当たると判断された場合は、マーケティング費用を徐々に抑えながら利益を最大化しつつ市場性を維持するという舵取りが求められます。

・そして衰退期に当たると判断された場合は、撤退を視野に入れるもしくは市場から利益を最大化するような価格戦略を取り収穫に入るという考え方もあり得ます。

なお経営資源に相対的に乏しい中小企業においては、あえて市場に留まり残存者利益を取りに行くという考え方もあり得ます。


関連用語
残存者利益 

組織論
2011年6月19日

プロジェクト組織 | 特定の目的のために集まってお仕事をする臨時的な組織です

project_001
組織が大きくなり合理的な組織を編成していくと、次第に組織が官僚的になり規則や手続きがそれ自体が目的となってしまい、かえって非効率な事が生じてきます。

この組織を活性化し、柔軟化させるためにいくつかの手段があります。今回はその中からプロジェクト組織についてお話します。

プロジェクト組織とは特定のプロジェクト(新製品や新事業開発の課題)に取り組むために一時的に編成された既存の各部門から知識や経験を持つ人を集めた比較的少人数の組織の事を言います。

このまんがでは、リズム感を養うべく、既存のパートという枠を超えて人を集めています。各パートから練習方法を考えるのがうまい人、リズム感に富んだ人や指導力の高い人を集める事が出来るため、柔軟かつ能率的なプロジェクトの運営が可能です。

ただ、プロジェクト組織の活動と普段のパートの活動がうまく両立できるか、プロジェクトに力を注ぎすぎて元の組織にすんなりと戻れるかどうかわからないといった問題があります。

まとめると、この組織の
短所は

1.出身母体となる組織とプロジェクト組織との間に軋轢が生ずる可能性がある。

2.プロジェクト参加者がプロジェクト終了後にすんなりと元の組織に適合できるかどうか分からない。

であり、

長所は

 1.必要な人を部署に関係なく集める事が可能であり、柔軟な人員構成が可能。

 2.それぞれの専門家を集める事が可能で、プロジェクト進行の能率がよくなる。

となります。 


neko_akire
ブツブツ…

onnanoko_bustup
どうしたの?浮かない顔しちゃって。

neko_akire
そうなんです。先日お店の陳列改善プロジェクトに抜擢されてキツネ君と一緒に仕事をしていたんですけど、プロジェクトが終わって元の部署にもどろうとしたら雰囲気がちょっと違うんです…

onnanoko_bustup_2
そうねぇ。君は自分の部署の利益を度外視してお店全体の事を考えてくれたから、お店としてはありがたかったけど、君の部署の子達からしたら微妙だったかも知れないわね。

neko_akire
そんなぁ。お店のために頑張ったんですけど。


  • 実際の運用の例
例えば企業の BCP プランを作成するために、社内の様々な部署から知見を持った人間を集めてプロジェクト組織を編成するということが考えられます。

この場合システム部だけではなくスタッフ部門である経理部や総務部また実際の営業部隊や製造部隊も集められるようなこととなります。

なぜかと言うと企業を存続させるために何が重要であるかについて関係各所が集まって考える必要があるからです。

またシステムの大規模な刷新に際し、社内から実際の業務の意見を集めるためにプロジェクト組織を構築するということもあり得ます。



ただこれらのプロジェクト組織はそのプロジェクトが終了した際に解散するという形となります。

BCP プランが出来上がったのに BCP プラン検討組織が存続し続けてもそのプロジェクトに参加している人達は仕事がありませんので解散して通常のお仕事に戻ってもらった方が合理的なのです。


このように企業の中で重要な業務について、通常の組織では解決できないようなものについてはプロジェクト組織を編成するというイメージです。
組織論
2011年6月13日

ラインアンドスタッフ組織 | ライン組織とファンクショナル組織のいいとこ取りです

linesuta_001
ライン・アンド・スタッフ組織とは、ライン組織とファンクショナル組織の短所を克服し両者の長所を取り入れることを目指した組織形態です。 

ライン組織の横の連絡が悪く、上位者の負担が増大する短所を、専門的知識を元に助言や助力を行うスタッフ組織を加えることにより解消することを目指したものです。

これによりライン組織の命令系統が統一されて、責任と権限の関係が明確になるという長所と、ファンクショナル組織の専門化されて統制の範囲が広がる長所を同時に生かすことができます。

■いいとこ取りです

ラインアンドスタッフ組織の基本的な構造はライン組織となります。例えば、社長から担当部、担当課、担当者といった形で一貫した指揮命令系統が敷かれます。

ただし、これだけでは専門化の原則が生かせていませんので、スタッフ組織として、ライン組織へ対する支援機能を持たせることで専門化の原則機能を持たせるのです。

組織図の通り、ライン組織の横に助言や支援機能をもったスタッフ組織がくっつくようなイメージです。

ラインアンドスタッフ組織

この組織形態は、軍隊組織における参謀部制の成功をきっかけとして生まれたものと言われています。 

ただし、スタッフ部門が重用し過ぎると、スタッフ部門とライン部門との対立が生じたり、スタッフ部門が大きくなり間接費が増大すると言った問題も生じます。 

上記をまとめると、以下のようになります。

■ラインアンドスタッフ組織の短所

1.スタッフ部門とライン部門の対立が生じる可能性がある。 
ライン部門にとっては、スタッフ組織が公式な権限を持たないにもかかわらず、実質的に様々な指示を出してくる状態になります。

通常の指揮命令系統はライン組織が持ち、結果についての責任もライン組織が持つこととなります。

権限と責任を一致させると言った管理上の原則からスタッフ組織は通常は公式権限を持たないはずですが、専門性に基づいた非公式な権限が増大しがちとなるため、実質的な指揮命令を行いがちです。

このような状況が進展すると、責任を持たないのに権限だけ持つと言った非常にいびつな状態となってしまいます。

2.組織が大きくなるとスタッフ部門が増大する
スタッフ部門の増大に伴い、間接費がどんどん増加します。


■ラインアンドスタッフ組織の長所は

ライン組織とファンクショナル組織の短所を克服し、長所を生かすことができるといった事につきます。

指揮命令系統はシンプルなままなので素早い組織行動が可能となります。また、管理者の負担が軽減されるといった効果もあります。

加えて、スタッフ部門から専門的な支援を得られるため仕事の能率が向上されるのです。
onnanoko_bustup
はー、どうやって経営していったらいいのかしら。ねぇ、財務アドバイザのヒヨコさん。どう考えます?

hiyoko
そうねぇ。今のところ財務面には余裕があるから思いきって販促費をかけてみたらいいんじゃないかしら。あとは、将来の資金繰りをにらんで、支払いサイトの交渉もしたらどうかしら?

onnanoko_bustup
そうね、じゃあ販売部門のネコ君にお願いしておくわ。ただ、支払いサイトの交渉は今はやめておくわ。景気が悪くなりそうだから、資金繰りに余裕がないというメッセージになりかねないので。

なお、当初はライン組織を選択していた組織でも、組織規模が大きくなってくるとラインアンドスタッフ組織が選択されるケースが多くなります。

この際に、あくまでスタッフ組織のアドバイスを誰が責任を持って採用する、採用しないを決めるのかについて明確にしておくことが重要となります。

解説で出てきた用語・関連用語
間接費
ライン組織
ファンクショナル組織
組織論
2011年6月8日

ファンクショナル組織 | 専門化の原則を貫いた組織ですが運用難易度が高くなります

function_001

ファンクショナル組織とはそれぞれの担当する職能に関してのみ部下を指揮命令する権限を持った組織です。(専門化の原則を重視しています)

ライン組織と並ぶ組織の基本形態とされていますが、担当者を専門分野毎に指揮命令するため運用が難しい組織形態です。

■専門分野で部下を監督します


このファンクショナル組織は、それぞれの専門分野のみで部下を監督します。

例えば、5Sを専門にしている人は、5Sの指導を、組み立てを専門にしている人は組み立てについて指揮命令を行います。

組織図にすると、次の通りです。

ファンクショナル組織


万能な能力を持った人はいないので、自分の専門分野ならば容易に指揮命令できるでしょうといった発想から生まれた組織形態です。

と、なんだか思いつきで生まれたような気もしますが、テイラーの科学的管理法が理論的背景となっています。

ただ、組織図を見て直感的に「うわぁ」と感じた人もいると思いますが、そのような直感はあたっています。複雑な組織なので、混乱が生じやすいですし、調整も大変になるのです。

■ファンクショナル組織の短所は



1.複数の上位者から同時に命令を受ける事があるので、混乱が生じる。
上位者が何人もいると、誰の話を聞いたらいいかわからなくなるケースがあります。マンガの最後のコマのように、同時に異なる指示をされるケースがありうるのです。

このような状況となると働く人のストレスは非常に大きくなると考えられます。

2.それぞれの職能間の調整が難しい。
また、上長は自分の管轄する分野については掌握していますが、他分野の動きがわかりにくいので調整が難しくなります。

3.責任の所在があやふやになる
権限を明確に分割するのは難しいため、責任の所在があやふやになりやすいといった短所もあります。

また、誰の支持で仕事しているのかが不明確になりやすいことも責任の所在をあやふやにしがちです。

4.とにかく運用の難易度が高い
最後に実務的な観点では、とにかく運用の難易度が高くなります。このような管理ができる組織ならば、わざわざファンクショナル組織といった形態を取らなくても、しっかりと経営できると考えられます。

■ファンクショナル組織の長所は


と、悪いことを強調していますがファンクショナル組織にも長所があります。

1.統制の範囲が広くなる。
専門化の原則が生かされるので、部下の仕事全般を管理しなくて済むため、通常のライン組織より広い範囲の(数多くの)部下を統制できます。

このマンガの例だと、各指導者は自分の得意分野に集中するため部内全員を指導できます。

2.それぞれの職能が専門化するので、管理者が確保しやすい。
管理者の資質として求められる範囲が狭くなるため、管理者の確保が容易になります。

onnanoko_bustup
クリンリネス担当のヒヨコさん。教えてやってください。


hiyoko
はい、クリンリネスは…


onnanoko_bustup
接客担当のキツネ君よろしくね。


kitsune
接客の基本は…


onnanoko_bustup
システム担当のクマ君。指導を頼むわよ。


kuma
システムの基本は…


neko_akire
ちょっと待って、なんでみんなで僕ばっかりに指示するの?あと、誰の指示に従ったらいいの?


onnanoko_bustup
管理者を確保しやすいから、専門で分けてみました。




解説で出てきた用語・関連用語
科学的管理法
ライン組織
ラインアンドスタッフ組織
クリンリネス
5s
組織論
2011年6月6日

ライン組織 | シンプルな組織形態ですが、多くの場合この組織をしっかり作ることが有効です

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ライン組織とはトップから現場従業員の段階まで、単一の指揮命令系統で貫かれた組織です。(命令一元化の原則によって貫かれています)

組織管理の基本形の一つとなり、いわゆるピラミッド型の非常に明快な組織になります。

図のように、単純明快な組織となります。

ライン組織


■ライン組織の短所は


この組織形態の短所は漫画にある通り、

1.上位者に過大な負担が集中し、適切な管理が難しくなる。
管理すべき範囲が大きくなりすぎると、仕事量が増えすぎてしまい、管理能力を超えてしまいます。その結果、適切な管理が難しくなります。

2.下位者は権限が小さいため、モチベーションが低下する。
上の図のように、下位の人は仕事の範囲が狭く、モチベーションの維持が難しくなります。

3.縦割り組織となるため横の連携が難しい。
指揮命令系統が単純明快ですが、横の連携は特に考慮されていないため共同して何かをするというのが難しくなります。

また、臨機応変な対応も難しくなることから組織全体の作業能率が低下するケースがあります。

という事です。

■ライン組織の長所は


長所は短所の裏返しで

1.命令系統が明確なため、組織形態が明快となる。
図の通り、組織図を覚えるのは簡単になります。また、トップダウンが徹底されるので意思決定を迅速に行うことが可能となります。

トップが有能で、判断する際に考慮すべき情報を扱える範囲であればとても有効な組織形態です。

2.秩序が保ちやすい。
誰が偉いかがはっきりわかるので、秩序を保ちやすい組織形態です。

3.責任権限が明確となる。
誰が何をすればいいのかが明確ですので、責任権限ははっきりしています。

というところです。単純な作業の管理に向いている組織形態と言えます。

onnanoko_bustup
単純な指揮命令系統って、規模が大きくない組織では責任の所在も明確になるのよね。


hiyoko
でも、大きな組織になると、決裁待ちが発生して身動きが取れなくなる危険性もありますわ。



我が国の99.7%は中小企業であり、ある程度の規模まではライン組織は有効に運営できるため、多くの組織はこのライン組織として運営されています。

ライン組織は弊害が強調されて批判されがちですが、職務内容が単純でリーダーシップが有効に働く規模であればやはり最適解となっています。

解説で出てきた用語・関連用語
ファンクショナル組織
ラインアンドスタッフ組織
経営
2011年5月31日

ローリングプラン | 環境の変化に対応して事業計画を修正するという考え方です

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どんなに完璧に立てた計画でも、時の経過による経営環境の変化によって次第に適切でなくなってきます。

ローリングプランとは当初立てた中長期の計画を定期的に見直し、現実とのズレを埋めていくために当初の計画に修正を加えていく事です。

この例のように、当初の計画を元に現実に合わなくなった部分を見直すイメージです。不測の事態が起こった場合はコンティンジェンシープランのようにその事象に対応した計画へと切り替えます。

  • 具体的には

さてこのローリングプランですが、具体的にはどのような手法を取ることになるでしょうか。

例えばインバウンド需要を見込んだ古民家民宿を事業計画として考えたとします。古民家民宿をやるために借入を起こし10年で返済するという計画を立てていたとします。

事業計画ですので3年から5年の中長期の計画としてある特定の国籍の人に対して、リーズナブルな価格で日本文化を体験してもらうといったコンセプトで集中して集客を行うと考えていたとします。

古民家の雰囲気と板前さんが作る絶品の日本料理を宿の強みであると考えた事業計画です。

当初1年目においては、順調に外国人観光客を誘致できていたのですが2年目以降ターゲットとしていた国の経済状況が変わり、もっと高級な旅館が好まれるようになったとします。

このような場合に当社は計画に固執していても、借入金の返済は難しくなってしまいます。

そのため当初の計画を新しい事業環境に応じて修正しその当初かターゲットとしていた国と文化的に近い別の国をターゲットとすることにしました。

このように当初の計画を部分的に見直し、現実とのズレを機動的に埋めていく手法をローリングプランと言います。

  • 自社の都合で計画を修正する場合もあります


また上の民宿の例ですが経営の外部環境も変わらなくともローリングプランを考えることもあり得ます。

例えば頼りにしていた板前さんが家庭の事情で民宿を辞めてしまったとします。

その場合当初考えていたような卓越した料理は提供できません。

この場合も無理に当初の計画にこだわるよりも、板前さんがいなくても出せるような料理で日本文化を体験していただくような新たな方法を考えてく方が現実的です。
このように当初立てた計画に固執せず pdcaサイクルを回しながら計画を調整していくような経営手法をローリングプランと言うのです。


ただし用語の説明とは異なりますか、実務的には事業計画の遂行が難しくなったとしても、なんとか工夫して対応する事を最初に考える方が望ましく、あまり頻繁に事業計画を変えることは望ましくありません。
経営
2011年5月30日

PDCAサイクル | 計画と 実績の差異の検証を回し続ける事が重要です

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PDCAサイクルとはP(Plan)計画、D(Do)実行、C(Check)評価、A(Action)改善のサイクルを回し、品質の向上、業務の改善を継続的に行っていく事です。

この4つのプロセスの結果を次のP(計画)にフィードバックする事により継続的に改善していくことが目的となります。

この例では、計画を立てて、実施する所で終わらせるのではなく、結果を評価し、改善策を考え次の計画につなげていく事までやっています。

つまりやりっぱなしではなく、やった結果を生かす事が大切であるという事です。

  • PDCAの具体的手順


P:Plan 計画
pdcaサイクルはまずプラン(計画)から始まります。何はなくても計画がなければその後の実行も評価も改善もできません。

ただ、実務的にはこのプランについては完璧なものを作るために時間をかけて pdcaサイクルを回せないということが発生します。

せっかく計画を立てるのであれば優れた計画を立てた方がよさそうですよね?

しかし pdcaサイクルを回しながら改善していきますのでプランについてはとりあえず暫定的なものであると割り切って作るのも一つの考え方です。

ただし暫定的に計画を立てるとはいえその後の検証まで踏まえた計画を立てていくことが望ましいです。

具体的には定量的といって数字で測れる計画を重視して行きます。例えば営業であれば営業回数などを計画に盛り込んでいく必要があります。

D:Do 実行
では実行段階です。この段階ではなるべく計画通りに実行するように努めていきます。

ただし計画通りに物事が進むようなことはほとんどありえません。

そのため計画から実績が乖離したとしても諦めずに進めていきます。

またこのDoの段階で大事なことが一つあります。それはしっかりと行動を記録に残しておくことです。

この記録が以後のチェックおよびアクションで生きてきます。逆に言えばプランで立てた実行計画に対して Do の段階で記録を残しておかなければ pdcaサイクルは決して回らないのです。

C:Check 評価
チェックの段階では実際に計画したい内容が実施できているかどうかを確認します。


ここでよくある誤りとして目標に届いたから良かった目標を超過したからすごく良かった目標に届かなかったから全然駄目だったと単に良し悪しを評価するという考え方です。

pdcaサイクルは継続的な改善を図ることが目的であるため今回計画が実行できたかどうかは本質的なところではありません。

そうではなく計画よりよくできたのであればなぜよくできたかという要因分析が重要です。

逆に計画を下回った場合なぜ計画を下回ってしまったかという要因分析が重要となります。

A:Action 改善

アクションとしてチェックで検証した結果を受けて改善策を考えていきます。

そのためしっかりと何が要因で計画と差異が出たのかを明確にしておかなければ改善策は出せません。

他に計画を下回ってしまったというだけの分析であれば、前期よりももっと頑張りましょうと言う精神論に近い何の役にも立たない改善策しか出てきません。

そうではなくこれこれこういう理由で計画を下回ってしまった故にこのような政策を取るというふうに考えていく必要があるのです。

  • PDCAサイクルは回し続ける必要がある


さてこの PDCA はサイクルという名前が後に着いています。

名前には意味がありサイクルというだけあって継続的に何度も何度も回し続けるということが意図されています。

そのため単年度の事業として考え pdcaサイクル一度だけ回すというのは本質的には pdcaサイクルではありません。

  • PDCAサイクルの例

例えば pdcaサイクルをパン屋さんが回すとします。

最初に販売計画と生産計画を立てるとします。

この計画は数で測れるようにする必要があります。

具体的には、子育て世代のお客様に10ヶ食パンを売るという計画を立てたとします。

そして計画を立てた後はしっかりと子育て世代に10個パンを売ることを目的に活動を行います。

目標を立てることの弊害なのですが仮にパンの売り上げは非常によく、
目標期間の途中で目標を達成してしまったとしても手を緩めてはいけません。

しっかりと期限いっぱいまで販売活動がんばり最終的に売れた数で検証するということが必要です。

そして計画期間が終了した後売れた数と計画を検証します。

この例では売れた数のほうが多いわけですからなぜ計画よりたくさん売れたのかを突き詰めて考えていきます。

そしてその結果得られた知見を持って次回の計画にフィードバックしていくというのが pdcaサイクルの考え方です。

このサイクルを何度も何度も繰り返し業務プロセスを継続的に改善していくことが重要なのです

経営
2011年5月28日

経営計画 | 会社全体の目標を定義してそれを達成するための計画です

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経営計画とは経営理念や目的、目標、ビジョンを実際にどのように実現するか表現したものです。この経営計画は期間・対象・内容によって以下のように分類されます。

期間で分類した場合
長期計画
 5年から10年といった期間を対象とします。期間が長すぎるため策定する意味合いは低下しています。
中期計画
 2年から3年の期間を対象とします。戦略的な目標も加味されるので、重視されます。
短期計画
 半年ないし1年の期間を対象とします。予算計画として立案される事が多いです。

対象で分類した場合
・総合計画
 経営活動全般にわたる計画です。
・個別計画
 販売、製造、購買など特定の活動領域に対して立案される計画です。


内容で分類した場合
・戦略的計画
 企業が存続、成長するための基本的な方向を示す計画です。
・戦術的計画
 日常業務を効率的に運用するための計画です。

いずれにしても、計画を立てて実行するという事が目標を達成するために必要となってきます。

  • 経営計画と事業計画

経営計画によく似た概念として事業計画と呼ばれるものがあります。

小規模な事業であったり創業したての授業においては経営計画と事業計画はほぼイコールと見なせます。

しかし大規模な事業となってくると経営計画と事業計画は異なるものです。

具体的に何が違うかというと経営計画は会社全体経営全体の計画であるということです。

これに対して事業計画は事業単体の計画です。

経営計画は会社全体の目標であったり理念を、
どのように達成するかについて考えていくもの、
つまり場合によっては複数の事業を計画を同時に走らせるための上位計画であるのに対して、
事業計画は事業単体の計画となります。

正確ではないですが大きな会社において色々な部門を統括する全体の計画が経営計画であると考えるならば、事業計画は単一の授業の計画であると考えることができます。

  • 経営計画を作ることの利点

PDCAサイクルを回すことができるため改善に役立つ

経営計画があれば現在の取り組みがその経営計画の達成に役立っているかどうかを定期的にモニタリングすることが可能です。

例えば計画で1年後に1000万円の売上を上げるとしてるのであれば、1年後の売り上げが1千万円でなければ何かが間違っているもしくは何かが当初の想定よりもうまくいってると考えることができます。

その結果 pdcaサイクルを回すことができ、より良い経営を行うことができるのです。

・経営資源の調達に役立つ

経営計画を立てることにより利害関係者に対して自分がやりたいことを明確に説明することができます。

その結果企業外部から例えば人材であったり資金があったりといった経営資源を調達することが可能となります。

何をやりたい会社なのかを明確にできれば優れた人材を獲得することも可能となるというわけです。

また経営計画明確であれば、行動に一貫性が出ますので取引先からの信頼を得ることにも繋がります。

  • 経営計画の要素

具体的に経営計画にはどのような事を盛り込むと良いのでしょうか?一般的な内容を例示してみます。

・経営理念を明確にする
その事業を通じてどのようなことを成し遂げたいのかを明確にしていく必要があります。

どこに行きたいのかが分からなければどうやって行くかという計画は立てようがありません。

そしてどこに行くかという事を定義するのが経営理念なのです。

・自分や周りを知る(経営環境を明確にする)

自社がどのような経営資源を持っているのかがわからないと計画を立てようがありません。

またその自社の経営資源は企業を取り巻く環境において有効なのかどうかについても考えていく必要があります。

自分と周りもっと言ってしまえば敵を知ることが経営計画の第一歩なのです。

・何をするかを明確にする

その上で自社は何をするかを明確にします。

自社が何をしたいかについては経営理念で明確になっておりますので、それを達成するためにどのようなアプローチをとるかを考えていくのです。

整理の方法はさまざまありますが例えば、誰に対してどのようなサービスをどうやって提供するのかといった形で定義していくとわかりやすいと思います。


このように経営計画とは非常に言葉で書くと一般論を列記するようなものとなっています。

ただなぜ一般論かと言うとそれがやはり優れた経営の要諦だからです。

是非事業を営んでいらっしゃる方は自社の経営計画を立ててみてください。またお勤めの方は自分の会社自分の組織の経営計画をよく読み込んでみてください。

特にお勤めの方に対しては、自社の経営計画をしっかりと理解してそれに沿った行動を行っていくことで頭角を現してことが可能となります。

その結果ご自身も自社の経営計画の策定に会ができるような立場に立つことも夢ではありません。


関連用語
PDCAサイクル
経営理念
経営
2011年5月25日

ファイブフォース分析 | 市場の外部環境を見逃しがちな5つの観点で分析する手法です

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ファイブフォース分析とは業界を取り巻く5つの競争要因からその業界の魅力度を測るフレームワークです。

例えば、今現在競争相手のすごく多い業界、いつでも競争相手が参入できるような業界は一般的に業界の魅力があまり高くないという事が出来ます。(儲ける事が難しいため)

その5つ要因とは「業者間の競争」「新規参入」「供給者」「需要者」「代替品」です。

「業者間の競争」とは、自社と既存の競争業者との競争です。
「新規参入」とは、新しい参入者が業界に入り込んでくる可能性です。参入障壁が低い業界は競争が激しくなりがちです。
「供給者」とは、供給業者が少数であったり交渉力が強い場合、必要な資源を手に入れるためにより多くの費用がかかり、自社の利益が少なくなりがちです。
「需要者」とは、需要者が少数であったり、大口であったりする場合、交渉力が強くなるため、自社の利益が少なりがちです。
「代替品」とは、顧客のニーズが代替品で満たされ自社の製品・サービスの存在価値が少なくなりがちです。

ファイブフォース.jpg


この例ではそのうちの2つを示しています。

チェーン店が多いというのは「業者間の競争」が激しいという事ですし、色々なお茶があるという事は「代替品」の存在があるという事です。


  • 業者間の競争とはなにか


この業者間の競争とは直接の競合関係が当たります。

一番想像しやすい競争関係であると思います。

例えば隣に同じようなお店ができたら競争を激しくなります。また容易に撤退できないような社会的意義が大きい事業であれば、競争相手が市場にひしめいてしまいますので競争は激しくなります。

このように撤退できないような産業として大規模な装置産業が挙げられます。

この種の産業は生産設備を導入するために非常に多額の金額がかかっています。それだけならば単なるサンクコストなので無視しして撤退の意思決定をしてもいいのですが、会計上その設備の減価償却が終わっておらず残存価額があるとすると大きな減損処理をする必要が出てしまいます。

そして経営者は自分の代で減損処理をして会社を赤字にしたとみられることを非常に嫌がるため、客観的に見て供給過剰であっても撤退することができないのです。

このように市場内の業者間で競争が激しくなれば、その市場で得られる利潤は少なくなるため市場の魅力は減少していきます。

  • 新規参入とは何か


新規参入の多さも市場の魅力を削ぐ結果となります。

新規参入が多ければ多いほど市場内の競争を激しくなり適正な利益を得ることが難しくなっていきます。

特に自社が特別なブランドを持っていたり何らかの差別化要因を持っていないような場合、
この新規参入は非常な脅威となります。

自社と同じような商品を売る競争相手がどんどん出てくれば、
自社の競争環境はどんどん厳しくなるのは当然です。

  • 売り手の交渉力(供給者)

通常は上の二つだけで競争環境を考えがちですがファイブフォース分析においては売り手の交渉力も考えていきます。

売り手の交渉力と言うとなかなかピンと来ませんが具体的には原材料などを売ってくれる供給業者の交渉力のことが挙げられます。

どうしてもその業者から仕入れないといけないといった状況では原材料の価格が高止まりしがちです。

また原材料の供給が逼迫してくると売り手の交渉力が非常に強くなり市場の魅力が減退していきます。

  • 買い手の交渉力(需要者)


さらに買い手側の交渉力も重要です。

例えば買い手側が大手小売業であり非常に価格交渉力を持ってたとすると、

よほどの差別化要因がない限り強烈な価格交渉を受けてしまい十分な利益を得ることが難しくなってしまいます。

そのため相手の価格交渉力が非常に強い市場はそれほど魅力的ではないと5フォース分析では考えることができるのです。


  • 代替品

さらに決定的なのが代替品の脅威です。

例えばどんなに良いものを売っていたとしても優れて代替品が出てしまえば陳腐化してしまうという恐れがあります。

例えば抜群の性能を誇るそろばんを非常に沢山売っていた会社があるとします。

このような会社は計算機という機能を考えると、

電卓という代替品が出た段階で決定的にその魅力がそがれてしまいます。

もちろんそろばんは能力開発という別の側面で有益なものですので完全には陳腐化しませんでしたが方向性としては概ね以上のようなことが挙げられます。


  • ファイブフォース分析の利用方法


このファイブフォース分析は自社を取り巻く市場環境を分析する際によく用いられるフレームワークです。

ファイブフォース分析を基に市場に存在する脅威を特定し、対応策を考えていくというアプローチとなります。
経営
2011年5月11日

コンティンジェンシープラン | 予期せぬ事態に備えてあらかじめ計画を立てておく事が重要です

kon_001
コンティンジェンシープランとは起こりうる不測の事態に備え、その被害を最小限に抑えるために迅速な対応を採るための復旧計画の事を言います。

電力供給がストップした時に備え、予備の電源を用意する、担当者の急な不在に備え、組織として業務が止まらない様にバックアップ体制を構築するなど、不測の事態が生じても、被害を最小限に抑え復旧できるようにしておく事が大切です。

この例では、教頭先生が予め各教員のデータをバックアップしていたおかげで、成績がつけられないという事態は避けられるわけです。

  • コンティンジェンシープランを立てることによるメリット


コンティンジェンシープランを立てることによって、あらかじめ企業にとってのリスク要因を特定することができます。

そして特定したリスク要因に対してどのような対応をするかをあらかじめ決めておきますので、いざ災害が発生した時に迷わずに対応することができます。

この、迷わずに対応できるということが非常に重要です。

通常はリスクが顕在化した時には意思決定をするだけの組織的なリソースを取ることが難しくなってしまい、対応が右往左往してしまいがちです。

しかし、コンティンジェンシープランを決めていくことによって、予め余裕がある時に対応方針を決めておけるので、実際にリスクが顕在化した際にも言わずに対応することができます。

  • 検討項目は

さてこのように重要なコンティンジェンシープランですが具体的には何を検討すれば良いのでしょうか。

まずはどのようなリスクがあるかこれを明確にする必要があります。

その上でそのリスクがどのように顕在化するかというシナリオを考えておき、それぞれのリスクシナリオに対してどのように対応するかをあらかじめ決めておくのです。

そして設定したコンティンジェンシープランは、実際にリスクが顕在化した時に利用できなければ意味がありませんので、
関係者に周知する必要があります。

また周知するだけではなく定期的にその内容を研修等で身につけてもらう必要があります。

  • BCPとの違いは

このコンティンジェンシープランを考える際に似たような言葉で BCP という考え方が出てきます。

BCP は事業継続計画と訳され、災害等が発生した際に事業を継続するための計画を立てるようなアプローチとなります。

そのためよく似てはいるのですが BCP の場合はコア事業に集中するためにあえて復旧しないという選択肢もとります。

例えば a という取引先と b という取引先があるとします。

BCPのアプローチでは、より重要な取引先を特定しそちらだけ納品することも厭いません。

なぜならば、災害発生時に利用できる経営資源には限界があるため、自社が事業を継続するために重要な方と取引を続けるために、比較的重要性の低い取引先との取引を犠牲にするという判断も行う必要があるからです。

(この意味で、BCP計画は社外秘となりますし、関係部署にも秘密となるケースがあります(自分の部署が災害時に、優先順位が低いと知ってしまうとモチベーションが下がってしまいますので。))

関連用語
BCP

経営
2011年5月3日

エージェンシー問題

Comic_agency_001
エージェンシー問題とは、依頼する側(プリンシパル)の期待を依頼され代理を引き受ける側(エージェント)が裏切る可能性が常に存在する事を言います。

株式会社の例をあげてみます。

株式会社は株主が経営者という代理人に経営を依頼していると考える事が出来ます。しかし経営者の利益と株主の利益は必ずしも一致しないため、経営者は株主の利益を第一としない行動をとる可能性が常に存在しています。

例えば経営者が自己の名誉や地位を守るため、望ましくない情報を隠蔽する。収益性が劣る事を認識しながら自己の名誉のため、自分の故郷へ出店する。等のケースが考えられます。


このマンガのケースでは、いわゆる有名な先生に依頼したのですが、成果がぜんぜん上がっていないといっています。

これは、依頼した「学校の先生」側と「有名な先生」に情報のギャップがあり、「有名な先生」が何をやっているか分からなかった事に原因があります。

一般的に言われている解決策としては、以下の2つがあります。

1.情報開示
 「有名な先生」から「学校の先生」に積極的に情報を提供します。株式会社に置き換えると、IRなどが該当します。

2.アメとムチ
 「有名な先生」に対して、うまく成果を出した場合ボーナスを支払う、失敗した場合ペナルティーを科す。株式会社に置き換えると、アメとしての「ストック・オプション」の採用やムチとしての「株主代表訴訟」を活用するなどが該当します。
財務・会計
2011年4月10日

間接費 | 直接製品に紐付かない『その他の費用』ですが今はその他の費用がとても多くなっています

Comic_kansetu_001

間接費というのは発生したコストが直接に製品に結び付けられない費用の事を言います。関連した概念で直接費というものがあり、こちらは直接製品に結び付けられる費用です。

これらの事をまんがに出てきたたこ焼きとお好み焼きで説明していきますね。

■逆に直接結びつくコストって?


直接お好み焼きとたこ焼きに結びつくコストがいくつか考えられます。

■1.直接経費



まんがの例だと、お好み焼きだけで使うキャベツやお好み焼きをひっくり返すヘラ(コテ?)はお好み焼きの直接費になります。

また、たこ焼きだけで使うタコやたこ焼きを丸くひっくり返すアイスピックみたいな棒はたこ焼きの直接費となります。

これらは材料費ではないですし、働いた費用である労務費でもないので直接経費となります。

■2.直接労務費


また、お好み焼きとたこ焼きを焼くのに直接かかった時間を測定すれば、直接労務費が計算できます。

例えばお好み焼き1つ焼くのに6分かかったので時給1000円だから、100円が直接労務費ですといった感じで計算します。

■3.直接材料費



このほかにも、材料がないとお好み焼きもたこ焼きもできません。例えば、たこ焼きのたこはたこ焼きの直接材料費となります。

このように、間接費を理解するためにまずは直接費について見てみました。

■間接費とは直接費以外の原価です


と、先に直接費について説明したのには意味があります。それは間接費は直接製品に結びつけられない費用、つまり、直接費以外の費用であるといえるからです。
直接費と間接費


この図のようにそれ以外の費用といったイメージになります。それではそれ以外の費用の要素を見ていきます。

■1.間接経費



経費というのは、材料費でもなく、労務費でもないそれ以外の費用という意味です。そのため、間接経費というのは、直接製品に結びつかないそれ以外の経費といった感じです。
今回のケースですと両方で使ったガス代や器具のレンタル代など直接的にお好み焼きやたこ焼きに結び付かない費用となります。

会計用語的には減価償却費やお店の賃借料、水道光熱費などが該当します。

■2.間接労務費



お好み焼きとたこ焼きを焼くために準備した時間など、働いたけどどちらの製品のためにはたらいたかがわからないような時間が該当します。

■3.間接材料費



共通で使った材料費が該当します。今回の例だと油などが該当しますね。

そして、この間接費は何らかの基準で割り振る必要があります。

hiyoko
岐阜の実家から原価計算の相談があったのですわ。なんか、最近はぬいぐるみの部品に使う材料や直接縫っている時間よりも、そのほかの機械の減価償却費とか水道光熱費、管理する人の人件費の方が多いって事らしいの。で、その配分の仕方で製品毎の原価が大きく変わるから値段の決め方が大変らしいのですわ。


onnanoko_bustup
あー。間接費が多くなっちゃっていて、それの配賦をどうするかなのね。それって、いろんな工場が悩んでることなのよね。


neko_akire
あれ、解決策について話さないんですか?


onnanoko_bustup
こんな難しい分野の答えが出せたら、ファンシーショップ経営者じゃなくって、原価計算コンサルタントをしているわ。



今回の例でお好み焼きとたこ焼きどちらが儲かったかを考えるためにはこの間接費を何らかの基準で割り振ってあげる必要があります。

たとえばつくった数、売上額、作業時間などを用いて割り振り計算を行います。この割り振り計算を配賦計算といいます。

■今日の製造業は間接費が多くなっています


このその他の費用といった説明でピンときた人もいるかも知れませんが、今日の製造業は間接費用がとても増えています。

測定できないと管理できないので、この間接費をどのように細かく実態に合わせて配賦計算するかといった事を偉い人たちがみんなで考え改良しているのです。

この意味で間接費の概念を理解しておくことはとっても重要な事です。

解説で出てきた用語・関連用語
減価償却
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